tag:blogger.com,1999:blog-13798821584696078592024-03-19T17:31:00.393+09:00ピルとその周辺<a href="http://finedays.org/pill/">「ピルとのつきあい方」</a>ホームページのブログです。<br>「ピルとその周辺」ではタイムリーな話題や幅広い関連事項を取り上げます。<br>
<a href="https://twitter.com/ruriko_pillton">ツイッターアカウント</a>に連動し、つぶやきの真意を文章化します。<br>
↑左上の検索窓でブログ内検索ができます。Anonymoushttp://www.blogger.com/profile/15708490026898021442noreply@blogger.comBlogger126125tag:blogger.com,1999:blog-1379882158469607859.post-79498514245211125212016-03-22T19:27:00.000+09:002016-03-28T08:57:37.380+09:00緊急避妊薬の市販薬化が性感染症制圧の第一歩<br />
<table border="1">
<tbody>
<tr>
<td bgcolor="#ffd2d2"><span style="color: blue;">論旨</span><br />
<span style="color: blue;"><br />①欧米先進国では1994年よりHIV感染者は減少に転じ、日本は増加傾向が続いている。<br />この傾向が継続すれば、日本のHIV感染者は欧米を凌ぐ日が来る。</span><br />
<span style="color: blue;"><br />②欧米でも日本でも、HIV感染者に対する多剤併用療法が導入された。欧米でHIV感染者が減少しているのは、多剤併用療法の効果である。日本には未発見の、それゆえ多剤併用療法を受けていないHIV感染者が多いために、HIV感染者の減少は生じていない。</span><br />
<span style="color: blue;"><br />③日本のHIV感染者を減少させるには、欧米並みの検査率を実現し、HIV感染者に多剤併用療法を行う事が必要である。</span><br />
<span style="color: blue;"><br />④現状、日本のHIV感染者増加に寄与しているのは、男性同性愛者のHIV感染増加である。男性HIV感染者の増加には、検査の普及が関係している。</span><br />
<span style="color: blue;"><br />⑤エイズ発症者では男性同性愛者よりも異性愛者の方が多く、異性愛者の検査は同性愛者に較べて立ち後れている。</span><br />
<span style="color: blue;"><br />⑥比較的検査率の低い異性愛者はもちろん、同性愛者でも、HIV感染者を減少させるだけの検査は行われておらず、多剤併用療法の効果が限定的となっている。</span><br />
<span style="color: blue;"><br />⑦感染力が強く、潜伏期間が短く、治療が容易なクラミジアは、HIVと対称的な性感染症である。欧米を凌ぐ日本のクラミジアの感染率は、検査と治療の立ち遅れを示している。また、将来日本のHIV感染が欧米を凌ぐ事を示唆している。</span><br />
<span style="color: blue;"><br />⑧半自動的になされる性感染症検査を除くと、日本の性感染症検査は極端に少ない。保健所では無料の検査サービスを提供しているが、1保健所1日当たりの検査件数は、1件である。</span><br />
<span style="color: blue;"><br />⑨HIV感染者を欧米のように減少に転じさせるには、少なくとも200万件、望ましくは800万件の検査が必要である。検査を飛躍的に増加させる方策には、啓発・産婦人科での推奨・ノルレボ市販薬化の3つが考えられる。</span><br />
<span style="color: blue;"><br />⑩性感染症検査受診行動は、何らかのきっかけが必要である。きっかけなしに性感染症検査に出向く事はほぼあり得ない。</span><br />
<span style="color: blue;"><br />⑪古い性感染症観が支配的である中では、啓発により短期間に飛躍的に検査率を上昇させる事は困難である。</span><br />
<span style="color: blue;"><br />⑫第1の方策、啓発が受診行動に結びつかないのは、きっかけのなさと関係している。啓発を受診行動に結びつけるには、クーポンの配布などきっかけをとなる工夫が必要である。</span><br />
<span style="color: blue;"><br />⑬避妊失敗件数は400万件生じており、性感染症検査の必要な男女800万人が存在している。この800万人は、性感染症検査へのきっかけを持つ800万人である。</span><br />
<span style="color: blue;"><br />⑭第2の方策である産婦人科での推奨は、800万人に対してどれほどの有効性を持つか検討すると、極めて限定的な効果しか持ち得ない。</span><br />
<span style="color: blue;"><br />⑮第3の方策は、緊急避妊が必要な400万人が緊急避妊を受けれる体制を作り、彼女とそのパートナー800万人に性感染症検査を勧める方策である。</span><br />
<span style="color: blue;"><br />⑯800万人に性感染症検査の必要を説明する時、たとえ3/4が無視しても、母数が大きいので1/4の人が検査を受ければ200万人。現在の検査状況を一気に変えることができる。</span><br />
<span style="color: blue;"></span><br />
<span style="color: blue;">⑰性感染症はカップルの片方が感染者であっても他方がすでに感染しているとは限らない。したがって、カップルが同時に検査を受ける事が重要である。</span><br />
<span style="color: blue;"><br />⑱カップルが同時に検査を受ける文化がなければ、欧米並みの検査率に到達できない。この観点からも、緊急避妊を契機とする性感染症検査の普及が重要である。</span><br />
<span style="color: blue;"></span><br />
<span style="color: blue;">⑲3つの方策は同時に進めることができる。日本は先進国の中で唯一緊急避妊薬の市販化がなされていない国であり、推定潜在需要400万に対して10万強の処方にとどまっている。この点の改善が、性感染症検査普及の第一歩となる。</span><br />
</td>
</tr>
</tbody>
</table>
<br />
<br />
<h2>
性感染症予防に関する錯覚</h2>
<br />
日本はHIV(エイズ)感染率が低い国です。<strong>コンドームはHIVの感染予防に非常に有効です。</strong>ここまでは事実です。<br />
そこで、コンドームの使用を徹底すればHIVや他の感染症を封じ込める事ができると錯覚する人が出てきます。<br />
さらには、感染症の拡大防止のためには、コンドームの使用率を下げるおそれのある避妊法の普及を阻止する必要があると考える人がいます。<br />
つまり、ピルや緊急避妊薬の普及は性感染症の拡大を招くと考えるのです。<br />
そして、このように考える人の多くは、日本の性感染症感染率は他の国と較べて低く、コンドーム使用を徹底すれば低い感染率を維持できると考えています。<br />
しかし、<strong>日本が性感染症大国に向かって突き進んでいる事</strong>を知らないおめでたい人たちです。<br />
<br />
<h2>
性感染症大国に向かって突き進む日本</h2>
<br />
20年ほど前の事です。国内にはHIV(エイズ)の拡大を危惧する意見が強く、ピルの認可が延び延びになっていました。<br />
実はピルの認可は、性感染症戦略転換の絶好のチャンスでした。<br />
下のグラフを見て下さい。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEguWLIXT-Kj0-sde6ni1lxp3Ves4Xa8W2UVq2brZSbahHuYdFAVBmzDy5aAlw6EchYRwVZe3choVvM5Ar8d0-UO-mnAUQWiWfdAWyJpHDLF2QMTYyOShErkZ0Uoi7PquHND8mQCw6hX5q4/s1600/01.gif" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEguWLIXT-Kj0-sde6ni1lxp3Ves4Xa8W2UVq2brZSbahHuYdFAVBmzDy5aAlw6EchYRwVZe3choVvM5Ar8d0-UO-mnAUQWiWfdAWyJpHDLF2QMTYyOShErkZ0Uoi7PquHND8mQCw6hX5q4/s1600/01.gif" /></a></div>
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<span style="font-size: xx-small;">(画像修正2016.3.28。各国のピーク数値を示した。)</span></div>
<strong></strong><br />
<strong>1994年を境に先進国のエイズ患者数が急激に減少</strong>に転じています。<br />
世紀末までにピーク時から<strong>半減する減少ぶり</strong>でした。<br />
<strong>例外は日本で、逆に2倍に増加</strong>しました。<br />
(以下、HIVに関する図表は、「<a href="http://www.aidssti.com/m_001.html" target="_blank">高リスク層のHIV感染監視と予防啓発及び内外のHIV関連疫学動向のモニタリングに関する研究</a>」(主任研究者 木原正博)を基に作成。)<br />
1994年の転機をもたらしたのは、<strong>多剤併用療法の導入</strong>です。<br />
多剤併用療法には、3つの意義があります。<br />
1つは、HIV感染者が<strong>エイズを発症するのを抑止</strong>します。<br />
2つは、HIV感染者の体液中のウイルス数が減少し、<strong>感染の拡大を防止</strong>します。<br />
3つは、<strong>HIV検査を普及させ</strong>、上記1・2の効果を強化します。<br />
1994年はHIV制圧への第一歩を踏み出した記念すべき年でした。<br />
多剤併用療法は日本でも導入されています。<br />
しかし、日本ではHIV/エイズの減少につながっていません。<br />
日本では感染者も患者も増加し続けています。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgRvMQI_Hbz39P6B2N90jlPLJXtzKY-IigbHxeW3a1G6GmuGPxQ_CbCwu1GC0J7EgTMwnrUlOUYI5eqyUgYvP3y9Zj5obZCi1OgOrUOqIbaABaAcorHA03w4OjxtYOOseDfOj1OVZ_TkaA/s1600/02.gif" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgRvMQI_Hbz39P6B2N90jlPLJXtzKY-IigbHxeW3a1G6GmuGPxQ_CbCwu1GC0J7EgTMwnrUlOUYI5eqyUgYvP3y9Zj5obZCi1OgOrUOqIbaABaAcorHA03w4OjxtYOOseDfOj1OVZ_TkaA/s1600/02.gif" /></a></div>
<br />
なぜ日本では他の先進国で見られた様な効果が見られないのでしょうか。<br />
答えは明白です。<br />
多剤併用療法は、HIV/エイズの感染者・患者に対して行われます。<br />
<strong>HIV検査が一般化していない日本</strong>では、HIV感染者が発見されずに放置され、多剤併用療法も十分に行われないからです。<br />
<strong>治療を受けていないHIV感染者が、さらに感染を広げる状態</strong>になっているのです。<br />
検査と治療を重視しない限り、いつか日本は欧米よりも性感染症大国になるだろう。<br />
これはサイトを開設した1999年に考えていた事です。<br />
まだ逆転は起きていませんが、今もその考えは変わりません。<br />
今のままでは日本は欧米を凌ぐ性感染症大国になるでしょう。<br />
すでに感染力の強いクラミジアでは日本は世界有数の感染率になっています。<br />
<br />
<h2>
男性同性愛者におけるHIV/エイズの急増</h2>
<br />
HIV/エイズ感染拡大の初期段階では、男性同性愛者の感染が目立ちます。<br />
現在の日本でも、HIV/エイズ感染拡大に男性同性愛者の感染が大きく寄与しています。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEga9NFlbz-RnvWYIMMyXR2jjmKIbsjt6sTmfa9eDOFHZiuJ1_E9KB-PIdIeldZPh2fIiG7-9tohWTlejSb89z22exhP0dkQGd-yrkoXxsAur6ssWaodBBqyMYSbHHDHPUWEmBQMzUl6NdI/s1600/05.gif" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEga9NFlbz-RnvWYIMMyXR2jjmKIbsjt6sTmfa9eDOFHZiuJ1_E9KB-PIdIeldZPh2fIiG7-9tohWTlejSb89z22exhP0dkQGd-yrkoXxsAur6ssWaodBBqyMYSbHHDHPUWEmBQMzUl6NdI/s1600/05.gif" /></a></div>
<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjHA9FbRcWEqzKvr3bMSKWzZReLYDwVvA2NDkfzLBalXy7C07Jwgz5PDLqCCLCKhvzE-J1q6U2_yZwxmqjvCOux-SQe4ib9Abw-VwSbsocFx4jqHNkzljsVmPbEyuyIZvipovoPihUXZoE/s1600/04.gif" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjHA9FbRcWEqzKvr3bMSKWzZReLYDwVvA2NDkfzLBalXy7C07Jwgz5PDLqCCLCKhvzE-J1q6U2_yZwxmqjvCOux-SQe4ib9Abw-VwSbsocFx4jqHNkzljsVmPbEyuyIZvipovoPihUXZoE/s1600/04.gif" /></a></div>
<br />
男性同性愛者のHIV感染率が高くなるのは、<strong>肛門性交ではコンドームの破損事故が生じやすく、またウイルスの侵入を容易にする傷ができやすい</strong>ためです。<br />
しかし、これは日本で同性愛者のHIV感染が急増している事の説明にはなりません。<br />
同性愛者の間では、今世紀に入るとHIV検査の重要性が認識されるようになりました。<br />
検査を受ける同性愛者が増えるにつれ、見えなかったHIV感染者が露見したに過ぎないのかもしれません。<br />
下のグラフを見て下さい。<br />
左はHIV感染者です。同性愛者が55%を占めダントツの一位です。<br />
右のグラフのエイズ発症者では、一位は異性間の性的接触で、同性愛者は二位となってています。<br />
異性愛者と較べ、<strong>同性愛者では検査を受ける割合が高く、エイズ発症前に治療を受けている</strong>事を示唆しています。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjXVYW8Zj3aV7gHXgMraWwuhkruy742oeCPrFEZeA7akZZ7DcypKkx4xnv-TrrKIcwv5y_YfWvqoi0-PTLrW2NLvpSxZwU0pC2mTDScG1PWMeWe-uQiODV0QWrMJJMs9xpbffb1TQFtT18/s1600/07.gif" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjXVYW8Zj3aV7gHXgMraWwuhkruy742oeCPrFEZeA7akZZ7DcypKkx4xnv-TrrKIcwv5y_YfWvqoi0-PTLrW2NLvpSxZwU0pC2mTDScG1PWMeWe-uQiODV0QWrMJJMs9xpbffb1TQFtT18/s1600/07.gif" /></a></div>
<br />
統計上、同性愛者のHIV/エイズ感染が拡大しているのは、異性愛者と較べ同性愛者のHIV検査受診率が高いことが関係している可能性があります。<br />
それでも、諸外国で見られたような多剤併用療法によるエイズ発症率の低下は見られません。<br />
未検査・未治療のHIV感染者が多数いる事は明らかでしょう。<br />
そして、それは同性愛者だけの問題ではありません。<br />
<strong>HIV検査受診率が同性愛者より低い異性愛者には、おそらく同性愛者以上の隠れたHIV感染者がいると考えられます。</strong><br />
<h2>
</h2>
<h2>
HIV検査の充実が課題</h2>
<br />
<strong>HIV/エイズに対して多剤併用療法が導入されている現在、早期発見・早期治療は感染者本人のためにも、感染の拡大を防止するためにも重要です。</strong><br />
しかし、<span style="color: red;"><strong>検査あっての多剤併用療法</strong></span>なのです。<br />
検査の受診率が極端に低いために、多剤併用療法導入にもかかわらずHIV/エイズ拡大を阻止できてないのが日本です。<br />
<br />
献血は思わぬHIV感染を知るルートの一つでした。<br />
しかし、献血者にはリピーターが多く、献血によりHIV感染が発見されるケースは減少していきます。<br />
保健所等では無料の性感染症検査を提供しています。<br />
下のグラフはHIV検査件数を示したものです。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhqrhc2eLUh-GH_FQVBzVn0jPERcjZNxgZC0Oqp8m0rX74kbwyT1JEZ8dkC1Ql8-6qExYpLrTeFmC9OBnCwHZs1GYd-boHB3qVir7vlqaIId2i7KDo3Bn9UVkBitJVTyQpSp028tK1aZOE/s1600/03.gif" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhqrhc2eLUh-GH_FQVBzVn0jPERcjZNxgZC0Oqp8m0rX74kbwyT1JEZ8dkC1Ql8-6qExYpLrTeFmC9OBnCwHZs1GYd-boHB3qVir7vlqaIId2i7KDo3Bn9UVkBitJVTyQpSp028tK1aZOE/s1600/03.gif" /></a></div>
<br />
<strong>無料のサービスであるにもかかわらず、十万件台</strong>で推移しています。<br />
しかも、最近はむしろ減少傾向を示しています。<br />
近年、HIV感染者数は高止まり横ばいの傾向を示していますが(上のHIV感染者及びAIDS患者の年次推移のグラフを参照)、<br />
性感染症への関心が薄れるにつれ検査件数が減少傾向となっている事と関係しているかもしれません。<br />
<br />
<h2>
引き継がれる古い性感染症観</h2>
<br />
NHK高校講座の保健体育「<a href="http://www.nhk.or.jp/kokokoza/radio/r2_hoken/archive/chapter030.html" target="_blank">性感染症・エイズとその予防</a>」のページです。ウェブ・ラジオが視聴できます。<br />
<strong>性感染症は治療できる事を押さえ、検査や治療の重要性に言及</strong>しています。<br />
素晴らしい内容です。<br />
もし一般の高校でもこのような授業が行われているのなら、<br />
性感染症検査が普及しても不思議ではありません。<br />
しかし、<strong>現実は性感染症検査を受ける人は少数</strong>に留まっています。<br />
なぜなのでしょうか。<br />
古い性感染症感が継承され、補強され続けていることが関係しているように思えます。<br />
<br />
抗生物質のない時代、性病は恐い病気、忌むべき病気でした。<br />
その記憶が薄れかけたところに現れたのが、エイズでした。<br />
当初、エイズには治療薬がなく死に至る恐い病気でした。<br />
そのエイズにも治療薬が開発されていますが、<br />
<strong>性感染症は恐い病気、忌むべき病気という印象</strong>が強く残っているように感じられます。<br />
死んでしまいたくなるほど恐い病気であれば、<br />
検査への足は重くなるでしょう。<br />
<br />
性病はかつて花柳病と言われた事があります。<br />
清く正しい生活をしていれば性感染症にはかからないとの考えがありました。<br />
それは形を変えて、不特定多数との性交渉が性感染症を引き起こすとの意識を形作りました。<br />
不特定多数との性交渉は性感染症のリスクを高める事は事実です。<br />
しかし、そうでなくても性感染症にかかる事はあります。<br />
性感染症が道徳と結びついたために、<br />
<strong>性感染症にかかる事は不道徳と考えられる</strong>ようになりました。<br />
これも検査への足を重くしている要因でしょう。<br />
<br />
かつて、コンドームは性感染症から自衛する唯一の手段でした。<br />
そこへ降って湧いたのがエイズ恐慌でした。<br />
流行地から遠く離れた極東の島国である事が、<br />
日本にエイズ患者の少なかった主な理由です。<br />
しかし、コンドームの使用とエイズの少なさが関連づけて考えられ、<br />
<strong>コンドームの万能感が補強</strong>されました。<br />
ちなみに、HPVワクチンに関連して、<br />
コンドームで予防できるとの言説が多く見られました。<br />
HPVやクラミジアの感染力は非常に強く、<br />
コンドームで完璧に予防する事は事実上できません。<br />
<br />
古い性病観では、性感染症は一般の病気とは性質を異にする、<br />
<strong>悪い男/女の病気</strong>なのです。<br />
この意識が根強い中では、検査や受診の啓発は効果をあらわさないでしょう。<br />
<br />
<h2>
性感染症検査はパートナーと同時に受けるべきな理由</h2>
<br />
後で述べるように、コンドームの避妊ではかなりの頻度で事故が生じています。<br />
コンドーム事故があれば、妊娠のリスクが生じます。<br />
しかし、コンドーム事故があっても、必ず妊娠するわけではありません。<br />
同様に、コンドーム事故があれば、性感染症の感染のリスクが生じます。<br />
しかし、コンドーム事故があっても、必ず性感染症に感染するわけではありません。<br />
HIVの感染力は非常に弱く、たとえパートナーが感染者であっても、<br />
感染するリスクはそれほど高くありません。<br />
逆にHPVやクラミジアの感染力は非常に強いのですが、それでも必ず感染するわけではありません。<br />
<strong>パートナーの一方が性感染症を持っていても、パートナーの他方に必ず感染しているわけではない</strong>のです。<br />
一方のパートナーが性感染症にかかっていないことを、他方の検査で判断する事はできません。<br />
したがって、<strong>性感染症検査はパートナー同士がそろって受ける事が望ましい</strong>のです。<br />
欧米のリプロセンターなどでは、パートナーが連れ立って性感染症検査を受ける光景はありふれています。<br />
日本ではパートナー同士が同時に検査を受ける事はまれでしょう。<br />
パートナー同士が同時に検査を受ける事はまれ。<br />
ここに日本で性感染症検査の受診率が低く、性感染症拡大を食い止めれない理由があるように感じられます。<br />
日本では、パートナーに「性感染症検査を受けに行こう」と提案できないのです。<br />
この提案に<strong>予想される反応は、「何かやましい事でもしたの?」</strong>ではないでしょうか。<br />
性感染症を悪い男/女の病気と考える古い性病観が支配的である時、「性感染症検査を受けに行こう」という提案はなされないのです。<br />
<br />
<h2>
性感染症検査と"きっかけ"</h2>
<br />
上で指摘したように、日本は先進国の中でHIV感染拡大阻止に失敗している例外的な国です。<br />
そして、クラミジア感染が世界最高水準に広がっている国です。<br />
その原因は明らかです。<br />
性感染症の早期発見と早期治療がなされていないからです。<br />
木原正博の研究も、<strong><span style="background-color: white; color: red;">「主要先進国としては例外的なAIDS患者報告数の増加は、検査体制の遅れを示唆しています」</span></strong>と指摘しています。<br />
性感染症検査が一般化すれば、日本も他の先進国と同様に性感染症の拡大に歯止めをかけれます。<br />
しかし、古い性病観が支配的である中では、啓発は効果を発揮しないでしょう。<br />
<strong>性感染症検査の普及は、識者が頭の中で考えているよりもずっと困難な事</strong>なのです。<br />
その日本で性感染症検査が広く行われている場面があります。<br />
妊娠・出産です。<br />
妊娠・出産に際して性感染症検査がなされる事は一般的です。<br />
この検査でクラミジア感染が発覚するケースも少なくありません。<br />
24歳以下では女性のクラミジア感染は男性の2倍以上ですが、<br />
30歳を過ぎると男性よりも低い感染率になります。<br />
(参照 <a href="http://finedayspill.blogspot.jp/2013/10/blog-post_28.html" target="_blank">「ピルは性感染症を予防できない欠陥避妊法」のウソ、ホント</a>)<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://www.hiv100aids100.net/wp-content/uploads/%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%83%9F%E3%82%B8%E3%82%A2%E5%B9%B4%E9%BD%A2.bmp" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="http://www.hiv100aids100.net/wp-content/uploads/%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%83%9F%E3%82%B8%E3%82%A2%E5%B9%B4%E9%BD%A2.bmp" /></a></div>
<br />
女性のクラミジア感染率の低下はおそらく妊娠に伴う性感染症検査が関係しているでしょう。<br />
妊娠・出産も検査を受ける一つのきっかけです。<br />
<strong>何かのきっかけがないと性感染症検査に出向かない。</strong><br />
<strong>これはどこの国でも同じです。</strong><br />
パートナーが変わる事もきっかけです。<br />
性感染症検査はパートナーが変わる毎に行うのが理想的ですが、<br />
<strong>コンドーム破損など避妊失敗は強力な動機づけ</strong>となります。<br />
<br />
<h2>
保健所の性感染症検査は有料化すべし</h2>
<br />
保健所では無料で性感染症検査のサービスを提供しています。<br />
無料であるにもかかわらず、検査件数は10万件台です。<br />
検査件数が伸びないさまざまな要因があるでしょう。<br />
サービスが知られていない事もあるかもしれません。<br />
しかし、そのサービスを知っていても何かのきっかけがないと出向かない。<br />
それが性感染症検査の特性なのです。<br />
そうであれば、現在無料のサービスを2000円にするとよいのです。<br />
2000円ににしても検査件数が減少する事はないと思われます。<br />
<strong>有料化すると同時に、クーポンを配布</strong>します。<br />
1人で検査を受ける場合は1000円引き、2人で検査を受ける場合は4000円引きのクーポンです。<br />
クーポンは保健所で提供しているサービスの広報の役割を果たしますし、なによりも<strong>検査に出向かせるきっかけ</strong>になります。<br />
<br />
<h2>
性感染症検査の"きっかけ"としてのコンドーム事故</h2>
<br />
保健所が配るクーポンよりも格段に強力な動機づけとなるのが、コンドーム事故です。<br />
日本の避妊は圧倒的にコンドームが主流です。<br />
このコンドームには一定比率で破損などの事故が生じます。<br />
コンドーム事故がどれほどの件数生じているのか、<br />
推計してみましょう。<br />
生殖年齢女性は約4000万人ですが、<br />
パートナーのいない女性もいますし妊娠を希望している女性もいます。<br />
あるいは年に数度しか性交渉のない女性もいるでしょう。<br />
そのような事情を考慮して、1000万人の女性がコンドームを使用しとていると考えます。<br />
コンドームの年間生産量が約6億5千万個なので、一人当たり65個を消費している計算になります。<br />
コンドームのパールインデックスは、一般的使用で18、理想的な使用で2です。<br />
1000万人がコンドームを理想的に使用しても、20万人が妊娠します。<br />
コンドームの避妊失敗で妊娠する20万人の中には、中絶を選択する人もいれば出産を選択する人もいます。<br />
コンドームの避妊失敗があっても、必ず妊娠するわけではありません。<br />
妊娠するのは約5%です。<br />
つまり妊娠件数の20倍の避妊失敗が生じています。<br />
コンドームの避妊失敗で妊娠する人が20万人であれば、<br />
<strong><span style="color: red;">400万件の避妊失敗事故が発生している</span></strong>事になります。<br />
避妊失敗事故400万件に関係する男女は、800万人になります。<br />
<strong>800万人が性感染症検査を受ければ、</strong><br />
<strong>日本の性感染症問題は一瞬のうちに欧米並みになり、</strong><br />
<strong>拡大に歯止めを打つ事ができるのです。</strong><br />
このきっかけを生かすかどうかの問題です。<br />
<span style="font-family: MS Pゴシック;">
</span><br />
<h2 class="MsoPlainText" style="margin: 0mm 0mm 0pt;">
<span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";">ノルレボの婦産人科処方は性感染症問題の課題に背を向けるもの</span></h2>
<span style="font-family: MS Pゴシック;">
</span><br />
<div class="MsoPlainText" style="margin: 0mm 0mm 0pt;">
<span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";">コンドームによる避妊失敗は、性感染症検査の強い動機付けになります。<span lang="EN-US"><o:p></o:p></span></span></div>
<span style="font-family: MS Pゴシック;">
</span><span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";">これを性感染症検査に結びつけるにはどのようにすればよいのでしょう。<span lang="EN-US"><o:p></o:p></span></span><br />
<span style="font-family: MS Pゴシック;">
</span><span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";">日本は先進諸国をはじめとする各国とは異なる独自の方策を採用しています。<span lang="EN-US"><o:p></o:p></span></span><br />
<span style="font-family: MS Pゴシック;">
</span><span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";">そして、日本の方策が失敗していることは明らかです。<span lang="EN-US"><o:p></o:p></span></span><br />
<span style="font-family: MS Pゴシック;">
</span><span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";">日本では緊急避妊薬は市販化されず、病院で処方を受ける必要があります。<span lang="EN-US"><o:p></o:p></span></span><br />
<span style="font-family: MS Pゴシック;">
</span><span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";">病院で処方の際に、性感染症検査を勧めれば性感染症検査も徹底するように思うかもしれません。<span lang="EN-US"><o:p></o:p></span></span><br />
<span style="font-family: MS Pゴシック;">
</span><span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";">しかし、<strong>実際は病院処方では性感染症検査はほとんど普及しない</strong>のです。<span lang="EN-US"><o:p></o:p></span></span><br />
<span style="font-family: MS Pゴシック;">
</span><span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";">なぜでしょうか。<span lang="EN-US"><o:p></o:p></span></span><br />
<span style="font-family: MS Pゴシック;">
</span><span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";">現状を見てみましょう。<span lang="EN-US"><o:p></o:p></span></span><br />
<span style="font-family: MS Pゴシック;">
</span><span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";">現状でノルレボの処方数は<span lang="EN-US">10</span>万強です。<span lang="EN-US"><o:p></o:p></span></span><br />
<span style="font-family: MS Pゴシック;">
</span><span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";">高い価格と病院受診の二重の障壁を設ければ、ノルレボの処方数は増えません。<span lang="EN-US"><o:p></o:p></span></span><br />
<span style="font-family: MS Pゴシック;">
</span><span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";">発売時のメーカー予想では最大で<span lang="EN-US">20</span>万件です。<span lang="EN-US"><o:p></o:p></span></span><br />
<span style="font-family: MS Pゴシック;">
</span><span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";">仮に処方が<span lang="EN-US">20</span>万件になり、全件で性感染症検査が行われたとしても<span lang="EN-US">20</span>万件なのです。<span lang="EN-US"><o:p></o:p></span></span><br />
<span style="font-family: MS Pゴシック;">
</span><span lang="EN-US" style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";"><strong>20</strong></span><span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";"><strong>万件の性感染症検査では、性感染症拡大阻止の効果はほとんど期待できません</strong>。<span lang="EN-US"><o:p></o:p></span></span><br />
<span style="font-family: MS Pゴシック;">
</span><span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";">最低でも<span lang="EN-US">200</span>万件の性感染症検査が行われなければ、<span lang="EN-US"><o:p></o:p></span></span><br />
<span style="font-family: MS Pゴシック;">
</span><span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";">先進国に見られるような感染数の目立った低下は現れないでしょう。<span lang="EN-US"><o:p></o:p></span></span><br />
<span style="font-family: MS Pゴシック;">
</span><span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";"></span><br />
<span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";">病院処方では処方件数が少なくなるだけではありません。</span><br />
<span style="font-family: MS Pゴシック;">
</span><span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";"><strong>処方病院で検査を行おうとすると、検査率も上がらない</strong>のです。<span lang="EN-US"><o:p></o:p></span></span><br />
<span style="font-family: MS Pゴシック;">
</span><span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";">緊急避妊に伴う性感染症検査は処方時には行われません。<span lang="EN-US"><o:p></o:p></span></span><br />
<span style="font-family: MS Pゴシック;">
</span><span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";">潜伏期間を考慮すると3週間後の検査になります。<span lang="EN-US"><o:p></o:p></span></span><br />
<span style="font-family: MS Pゴシック;">
</span><span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";">妊娠回避の判定ができるのも3週間後です。<span lang="EN-US"><o:p></o:p></span></span><br />
<span style="font-family: MS Pゴシック;">
</span><span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";">そこで病院では3週間後の来院を促すことになります。<span lang="EN-US"><o:p></o:p></span></span><br />
<span style="font-family: MS Pゴシック;">
</span><span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";">服用後3週間後の時点で、<span lang="EN-US">98</span>%の女性は妊娠回避を自己判断できています。<span lang="EN-US"><o:p></o:p></span></span><br />
<span style="font-family: MS Pゴシック;">
</span><span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";">妊娠を回避できた<span lang="EN-US">98</span>%の女性について、性感染症検査は3週間後のワンポイントである必要はないのですが、<span lang="EN-US"><o:p></o:p></span></span><br />
<span style="font-family: MS Pゴシック;">
</span><span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";">病院ではワンポイントを指定することになります。<span lang="EN-US"><o:p></o:p></span></span><br />
<span style="font-family: MS Pゴシック;">
</span><span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";">何月何日にと指定されてもその日に待ち時間を含めて数時間の時間をやりくりできる女性ばかりではありません。<span lang="EN-US"><o:p></o:p></span></span><br />
<span style="font-family: MS Pゴシック;">
</span><span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";">特に妊娠を回避できたことがわかっている<span lang="EN-US">98</span>%の女性は、検査のための受診をパスしてしまうのです。</span><br />
<span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";"><span lang="EN-US"><o:p></o:p></span></span><br />
<span style="font-family: MS Pゴシック;">
</span><span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";">産婦人科でも男性の性感染症検査はできます。<span lang="EN-US"><o:p></o:p></span></span><br />
<span style="font-family: MS Pゴシック;">
</span><span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";">しかし、<strong>パートナー男性の性感染症検査が産婦人科で勧められることはほとんどありません</strong>。</span><br />
<br />
<span style="font-family: MS Pゴシック;"><span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";">日本の性感染症対策の課題は、早期発見と早期治療がなされていないことです。<span lang="EN-US"><o:p></o:p></span></span><br />
<span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";">性感染症検査の強力な動機付けとなる緊急避妊の普及を妨げる政策は、<span lang="EN-US"><o:p></o:p></span></span><br />
<span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";">日本の課題に背を向けるものだと思います。</span><br />
<span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";"></span> </span><br />
<h2>
<span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";">ノルレボ市販薬化による性感染症の征圧</span></h2>
<span style="font-family: MS Pゴシック;"><span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";"></span></span><span style="font-family: MS Pゴシック;"><br />
<span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";">感染症は新規感染者の前年比減少が続けば、制圧に向かいます。</span><br />
<span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";">性感染症も例外ではありません。</span><br />
<span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";"><strong>日本は先進国の中で新例外的に規感染者の増加が続いており、制圧にはほど遠い状態です。</strong></span><br />
<span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";"><strong><span style="color: red;">先進国では性感染症検査を一般化し、早期発見・早期治療により新規感染者の減少に成功</span></strong>しています。</span><br />
<span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";">日本で性感染症検査を一般化するには、緊急避妊薬の市販化が現実的な方策です。</span><br />
<span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";"><span lang="EN-US"><o:p></o:p></span></span></span><br />
<span style="font-family: MS Pゴシック;"><span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";"><span lang="EN-US"><o:p>緊急避妊薬を諸外国並みの価格で市販化すれば、</o:p></span></span><br />
<span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";"><span lang="EN-US"><o:p>年間販売数は400万件以上になるでしょう。</o:p></span></span><br />
<span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";"><span lang="EN-US"><o:p>販売に際して、妊娠の判定は3週間後に行える旨の情報を提供します。</o:p></span></span><br />
<span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";"><span lang="EN-US"><o:p>また精液が膣内に放出された状態では性感染症リスクが生じていることを説明し、</o:p></span></span><br />
<span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";"><span lang="EN-US"><o:p><strong>服用の3週間後から2か月までの間にパートナーと共に性感染症検査</strong>を受けるように勧めます。</o:p></span></span><br />
<span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";"><span lang="EN-US"><o:p>この情報提供は文書で行う必要があります。</o:p></span></span><br />
<span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";"><span lang="EN-US"><o:p>医師や薬剤師の行う口頭での説明だけでは、十分に理解されていないことが多いからです。</o:p></span></span><br />
<span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";"><span lang="EN-US"><o:p>また、情報をパートナー同士が共有するためにも、文書が有効です。</o:p></span></span><br />
<span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";"><span lang="EN-US"><o:p><strong>性感染症検査の受診を3週間後に限定せず、期間に幅を持たせることも重要</strong>です。</o:p></span></span><br />
<span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";"><span lang="EN-US"><o:p>病院の処方では妊娠判定と合わせるために3週間後の受診が指定されますが、</o:p></span></span><br />
<span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";"><span lang="EN-US"><o:p>市販薬の場合には妊娠判定と性感染検査を別にして考えることができます。</o:p></span></span><br />
<span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";"><span lang="EN-US"><o:p>ノルレボを市販薬化し400万件の利用となった場合、800万人に性感染症検査が勧められることになります。</o:p></span></span><br />
<span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";"><span lang="EN-US"><o:p>性感染症検査への強い動機付けを持った800万人です。</o:p></span></span><br />
<span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";"><span lang="EN-US"><o:p><strong>仮に800万人の1/4が検査を受けたとしても、200万人</strong>です。</o:p></span></span><br />
<span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";"><span lang="EN-US"><o:p>保健所等での性感染症検査が10万件台なので、200万人の検査がいかに大きい数字であるかわかると思います。</o:p></span></span><br />
<span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";"><span lang="EN-US"><o:p>上に、保健所の性感染症検査を有料化しクーポンを発行すべしと書きました。</o:p></span></span><br />
<span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";"><span lang="EN-US"><o:p>市販薬化されたノルレボにクーポンを付ければ、さらに検査を受ける人は増加するでしょう。</o:p></span></span><br />
<span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";"><span lang="EN-US"><o:p>緊急避妊薬を市販薬化してと性感染症の感染が拡大した国はないのです。</o:p></span></span><br />
<span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";"><span lang="EN-US"><o:p>逆に市販薬化した国は、性感染症の制圧に向かっています。</o:p></span></span><br />
<span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";"><span lang="EN-US"><o:p>日本も政策の転換を急ぐべきだと考えます。</o:p></span></span><br />
<span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";"><span lang="EN-US"><o:p></o:p></span></span> </span><br />
<h2>
<span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";"><span lang="EN-US"><o:p>性感染症検査がマナーとなる</o:p></span></span></h2>
<span style="font-family: MS Pゴシック;"><span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";"><span lang="EN-US"><o:p></o:p></span></span></span><span style="font-family: MS Pゴシック;"><br />
<span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";"><span lang="EN-US"><o:p>かつて性感染症検査は、やましさを持つ人がこっそり受けるもの</o:p></span></span></span><span style="font-family: MS Pゴシック;"><span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";"><span lang="EN-US"><o:p>でした。</o:p></span></span><br />
<span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";"><span lang="EN-US"><o:p>現在の日本では、まだそれは過去のものになっていません。</o:p></span></span><br />
<span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";"><span lang="EN-US"><o:p>ここが日本と欧米の最大の違いではないかと感じます。</o:p></span></span>
<span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";"><span lang="EN-US"><o:p></o:p></span></span><br />
<span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";"><span lang="EN-US"><o:p></o:p></span></span><br />
</span><br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<span style="font-family: MS Pゴシック;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjDX6k8Noh5mIRs6zjIg2x-6GyFNVoxAboUZ5XZSHS43q7sTRCcfRfYV81MXLSCMHpgDpktvLTbhsIJ09nkUFVlZJcD5Y_kxzkwt1Qpvo36k5UizCLKeyZmS1Sn8Z_zT0-qr8wavFDM1yI/s1600/06.gif" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjDX6k8Noh5mIRs6zjIg2x-6GyFNVoxAboUZ5XZSHS43q7sTRCcfRfYV81MXLSCMHpgDpktvLTbhsIJ09nkUFVlZJcD5Y_kxzkwt1Qpvo36k5UizCLKeyZmS1Sn8Z_zT0-qr8wavFDM1yI/s1600/06.gif" /></a></span></div>
<span style="font-family: MS Pゴシック;">
<span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";"><span lang="EN-US"><o:p></o:p></span></span><br />
<span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";"><span lang="EN-US"><o:p></o:p></span></span><br />
<span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";"><span lang="EN-US"><o:p>上の図に見るように、日本のHIV感染者の多くは30歳台以下です。</o:p></span></span><br />
<span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";"><span lang="EN-US"><o:p>若い年齢層の感染を防止することが急務です。</o:p></span></span><br />
<span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";"><span lang="EN-US"><o:p>緊急避妊の使用はこの年齢層で多くなることが予想されます。</o:p></span></span><br />
<span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";"><span lang="EN-US"><o:p>緊急避妊の市販薬化は、この年齢層の意識を変えていくことになるでしょう。</o:p></span></span><br />
<span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";"><span lang="EN-US"><o:p>もし、毎年数百万人のカップルが緊急避妊をきっかけに性感染症検査を受けるようになれば、</o:p></span></span><br />
<span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";"><span lang="EN-US"><o:p>性感染症検査のとらえ方は全く別のものになっていきます。</o:p></span></span><br />
<span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";"><span lang="EN-US"><o:p>性感染症検査を受けた同士のカップルにとって、未検査カップルのセックスはこの上もなく危なっかしく見えてきます。</o:p></span></span><br />
<span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";"><span lang="EN-US"><o:p>もし彼らが別のパートナーと性関係を持つにしても、コンドームなしでセックスするなど怖ろしく出できません。</o:p></span></span><br />
<span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";"><span lang="EN-US"><o:p>お互いに性感染症検査を受けようと提案するようになるかもしれません。</o:p></span></span><br />
<span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";"><span lang="EN-US"><o:p>性感染症検査がマナーとなっていくのです。</o:p></span></span><br />
<span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";"><span lang="EN-US"><o:p>性感染症検査がマナーとなれば、多少ともリスクがあればコンドームをきっちり使うようになります。</o:p></span></span><br />
<span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";"><span lang="EN-US"><o:p>緊急避妊薬が普及するとコンドームの使用がルーズになるのではないかと心配する向きがあります。</o:p></span></span><br />
<span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";"><span lang="EN-US"><o:p>実際は真逆です。</o:p></span></span><br />
<strong><span style="color: red;"><span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";"><span lang="EN-US"><o:p>緊急避妊薬が普及し、カップルでの性感染症検査が一般化すればするほど、</o:p></span></span><br />
<span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";"><span lang="EN-US"><o:p>コンドームきっちり使用されるようになるのです。</o:p></span></span></span></strong>
<span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";"><span lang="EN-US"></span></span><span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";"><span lang="EN-US"></span></span><span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";"><span lang="EN-US"></span></span><span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";"><span lang="EN-US"></span></span><span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";"><span lang="EN-US"></span></span><span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";"><span lang="EN-US"></span></span><span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";"><span lang="EN-US"></span></span><span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";"><span lang="EN-US"></span></span><span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";"><span lang="EN-US"></span></span><span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";"><span lang="EN-US"></span></span><span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";"><span lang="EN-US"></span></span><span style="font-family: "ms ゴシック"; mso-bidi-font-family: "MS ゴシック";"><span lang="EN-US"><o:p>この文化を若い世代から定着させていくことになるのが、緊急避妊薬の市販化です。</o:p></span></span></span><br />
<br />Anonymoushttp://www.blogger.com/profile/15708490026898021442noreply@blogger.com6tag:blogger.com,1999:blog-1379882158469607859.post-91668271764714644392015-09-11T23:14:00.000+09:002015-09-11T23:24:52.884+09:00生殖にまつわる費用の社会負担を求める論理日本の人口の長期変化を示したグラフです。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEglHk3iMo8C78qMWm-2KcQdWxIMkR5fO4lhbx_KBB-wzySWnqZkI53Y5Q8zU5WE8ezV6lApOhj8tEeJwwS3VzKzn2LrLBFOJGvq9vMclS-Hwaf6IaPlKfnsYBYtG3Auik_L6ROeWIsP5OQ/s1600/popu.png" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="235" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEglHk3iMo8C78qMWm-2KcQdWxIMkR5fO4lhbx_KBB-wzySWnqZkI53Y5Q8zU5WE8ezV6lApOhj8tEeJwwS3VzKzn2LrLBFOJGvq9vMclS-Hwaf6IaPlKfnsYBYtG3Auik_L6ROeWIsP5OQ/s400/popu.png" width="400" /></a></div>
1600年から100年余りの間で、人口は約3倍強に増えています。<br />
新田開発などによる食糧増産が人口増を可能にしました。<br />
<br />
もう一つ見逃すことのできない要因は、自作農(本百姓)の創出です。<br />
自作農経営は後継者がいて継続できます。子どもを多めに産み育てようとしたことが、人口増加の要因になったでしょう。<br />
<br />
この100年余りの間に画期的な医学の進歩も生殖技術の進歩もありません。3倍強の人口増は、出生数の増加によるものです。食料があれば、ヒトは100年で人口を3倍強にする事ができることを示しています。<br />
<br />
1700年過ぎから幕末までの約150年間、一転して人口は静止化します。食糧増産が頭打ちになる、農民の階層分化が始まり自作農が減少していくなどの要因が考えられます。<br />
<br />
では、江戸中期から幕末にかけての静止人口は、妊娠数の減少によってもたらされたのでしょうか。いいえ、おそらく妊娠数は基本的に変わらなかったでしょう。妊娠数は変わらないのに、人口は静止化したのです。<br />
<br />
この人口の静止化は、間引き・堕胎によってもたらされたと考えられます。18世紀の日本では、人為的な人口調整が広汎に行われるようになったと考えるべきです。<br />
<br />
1800年ころになると、堕胎・間引きの禁止政策を導入する藩が出てきます。これは広汎に行われるようになった堕胎・間引きに対応したものであったと考えられます。<br />
<br />
明治になると、再び人口増加が始まります。増加率は、100年間で4倍のペースです。3倍強を上回るのは寿命が長くなったことが関係していると考えられます。<br />
<br />
人口統計は、明治になると堕胎・間引きが影をひそめたことを示唆しています。広汎な間引き・堕胎が継続していれば、この人口増加ペースにはなりません。<br />
<br />
明治新政府は堕胎・間引きの禁令を発しますが、江戸期の諸藩の禁令と異なるものではありません。1880年には刑法に堕胎罪が規定されますが、すでに人口増加は始まっています。法制によって、間引き・堕胎が影をひそめたとは考えられません。<br />
<br />
近代国家の成立と共に人口増加が始まる現象は、日本に限ったことではありません。後進国であった日本で見られたのと同じ現象が、開発途上国でも見られました。<br />
<br />
近代化が緩やかに進行した先進国では人口増加率は低く、開発途上国では爆発的な人口増加になりました。日本は先進国と開発途上国の中間に位置します。<br />
<br />
近代化とともに人口増が生じるのはなぜでしょう。医学や衛生知識の進歩も1つの要因です。しかし、それだけでは爆発的とも言える人口増加を説明できません。<br />
<br />
近代化とともに人口増が生じるのは、堕胎間引きが行われなくなるからです。近代以前の人々は共同体規範に従って生活していました。人口増加を拒否する共同体規範が、堕胎・間引きを強いていたのです。<br />
<br />
近代国家の成立により、人々は共同体規範を脱し、国家規範に従うようになります。共同体規範の相対的弱化が、堕胎・間引きを消滅させたと考えられます。<br />
<br />
もし、堕胎間引きもなく、避妊もないとすると、人口は100年に3~4倍のペースで増加します。帝国主義的な侵略戦争で植民地を獲得しない限り、この人口増加圧力を吸収することはできません。<br />
<br />
日本は戦後、世界に先駆けて中絶を合法化し、家族計画運動という世界最初の国策避妊運動を行いました。それは戦争放棄を規定した憲法があったからできた事とも言えます。<br />
<br />
以上、日本について述べたことは、時期がずれたりしますが、他の先進諸国にも基本的に当てはまります。社会が必要とする人口調整を女性が、堕胎や避妊として引き受けてきたのです。<br />
<br />
そうであるならば、中絶に伴う身命のリスクを女性が負うのは不合理ではないかということになります。女性は安全な中絶を求める権利があります。それが欧米における中絶合法化運動の論理でした。<br />
<br />
同様の論理の延長線上に、女性が中絶や避妊の費用を負担するのは不合理ではないかという考えが可能になります。欧米では、中絶や避妊の費用の無料化が急速に進みました。<br />
<br />
中絶や避妊は人口増の圧力から社会を守るものであるとすると、出産もまた社会を維持するために必要なことです。そこから、出産や育児の経費が社会で負担すされるようになっています。<br />
<br />
さらに言えば、労働における男女格差は女性の生殖と強く関係しています。子どもを産むことが女性の不利益にならない社会の仕組みを作ることは男女平等の実現のために重要であり、課題として取り組まれています。<br />
<br />
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関連ツイート<br />
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<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
<div dir="ltr" lang="ja">
ぶっちゃけた話、世の中お金のある人が強く、ない人が弱いのよ。男女の不平等も男女の経済格差。これをどうにかしないと、男女平等は実現しない。経済格差がなくなれば、差別意識の問題なんてほぼ解消する。完全とは言わない、ほぼと言うけど。</div>
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/status/642192156690530304">2015, 9月 11</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" data-conversation="none" lang="ja">
<div dir="ltr" lang="ja">
男女の経済格差は、生殖と関係してるのよ。もしヒトが雌雄同体の生物(カタツムリのような)だったら、男女の経済格差は生じようがない。</div>
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/status/642192277826220032">2015, 9月 11</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" data-conversation="none" lang="ja">
<div dir="ltr" lang="ja">
男女雇用機会均等法は、労働における男女差別をなくそうとする法律。んで、これで男女格差がなくなるかというと、なくならないの。この法律は労働市場のルールを定めたに過ぎないのよね。</div>
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/status/642192380116860928">2015, 9月 11</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" data-conversation="none" lang="ja">
<div dir="ltr" lang="ja">
労働の男女格差は市場原理で生じているの。市場は女性の労働価値が低いと評価しているのね。なぜその評価が生じるかと言えば、女性が妊娠・出産(・育児)を担っているから。</div>
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/status/642192513814556672">2015, 9月 11</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" data-conversation="none" lang="ja">
<div dir="ltr" lang="ja">
生殖は社会の必要なわけよ。社会が必要とする妊娠・出産(・育児)を担っている女性が労働市場で不当な扱いを受けるのってあんまりだよね。女性の不利益は社会がカバーしてもいいんじゃない。私はそう思うのよ。</div>
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/status/642192601949450240">2015, 9月 11</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" data-conversation="none" lang="ja">
<div dir="ltr" lang="ja">
つまりね、生殖と労働が女性の不平等の根っこにあると考えるのよ。こう考える私は変わり者?そんなことはない。アメリカ最大のフェミニスト組織でリベフェミ系のNOWのサイト<a href="http://t.co/hCv3jZrvUC">http://t.co/hCv3jZrvUC</a> 昔からリプロライツと経済的公正がトップイシューなのよ。</div>
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/status/642192695960584193">2015, 9月 11</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" data-conversation="none" lang="ja">
<div dir="ltr" lang="ja">
日本のフェミニストさんがリプロで何をしたかというと、堕胎罪の廃止なんて言うトンデモ主張だよ。本気で男女不平等をなくそうとしてるのかしら。</div>
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/status/642192801854173184">2015, 9月 11</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
Anonymoushttp://www.blogger.com/profile/15708490026898021442noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-1379882158469607859.post-35908198990296216972015-08-28T22:48:00.000+09:002015-09-02T13:41:27.277+09:00堕胎罪廃止がもたらす日本の女性の不幸<h2>
日本のフェミニストだけが堕胎罪廃止を主張</h2>
<br />
戦前はどこの国にも堕胎罪だけがありました。<br />
いかなる事情があっても堕胎は犯罪だったのです。<br />
日本では1948年に、欧米では1970年前後に、<br />
堕胎罪を阻却する法律が制定されます。<br />
つまり、一定条件に当てはまる中絶について、<br />
堕胎罪の規定を無効化することにしました。<br />
これを中絶の合法化と言います。<br />
中絶の合法化の際、従来の堕胎罪を廃止した国はありません。<br />
従来の堕胎罪はそのままで、堕胎罪の阻却条項を持つ法律をつくりました。<br />
堕胎罪の阻却条項を持つ法律が制定されると、<br />
従来の堕胎罪は非合法堕胎処罰法に性格が変化します。<br />
日本の刑法堕胎罪も非合法堕胎処罰法の性格を持っています。<br />
イギリスには1861年制定のOffences Against the Person Actがあり、その58条・59条が堕胎罪です。<br />
アメリカでは少なくとも38州に堕胎罪があり、<br />
今春、インディアナ州でPurvi Patelという女性が20年の刑を言い渡され話題になりました。<br />
堕胎罪はほとんどの国に残っていますが、<br />
日本以外のどの国にも堕胎罪廃止の運動はありません。※<br />
堕胎罪は実質的に非合法堕胎処罰法なので、<br />
非合法堕胎処罰法を廃止すると中絶を合法化する法律の意味が失われてしまうからです。<br />
中絶の合法化はフェミニスト達が苦労して手にした権利です。<br />
堕胎罪を廃止し非合法堕胎の処罰をなくせば、<br />
合法化以前の闇堕胎の時代に逆戻りします。<br />
そんな馬鹿げた要求をするフェミニストはいないのです。<br />
<br />
※<br />
80年代から日本の堕胎罪廃止運動を主導してきた柳沢由実子氏は、しばしばスウェーデンのThe Abortion Act(1974:595)を引き合いに出してきました。しかし、同法9章は阻却条件に合致しない違法堕胎に対する罰則を明確に規定しています。<br />
スウェーデンで堕胎について規定したスウェーデン刑法23章は、今も有効です。<br />
<br />
<h2>
堕胎罪廃止により闇堕胎に逆戻り</h2>
<br />
日本のフェミニストの堕胎罪廃止論を受けて、<br />
日弁連は堕胎罪廃止の意見書を提出しました。<br />
参照 <a href="http://finedayspill.blogspot.jp/2015/07/blog-post_20.html" target="_blank">日弁連は堕胎罪廃止意見書を撤回すべき</a><br />
この意見書が実現するとどのようになるのでしょう。<br />
からだと性の法律をつくる女の会は、堕胎罪と母体保護法を廃止して新しい法律をつくることを提唱してきました。<br />
その案が、<a href="http://soshiren.org/houritu/houan.html" target="_blank">「避妊および人工妊娠中絶に関する法律(案)」</a>です(以下、法律案とする)。<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<br /></div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjcWncn3SrewMSLZicZWTJihCzwLENpYmnL1YMJJmGnGCFqEyH5rb-2ypZp-3P71Mc7k5Sike6SotNG_3Iy64PJy2qG3EFH3feO8EKh4DeLB-EFxNdP1jRSFM5vNFKWLYkDO6HWHcHBxF4/s1600/HOUANB.gif" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="264" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjcWncn3SrewMSLZicZWTJihCzwLENpYmnL1YMJJmGnGCFqEyH5rb-2ypZp-3P71Mc7k5Sike6SotNG_3Iy64PJy2qG3EFH3feO8EKh4DeLB-EFxNdP1jRSFM5vNFKWLYkDO6HWHcHBxF4/s320/HOUANB.gif" width="320" /></a></div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<br /></div>
この法律案は、堕胎罪廃止論の立場を集約的に示していると考えられます。<br />
法律案を基に、堕胎罪廃止がどのような状況を惹起するのか見て見ることにします。<br />
<br />
<h2>
①指定医制の廃止</h2>
<br />
世界保健機関『安全な中絶』第2版は、以下のように指摘しています。<br />
<br />
<span style="color: lime;">中絶を法律で制限することによって,中絶の件数が減少するわけでもなく,出生率が著しく上がるわけでもないこと,これとは反対に,安全な中絶サービスへのアクセスを促進する法律や政策は,中絶率や中絶件数を増加させない。</span><br />
<br />
欧米諸国では1970年前後に中絶が合法化されましたが、<br />
中絶合法化後に出生数が大きく落ち込むことはありませんでした。<br />
なぜなら、中絶合法化前に闇中絶が広汎に行われており、<br />
中絶の合法化は闇中絶を合法化するものにほかならなかったからです。<br />
闇中絶の形態はさまざまでした。<br />
最も裕福な階層は、安全な中絶を求めて中絶旅行に出かけました。<br />
非合法な中絶に高額な報酬を支払える人々は、<br />
産婦人科医に密かに依頼しました。<br />
外科医や助産師など医療関係者に依頼できる人々は、<br />
比較的ゆとりのある人でした。<br />
獣医が密かに中絶を引き受けることもありました。<br />
貧しい人々は怪しげな人に依頼するか、<br />
自己堕胎を余儀なくされました。<br />
不衛生な堕胎により多くの女性が身命の被害を受けていたのです。<br />
この問題点をなくすために、誰でも安全な中絶にアクセスできる制度が作られました。<br />
それが中絶の合法化です。<br />
中絶の合法化で中絶を行えるのは、<br />
安全に中絶を行える専門家だけに限定しました。<br />
現行の日本の制度では、母体保護法指定医師だけが中絶を行えるようになっています。<br />
諸外国では、指定医だけでなく資格を持った看護師等にも中絶を行う資格を認めている例があります。<br />
いずれにしても、安全性を担保する制度が取られています。<br />
指定医制度の廃止は、現行制度から明らかな後退です。<br />
<br />
※<br />
指定医制度の廃止は薬剤中絶の導入を視野に入れたものでしょう。<br />
薬剤中絶の成功率が100%ならば指定医制の撤廃も考慮できますが、<br />
薬剤中絶では一定比率で手術を必要とするケースが生じます。<br />
指定医制の廃止では、安全性は担保できません。<br />
<br />
<h2>
②闇堕胎の復活</h2>
<br />
法律案では、中絶を行える者は医師としています。<br />
しかし、中絶を行えるのは医師としても、罰則のない規定は実効力を持たず、実際は空文化します。<br />
現行法制では、指定医以外の者が中絶を行うと、堕胎罪により罰せられます。<br />
この罰則規定をなくすのが堕胎罪撤廃論です。<br />
法律案では、自己堕胎を行っても罰則はありません。<br />
医師以外の者が中絶を行っても罰則はありません。<br />
耳鼻科医師が中絶を行うのは合法です。<br />
つまり、合法化以前の状態に逆戻りさせるのが、<br />
法律案の特徴です。<br />
現在、堕胎罪により自己堕胎も含めて、指定医以外の中絶を禁止しています。<br />
経口中絶薬の個人輸入が禁止されているのも、<br />
堕胎罪の自己堕胎条項があるからです。<br />
堕胎罪を廃止すると中絶薬の個人輸入を禁止する根拠が失われます。<br />
金銭的にゆとりのある人は、産婦人科で中絶手術を受けるかもしれません。<br />
しかし、10万円の中絶費用がない女性は、<br />
1~2万円の中絶薬を個人輸入して使うでしょう。<br />
安全な中絶を受ける権利は吹き飛んでしまいます。<br />
そして犠牲になるのは貧しい女性です。<br />
<br />
<h2>
③「本人の意志」の尊重とは</h2>
<br />
法律案は「人工妊娠中絶を希望する者は、本人の意志のみによって人工妊娠中絶を受けることができる」と規定します。<br />
先進国の中絶法制は、女性の希望での中絶を認める方向にあります。<br />
法律案は世界の方向と合致するようにも見えます。<br />
しかし、この法律案と世界の中絶法制の方向は必ずしも一致していません。<br />
そもそも、女性の希望での中絶が認められるようになったのには、<br />
理由があります。<br />
『楢山節考』という小説があります。<br />
息子は自らの意志で、山に老婆を捨てに行ったのでしょうか。<br />
違います。<br />
村の人口を調節する共同体の掟にやむなく従ったのです。<br />
堕胎や間引きも女性の意志ではありませんでした。<br />
共同体や家を維持するためのルールが、<br />
女に堕胎や間引きを迫ったのです。<br />
現在でも好き好んで中絶する女性は1人もいません。<br />
産みたくても産めない状況があるからやむなく中絶するのです。<br />
産む事にパートナーが不同意であるからと、<br />
中絶を選ぶ女性がいます。<br />
仕事や学業を続けられないからと、<br />
中絶を選ぶ女性がいます。<br />
これは女性が中絶を選んでいるのではなく、<br />
選ばせられているのです。<br />
やむなく中絶を選ばせられている女性が、<br />
さらに身命の危険にまでさらされるのは不条理ではないか。<br />
世界のフェミニストたちが中絶合法化のために戦った理由です。※<br />
そこから導かれる中絶の自由とは、<br />
女に対する中絶強制の排除です。<br />
中絶は強制ではなく、あくまで女の意志でなくてはなりません。<br />
そのような意味での「中絶は女性の意志によって行われる」との中絶法制が普及しつつあります。<br />
では、法規に「中絶は女性の意志によって行われる」と記載すればすむのでしょうか。<br />
いいえ、それだけなら、むしろ有害です。<br />
中絶を強制された時代に逆戻りしてしまいます。<br />
第4回世界女性会議(北京会議)行動綱領は、<br />
日本を含む中絶合法化の国に対して以下のように求めています。<br />
<br />
<span style="color: lime;">望まない妊娠をした女性には,信頼できる情報と思いやりのあるカウンセリングが何時でも利用できるようにすべきである。</span><br />
<br />
たとえばドイツでは妊娠12週まで女性の求めに応じて中絶できることになっていますが、<br />
妊娠中絶に際して事前のカウンセリングを受けることが法で定められています。<br />
中絶はカウンセリング後、4日経過しないと中絶は行えません。<br />
法律案のように女性の意思確認の手続を何ら定めず、「女性の意志」で中絶ができるとするのは女性の権利を守ることにはなりません。<br />
<br />
※<br />
日本のフェミニストは、世界の中で例外的に中絶合法化闘争を経験していません。<br />
その日本は、フェミニストも含め、中絶の責任を女性の責任/男性の責任/男女双方の責任とする言説で覆い尽くされています。<br />
日本は中絶を社会的責任とするフェミニスト不在の国でした。<br />
<br />
<h2>
④胎児条項の導入と同義</h2>
<br />
健常者も障害者も命の価値に違いはありません。<br />
健常者も障害者も命の価値は同じです。<br />
かつて人種や障害者を差別し排除する優生学という偽科学が流行したことがあります。<br />
日本のフェミニストも優生学に反対してきた歴史があります。<br />
胎児診断技術の発達により、中絶可能な時期に胎児の障害が高い確率で診断できるようになりました。<br />
中絶の阻却事由に胎児の障害を加えること(胎児条項)には、<br />
賛否両論があります。<br />
法律案は胎児条項問題を女性に丸投げする形で解決しようとするものです。<br />
法律案は、中絶は女性の意志のみで行えるとしています。<br />
これは、胎児の障害が見つかった時に女性は中絶することができることを意味しています。<br />
胎児条項の是非の論議は慎重に行われるべきと考えます。<br />
法律案は、そのような問題意識を欠いています。<br />
<br />
<h2>
⑤女性の責任論を増幅</h2>
<br />
欧米諸国では中絶が合法化され、それに引き続き中絶や避妊の無料化が急速に進みました。<br />
中絶は社会的要請であり、個人的責任にのみ帰することはできないとの認識が広まっていたからです。<br />
一方日本のフェミニズムでは、中絶は殺人であり女性が責任を引き受けるべきとした田中美津が否定されることはありませんでした。<br />
田中への批判はせいぜい女性だけの責任ではなく男性にも責任があるというものでした。<br />
その日本のフェミニズムが提起しているのが、堕胎罪廃止論です。<br />
この状況で法律案が実施された場合、<br />
中絶の責任を女性が一手に引き受けることになるでしょう。<br />
水子供養はさらに繁昌することになるでしょう。<br />
法律案は日本の女性の苦しみを救うものでは決してありません。<br />
<br />
<h2>
⑥中絶や避妊の公的負担を妨害</h2>
<br />
私は中絶や避妊費用の社会的負担(たとえば保険適用)を一度も口にしたことがありません。<br />
日本の中絶費用や避妊費用が諸外国と比べて異常に高いことを知っていても、口にしたことはないのです。<br />
フェミニストの中には、保険適用を声高に叫ぶものもいます。<br />
私はなぜ保険適用を口にしないのでしょう。<br />
中絶費用や避妊費用の社会的負担には、さまざまな理由付けが行われてきました。<br />
その中で決定的に重要なのは、中絶は女性が望んで行っているのではないという認識です。<br />
この認識が社会的に共有されなければ、社会的負担は実現しません。<br />
驚くことに、日本のフェミニストは中絶や避妊について個人的責任論を受け入れているのです。<br />
個人的責任論を受け入れながら、社会的負担を求めることは整合性を持ちません。<br />
脳天気なフェミニストたちを眺めてはため息をついていました。<br />
日本の中絶や避妊の費用が異常な高さなのは、<br />
懲罰的な意味合いを帯びているからでしょう。<br />
こんな馬鹿げたことがまかり通るのは、<br />
女性の責任を否定する論理が決定的に弱いからです。<br />
個人的責任論を受け入れてしまえば、<br />
懲罰的価格にさえ抗議できないのです。<br />
法律案では、中絶は自己責任となります。<br />
法律案は、中絶を実質上合法化前の時代に引き戻すものです。<br />
中絶や避妊の社会負担はさらに遠のいてしまいます。<br />
<br />
<h2>
⑦経口中絶薬の導入を妨害</h2>
<br />
経口中絶薬による中絶は、費用負担の軽減化や心理負担の軽減など、<br />
大きなメリットがあります。<br />
日本にも経口中絶薬の導入が必要です。<br />
しかし、この法律案は経口中絶薬の導入の障害となります。<br />
この法律案の特色は、自己堕胎の容認です。<br />
自己堕胎の容認を言い換えれば、<br />
経口中絶薬を個人輸入などで入手して使用することの容認です。<br />
一方で、経口中絶薬による自己堕胎を容認しながら、<br />
他方で経口中絶薬の導入を求めることは矛盾します。<br />
法律案は経口中絶薬の導入を求めるポーズを取りながら、<br />
実際は経口中絶薬の導入を妨害するものです。<br />
<br />
<h2>
⑧カウンセリング導入を妨害</h2>
北京会議行動綱領は、中絶合法化国と中絶非合法化国に対して、それぞれ別の要求をしています。<br />中絶非合法化国に対して非罰化を求めています。<br />堕胎罪廃止論は、日本が中絶非合法国であるとの妄想的認識の上に成り立っています。<br />参照 <a href="http://finedayspill.blogspot.jp/2015/07/blog-post_20.html"><span style="color: #ffcc77;">日弁連は堕胎罪廃止意見書を撤回すべき</span></a> <br />しかし、実際は日本は中絶合法化国です。<br />北京会議行動綱領が中絶合法化国に対して、<br />
「<span style="color: lime;">信頼できる情報と思いやりのあるカウンセリングが何時でも利用できるようにすべきである</span>」<br />
としています。<br />中絶合法化の国では北京会議行動綱領にそってカウンセリングの充実が図られています。<br />ところが、日本は中絶非合法国との認識に立てば、カウンセリングの充実は要請されていないことになります。<br />実際、日本では中絶に伴うカウンセリングの問題は、ほとんど等閑視されてきました。<br />妄想的認識が、日本の中絶環境の改善を妨害しています。<br />
<br />
<h2>
⑨中絶反対派に加担</h2>
<br />
中絶を個人的悪と捉える宗教的保守勢力があります。<br />
宗教的保守勢力による中絶の権利の縮小の企ては失敗してきました。<br />
しかし、これから先も、母体保護法の改悪提案がなされると予想されます。<br />
これまでと違い、日本は人口減少社会になっています。<br />
現在の人口減少率/数は大きなものではありません。<br />
ところが、十数年後には経済活動にとって無視できない程度の人口減少率になります。<br />
中絶抑制/禁止の圧力はこれまで以上に強まると考えられます。<br />
中絶抑制/禁止論は、「中絶は女の身勝手」論に必ず立脚しています。<br />
世界のフェミニストは、「中絶は女の身勝手」論と戦ってきました。<br />
ところが、法律案はただ単に中絶を自由にせよと要求するものです。<br />
日本のフェミニストの堕胎罪廃止論/法律案は、<br />
「中絶は女の身勝手」論を裏付ける内容になっています。<br />
堕胎罪廃止論/法律案では、中絶抑制/禁止の圧力に対抗できないように思われます。<br />
<br />
<h2>
⑩中絶の権利と避妊の権利は表裏一体</h2>
<br />
完全な避妊はありません。<br />
どのような避妊法を取ろうと一定比率で意図しない妊娠が生じます。<br />
意図しない妊娠をした人の全てが産める条件を持っているわけではありません。<br />
人間は社会的制約の中で生きているからです。<br />
産む産まないの選択が女性に迫られます。<br />
この2つの選択はどちらも、女性に不利な選択でした。<br />
産まない選択は、女性に身体的・経済的負担を強いるものです。<br />
産む選択は、女性の生き方を制約するものです。<br />
これは女性に強いられている不条理でした。<br />
リベラルフェミニズムはこの不条理を重視しました。<br />
そこで、だれでもアクセスできる効果的避妊を要求しました。<br />
中絶が経済的・精神的負担にならないシステムを求めました。<br />
出産が、女性のキャリアに不利にならない社会を求めました。<br />
中絶や避妊は個人的な責任の問題ではなく、<br />
社会が女性に強いている不平等の問題と考えたからです。<br />
社会的保育の充実もシングルマザーの支援も、<br />
性の問題から発する一連の課題と考えられたのです。<br />
一方日本のフェミニズムでは、<br />
性の問題はある時は女の責任と考えられ、<br />
ある時は男女の責任と考えられました。<br />
あくまで個人的な責任の問題として捉えられたのです。<br />
日本のフェミニストが性の問題で提起したのは、<br />
堕胎罪の廃止だけです。<br />
ほとんど一枚看板といってよいでしょう。<br />
この奇妙な提案がなされるのは、<br />
堕胎罪が女性だけを処罰対象としている不平等な法律、<br />
と捉えられたからです。<br />
男女の個人的責任論の延長線上に出てきたのが、<br />
堕胎罪廃止論です。<br />
社会的責任論ではなく個人的責任論にどっぷりつかった日本のフェミニストは、<br />
ピルの認可に消極的態度を取ったり、<br />
緊急避妊薬の市販薬化に反対したり、<br />
今なお迷走を続けています。<br />
<br />
<h2>
⑪権威主義と馴れ合い</h2>
<br />
日本のフェミニストが堕胎罪廃止論を唱え始めて30年以上の年月が経過しました。<br />
堕胎罪廃止論は、およそフェミニズム的な主張ではありません。<br />
それは女性の権利に反するものです。<br />
しかし、不思議なことに堕胎罪廃止に疑義を提起するフェミニストは誰一人としていませんでした。<br />
中には、ツイッターで堕胎罪廃止論批判を「何をこじらせたのか」ともの笑いにするフェミニストもいます。<br />
諸外国の中絶法制を論じた学術論文には、堕胎罪と阻却との関係を明確に指摘している論文もあります。<br />
堕胎罪廃止論の間違いに気づいているフェミニストがいるかもしれませんが、<br />
それでも誰も声を上げません。<br />
なぜなのでしょうか。<br />
フェミニズムが合理的思想ではなく、教義になっているからではないでしょうか。<br />
教義の下でなれ合うフェミニストは、決して女性達の信頼を得ることはできません。<br />
<br />
---------------------------------------------------------------------------<br />
このエントリーは、以下の3エントリーの一部です。<br />
他のエントリーも合わせてご覧下さい。<br />
<a href="http://finedayspill.blogspot.jp/2015/05/blog-post_26.html">堕胎罪廃止を唱えるフェミニズムの質</a><br />
<a href="http://finedayspill.blogspot.jp/2015/07/blog-post_20.html">日弁連は堕胎罪廃止意見書を撤回すべき</a> <br />
堕胎罪廃止がもたらす日本の女性の不幸(このページ)Anonymoushttp://www.blogger.com/profile/15708490026898021442noreply@blogger.com3tag:blogger.com,1999:blog-1379882158469607859.post-38199113152676203832015-08-10T14:55:00.000+09:002015-08-28T22:50:58.747+09:00日弁連は堕胎罪廃止意見書を撤回すべき<span style="font-family: MS Pゴシック;">
日本弁護士連合会(以下、日弁連とする)は2013年6月21日、「<a href="http://www.nichibenren.or.jp/library/ja/opinion/report/data/2013/opinion_130621_3.pdf" target="_blank">刑法と売春防止法等の一部削除等を求める意見書</a>」(以下、意見書とする)を公表するとともに、「内閣府特命担当大臣(男女共同参画)、同年7月4日に法務大臣、厚生労働大臣、警察庁長官宛てに提出しました」。(<a href="http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/opinion/year/2013/130621_03.html" target="_blank">参照</a>)<br />堕胎罪廃止は、形式的な男女平等を求める女性運動により30年間提唱されてきたところです。<br />しかし、堕胎罪廃止論の求める形式的な男女平等が、女性に実質的な不利益をもたらすことは以下で述べるように明らかです。<br />女性に実質的な不利益をもたらす堕胎罪廃止論に日弁連が与することは、納得できません。<br />また、意見書の堕胎罪廃止理由には重大な事実誤認が含まれており、合理的な説明になっていません。<br />日弁連はただちに意見書を撤回すべきと考えます。</span><br />
<span style="font-family: MS Pゴシック;"></span><br />
<h2>
1.中絶法制の歴史</h2>
<span style="font-family: MS Pゴシック;"></span><br />
<span style="font-family: MS Pゴシック;"><strong>①多産多死と無法制の時期</strong></span><br />
未開社会には中絶法制は存在しません。<br />
病気や食糧不足などによる自然淘汰力の大きな社会では、<br />
人為的な人口調整は必要ありませんでした。<br />
したがって、堕胎を規制する法制度もまた必要ないものでした。<br />
<br />
<strong>②堕胎・間引きの発生と堕胎罪の時期</strong><br />
衛生知識の普及や食糧事情の改善などにより、<br />
人類は自然淘汰力を克服することになります。<br />
つまり、死亡率とりわけ乳幼児死亡率が低下し、<br />
人口爆発の圧力が生じます。<br />
家や共同体は人口爆発の圧力を受け入れることができなかったので、<br />
堕胎・間引きが発生します。<br />
それに対して道徳的/政治的観点から堕胎・間引きを禁じる動きが生じます。<br />
日本でいえば、1800年頃のことです。<br />
近世の堕胎禁止法は近代に引き継がれます。<br />
明治初年の太政官布達にも堕胎・間引きの禁止が見られます。<br />
1907年の刑法堕胎罪は、近世以来の堕胎禁止法を踏襲したものと見ることができます。<br />
以上の事情は、各国に共通しています。<br />
<br />
※参照 <a href="http://finedayspill.blogspot.jp/2013/01/1.html" target="_blank">避妊技術が生まれる歴史的必然性</a><br />
※参照 <a href="http://finedayspill.blogspot.jp/2013/01/2.html" target="_blank">嬰児殺しと間引き</a> <br />
※参照 <a href="http://finedayspill.blogspot.jp/2013/01/3.html" target="_blank">堕胎罪のルーツ</a><br />
※参照 <a href="http://finedayspill.blogspot.jp/2013/02/4.html" target="_blank">福祉政策としての間引き防止政策</a><br />
※参照 <span id="goog_826721168"></span><a href="http://finedayspill.blogspot.jp/2013/01/5.html" target="_blank">間引きから避妊に至る過渡期の堕胎<span id="goog_826721169"></span></a><br />
<br />
<strong>③堕胎罪に阻却条項を設ける時期</strong><br />
<br />
ロシア革命後のソ連では中絶の自由化が行われましたが、一時的な政策で終わりました。<br />
中絶合法化の流れは、戦後の日本から始まったと言えます。<br />
日本では1948年に優生保護法が制定され、<br />
中絶の合法化が始まります。<br />
欧米諸国では、1970年前後に合法化がなされます。<br />
日本と欧米に共通する中絶合法化の背景は、闇堕胎問題でした。<br />
そもそも、堕胎は人口増加圧力に対する社会的調整でした。<br />
人口増加圧力の解消がなされない以上、<br />
堕胎罪を設けても堕胎を防ぐことはできませんでした。<br />
どの国でも、闇堕胎が広範に行われていました。<br />
戦後日本の社会状況は闇堕胎の需要を急増大させたのであり、<br />
その特殊状況の中で堕胎の合法化が行われました。<br />
欧米における堕胎の合法化過程でも、<br />
闇堕胎の問題点は合法化の大きな論拠となりました。<br />
中絶の合法化は、一定条件の中絶を合法化して、<br />
安全な中絶を受けることができるようにするものでした。<br />
そのために、従来の堕胎罪はそのままに、<br />
堕胎罪を阻却する法律が作られました。<br />
<br />
<strong>④中絶の無償化の時期</strong><br />
<br />
堕胎/中絶の本質は、社会の発展にともなう人口増加圧力の調整です。<br />
個々の中絶は個人的な出来事のようであっても、<br />
巨視的に見れば社会が中絶/堕胎を必要としています。<br />
そうであるならば、女性がリスクと経費を引き受けるのは不合理です。<br />
このような考えから、避妊や中絶費用の社会負担(無償化)が進展していきました。<br />
<br />
※参照 <a href="http://finedayspill.blogspot.jp/2015/05/blog-post_26.html" target="_blank">堕胎罪廃止を唱えるフェミニズムの質<span id="goog_826721168"></span></a><br />
<br />
<span style="font-family: MS Pゴシック;"><strong>⑤自己堕胎罪廃止の時期</strong></span><br />
<br />
中絶費用が無償化されると、敢えて自己堕胎する女性はいなくなります。<br />
そこで、自己堕胎罪を廃止する国が出現します。<br />
また、病院での安全な中絶が無料であれば、闇堕胎はなくなりますので、闇堕胎規制の条項が削除されることもあります。<br />
しかし、その場合でも中絶の強要に対する罰則条項は残ります。<br />
<br />
<h2>
2.中絶法制の現状</h2>
<br />
中絶法制は、長い歴史的スパンで考えると、 上記①から⑤の方向へ進歩していると思えます。<br />
日本は18世紀までが①、19世紀から1948年までが②、1948年から現在までが③の時期に当たります。<br />
世界の国々の法制度の現状については、<a href="http://www.un.org/en/development/desa/population/publications/pdf/policy/WorldAbortionPolicies2013/WorldAbortionPolicies2013_WallChart.pdf" target="_blank">国連のまとめ</a>があります。<br />
表では、阻却条項の範囲が示されています。<br />
阻却条項の全くない場合が、②の時期に相当します。<br />
②の時期に当たる制度の国はイスラム諸国や開発途上国に見られます。<br />
多くの国は、日本と同様に一定の阻却条項を持つ③の制度となっています。<br />
7番目の阻却条項「On request」は、「本人の意思」を阻却条件とするものです。<br />
「本人の意思」が阻却条項とされるのは、<一定の妊娠週数以内で、かつ「本人の意思」がある場合>等の複合規定になっているためです。<br />
日本の中絶法制は、現在の世界の中で平均的なものであり、<br />
決して特殊なものでないことを確認しておく必要があります。<br />
多くの先進国は④の歴史過程にあり、その中の一部が⑤に到達しています。<br />
日本はいち早く③の歴史段階に到達したにもかかわらず、そして先進国であるにもかかわらず、④の歴史段階に進めないでいます。<br />
<br />
<h2>
3.意見書の要旨</h2>
<br />
意見書の構成は、以下の通りです。<br />
<br />
<span style="color: lime;">第1 意見の趣旨</span><br />
<span style="color: lime;">第2 意見の理由</span><br />
<span style="color: lime;">1 はじめに</span><br />
<span style="color: lime;">2 現行法制定の経緯~両性の平等の視点の欠落~</span><br />
<span style="color: lime;">3 人工妊娠中絶について</span><br />
<span style="color: lime;"> (1) 堕胎罪(刑法第212条から第214条まで)の廃止について</span><br />
<span style="color: lime;"> ① 女性差別撤廃委員会の勧告・国連諸機関の見解</span><br />
<span style="color: lime;"> ② 世界保健機関(WHO)の見解</span><br />
<span style="color: lime;"> ③ 「胎児の生命」の保護・尊重との関係</span><br />
<span style="color: lime;"> ④ 堕胎罪適用の現状</span><br />
<span style="color: lime;"> ⑤ 刑罰処罰に代わる施策</span><br />
<span style="color: lime;"> ⑥ 当連合会の意見</span><br />
<span style="color: lime;"> (2) 母体保護法第14条の人工妊娠中絶における配偶者の同意ついて</span><br />
<br />
罰則規定のある堕胎罪は男女平等に反するものであり、国連等の国際機関により廃止が求められているところであるとし、堕胎罪の規定を削除するように求める内容です。<br />
<span style="font-family: MS Pゴシック;">上記2で見たように、日本の現行中絶法制は世界の平均的な法制です。<br />その日本に対して、是正勧告が行われることは奇妙な事です。<br />また、中絶/堕胎の強制に対しては、どの国も罰則規定を残しています。<br />意見書は中絶/堕胎を行う者に対する罰則規定も廃止するよう求めています。<br />これも奇妙な事です。<br />どうしてこのような奇妙な提案がなされるのか、以下で検討することとします。</span><br />
<span style="font-family: MS Pゴシック;"></span><br />
<h2>
4.意見書の著作権問題</h2>
<br />
<span style="font-family: MS Pゴシック;">意見書は日弁連両性の平等に関する委員会の議を経て、日弁連の公式文書として提起されているものと理解します。</span><br />
<span style="font-family: MS Pゴシック;">しかし、意見書は両性平等委員会の調査に基づいてまとめられたものではありません。<br />意見書は、すぺーすアライズ翻訳『安全な中絶 医療保険システムのための技術及び政策の手引き』第2版、2013(以下、『安全な中絶』とする)の「あとがき」と同一論旨であり、意見書文章の約8割は『安全な中絶』からの「引用」となっています。</span><br />
<table align="center" cellpadding="0" cellspacing="0" class="tr-caption-container" style="margin-left: auto; margin-right: auto; text-align: center;"><tbody>
<tr><td style="text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEg8qFLl77Ft4j9EPPEuDXXMv4SI69CULuxoQszxKapKtep5ertStZ8ySZERw3f0jAtpIK3ThgZLp99vFTfpNXHjZbzm_NTxOncvab9lX2_Ps3Wzmzo75uHX7mm276hzWSTsvum0iWu_7uE/s1600/nichibenren01.gif" imageanchor="1" style="margin-left: auto; margin-right: auto;"><img border="0" height="320" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEg8qFLl77Ft4j9EPPEuDXXMv4SI69CULuxoQszxKapKtep5ertStZ8ySZERw3f0jAtpIK3ThgZLp99vFTfpNXHjZbzm_NTxOncvab9lX2_Ps3Wzmzo75uHX7mm276hzWSTsvum0iWu_7uE/s320/nichibenren01.gif" width="200" /></a></td></tr>
<tr><td class="tr-caption" style="text-align: center;">両者は注記の内容まで一致しています。</td></tr>
</tbody></table>
<span style="font-family: MS Pゴシック;">しかし、意見書には『安全な中絶』からの引用である旨の明記は見られません。</span><br />
著作権法上の疑義があると言わざるを得ません。<br />
その点はさておき、すぺーすアライズは、国連・女性差別撤廃委員会による日本の政府報告書審査にかかわった団体です。<br />
『安全な中絶』あとがきには、「この審査においては、本書を翻訳したすぺーすアライズからも審査が実施されたニューヨークにNGO として参加し、NGO レポートの提出や、ランチブリーフィングでの発言の機会を与えられ、中絶の非犯罪化を求めてアピールをした。」と書かれています。<br />
つまり、国連・女性差別撤廃委員会の報告書はすぺーすアライズの見解を反映したものであり、すぺーすアライズは採用された見解を基に『安全な中絶』あとがきを書いているのです。<br />
その『安全な中絶』あとがきをほぼ丸写ししたものが、日弁連意見書です。<br />
一NPOの見解に、国連と日弁連が、二重に権威づけを行っていることになります。<br />
<br />
<h2>
5.根拠とされる国際的合意</h2>
<br />
意見書は以下のように指摘しています。<br />
<br />
<span style="color: lime;">女性差別撤廃委員会は日本政府に対し,「人工妊娠中絶を選択する女性が刑法に基づく処罰の対象となり得ることを懸念する」(女性差別撤廃委員会第6回報告書審査総括所見第49段落),「委員会は,女性と健康に関する委員会の一般勧告第24号や『北京宣言及び行動綱領』5に沿って,人工妊娠中絶を受ける女性に罰則を科す規定を削除するため,できる限り人工妊娠中絶を犯罪とする法令を改正するよう締約国に勧告する」(同第50段落)としている。</span><br />
<br />
ここで示されている文書は3件です。<br />
『北京宣言及び行動綱領』は、1995年に取り決められた大綱的文書です。<br />
「女性と健康に関する委員会の一般勧告第24号」は、『北京宣言及び行動綱領』の内容を受け、具体・詳細に記した1999年の文書です(以下では、「一般勧告第24号」」とする)。<br />
上記2文書を受け、各国政府になされた勧告が2009年の「女性差別撤廃委員会対日本政府勧告」です。<br />
<br />
意見書は、上記3文書のほか、拷問等禁止条約(日本は1999年加入、同年発効)、「自由権規約」(「市民的及び政治的権利に関する国際規約」(日本は1979年批准・発効)および世界保健機関から出版された『Safe abortion: technical and policy guidance for health systems』第2版(2012年)の3文書をあげ、堕胎罪が廃止されるべき根拠としています。<br />
<br />
意見書は計6件の国際条約等を上げて、堕胎罪廃止の理由としています。<br />
意見書は、日本の堕胎罪が廃止されるべきは国際社会の合意であることを以下のように強調しています。<br />
<span style="font-family: MS Pゴシック;">
</span><br />
<div class="MsoNormal" style="margin: 0mm 0mm 0pt;">
<span lang="EN-US" style="color: lime;"><o:p>人工妊娠中絶の処罰が女性のみを処罰するものであって,その不当性,不平等性は堕胎罪が存在する限り消滅しないことは,国際人権分野では確立した見解となっている。国連人権理事会が選任した「全ての人にとっての達成可能な最高水準の健康の享受についての特別報告者」は,その報告書において,中絶の犯罪化は,女性差別であり,即時の撤廃義務があると明確な見解を示している(A/66/254)。</o:p></span></div>
<div class="MsoNormal" style="margin: 0mm 0mm 0pt;">
<span lang="EN-US"><o:p></o:p></span> </div>
<div class="MsoNormal" style="margin: 0mm 0mm 0pt;">
<span lang="EN-US"><o:p>しかし、1995年の北京会議以来中絶をめぐっては諸国間に極めて深刻な対立があり、中絶の合法化についてさえも十分な合意がなされていないことは周知の事実です。</o:p></span></div>
<div class="MsoNormal" style="margin: 0mm 0mm 0pt;">
<span lang="EN-US"><o:p>日本は国連加盟国の中で標準的な中絶法制を持つ国であり、日本の中絶法制が国際的合意から逸脱しているとは、にわかに信じがたいものがあります。</o:p></span></div>
<span style="font-family: MS Pゴシック;">
意見書が根拠とする6件の国際条約等は、日本に堕胎罪の廃止を迫るものなのでしょうか。</span><br />
<span style="font-family: MS Pゴシック;">以下で、6件のそれぞれについて検証してみることにします。</span><br />
<br />
<h2>
6.第4回世界女性会議(北京会議)行動綱領について</h2>
<br />
意見書の注記には、「1995年第4回世界女性会議(北京会議)行動綱領の106(k)には『違法な妊娠中絶を受けた女性に対する懲罰措置を含んでいる法律の再検討を考慮すること。』と明記されている」との指摘がなされています。<br />
<br />
行動綱領の当該部分は以下の通りです。<br />
<br />
<span style="color: cyan;">(k)「国際人口・開発会議」の「行動計画」のパラグラフ8.25は,以下のように述べている。</span><br />
<span style="color: cyan;">「いかなる場合も,妊娠中絶を家族計画の手段として奨励すべきでない。全ての政府,関連政府間組織及びNGOは,女性の健康への取り組みを強化し,安全でない妊娠中絶(注16)が健康に及ぼす影響を公衆衛生上の主要な問題として取り上げ,家族計画サービスの拡大と改善を通じ,妊娠中絶への依存を軽減するよう強く求められる。</span><br />
<span style="color: cyan;">望まない妊娠の防止は常に最優先課題とし,妊娠中絶の必要性をなくすためにあらゆる努力がなされなければならない。</span><br />
<span style="color: cyan;">望まない妊娠をした女性には,信頼できる情報と思いやりのあるカウンセリングが何時でも利用できるようにすべきである。</span><br />
<span style="color: cyan;">健康に関する制度の中で,妊娠中絶に関わる施策の決定またはその変更は,国の法的手順に従い,国または地方レベルでのみ行うことができる。</span><br />
<span style="color: cyan;"><strong>妊娠中絶が法律に反しない場合,</strong>その妊娠中絶は安全でなければならない。女性が妊娠中絶による合併症に対しては,いかなる場合も女性が質の高いサービスを利用できるようにしなければならない。また,妊娠中絶後にはカウンセリング,教育及び家族計画サービスが即座に提供される必要があるが,それらの活動は妊娠中絶が繰り返されることを防ぐことにも役立つ。」</span><br />
<span style="color: cyan;"><u>違法な妊娠中絶を受けた女性に対する懲罰措置を含んでいる法律の再検討を考慮すること。</u></span><br />
<br />
上述したように、日本を含む多くの国では妊娠中絶が合法化されています。妊娠中絶が合法化されている国について述べているのが、「<strong>妊娠中絶が法律に反しない場合」</strong>以下の部分です。<br />
一方、堕胎が非合法(阻却条項がない)で、全ての堕胎が違法である国も存在します。<br />
<strong>妊娠中絶が法律に反する場合</strong>、中絶を合法化するよう記載すべきだと主張する欧州連合(EU)などと、中絶の合法化を断固として拒否するローマ・カトリック法王庁やイスラム諸国が激しく対立しました。<br />
妥協が模索された結果、付け加えられたのが「違法な妊娠中絶を受けた女性に対する懲罰措置を含んでいる法律の再検討を考慮すること」でした。<br />
以上の経過から明らかなように、この一文は妊娠中絶が非合法の国について述べたものです。<br />
しかも、妊娠中絶が非合法の国に対して、中絶を合法化することさえ求めておらず、せめて当事者女性に対する罰則の再検討を求めているだけです。<br />
(それでもなお、ローマ・カトリック法王庁は、女性と健康の節について全体的留保を表明しています)。<br />
以上をまとめると、日本を含む妊娠中絶が合法化されている国に対して、「懲罰措置」の再検討を求めているわけではありません。<br />
したがって、北京会議行動綱領の審議経過や文脈を無視し、中絶非合法国に対する一文を以て堕胎罪廃止の根拠とする事はできません。<br />
<br />
<h2>
7.女子差別撤廃委員会による一般勧告第 24 号について</h2>
<br />
「第4回世界女性会議(北京会議)行動綱領」の内容を具体的に記したものが、<a href="http://www.gender.go.jp/international/int_kaigi/int_teppai/pdf/kankoku1-25.pdf" target="_blank">女子差別撤廃委員会による一般勧告第 24 号</a>(第 20 回会期、1999 年)です。<br />
<br />
一般勧告第 24 号で中絶に関係する記述は以下の2カ所です。<br />
<br />
<span style="color: cyan;">(14パラグラフ)</span><br />
<span style="color: cyan;">(前略)女性が適当な保健サービスを享受する機会を阻む他の障害には、女性だけに必要とされる医療処置を刑事罰の対象とする法律や、それらの処置を受けた女性を罰する法律などが含まれる。</span><br />
<span style="color: cyan;">(31パラグラフ(c))</span><br />
<span style="color: cyan;">(前略)可能な場合は、妊娠中絶を刑事罰の対象としている法律を修正し、妊娠中絶を受けた女性に対する懲罰規定を廃止すること。</span><br />
<br />
上記文脈で「女性だけに必要とされる医療処置」は中絶を意味します。<br />
医療処置としての中絶を受けた女性が刑事罰の対象となるのは、<br />
中絶が合法化されていない国です。<br />
中絶が合法化されている国、たとえば日本では、病院で中絶処置を受けることは刑事罰の対象ではありません。<br />
中絶を合法化し病院で中絶処置を受けることを刑事罰の対象から除外した国では、病院で中絶処置を受ける機会は妨げられません。<br />
<br />
一方、中絶が非合法で病院で中絶処置を受けることを刑事罰の対象とする国では、病院で中絶を受ける機会は閉ざされています。<br />
そのことを「女性が適当な保健サービスを享受する機会を阻む他の障害」として指摘しているのです。<br />
第4回世界女性会議(北京会議)では、中絶の合法化を求める国々は、闇堕胎による女性の健康権利の侵害をなくすために中絶の合法化を盛り込むべきだと主張しました。<br />
一般勧告第 24 号は、中絶という直接的な表現を避け「女性だけに必要とされる医療処置」との婉曲な表現を用いながら、中絶の合法化を求める国々の主張を取り入れたのです。<br />
<br />
問題となっているのは、中絶非合法の国の中絶問題です。<br />
一般勧告第 24 号は、「第4回世界女性会議(北京会議)行動綱領」を踏襲して、中絶非合法の国であっても、せめて女性に対する罰則規定だけでも廃止するよう求めています。<br />
一般勧告第 24 号は「第4回世界女性会議(北京会議)行動綱領」の内容を具体化したものですから、その趣旨に沿って解釈するのが妥当です。<br />
そうであるならば、各パラグラフの意味は以下のようになります。<br />
<br />
(14パラグラフ)の意味<br />
女性だけに必要とされる医療処置すなわち中絶を刑事罰の対象とする法律や、それらの処置を受けた女性を罰する法律がある場合、処罰を恐れる女性は闇中絶を余儀なくされるが、それは女性が適当な保健サービスを享受する機会を阻む他の障害である。<br />
(31パラグラフ(c))の意味<br />
中絶が非合法である場合には女性は闇中絶を余儀なくされるのであり、女性のセクシュアル・ヘルス及びリプロダクティブ・ヘルスの阻害要因となるのであるから、可能な場合は、妊娠中絶を刑事罰の対象としている法律を修正し、妊娠中絶を受けた女性に対する懲罰規定を廃止すること。<br />
<br />
繰り返しますが、中絶を受けた女性に対する処罰規定は、女性が適当な保健サービスを享受する機会を阻む障害となるとの指摘を「一般勧告第 24 号」は行っています。<br />
日本を含む中絶合法化の法体系を持つ国では、適当な保健サービスすなわち病院での中絶が忌避されることはありません。<br />
一方、中絶が非合法の国では、適当な保健サービスすなわち病院での中絶を忌避し闇中絶することになります。<br />
「一般勧告第 24 号」は、中絶非合法国の法の改善を求めているものであり、日本など中絶合法国について言っているものではありません。<br />
<br />
<h2>
8.女性差別撤廃委員会の日本政府に対する勧告</h2>
<br />
意見書は以下のように指摘しています。<br />
<br />
<span style="color: lime;">女性差別撤廃委員会は日本政府に対し,「人工妊娠中絶を選択する女性が刑法に基づく処罰の対象となり得ることを懸念する」(女性差別撤廃委員会第6回報告書審査総括所見第49段落),「委員会は,女性と健康に関する委員会の一般勧告第24号や『北京宣言及び行動綱領』5に沿って,人工妊娠中絶を受ける女性に罰則を科す規定を削除するため,できる限り人工妊娠中絶を犯罪とする法令を改正するよう締約国に勧告する」(同第50段落)としている。</span><br />
<br />
勧告の内容を検討する前に、勧告の作成経緯について述べておきます。<br />
勧告は委員会が独自の調査を行ってまとめたものではありません。<br />
各国NGO等への聞き取り調査の結果をまとめたものです。<br />
したがって、積極的なロビー活動を行ったNGO等の見解を反映したものになっています。<br />
たとえば、二次表現規制について国内の合意はなされていませんが、<br />
勧告には二次表現規制を主張するNGOの見解が反映されています。<br />
中絶問題についてロビー活動を行ったのは、すぺーすアライズです。同団体訳の『安全な中絶』あとがきには、「国連・女性差別撤廃委員会による、日本の政府報告書審査に対する総括所見(2009 年)は、人工妊娠中絶を刑事罰の対象とする法律の改廃を求めている。ちなみにこの審査においては、本書を翻訳したすぺーすアライズからも審査が実施されたニューヨークにNGOとして参加し、NGOレポートの提出や、ランチブリーフィングでの発言の機会を与えられ、中絶の非犯罪化を求めてアピールをした。」と記されています。<br />
すぺーすアライズは、国連・女性差別撤廃委員会に対して、どのような説明を行ったのでしょうか。<br />
<br />
<a href="http://www.gender.go.jp/international/int_kaigi/int_teppai/pdf/CEDAW6_co_j.pdf" target="_blank">対日本政府女性差別撤廃委員会勧告</a>と<a href="http://www.gender.go.jp/international/int_kaigi/int_teppai/pdf/CEDAW6_co_e.pdf" target="_blank">その英文</a>の該当部分は以下の通りです。<br />
<br />
<span style="color: cyan;">(49パラグラフ)</span><br />
<span style="color: cyan;">(前略)委員会はまた、十代の女児や若い女性の人工妊娠中絶率が高いこと、また、人工妊娠中絶を選択する女性が刑法に基づく処罰の対象となり得ることを懸念する。</span><br />
<span style="color: cyan;">It is also concerned at the high ratio of abortion amoung teenage girls and young women and at the fact that who elect to undergo abortion can be subjectived to punishment under the Penal Code.</span><br />
<span style="color: cyan;">(50パラグラフ)</span><br />
<span style="color: cyan;">(前略)委員会は、女性と健康に関する委員会の一般勧告第24号や「北京宣言及び行動綱領」に沿って、人工妊娠中絶を受ける女性に罰則を科す規定を削除するため、可能であれば人工妊娠中絶を犯罪とする法令を改正するよう締約国に勧告する。</span><br />
<span style="color: cyan;">The Committee recommends that the State party amend, when possible, its legisiation criminalizing abortion in order to remove punitive provisions imposed on women who undergo abortion, in line with the Comimttee general recommendation No.24 on women and health and the Beijing Declation and Platform for Action.</span><br />
<br />
形式的男女平等を重んじ、堕胎罪の廃止を早くから主張していたすぺーすアライズは、中絶を合法化する母体保護法の存在に触れることなく、堕胎罪についてだけ説明した可能性があります。<br />
堕胎罪についてだけ説明されれば、委員会は日本が中絶が非合法の国であると誤認するでしょう。<br />
上述したように、「北京宣言及び行動綱領」や一般勧告第24号は、中絶非合法の国に対してのみ、せめて女性への罰則条項を削除するよう求めました。<br />
50パラグラフは、まさに日本は中絶非合法国との認識を委員会が持っていたことを如実に示しています。<br />
また、英語原文のundergo abortionは、(病院などで)中絶手術を受けるとのニュアンスです。<br />
日本は他の多くの国と同様に、病院で受ける一定の阻却条件に適する中絶は合法ですし、病院での中絶は処罰対象ではありません。<br />
病院で受ける中絶について処罰しないように求める勧告は、委員会が日本は中絶非合法国と誤認したからなされたものです。<br />
このような誤認を招いたすぺーすアライズのロビー活動は、国辱的とも表しうるものです。<br />
かかる事情を何ら検証せずに、すぺーすアライズの主張を丸呑みして意見書とした日弁連の責任は重大です。<br />
<br />
<h2>
9.中絶合法国に対して中絶の無罰化が求められない理由</h2>
<br />
「北京宣言及び行動綱領」や一般勧告第24号は、中絶非合法国に対して、中絶を受ける女性への処罰規定削除を求めています。<br />
一方、中絶合法国に対しては、中絶を受ける女性への処罰規定削除を求めていません。<br />
北京会議以来、中絶合法国における中絶を受ける女性への処罰規定削除を求めたのは、日本のフェミニストだけです。<br />
中絶合法国にあっても、阻却条件を満たさない中絶に対しては処罰条項が設けられています。<br />
それは日本だけでなく、ほとんどの中絶合法国について言えることです。<br />
中絶合法国の阻却条件を満たさない中絶に対する処罰条項削除が求められないのには、理由があります。<br />
中絶合法国では、中絶を原則違法とした上で(堕胎罪を存置)、一定の阻却条項を設ける法制度を取っています。<br />
原則違法の罰則規定を削除すれば、阻却の意味が失われます。<br />
たとえば、原則違法の処罰規定をなくし、経済的理由による「阻却」を認めると、阻却の意味が実質的に失われ、闇中絶の横行を招いてしまいます。<br />
詳しくは、<a href="http://finedayspill.blogspot.jp/2015/05/blog-post_26.html" target="_blank">堕胎罪廃止を唱えるフェミニズムの質--ガラパゴス化したフェミニズム</a>を参照のこと。<br />
<br />
<h2>
10.拷問等禁止条約</h2>
<br />
<span style="font-family: MS Pゴシック;">意見書は、「かかる中絶への制限的法律は,国連・自由権規約や拷問等禁止条約での拷問等にも該当する」と指摘しています。</span><br />
日本は1999年に拷問等禁止条約加入し、同年に発効しています。<br />
拷問とは権力による個人に対する暴力的行為そのものであり、拷問の概念が法律にまで拡大されているとは、にわかには信じられません。<br />
<span style="font-family: MS Pゴシック;"><br />意見書の記述は以下のようななっています。</span><br />
<span style="font-family: MS Pゴシック;"><br /><span style="color: lime;">「国連拷問等禁止委員会の一般的意見22では,「女性が拷問の危険にさらされている状況には,特に性と生殖に関する決定権を奪われること及び共同体や家庭における私人による暴力が含まれる。」と記載している。国際社会は,妊娠した女性本人が望まない妊娠について,本人以外が妊娠の継続を強いるという人権侵害を国家が放置することを拷問と位置付けている。」</span></span><br />
<span style="font-family: MS Pゴシック;"><br />この見解について検討してみましょう。</span><span style="font-family: MS Pゴシック;">まず、「国連拷問等禁止委員会の一般的意見22」と書かれていますが、そのような文書は存在しません。<br />これは「国連拷問等禁止委員会」の「一般的意見2」の22パラグラフの間違いでしょう。(参照 <a href="http://tbinternet.ohchr.org/_layouts/treatybodyexternal/" target="_blank">英語原文</a>)。<br />当該パラグラフは、以下の通りです(意見書は下線部を抄訳しています)。</span><br />
<span style="font-family: MS Pゴシック;"><br /><span style="color: cyan;">State reports frequently lack specific and sufficient information on the implementation of the Convention with respect to women. The Committee emphasizes that gender is a key factor, which intersects with other identifying characteristics or status of the person such as race, nationality, religion, sexual orientation, age, immigrant status etc. to determine the ways that women are subject to or at risk of torture or ill-treatment and the consequences thereof. <strong><u>The contexts in which women are at risk include deprivation of liberty, medical treatment, particularly involving reproductive decisions, and violence by private actors in communities and homes. </u></strong>Men are also subject to certain gendered violations of the Convention such as rape or sexual violence and abuse. Both men and women and boys and girls may be subject to violations of the Convention on the basis of their actual or perceived non-conformity with socially determined gender roles. States Parties are requested to identify these situations and the measures taken to punish and prevent them in their reports. </span></span><br />
<br />
下線部を直訳してみました。<br />
<u>女性がリスクに晒される状況には、①自由の剥奪や特に性的意思決定を含む医療措置の剥奪、及び②地域や家における</u><u>私人による</u><u>暴力が含まれる。</u><br />
<u></u><br />
「性的意思決定権を含む医療措置の剥奪」の意味するところは、強制堕胎や闇堕胎の強制と解すべきでしょう。<br />
この文章から、国際社会は堕胎罪を拷問に該当すると認定しているとするのは、あまりに強引です。<br />
<br />
<br />
<h2>
11.自由権規約</h2>
<br />
「意見書」は、「かかる中絶への制限的法律は,国連・自由権規約や拷問等禁止条約での拷問等にも該当する」と指摘しています。<br />
日本は、「市民的及び政治的権利に関する国際規約」を1979年に批准し、同年に発効しています。<br />
堕胎罪が自由権規約に違背することを「意見書」は以下のように説明しています。<br />
<br />
<span style="color: lime;">自由権規約委員会は,女性のリプロダクティブ・ヘルスが,身体的・心理的な尊厳の一部であり,その保護の重要性に焦点を当て,このような権利のいかなる侵害も自由権規約第7条違反を引き起こしうるとして「締約国が女性の生殖機能に関連するプライバシーを尊重することに欠けるかもしれない他の領域は,例えば不妊に関する決定権限が夫にあるところや,一定の子ども数や年齢制限のある一般的な要件が女性の不妊に課せられるところ,又は締約国が中絶をした女性の医師や保健関係の職員に法的義務を課して事例報告をさせるところである。このような場合には,規約上の他の権利,例えば第6条や第7条のような権利が危険に瀕してしまうかもしれない。」と記している7。</span><br />
<span style="color: lime;"></span><br />
<span style="color: lime; font-family: MS Pゴシック;">
<span style="color: lime;">7 Committee on Civil and Political Rights, General Comment No. 28 on article 3 ICCPR,<br />UN Doc.CCPR/C/21/Rev.1/Add.10, para 20<br />特に,中絶の制限に対して,アイルランド政府に対する自由権規約の総括所見において,同委員会は,「女性が妊娠の継続を強いられることは自由権規約第7条や一般的意見28から導き出される義務に違背するところであるが,このようなことが起きないよう保障するよう要望して」いる(Committee on Civil and Political Rights, Concluding Observations on Ireland,second periodic report)。自由権規約委員会は,「委員会は,子どもに特別な保護を与える規約第24条と同様に第7条に従っているかを評価するために,女性に対する強姦を含む,夫婦間及びその他の形態の暴力に関して国内の法律及び慣行について情報を得る必要がある。委員会は又,締約国が強姦された結果妊娠した女性に安全な中絶をする手段があるかどうかを知る必要がある。締約国は又,委員会に対して強制的な中絶及び不妊を避けるための措置に関して情報を提供すべきである」 として(Committtee on Civil and Political Rights, General Comment No. 28, UN Doc.CCPR/C/21/Rev.1/Add.10,para 11),中絶の強制や,性暴力の結果としての妊娠中絶のアクセスの制限について,自由権規約第7条違反であると述べている。</span></span><br />
<br />
自由権規約で問題となるのは、堕胎の強制や中絶機会の剥奪です。<br />
日本は他の多くの国連加盟国と同じように、中絶を合法化する法制度を持つ国であり、自由権規約に抵触しません。<br />
日弁連は「意見書」において、日本が一部のカトリック/イスラム教諸国と同様に中絶を合法化していない国である、との驚くべき見解を示しています。<br />
<div class="MsoNormal" style="margin: 0mm 0mm 0pt;">
<span lang="EN-US"><o:p></o:p></span> </div>
<h2>
12.『Safe abortion: technical and policy guidance for health systems』第2版</h2>
<br />
「意見書」は、2012年に公表された世界保健機関(WHO)『Safe abortion: technical and policy guidance for health systems』第2版を堕胎罪廃止の根拠としてあげています。<br />
<br />
<br />
「意見書」は同書について以下のように説明しています。<br />
<br />
<span style="color: lime;">2012年6月に,世界保健機関(WHO)から出版された『Safe abortion: technical and policy guidance for health systems』第2版においても,中絶に対する処罰規定が女性に必要な医療サービスへのアクセスを阻むものであるとして妊娠中絶の非犯罪化を求めており,また,中絶を法律で制限することによって,中絶の件数が減少するわけでもなく,出生率が著しく上がるわけでもないこと,これとは反対に,安全な中絶サービスへのアクセスを促進する法律や政策は,中絶率や中絶件数を増加させないことを指摘している。また,「中絶が法律により制限されているかどうかにかかわりなく,女性が予期しない妊娠を中絶する確率はほぼ一定です。中絶に対する法的制限のため,多くの女性が他の国でサービスを求めたり,熟練していない施術者に中絶を求めたり,非衛生的な環境での中絶を行い,死亡したり障がいを負う大きな危険にさらされます。」と人工妊娠中絶への規制が中絶の抑制にもならず,むしろ,人工妊娠中絶を切実に必要とする女性たちの生命身体を危険にさらすだけであることを指摘している。</span><br />
<br />
ここで述べられていることは、中絶非合法の国の状況についてです。<br />
日本は他の多くの国連加盟国と同じように、中絶を合法化する法制度を持つ国であり、この記述には該当しません。<br />
日弁連は「意見書」において、日本が一部のカトリック/イスラム教諸国と同様に中絶を合法化していない国である、との驚くべき見解を示していることになります。<br />
<br />
<br />
<h2>
13.「意見書」の指摘する根拠についてまとめ</h2>
<br />
「意見書」は6件の国際条約等を上げて、堕胎罪を廃止すべき根拠としています。<br />
わが国では、中絶法制に関する甚だしい誤認と思い込みに基づき、堕胎罪廃止を求める女性運動が30年間継続しています。<br />
「意見書」はかかる運動の蒙昧な論理を何ら検証することなく受け入れ、牽強付会の言説を弄しています。<br />
世界の国々の中絶法制は、中絶の合法化がなされてといる国となされていない国に大きく二分されます。<br />
日本は中絶が合法化されている国に属します。<br />
この認識を基にして、中絶の合法化がなされている国に対してはカウンセリングの充実や家族計画サービルの提供など、中絶の質的改善を促すことが国際的合意となっています。<br />
中絶の合法化とは、中絶を原則禁止する規定に対して阻却条項を設けることを意味しています。<br />
中絶の合法化がなされている国に対して、中絶を原則禁止する規定の削除を求めるいかなる国際的合意もありません。<br />
<br />
一方、中絶の合法化がなされていない国、すなわち阻却条項を持たず、全ての中絶が一律に罪とされる国に対しては、女性に対する処罰規定の削除を求めています。<br />
これが世界の合意です。<br />
<br />
堕胎罪廃止を求める日本の女性運動の蒙昧な主張は、国際的合意に反するものであり、到底認められないものです。<br />
堕胎罪廃止を自己目的化した狂信的女性運動は、日本は中絶が非合法の国であるとの妄想を主張します。<br />
拷問等禁止条約、自由権規約、『Safe abortion: technical and policy guidance for health systems』を堕胎罪廃止の根拠としてあげているのは、<br />
日本が中絶非合法の国であるとの妄想に取り憑かれていることを示しています。<br />
日本は中絶非合法の国であるとの妄想に取り憑かれているかのごときNGOが女性差別撤廃委員会に対するロビー活動を行った結果、日本が中絶非合法の国であることを前提とした勧告が出されました。<br />
「意見書」は妄想部分も含めて、NGOの主張を丸写ししています。<br />
不見識とのそしりは免れないでしょう。<br />
<span style="font-family: MS Pゴシック;"></span><br />
<h2>
14.根拠と結論の齟齬</h2>
<br />
「意見書」の結論は、「<span style="color: lime;">刑法第212条(堕胎),第213条(同意堕胎及び同致死傷)及び第214条(業務上堕胎及び同致死傷)を削除すべきである</span>」となっています。<br />
当該条文は以下の通りです。<br />
<br />
第212条(堕胎)妊娠中の女子が薬物を用い、又はその他の方法により、堕胎したときは、一年以下の懸役に処する。<br />
第213条(同意堕胎及び同致死傷)女子の嘱託を受け、又はその承諾を得て堕胎させた者は、二年以下の懲役に処する。よって女子を死傷させた者は、三月以上五年以下の懲役に処する。<br />
第214 条(業務上堕胎及び同致死傷)医師、助産婦、薬剤師又は医薬品販売業者が女子の嘱託を受け、又はその承諾を得て堕胎させたときは、三月以上五年以下の懲役に処する。よって女子を死傷させたときは、六月以上七年以下の懲役に処する。<br />
<br />
『北京宣言及び行動綱領』、「一般勧告第24号」およびこれを基礎とする諸条約等は、中絶非合法国について中絶を受ける女子についての罰則を削除するよう求めています。<br />
日本の堕胎罪で言えば、第212条について無罰化を求めるものです。<br />
ところが、「意見書」は第213条と第214条についても削除を求めています。<br />
第213条と第214条は中絶を行った者を罰する規定であり、中絶を受けた女子を罰するものではありません。<br />
「意見書」は、何の根拠もなく第213条と第214条の削除を求めていることになります。<br />
<br />
<h2>
15.堕胎罪削除の結果</h2>
<br />
「意見書」は、刑法第212条、第213条および第214条の削除を求めています。<br />
中絶合法化以前、堕胎罪はあっても闇中絶が横行し、女性は身命のリスクに曝されていました。<br />
中絶の合法化とは、一定条件を満たす場合に中絶を合法化し、闇中絶のリスクから女性を救う目的を持つものでした。<br />
「意見書」の目指す中絶法制が実現すると、日本の中絶法制は世界最悪の中絶法制となります。<br />
刑法第212条の削除は、身命のリスクと引換に自己堕胎を選択せざるを得ない女性を生み出します。<br />
このことについては、<a href="http://finedayspill.blogspot.jp/2015/05/blog-post_26.html" target="_blank">堕胎罪廃止を唱えるフェミニズムの質--ガラパゴス化したフェミニズム</a>で具体的に説明しています。<br />
「意見書」は刑法第212条だけでなく、第213条および第214条も削除するよう求めています。<br />
第213条および第214条の削除は、闇中絶の無罰化です。<br />
「意見書」の提案が実現すれば、日本は闇中絶の国になるでしょう。<br />
そして、日本の女性は多大な身命の犠牲を強いられることになります。<br />
日本の中絶法制は間違いなく世界最悪になります。<br />
日弁連「意見書」は、正気の沙汰とは思えません。<br />
<br />
<br />
<h2>
16.日本の課題を隠蔽</h2>
<br />
『北京宣言及び行動綱領』以来、国際社会は中絶合法化諸国と中絶非合法諸国に対して、それぞれ別の対応を取ることで合意しています。<br />
中絶合法化国である日本には、本来中絶合法化国として求められる対応があります。<br />
ところが、日本を中絶非合法国であると国際社会に誤認させ、中絶非合法国としての対応を求めているのが「意見書」です。<br />
日本が中絶非合法国であると国際社会が誤認すれば、中絶合法化国としての課題は隠蔽されてしまいます。<br />
日本の女性の人権を抑圧する役割を日弁連が果たしていることを真摯に反省すべきです。<br />
<br />
<h2>
17.日弁連の取るべき対応</h2>
<br />
「意見書」に関して日弁連の取るべき対応は明らかです。<br />
上述のように「意見書」は、日本を中絶非合法国とする妄想の上に成り立っています。<br />
かかる妄想に立ち、牽強付会を重ねる「意見書」は、日弁連の文書としてふさわしくありません。<br />
ただちに撤回すべきです。<br />
日弁連は「意見書」を公表するだけでなく、「意見書」を政府機関に提出するなどのロビー活動を行ってきました。<br />
「意見書」を撤回する旨の声明が必要です。<br />
この「意見書」により日弁連が女性の人権に関して無関心で無知であることが露見しました。<br />
組織の再編を含む抜本的な改変が必要です。<br />
<br />
<h2>
18.日弁連に期待すること</h2>
<br />
日弁連は日本の人権の発展に多大な貢献をしてきたと認識しています。<br />
しかるに、こと女性の健康にかかわる人権問題については、極めてお粗末な認識しか持ち合わせていないことが「意見書」により露顕しました。<br />
女性の健康をテーマとする「一般勧告第24号」に鑑みると、この分野の日本の状況は極めて憂慮される状況です。<br />
諸外国で百数十円のピルについて、日本では約七千円の薬価が付けられています。<br />
緊急避妊のガイドラインには、性感染症検査の結果をパートナーに知らせるとの記述があります。<br />
多くの国連加盟国で市販薬の緊急避妊薬ノルレボは、日本では処方薬で価格も約10倍です。<br />
参照 <a href="http://ec-otc.blogspot.jp/" target="_blank">ノルレボ市販薬化キャンペーン</a><br />
この国に法と正義はないと思える状況があります。<br />
「一般勧告第24号」に即して、わが国の状況を点検し、改善を提案するのが日弁連のあるべき方向ではないでしょうか。<br />
<br />
<h2>
19.つけたし</h2>
本記事は日弁連に通知済です。<br />
<br />
------------------------------------<br />このエントリーは、以下の3エントリーの一部です。<br />他のエントリーも合わせてご覧下さい。<br />
<a href="http://finedayspill.blogspot.jp/2015/05/blog-post_26.html">堕胎罪廃止を唱えるフェミニズムの質</a><br /> 日弁連は堕胎罪廃止意見書を撤回すべき(このページ) <br /> <a href="http://finedayspill.blogspot.com/2015/08/blog-post.html">堕胎罪廃止がもたらす日本の女性の不幸</a><br />
<br />
<br />
<br />Anonymoushttp://www.blogger.com/profile/15708490026898021442noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-1379882158469607859.post-77925938897761588592015-05-26T19:07:00.000+09:002015-08-28T22:53:21.766+09:00堕胎罪廃止を唱えるフェミニズムの質--ガラパゴス化したフェミニズム<h2>
</h2>
<h2>
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堕胎罪廃止論はもっともそうな主張</h2>
<br />
まず、SOSHIREN女(わたし)のからだからというグループの<a href="http://megalodon.jp/2015-0523-1050-44/www.soshiren.org/oshirase/101119.html" target="_blank">「― やっぱり生きていた堕胎罪 ―「堕胎罪で書類送検」に抗議する!</a>」を読んでみて下さい。<br />
「産めないと追いつめられ、薬を飲んで出血した女性を、誰が、なぜ、罰することができるのだろうか」と問いかけています。<br />
この問いに対する答えは、当然誰も罰することはできないになります。<br />
したがって、書類送検に抗議するのは正当なことです。<br />
起訴が不当であるとすれば、起訴を可能にしている法律に問題があると考えることができます。<br />
刑法は堕胎罪を設け、212条には自己堕胎の罪を規定しています。<br />
自己堕胎の罪に問われるのは女性だけです。<br />
女性だけが罪に問われるのは、男女平等に反するのではないか。<br />
そのように考えれば、堕胎罪は廃止すべきだとなります。<br />
頭で(観念的に)考えれば、堕胎罪廃止の要求はもっともな主張に見えます。<br />
2010年にはSOSHIRENなどが、堕胎罪撤廃100万人署名の運動を行いました。<br />
<a href="http://web.archive.org/web/20150521121617/http://dataizai-teppai.seesaa.net/" target="_blank">その運動のブログ</a>には、賛同人の名簿が掲載されています。<br />
そうそうたるメンバーです。<br />
堕胎罪廃止運動は長年にわたって継続されており、<br />
フェミニスト界隈に広く浸透しています。<br />
堕胎罪廃止に異議を唱えた「フェミニスト」を私は知りません。<br />
<br />
<h2>
中絶合法化と何だったか</h2>
<br />
堕胎罪廃止を唱える「フェミニスト」の皆さんは、<br />
中絶合法化の歴史を当然ご存じだと思います。<br />
日本では1948年に優生保護法が施行されました。<br />
優生保護法は世界に先駆け中絶を事実上公認したものですが、<br />
人口政策(人口抑制・優生学)のための立法で諸外国の中絶合法化とは性質を異にしています。<br />
欧米諸国では1970年代前後に中絶が合法化されます。<br />
中絶の合法化が行われる最大の要因は、<br />
闇堕胎の存在でした。<br />
立法で堕胎が禁止されていても、<br />
堕胎を必要とする女性は必ずいます。<br />
それは日本でも欧米でも同じでした。<br />
闇堕胎にはいくつかの問題点がありました。<br />
1つは、闇堕胎はしばしば安全性に欠けるものでした。<br />
2つは、闇堕胎の中には法外な代金を請求する者がいました。<br />
3つは、当事者女性の心理的負担(罪の意識)が大きいものでした。<br />
中でも安全性の問題は重要で、命をかけなくてはならない理不尽さの問題が、<br />
中絶合法化の最大の要因でした。<br />
中絶合法化後の人口統計で出生数の大きな落ち込みは見られず、<br />
中絶合法化は闇中絶を合法化したものに過ぎないことを示しています。<br />
つまり欧米における中絶合法化の意味は、中絶の安全化でした。<br />
長年にわたる女性の身体・生命の犠牲の上に実現したのが、<br />
欧米の中絶合法化です。<br />
<br />
<h2>
安全な自己堕胎はない</h2>
<br />
上に述べたような歴史的経緯からすれば、<br />
中絶の権利とは安全な中絶の権利と言い換えてもよいほどのものです。<br />
このように考える私からすると、「フェミニスト」の皆さんが主張する堕胎罪の廃止は理解できません。<br />
冒頭に示した「やっぱり生きていた堕胎罪」の文章をもう一度読んでみましょう。<br />
起訴された女性は経口中絶薬を使用しています。<br />
現在、自身で使用するための経口中絶薬の入手が禁止されているのは、<br />
堕胎罪があるためです。<br />
堕胎罪が廃止されれば、経口中絶薬を個人輸入し自己堕胎することが可能になります。<br />
堕胎罪の廃止は、経口中絶薬による自己堕胎の容認と同義です。<br />
経口中絶薬による中絶は、中絶が合法化された当時の闇堕胎よりはるかに安全です。<br />
しかし、先進国の基準で考えれば、経口中絶薬による自己堕胎が安全とはとても言えません。<br />
多くの国で経口中絶薬が薬品として承認されていますが、<br />
市販薬とされている先進国は1カ国もありません。<br />
経口中絶薬は医療の管理下で使用しないと、安全性が確保できないからです。<br />
堕胎罪廃止論は女性のための主張のようで、<br />
その実は日本の女性の安全な中絶を受ける権利を台なしにしてしまうものです。<br />
中絶合法化の歴史を逆回転させ合法化以前の状態に戻してしまうものです。<br />
<br />
<h2>
権利の保障とは何か</h2>
<br />
本題から外れます。<br />
権利は法律の文面の中にあるのでしょうか。<br />
違います。<br />
権利は実質化されてはじめて意味を持ちます。<br />
教育を受ける権利を例に説明してみましょう。<br />
憲法26条は「すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する」と規定しています。<br />
この規定により、親が子に教育を受けさせる義務を負い(義務教育)、<br />
子どもは中学校までの教育を受ける権利を持っています。<br />
義務教育とは言いますがそれは親の義務で、<br />
子どもから見ると権利です。<br />
もし、仮に小中学校に高い授業料が必要だったとします。<br />
いくら費用がかかろうと子どもを学校にやることのできる高所得家庭もありますが、<br />
子どもを学校にやれない家庭も出てきます。<br />
親の所得により教育を受けれたり受けれなかったりするのでは、<br />
権利が保障されているとはいえません。<br />
そこで国は親に代わって教育を受けれない子どもを支援することになります。<br />
小中学校の設置があり学校に通える子どもがいるというだけでは、<br />
教育を受ける権利があるとは言えないのです。<br />
たとえ貧しくとも誰もが等しく学校に行けて始めて、権利と言えます。<br />
権利は保障されてはじめて実質化されるものです。<br />
<br />
<h2>
中絶の権利とは何か</h2>
<br />
教育を受ける権利を例に権利の実質化について書きました。<br />
中絶の権利は憲法で保障された権利ではないので、<br />
国に保障する義務はないかもしれませんが、<br />
中絶も権利であるならば保障されなくては意味がないものです。<br />
だれでも享受できてはじめて権利と言えます。<br />
中絶の費用は10万円前後です。<br />
月数が進むと数十万円の費用がかかります。<br />
この金額を負担に感じない人もいるでしょう。<br />
しかし、決して誰でも負担できる金額ではありません。<br />
各国の中絶費用について調べたことがありますが、<br />
日本の中絶費用は先進国の数倍です。<br />
治療として保険適用のある中絶がありますが、<br />
日本の健康保険が中絶費用として認定している金額と比べても数倍です。<br />
中絶が保障されるべき権利であるならば、<br />
まずこの費用の高さが問題にされなくてはなりません。<br />
日本は中絶の権利が保障されている国とは言えません。<br />
<br />
<h2>
フランスにおける中絶の権利</h2>
<br />
フランスは中絶に反対のカトリック信者が7割を占める国です。<br />
フランスで中絶がようやく合法化されたのは、1975年です。<br />
日本よりも20年以上遅れて合法化されました。<br />
そのフランスでは、中絶や避妊を女性の権利とするたゆまぬ努力が継続されました。<br />
2014年1月、議会は「妊娠を続行するか否かを選ぶのは女性の権利である」とする条項を可決しました(参照<a href="http://www.ovninavi.com/757news3" target="_blank">中絶を容易にする条項を可決、反対運動も/パリの日本語新聞オヴニー</a>)。<br />
この条項が可決された背景には、40年間にわたり中絶を女性の権利として実質化する運動の積み重ねがありました。<br />
1975年の中絶合法化は運動の終わりではなく、運動の始まりでした。<br />
フランスの運動を年表にまとめてみました。<br />
<br />
1920年 中絶禁止、避妊情報提供禁止(7月31日法)<br />
1955年 中絶部分解禁(母胎生命危険条件)<br />
1956年 グループ「幸せな母性」結成<br />
1958年 家族計画のためのフランス運動(MFPF)スタート<br />
1967年 ピル解禁(ニューヴィルト法)<br />
1960年代 MFPF、34支部・会員数11万人・数百カ所の避妊相談所<br />
1969年 女性解放運動(MLF)結成<br />
1971年 市民団体「Choisir選択」結成<br />
1971年 343人宣言(Manifeste des 343)<br />
1973年 妊娠中絶と避妊の自由化運動(MLAC)スタート<br />
1974年 避妊ピルに保険適用、18歳未満のピル無償化へ(12月4日法)<br />
---------------<br />
1975年 中絶合法化(ヴェイユ法)<br />
1982年 中絶に保険適用(約360ユーロ保険負担、約90ユーロ自己負担)<br />
1988年 経口中絶薬(RU486)承認(230ユーロ程度)<br />
1988年 人工妊娠中絶妨害罪新設<br />
1994年 刑法堕胎罪改正(堕胎罪→非合法中絶罪)、公衆衛生法典制定<br />
2001年 未成年者についての両親承諾条件廃止(中絶と避妊にかんする法律)<br />
2011年 第2次343人宣言(参照 <a href="http://blog.livedoor.jp/porte21/archives/51789681.html" target="_blank">薔薇の言葉</a>)<br />
2012年 中絶費用無償化(18歳未満の無料中絶を全年齢に拡大)<br />
2012年 15-18歳女性の避妊を完全無料化<br />
<br />
以下では、フランスにおける中絶の権利保障の実現を詳しく見ていくことにしましょう。<br />
<br />
<h2>
中絶の権利と避妊の権利は表裏一体</h2>
<br />
家族計画のためのフランス運動(MFPF)は、フランス家族計画協会と訳されることがあります。<br />
日本の家族計画協会に相当する組織ですが、<br />
性格は非常に異なっています。<br />
日本の家族計画協会は、国策を推進する半官半民の組織としてスタートしました。<br />
一方、家族計画のためのフランス運動(MFPF)は、避妊情報の提供も中絶も禁じられていた時代に作られました。<br />
同時期の性の権利を求める団体は、互いに関係があったり、連携したりしながら、運動を進めました。<br />
避妊を求める団体は中絶の自由も求めましたし、中絶の自由を求める団体は避妊の自由化も求めました。<br />
運動の成果には、ある種の法則が見られます。<br />
ピルの解禁が先行し、遅れて中絶の合法化が実現します。<br />
ピルに保険適用が先行し、遅れて中絶の保険適用が実現します。<br />
18歳未満の避妊無償化が先行し、遅れて18歳未満の中絶費用無償化が実現します。<br />
18歳未満の中絶無償化が先行し、遅れて全年齢の中絶費用無償化が実現します。<br />
運動が、中絶の権利と避妊の権利を表裏一体と捉えていたからです。<br />
<br />
<h2>
大衆運動と知識人</h2>
<br />
家族計画のためのフランス運動(MFPF)がスタートするのは、1958年です。<br />
厳密に言えば、非合法活動でした。<br />
この運動は10年の間に大きな大衆運動に発展しました。<br />
フランス全土に34支部が設けられ、会員数は11万人に上りました。<br />
町々には避妊相談所が設けられました。<br />
専門職や知識人は、ボランティアでこの大衆運動をリードしました。<br />
また、側面から強力にバックアップしました。<br />
1971年に著名な女性343人の宣言が雑誌に掲載されます。<br />
彼女たちは、自分も闇中絶をしたことがあると告白し、<br />
逮捕するなら自分を逮捕しろと訴えました。<br />
この勇気ある行動は3年後の中絶合法化を導く大きな力となりました。<br />
343人の宣言からちょうど40年後の2011年、第2次343人宣言が出されました。<br />
翌年には、中絶費用の全面無償化と15-18歳女性の避妊の完全無料化が実現しました。 <br />
<br />
<h2>
弱者への眼差し</h2>
<br />
1971年宣言の女性343人と2011年宣言の女性343人は、<br />
どちらも社会的地位のある女性でした。<br />
お金のある女性は中絶にも避妊にも困りません。<br />
フランスが中絶を禁止していた頃、イギリスはすでに中絶を合法化していました。<br />
お金のある女性はイギリスに堕胎旅行に出かけました。<br />
海外での中絶が罪に問われることはありませんでした。<br />
中絶を禁止し避妊へのアクセスを困難にすれば、<br />
困るのはいつも弱者です。<br />
フランスのフェミニストは弱者への眼差しを持ち続けているように見えます。<br />
<br />
<h2>
弱者に犠牲を強いる堕胎罪廃止</h2>
<br />
話を日本に戻します。<br />
経口堕胎薬を服用して起訴されたのは、<br />
22歳の無職の女性でした。<br />
彼女はなぜ病院で中絶手術を受けなかったのでしょうか。<br />
その事情はわかりません。<br />
想像ですが、無職の彼女には、<br />
病院で手術を受ける10万円のお金がなかったのかもしれません。<br />
10万円のお金が用意できない女性は少なくありません。<br />
10万円のお金が用意できない女性が、<br />
自身の身体を危険にさらしながら、<br />
逮捕起訴されるかもしれないリスクを取って、<br />
敢えて選択しているのが自己堕胎です。<br />
わが国の「フェミニスト」は堕胎罪の廃止を主張します。<br />
では、堕胎罪が廃止されたらどうなるのでしょう。<br />
お金のある女性は病院で中絶手術を受け、<br />
お金のない女性は自己堕胎することになるでしょう。<br />
それが「フェミニスト」のいう中絶の権利でしょうか。<br />
違います。<br />
フランスでお金のある女性は外国に堕胎旅行に出かけれたけれども、<br />
お金のない女性は闇堕胎を強いられていました。<br />
その理不尽を終わらせようとしたのが、<br />
中絶合法化の運動でした。<br />
堕胎罪廃止を主張する「フェミニスト」は、<br />
中絶合法化以前の状態に引き戻そうとしているように思えます。<br />
<br />
<h2>
中絶弱者としての未成年女性</h2>
<br />
日本でも妊娠に気づかず手遅れになる少女の事例が話題になることがあります。<br />
あるいは、トイレで出産してしまった少女の事例が話題になることがあります。<br />
そして、それらのケースについて、しばしば教育の不備が指摘されます。<br />
教育の不備の指摘は間違いではありません。<br />
教育を充実する必要があります。<br />
しかし、未成年者の妊娠は、教育だけでは解決できない問題を含んでいます。<br />
フランスでは中絶のできるのは、10週(現在は12週)まででした。<br />
親に知られたくなかったり、<br />
病院の敷居が高かったり、<br />
心理的葛藤があったり、<br />
少女達には決断を鈍らせる要素がいくつもあります。<br />
もちろん、お金の問題もあります。<br />
結果として、中絶できる期限を越えてしまう少女がいます。<br />
中絶が権利であっても、未成年の女性は権利の埒外に置かれているのではないか。<br />
フランスの年表をもう一度見て下さい。<br />
18歳未満ヘの避妊の無料化、中絶の無料化がいち早く実現しています。<br />
弱者が権利の埒外に置かれないようにすることに配慮がなされてきたからです。<br />
<br />
<h2>
堕胎罪廃止の条件</h2>
<br />
堕胎罪は男女平等に反するといって堕胎罪を廃止しても、<br />
女性が孕む性であることが変わるわけではありません。<br />
ただ堕胎罪を廃止するだけでは、女性は危険な堕胎を甘受しなくてはならなくなります。<br />
現在の日本で堕胎罪廃止を主張するなど、<br />
私から見れば正気の沙汰とは思えないのです。<br />
諸外国のフェミニストは堕胎罪の廃止を目標にしたでしょうか。<br />
いいえ、決してそうではありません。<br />
諸外国のフェミニストは闇堕胎(自己堕胎)に追い込まれる女性をなくそうとしてきました。<br />
望まない妊娠がなければ、中絶はありません。<br />
中絶へのアクセスが容易であれば、わざわざ自己堕胎する女性はいません。<br />
諸外国のフェミニストは避妊へのアクセス改善に努力し、<br />
中絶へのアクセス改善に努力してきました。<br />
そして、それは大きな成果を上げています。<br />
病院での中絶が無料の時、わざわざ自己堕胎する女性はいません。<br />
わざわざ自己堕胎する女性がいないのであれば、<br />
堕胎罪があろうとなかろうと大きな問題ではなくなります。<br />
中絶の権利の実質的な保障は、堕胎罪廃止の条件です。<br />
先進国の中で日本ほど避妊へのアクセスが困難で、<br />
中絶へのアクセスが困難な国はありません。<br />
「フェミニスト」にはこの現実が見えてないのではないでしょうか。<br />
<br />
<h2>
中ピ連粛清で失ったもの</h2>
<br />
1972年、榎美沙子氏は中絶禁止法に反対しピル解禁を要求する女性解放連合(以下、中ピ連)を結成しました。<br />
中ピ連には指摘されているような未熟さがあったことは事実です。<br />
しかし、①女性の身体問題への着目、②弱者への視点、③行動主義の3点において、欧米リブと共通点を持っていました。<br />
中ピ連は短期間のうちに、その未熟さの故に自壊します。<br />
自壊した中ピ連について距離を置く、あるいは異端視するフェミニズムが日本に成立しました。<br />
それはきつい言葉で言えば、中ピ連的なるものの粛清でした。<br />
フランスでは、①女性の身体問題への着目、②弱者への視点、③行動主義の3点は、50年間綿々と引き継がれてきました。<br />
一方、それを切り捨てた日本のフェミニズムは、ガラパゴス化したのではないかと考えます。<br />
<br />
<h2>
ガラパゴス島に橋を架けよう</h2>
<br />
2年ほど前のツイートです。<br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
<div dir="ltr" lang="ja">
私たちはみんな女性です。私たちはそれぞれに女性です。苦しんでいる女性がいる所、私たちはそこにいます。苦闘している女性がいる所、私たちはそこにいます。自由のために戦っている女性がいる所、私たちはそこにいます。シカゴ女性リブ同盟創立宣言より<a href="http://t.co/5txaDUBasc">http://t.co/5txaDUBasc</a></div>
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/status/325183668752621568">2013, 4月 19</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
50年間、世界中のフェミニストが胸に刻んできた言葉です。<br />
私たちの国には、意図しない妊娠に苦しんでいる女性がいます。<br />
しかし、イギリスで百数十円のピルは、日本では7000円の薬価です。<br />
緊急避妊すれば防げる妊娠があります。<br />
諸外国ではドラッグストアで買えランチ代ほどの値段です。<br />
日本では、病院を受診し約1万5千円ほどの費用が必要です。<br />
どんなに完全に避妊しても、望まない妊娠は生じます。<br />
諸外国では中絶費用は保険の適用があったり、<br />
負担にならない額に抑えられています。<br />
日本では中絶するのに10万円はかかります。<br />
私達の国は、避妊や中絶の権利がないに等しい状態です。<br />
その中で、苦しむ女性がいます。<br />
その女性達の側に寄り添う人がフェミニストです。<br />
日本にはフェミニストはいたのでしょうか。<br />
<br />
日本の女性の性が置かれている状況は、<br />
とてつもなく酷い状態です。<br />
数年前、日本のピルについてガラパゴス島に橋を架けたいと書きました。<br />
日本のピルがガラパゴス化している原因の一つは、<br />
フェミニズムのガラパゴス化です。<br />
ノルレボの市販薬化は、ガラパゴスに架かる最初の橋になるでしょう。<br />
日本の女性の力で橋を作りましょう。<br />
<br />
(携帯)<a href="http://ec-otc.blogspot.jp/2014/10/14-72-120-1-400-rt-pic.html?m=1" target="_blank">すぐに必要な時がある。緊急避妊薬ノルレボを市販薬に!</a><br />
(web)<a href="http://ec-otc.blogspot.jp/" target="_blank">すぐに必要な時がある。緊急避妊薬ノルレボを市販薬に!</a><br />
<br />
--------------------------------------------------------------<br />
このエントリーは、以下の3エントリーの一部です。<br />他のエントリーも合わせてご覧下さい。<br />
堕胎罪廃止を唱えるフェミニズムの質(このページ)<br /> <a href="http://finedayspill.blogspot.jp/2015/07/blog-post_20.html">日弁連は堕胎罪廃止意見書を撤回すべき</a><br /> <a href="http://finedayspill.blogspot.com/2015/08/blog-post.html">堕胎罪廃止がもたらす日本の女性の不幸</a>Anonymoushttp://www.blogger.com/profile/15708490026898021442noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-1379882158469607859.post-49316472301377265312015-05-03T19:47:00.000+09:002015-05-04T11:35:15.374+09:00「ノアルテンに関する誤解」の誤解<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
<div dir="ltr" lang="ja">
現在、ノアルテンはミニピルだ、避妊効果もあるし副効果もあるし、血栓症リスクを高めないと書いているサイトは、「ピルとのつきあい方」だけだ。ノアルテンがミニピルであるわけないと叱られそうだ。</div>
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/status/443392939859779584">2014, 3月 11</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
ミニピルの定義は曖昧で、伝統的なミニピル定義からするとノアルテンはミニピルではありません。<br />
その点を突っ込む人がいるかもしれないなと思い、上記のツイートをしておきました。<br />
このほど、あるブログで 「ノアルテンに関する誤解」という記事が書かれているのを教えてくれる人がいました。<br />
記事の末尾にはご丁寧に、<br />
「大事なおまけ<br />
某サイトをみて、ノアルテンをmini-pill代わりに使われている方はいませんか?ご注意を。」<br />
と書かれていました。<br />
リンクなしのご紹介なので、当ブログでもリンクは致しません。<br />
その記事の内容は以下の通りです。<br />
<br />
*****************************<br />
<span style="color: cyan;">ノアルテンに関する誤解<br /><br />まず、mini-pillの説明から<br /> mini-pillにはノルエチステロンが0.035mg(35microgram)含まれています。もう少し多く含まれているものもありますが、35~50microgram程度のものが多いです(日本では未発売)。<br /> そもそも、なぜmini-pillというものが存在するかというと、卵胞ホルモン(エストロゲン)が入っていないので血栓症のリスクが増えないので安全だからです。普通の混合型ピルよりも避妊効果は少し弱いのですが、血栓症のリスクが高い人でも使うことができるというメリットがあります。<br /><br />「それならば、ノアルテンも血栓症のリスクが増えないのでは?」と多くの産婦人科医は考えますが、その点について、少しずつ解説します。<br /><br />少し脱線して<br /> 月経を遅らせる場合、欧米ではノルエチステロン(5mg)剤を1日に3錠服用します。これを、月経が来てもよい日まで毎日(最長2週間まで)服用します。日本では、月経周期延長を目的とする際には通常1日に1錠服用します(薬の添付文書に書いてあるので)。<br /><br />元に戻って <br /> 最初はノルエチステロン(5mg)剤を服用しても血栓症のリスクは変わらないだろうと考えられていました。そして、今でもそう思っている産婦人科医が多いと思われます。<br />ところが、<br /> 「治療に使うレベルの多量の黄体ホルモンを使用していると静脈血栓症、動脈血栓症のリスクが高くなる」<br />ということを示す2つの論文が、1999年、Lancetという世界的に有名な総合医学誌に発表されました。ちなみに、治療に使うレベルの多量というのはノルエチステロン(5mg)を1日に2~4錠服用するくらいの量です。<br /><br /> ところで、5mg錠を1日1錠なら安全かといえば、そうでもありません。1997年のContraceptionの論文からすると、ノルエチステロン1mgが体内で代謝されて4~6 microgramのエチニルエストラディオール(EE)に変換するとされています(EEとは合成エストロゲンのことです)。<br /><br /> 低用量ピルに含まれているEEは20~35 microgram、当然ながら、これは血栓症を減らすために少なくされています。中用量ピルのEEは50 microgramです。<br /><br /> ノアルテン(ノルエチステロン5mg)が全てEEに変換されたとすると(そんなことはありませんが)EEが20~30 microgramになり、これは普通の低用量ピルに相当する卵胞ホルモン(エストロゲン)量です。ですから、ノアルテン1日1錠服用は通常の低用量ピルに近いくらいの血栓症のリスクがあると考えてよいです。欧米の女性が使う1日3錠は中用量ピルをはるかに上回るエストロゲン量になります。<br /> 製薬会社(バイエル)は、これらの経緯を受けて、ノルエチステロン5mgを混合ホルモン型のピルと同程度のリスクがあるとする安全性情報や注意勧告を発表しています。<br /><br />最初の質問の答え<br />「ノアルテン(5mg)1錠分には普通の低用量ピル1錠分並みの血栓症リスクがある」<br />と考えておくのが安全で無難です。患者さんや月経移動をする方にもそう伝えるべきでしょう。<br /><br />大事なおまけ<br /> 某サイトをみて、ノアルテンをmini-pill代わりに使われている方はいませんか?ご注意を。</span><br />
*****************************<br />
<br />
上記ブログについてのご質問には当ブログのコメント欄でお返事したのですが、<br />
一部加筆し以下に再掲することにしました。<br />
<br />
(以下再掲)<br />
ご指摘のサイトの趣旨は、<br />
「ノアルテン(ノルエチステロン5mg)が全てEEに変換されたとすると(そんなことはありませんが)EEが20~30 microgramになり、<br />
これは普通の低用量ピルに相当する卵胞ホルモン(エストロゲン)量です。<br />
ですから、ノアルテン1日1錠服用は通常の低用量ピルに近いくらいの血栓症のリスクがあると考えてよいです」<br />
ということになります。<br />
<br />
まず一般論ですが、<br />
理論上リスクがあると言うことと実際にリスクがあると言うことは、<br />
別問題です。<br />
医学は経験科学ですから、実際のリスクが問題となります。<br />
実際のリスクについては、後で述べることにします。<br />
<br />
血栓リスクは見かけ上エストロゲン用量に依存的ですが、<br />
実際はエストロゲン:アンドロゲン比によって決定されます。<br />
単にエストロゲン用量の多寡が血栓症リスクの決定要因ではありません。<br />
ご指摘のサイトはこの点に触れていませんので、<br />
私もこの問題には触れないことにします。<br />
<br />
リンクサイトでは少し古めの研究を基にEE変換量を推測していますが、<br />
同意しかねます。<br />
現在の研究では10–20 mgのノルエチステロンはエストロゲン20–30mcgの低用量ピルと等しいとされています。("a daily dose of 10–20 mg NETA equates to taking a 20–30 µg EE COC." Chu MC,Zhang X,Gentzschein E,et al. Formation of ethinyl estradiol in women during treatment with norethindrone acetate. J Clin Endocrinol Metab 2007;92:2205–2207)<br />
つまり、日量2~4錠のノアルテンが低用量ピルのエストロゲンと等量なのであり、5mgのノアルテン日量1錠が低用量ピルと同等だと言うことにはなりません。<br />
<br />
仮に血栓リスクがエストロゲン用量によってのみ規定されるとします。<br />
上記サイトでは混合ピルに含まれるエストロゲン量とノアルテンから代謝されるエストロゲンを比較しています。<br />
しかし、エストロゲン量を比較するのであれば、混合ピルに含まれる黄体ホルモン剤から代謝されるエストロゲン量も考慮すべきです。<br />
具体的に言えば、オーソMはEE35mcgとノルエチステロン1mgです。<br />
ノルエチステロン1mgから理論上最大5mcg前後のEEが変換されますから、<br />
合計EE量は40mcgとなりノアルテンから変換されるEE量よりもかなり多くなります。<br />
<br />
エストロゲン用量についてもう1点考慮すべき問題があります。<br />
血中エストロゲン量は、経口摂取したエストロゲン量と生体由来エストロゲン量の合計です。<br />
低用量ピルやミニピルの服用初期(おおむね3周期)には、<br />
卵巣活動の抑制は不十分で卵胞からエストロゲンが分泌されます。<br />
これは服用初期に血栓症リスクが高くなる一つの理由です。<br />
5mgのノアルテンでは卵胞活動は強力に抑制され、<br />
排卵はまれにしか見られません。<br />
つまり5mgのノアルテンでは生体由来のエストロゲンが抑制されますから、<br />
血中エストロゲンがホルモンコントロールフリーの状態より高くなることはありません。<br />
<br />
ノアルテンは狭義のミニピルではありません。狭義のミニピルは排卵を抑制しない程度の低用量黄体ホルモン剤です。<br />
しかし、排卵を抑制する強力なミニピル(Cerazetta) が発売されたこともあり、<br />
progestogen-only pill(POP)という言い方が多用されるようになりました。<br />
POP=ミニピルは誤解と言えば誤解なのですが、<br />
区別がなくなっているのが実態です。<br />
ノアルテンと同一製剤同一用量のピルが「ミニピル」として用いられています。<br />
5mgのノアルテンはかなり多用されています。<br />
<br />
ノルエチステロンによる血栓症リスクの実態については、<br />
以下の報告があります。<br />
Sundström A, Seaman H, Kieler H,et al. The risk of venous thromboembolism associated with the use of tranexamic acid and other drugs used to treat menorrhagia: a case-control study using the General Practice Research Database. BJOG 2009;116:91–97.<br />
Mansour D. Safer prescribing of therapeutic norethisterone for women at risk of venous thromboembolism. Journal of Family Planning and Reproductive Health Care 2012.<br />
1日5mgのノアルテンが血栓症リスクを高めるとの報告はなされていません。血栓症リスクに関係するのは、少なくとも10mg以上の治療的投与の場合のみです。<br />
<br />
日量5mgのノアルテンが低用量ピルと同等の血栓症リスクを持つというのは、現時点で根拠はありません。<br />
低用量ピルよりも明らかに低リスクであると考えます。<br />
しかし、ノルエチステロン日量5mgは長期間の使用には高用量です。<br />
だから、低用量ノルエチステロンの文字通りのミニピル認可が必要と考えています。<br />
(以上再掲)<br />
<br />
ピルやミニピルを服用していなくても一定の血栓リスクはあるわけで、<br />
注意することがダメなわけではありません。<br />
しかし、「ご注意を」の意味が、ノアルテンでも低用量ピルや超低用量ピルと同程度の血栓リスクがあると言うのなら、疑問に思えます。<br />
漠然と「ご注意を」と書くのならもう少し親切な書き方もあるように感じます。<br />
たとえば、糖尿病患者では血糖値の上昇に注意するとか、<br />
(インスリン抵抗性が高まり間接的に動脈血栓リスクを高めるおそれがある)<br />
半錠/日服用でも問題ないとか、<br />
女性に有用な情報提供があるのではないかと思ったりします。<br />
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
<div dir="ltr" lang="ja">
35歳以上のピルユーザーはミニピルへの変更を検討すべきだと思う。血栓症リスクを高めない。ミニピルが飲めないのは、心臓発作・乳癌の既往、重度の肝硬変、肝腫瘍、リュウマチだけ。</div>
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/status/426993310381514752">2014, 1月 25</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
Anonymoushttp://www.blogger.com/profile/15708490026898021442noreply@blogger.com2tag:blogger.com,1999:blog-1379882158469607859.post-62051092604328632882015-04-18T21:04:00.000+09:002015-04-19T20:52:06.052+09:00妊娠確率の話<h2>
ヒトは妊娠しにくい生物</h2>
<br />
自然界の生物にとって、セックスは子孫を遺すための行為です。<br />
セックスによる妊娠確率が高いほど、種の保存には有利です。<br />
そのため、多くの動物は1度のセックスでほぼ100%妊娠します。<br />
しかも、動物の多くには発情現象が見られます。<br />
発情現象は妊娠効率を高めるものです。<br />
ヒトには発情現象もありません。<br />
ヒトは妊娠効率を高める仕組みを失った、特異な生物です。<br />
<br />
<h2>
妊娠確率についての研究</h2>
<br />
妊娠確率についての科学的研究はウィルコックスによってなされました。ウィルコックスの1995年の論文は、今でも引用される古典的研究です。<br />
Wilcox AJ,Weinberg CR,Baird DD. Timing of sexual intercourse in relation to ovulation: effects on the probability of conception, survival of the pregnancy and sex of the baby. N Engl J Med 1995;333:517–521.<br />
<span style="color: black;"> </span>「ピルとのつきあい方」旧版では、ウィルコックスの新しい論文を公刊とほぼ同時に紹介したことがあります。<br />
ウィルコックスの1995年論文は妊娠確率についての基本文献ですが、不思議なことに日本ではウィルコックス説を無視する言説が幅をきかせています。<br />
ウィルコックス論文は規模が小さいなどの難点はありますが、この論文で明らかにされた知見を否定する研究はなされていません。<br />
<br />
<h2>
6日間のウィンドウ</h2>
<br />
ウィルコックスによると、月経周期の中で妊娠可能なのは、排卵日を含む6日間と言います。<br />
ウィルコックスの研究を以下に示します。<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgK8-6fxIK2ztYf8-b_1lo_N9lL0NSvcvktqymbHEHRS72r2rhZa6gueVAComUWnfZPXRjyjjD2w3dF81qvL4FuYID4Xi9su9tUaN6JNP2iPC7i8nWX5ZcaYPVouP-VEPC9B6Sa1dVGADI/s1600/wilcox.gif" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgK8-6fxIK2ztYf8-b_1lo_N9lL0NSvcvktqymbHEHRS72r2rhZa6gueVAComUWnfZPXRjyjjD2w3dF81qvL4FuYID4Xi9su9tUaN6JNP2iPC7i8nWX5ZcaYPVouP-VEPC9B6Sa1dVGADI/s1600/wilcox.gif" height="167" width="320" /></a></div>
排卵日、排卵日前日、排卵日前々日の3日間は3割強の妊娠確率です。<br />
その前の3日間は1割前後の妊娠確率です。<br />
ヒトには発情期がありませんから排卵を予想できませんが、<br />
もし予想できたとしても妊娠確率は3割強であり、動物と比べるとヒトは妊娠しにくい生物です。<br />
<br />
<h2>
精子の寿命は1週間と考える</h2>
<br />
ウィルコックスの研究が示している精子の寿命(受精能力)は6日間です。<br />
「ピルとのつきあい方」は一貫して精子の受精能力は1週間としてきました。<br />
排卵は排卵日の正午の時報とともに起きるのではありませんから、<br />
その誤差を考慮すると7日間は受精能力が保持されると考えた方が無難だからです。<br />
これは私の発明ではなく、ウィルコックスの研究を参照した欧米の性教育でそのような説明がなされていたので、それを踏襲しただけです。<br />
ところが不思議なことに日本では、精子の受精能力は3日だという説が広まっています。<br />
<br />
<h2>
妊娠確率を上げることはできない</h2>
<br />
妊娠に最適のタイミングでセックスがなされた時、妊娠確率は3割強です。<br />
それでは、セックスの回数を増やせば妊娠確率は上がるのでしょうか?<br />
たとえば、排卵日と排卵日の前日、前々日と3回セックスすると、<br />
妊娠確率は3倍になるのでしょうか?<br />
答えはノーです。<br />
3割強というのはヒトという生物の妊娠能力を示しています。<br />
セックス回数で妊娠確率を上げることはできません。<br />
3回セックスしても、妊娠確率はやはり3割強です。<br />
ハネムーンベビーを望んでも3割強以上の確率にはなりません。<br />
<br />
<h2>
セックス頻度と妊娠の関係</h2>
<br />
セックスの頻度はカップルにより相当大きな違いがあります。<br />
セックスの頻度と妊娠の可能性にはどのような関係があるのでしょうか。<br />
ウィルコックスの示しているデータを下の表のように単純化して、<br />
シミュレートしてみましょう。<br />
<span style="color: black;"></span><br />
<table border="1"><tbody>
<tr><td>月経周期</td><td>01~09</td><td bgcolor="#ff00ff"><b>10</b></td><td bgcolor="#ff00ff"><b>11</b></td><td bgcolor="#ff00ff"><b>12</b></td><td bgcolor="#ff0000"><b>13</b></td><td bgcolor="#ff0000"><b>14</b></td><td bgcolor="#ff0000">15</td><td>16~28</td></tr>
<tr><td>妊娠確率</td><td><div style="text-align: center;">
0</div>
</td><td bgcolor="#ffffff"><span style="color: black;">11</span></td><td bgcolor="#ffffff"><span style="color: black;"><span style="color: black;">11</span></span></td><td bgcolor="#ffffff"><span style="color: black;"><span style="color: black;">11</span></span></td><td bgcolor="#ffffff"><span style="color: black;">35</span></td><td bgcolor="#ffffff"><span style="color: black;"><span style="color: black;">35</span></span></td><td bgcolor="#ffffff"><span style="color: black;"><span style="color: black;">35</span></span></td><td><div style="text-align: center;">
0</div>
</td></tr>
</tbody></table>
<br />
表は28日周期の女性では、ピンクで示した妊娠確率11%の日が3日、赤で示したむ妊娠確率35%の日が3日あることになります。<br />
<br />
2日に1度の頻度で性交渉がある場合、下の表のように赤で示した妊娠確率35%の日に少なくとも1度は性交渉がもたれることになります。<br />
<br />
2日に1度の頻度<br />
<table border="1"><tbody>
<tr><td>月経周期</td><td>09</td><td bgcolor="#ff00ff"><b>10</b></td><td bgcolor="#ff00ff"><b>11</b></td><td bgcolor="#ff00ff"><b>12</b></td><td bgcolor="#ff0000"><b>13</b></td><td bgcolor="#ff0000"><b>14</b></td><td bgcolor="#ff0000"><b>15</b></td><td>16</td><td>妊娠確率</td></tr>
<tr><td>パターン1</td><td><b>●</b></td><td bgcolor="#ff00ff"><b> ×</b></td><td bgcolor="#ff00ff"><b>●</b></td><td bgcolor="#ff00ff"><b> ×</b></td><td bgcolor="#ff0000"><b>●</b></td><td bgcolor="#ff0000"><b> ×</b></td><td bgcolor="#ff0000"><b>●</b></td><td><b> ×</b></td><td>35</td></tr>
<tr><td>パターン2</td><td><b>×</b></td><td bgcolor="#ff00ff"><b>●</b></td><td bgcolor="#ff00ff"><b> ×</b></td><td bgcolor="#ff00ff"><b>●</b></td><td bgcolor="#ff0000"><b> ×</b></td><td bgcolor="#ff0000"><b>●</b></td><td bgcolor="#ff0000"><b> ×</b></td><td><b> ×</b></td><td>35</td></tr>
<tr><td>合計</td><td></td><td bgcolor="#ffffff"></td><td bgcolor="#ffffff"></td><td bgcolor="#ffffff"></td><td bgcolor="#ffffff"></td><td bgcolor="#ffffff"></td><td bgcolor="#ffffff"></td><td></td><td>35</td></tr>
</tbody></table>
<br />
したがって、1月経周期中の妊娠確率は35%になります。<br />
性交渉が毎日であっても、3日に1回であっても、妊娠確率は35%で違いはありません。<br />
<br />
性交渉頻度が4日に一度の場合はどうでしょうか。<br />
下の表に示すように、妊娠確率は35%となる事もあれば、11%となる事もあります。<br />
各パターンの頻度は同じなので、性交渉頻度が4日に一度の場合の妊娠確率は29%となります。<br />
4日に一度の頻度でも、それほど大きく妊娠確率が低下することはありません。<br />
<br />
4日に1度の頻度<br />
<table border="1"><tbody>
<tr><td>月経周期</td><td>09</td><td bgcolor="#ff00ff"><b>10</b></td><td bgcolor="#ff00ff"><b>11</b></td><td bgcolor="#ff00ff"><b>12</b></td><td bgcolor="#ff0000"><b>13</b></td><td bgcolor="#ff0000"><b>14</b></td><td bgcolor="#ff0000"><b>15</b></td><td>16</td><td>妊娠確率</td></tr>
<tr><td>パターン1</td><td><b>●</b></td><td bgcolor="#ff00ff"><b> ×</b></td><td bgcolor="#ff00ff"><b> ×</b></td><td bgcolor="#ff00ff"><b> ×</b></td><td bgcolor="#ff0000"><b>●</b></td><td bgcolor="#ff0000"><b> ×</b></td><td bgcolor="#ff0000"><b> ×</b></td><td><b> ×</b></td><td>35</td></tr>
<tr><td>パターン2</td><td><b>×</b></td><td bgcolor="#ff00ff"><b>●</b></td><td bgcolor="#ff00ff"><b> ×</b></td><td bgcolor="#ff00ff"><b> ×</b></td><td bgcolor="#ff0000"><b> ×</b></td><td bgcolor="#ff0000"><b>●</b></td><td bgcolor="#ff0000"><b> ×</b></td><td><b> ×</b></td><td>35</td></tr>
<tr><td>パターン3</td><td><b>×</b></td><td bgcolor="#ff00ff"><b> ×</b></td><td bgcolor="#ff00ff"><b>●</b></td><td bgcolor="#ff00ff"><b> ×</b></td><td bgcolor="#ff0000"><b> ×</b></td><td bgcolor="#ff0000"><b> ×</b></td><td bgcolor="#ff0000"><b>●</b></td><td><b> ×</b></td><td>35</td></tr>
<tr><td>パターン4</td><td><b>×</b></td><td bgcolor="#ff00ff"><b> ×</b></td><td bgcolor="#ff00ff"><b> ×</b></td><td bgcolor="#ff00ff"><b>●</b></td><td bgcolor="#ff0000"><b> ×</b></td><td bgcolor="#ff0000"><b> ×</b></td><td bgcolor="#ff0000"><b> ×</b></td><td><b>●</b></td><td>11</td></tr>
<tr><td>合計</td><td></td><td bgcolor="#ffffff"></td><td bgcolor="#ffffff"></td><td bgcolor="#ffffff"></td><td bgcolor="#ffffff"></td><td bgcolor="#ffffff"></td><td bgcolor="#ffffff"></td><td></td><td>29</td></tr>
</tbody></table>
<br />
さらに頻度が低下し7日に1度の頻度の場合、1ヶ月間の妊娠確率は19.7%になります。<br />
<br />
7日に1度の頻度<br />
<table border="1"><tbody>
<tr><td>月経周期</td><td>09</td><td bgcolor="#ff00ff"><b>10</b></td><td bgcolor="#ff00ff"><b>11</b></td><td bgcolor="#ff00ff"><b>12</b></td><td bgcolor="#ff0000"><b>13</b></td><td bgcolor="#ff0000"><b>14</b></td><td bgcolor="#ff0000"><b>15</b></td><td>16</td><td>妊娠確率</td></tr>
<tr><td>パターン1</td><td><b>●</b></td><td bgcolor="#ff00ff"><b>×</b></td><td bgcolor="#ff00ff"><b> ×</b></td><td bgcolor="#ff00ff"><b> ×</b></td><td bgcolor="#ff0000"><b>×</b></td><td bgcolor="#ff0000"><b> ×</b></td><td bgcolor="#ff0000"><b> ×</b></td><td><b>●</b></td><td>0</td></tr>
<tr><td>パターン2</td><td><b>×</b></td><td bgcolor="#ff00ff"><b>●</b></td><td bgcolor="#ff00ff"><b> ×</b></td><td bgcolor="#ff00ff"><b> ×</b></td><td bgcolor="#ff0000"><b> ×</b></td><td bgcolor="#ff0000"><b>×</b></td><td bgcolor="#ff0000"><b> ×</b></td><td><b> ×</b></td><td>11</td></tr>
<tr><td>パターン3</td><td><b>×</b></td><td bgcolor="#ff00ff"><b> ×</b></td><td bgcolor="#ff00ff"><b>●</b></td><td bgcolor="#ff00ff"><b> ×</b></td><td bgcolor="#ff0000"><b> ×</b></td><td bgcolor="#ff0000"><b> ×</b></td><td bgcolor="#ff0000"><b>×</b></td><td><b> ×</b></td><td>11</td></tr>
<tr><td>パターン4</td><td><b>×</b></td><td bgcolor="#ff00ff"><b> ×</b></td><td bgcolor="#ff00ff"><b> ×</b></td><td bgcolor="#ff00ff"><b>●</b></td><td bgcolor="#ff0000"><b> ×</b></td><td bgcolor="#ff0000"><b> ×</b></td><td bgcolor="#ff0000"><b> ×</b></td><td><b>×</b></td><td>11</td></tr>
<tr><td>パターン5</td><td><b>×</b></td><td bgcolor="#ff00ff"><b>×</b></td><td bgcolor="#ff00ff"><b>×</b></td><td bgcolor="#ff00ff"><b>×</b></td><td bgcolor="#ff0000"><b>●</b></td><td bgcolor="#ff0000"><b>×</b></td><td bgcolor="#ff0000"><b>×</b></td><td><b>×</b></td><td>35</td></tr>
<tr><td>パターン6</td><td><b>×</b></td><td bgcolor="#ff00ff"><b>×</b></td><td bgcolor="#ff00ff"><b>×</b></td><td bgcolor="#ff00ff"><b>×</b></td><td bgcolor="#ff0000"><b>×</b></td><td bgcolor="#ff0000"><b>●</b></td><td bgcolor="#ff0000"><b>×</b></td><td><b>×</b></td><td>35</td></tr>
<tr><td>パターン7</td><td><b>×</b></td><td bgcolor="#ff00ff"><b>×</b></td><td bgcolor="#ff00ff"><b>×</b></td><td bgcolor="#ff00ff"><b>×</b></td><td bgcolor="#ff0000"><b>×</b></td><td bgcolor="#ff0000"><b>×</b></td><td bgcolor="#ff0000"><b>●</b></td><td><b>×</b></td><td>35</td></tr>
<tr><td>合計</td><td></td><td bgcolor="#ffffff"></td><td bgcolor="#ffffff"></td><td bgcolor="#ffffff"></td><td bgcolor="#ffffff"></td><td bgcolor="#ffffff"></td><td bgcolor="#ffffff"></td><td></td><td>19.7</td></tr>
</tbody></table>
<br />
<h2>
レイプによる妊娠確率は4.9%</h2>
<br />
上で用いたシミュレーションを28日に1度の頻度にしてみましょう。<br />
妊娠確率0%のパターン1とパターンの日が22日あります。<br />
月経周期28日の中の任意の1日だけ性交渉があった場合の妊娠確率は、4.9%となります。<br />
この4.9%はレイプによる妊娠確率の理論上の数値です。<br />
(実際は精神的ショックが排卵を誘発することがあるため、4.9%よりやや高くなります。)<br />
<br />
28日に1度の頻度<br />
<table border="1"><tbody>
<tr><td>月経周期</td><td>01~09</td><td bgcolor="#ff00ff"><b>10</b></td><td bgcolor="#ff00ff"><b>11</b></td><td bgcolor="#ff00ff"><b>12</b></td><td bgcolor="#ff0000"><b>13</b></td><td bgcolor="#ff0000"><b>14</b></td><td bgcolor="#ff0000"><b>15</b></td><td>16~28</td><td>妊娠確率</td></tr>
<tr><td>パターン1</td><td><b>●</b></td><td bgcolor="#ff00ff"><b>×</b></td><td bgcolor="#ff00ff"><b> ×</b></td><td bgcolor="#ff00ff"><b> ×</b></td><td bgcolor="#ff0000"><b>×</b></td><td bgcolor="#ff0000"><b> ×</b></td><td bgcolor="#ff0000"><b> ×</b></td><td><b>×</b></td><td>0</td></tr>
<tr><td>パターン2</td><td><b>×</b></td><td bgcolor="#ff00ff"><b>●</b></td><td bgcolor="#ff00ff"><b> ×</b></td><td bgcolor="#ff00ff"><b> ×</b></td><td bgcolor="#ff0000"><b> ×</b></td><td bgcolor="#ff0000"><b>×</b></td><td bgcolor="#ff0000"><b> ×</b></td><td><b>×</b></td><td>11</td></tr>
<tr><td>パターン3</td><td><b>×</b></td><td bgcolor="#ff00ff"><b> ×</b></td><td bgcolor="#ff00ff"><b>●</b></td><td bgcolor="#ff00ff"><b> ×</b></td><td bgcolor="#ff0000"><b> ×</b></td><td bgcolor="#ff0000"><b> ×</b></td><td bgcolor="#ff0000"><b>×</b></td><td><b> ×</b></td><td>11</td></tr>
<tr><td>パターン4</td><td><b>×</b></td><td bgcolor="#ff00ff"><b> ×</b></td><td bgcolor="#ff00ff"><b> ×</b></td><td bgcolor="#ff00ff"><b>●</b></td><td bgcolor="#ff0000"><b> ×</b></td><td bgcolor="#ff0000"><b> ×</b></td><td bgcolor="#ff0000"><b> ×</b></td><td><b>×</b></td><td>11</td></tr>
<tr><td>パターン5</td><td><b>×</b></td><td bgcolor="#ff00ff"><b>×</b></td><td bgcolor="#ff00ff"><b>×</b></td><td bgcolor="#ff00ff"><b>×</b></td><td bgcolor="#ff0000"><b>●</b></td><td bgcolor="#ff0000"><b>×</b></td><td bgcolor="#ff0000"><b>×</b></td><td><b>×</b></td><td>35</td></tr>
<tr><td>パターン6</td><td><b>×</b></td><td bgcolor="#ff00ff"><b>×</b></td><td bgcolor="#ff00ff"><b>×</b></td><td bgcolor="#ff00ff"><b>×</b></td><td bgcolor="#ff0000"><b>×</b></td><td bgcolor="#ff0000"><b>●</b></td><td bgcolor="#ff0000"><b>×</b></td><td><b>×</b></td><td>35</td></tr>
<tr><td>パターン7</td><td><b>×</b></td><td bgcolor="#ff00ff"><b>×</b></td><td bgcolor="#ff00ff"><b>×</b></td><td bgcolor="#ff00ff"><b>×</b></td><td bgcolor="#ff0000"><b>×</b></td><td bgcolor="#ff0000"><b>×</b></td><td bgcolor="#ff0000"><b>●</b></td><td><b>×</b></td><td>35</td></tr>
<tr><td>パターン8</td><td><b>×</b></td><td bgcolor="#ff00ff"><b>×</b></td><td bgcolor="#ff00ff"><b>×</b></td><td bgcolor="#ff00ff"><b>×</b></td><td bgcolor="#ff0000"><b>×</b></td><td bgcolor="#ff0000"><b>×</b></td><td bgcolor="#ff0000"><b>×</b></td><td><b>●</b></td><td>0</td></tr>
<tr><td>合計</td><td></td><td bgcolor="#ffffff"></td><td bgcolor="#ffffff"></td><td bgcolor="#ffffff"></td><td bgcolor="#ffffff"></td><td bgcolor="#ffffff"></td><td bgcolor="#ffffff"></td><td></td><td>4.9</td></tr>
</tbody></table>
<br />
<h2>
緊急避妊効果の算定数値</h2>
<br />
緊急避妊の説明では、緊急避妊しない場合の妊娠率を8%とし、緊急避妊により妊娠率を2%まで低下できるとしています。<br />
この説明の緊急避妊しない場合の妊娠率8%については、問題視する考えがあります。<br />
緊急避妊研究の第一人者であるTrussell, Jもその一人です。<br />
妊娠率8%は、次の月経直前とか妊娠リスクの低いケースでは緊急避妊を受けないだろう、<br />
との前提で考えられた数字です。<br />
つまり、生理中や次の生理前の10日ほどの間に避妊失敗があっても、<br />
緊急避妊は受けないとの前提に立っています。<br />
しかし現在、避妊の失敗があれば、生理周期のどの日であるかに関係なく緊急避妊を考慮するよう推奨されています。<br />
そうであれば想定妊娠率の8%は高すぎるのではないか、<br />
との疑問が出るのは当然です。<br />
<br />
<h2>
妊娠確率ゼロの日はない</h2>
<br />
ウィルコックスは1995年の論文で、月経周期中妊娠可能性のあるのは6日間だけであることを示しました。<br />
排卵日があらかじめ分かっていれば、この6日間以外の日は妊娠確率ゼロということになります。<br />
しかし、実際には排卵予定日に必ず排卵があるわけではありません。<br />
排卵の実際に起こる日は予測不可能なのです。<br />
ウィルコックスは2000年の論文で、妊娠可能な6日間が月経周期のどこで生じているのかを明らかにしました。<br />
その結論を一言で言えば、妊娠確率ゼロの安全日はないとなります。<br />
ウィルコックス2000年論文が出された直後に、「ピルとのつきあい方」旧版はその論文の抄訳を掲載しました。<br />
<br />
<a name='more'></a><br />
注 本稿は妊娠確率についての概略的な理解のために書かれています。この問題についての専門的議論については以下を参照して下さい。<br /><a href="http://humrep.oxfordjournals.org/content/14/7/1835.full" target="_blank">Dunson DB1, Baird DD, Wilcox AJ, Weinberg CR.Day-specific probabilities of clinical pregnancy based on two studies with imperfect measures of ovulation.Hum Reprod. 1999 Jul;14(7):1835-9.</a><br />
<br />
<br />Anonymoushttp://www.blogger.com/profile/15708490026898021442noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-1379882158469607859.post-2645908213181184812015-03-27T21:06:00.000+09:002015-04-14T08:44:13.163+09:00菅原彩加さん被災体験の事実関係についてやや本ブログのテーマからそれますが、菅原彩加さんに対する目にあまる中傷が行われていますので、特別にこの記事を投稿することにしました。<br />
<br />
<br />
2011年6月7日、CNNは「日本の津波孤児の現状」を配信しました。<br />
現在、動画は見れなくなっていますが、番組内容は以下で知ることができます。<br />
<a href="http://edition.cnn.com/2011/WORLD/asiapcf/06/07/japan.tsunami.orphans/">http://edition.cnn.com/2011/WORLD/asiapcf/06/07/japan.tsunami.orphans/</a><br />
この番組は、あしなが育英会が6月7日~12日にかけてニューヨークで行った「東北レインボーハウス」建設のための街頭募金に関連したものです。<br />
(参照 <a href="http://www.ashinaga.org/news/press/entry-350.html" target="_blank">あしなが育英会「東北津波遺児らが米国NYタイムズスクエアで街頭募金実施!」</a>)<br />
菅原彩加さんはニューヨークに赴いた高校生代表の一人だったので、CNNは石巻で菅原さんを取材しこの番組を制作しました。<br />
この番組で菅原さんは経験を具体的に証言しています。<br />
CNN番組での菅原さんの証言を見て見ましょう。(<span style="color: cyan;">青字</span>は引用)<br />
<br />
<br />
<h3>
家は瞬時にバラバラになった</h3>
<br />
<span style="color: cyan;">津波が彼女の家を襲った時、彼女は階段にいました。<br />お母さんは2階にいて、お祖母さんと曾お祖母さんは1階にいました。<br />彼女の愛犬も1階でした。<br />地面から大きな音が聞こえ、家は一瞬でバラバラになりました。<br />彼女は死んでしまうと思いました。</span><br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhAQJtP79Gvm7HsTJLfzdZn2w1c3Ie8ogzV3ocPjrIgoeoB8uh0fISF3yAy4mqU988BdUif9L9tl_JEXqvmy8tRThElYytxa26KspDOGvrkl7S-LU1sTkGCcL2SXTkBB6pM2tVtRnA_4gU/s1600/01.gif" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhAQJtP79Gvm7HsTJLfzdZn2w1c3Ie8ogzV3ocPjrIgoeoB8uh0fISF3yAy4mqU988BdUif9L9tl_JEXqvmy8tRThElYytxa26KspDOGvrkl7S-LU1sTkGCcL2SXTkBB6pM2tVtRnA_4gU/s1600/01.gif" height="180" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
(<span style="font-size: xx-small;">菅原さんの家の跡</span></div>
<div style="text-align: center;">
<span style="font-size: xx-small;"> </span><a href="http://edition.cnn.com/2011/WORLD/asiapcf/06/07/japan.tsunami.orphans/"><span style="font-size: xx-small;">http://edition.cnn.com/2011/WORLD/asiapcf/06/07/japan.tsunami.orphans/</span></a>)</div>
<br />
<h3>
大川小学校のプールまで流された</h3>
<br />
<span style="color: cyan;">彼女の家から大川小学校までは100メートルです。<br />津波の第1波で彼女とお母さんは大川小学校のプールまで流されました。</span><br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjkD_9keTPsYQxalpdSK4TDmuvzpAxeG0RdXT2CG_nMFfFAxmRFyDeA00RH4R9nGQxVp3tPwzOJzo4ZggVJqStdY0CsbqoiGPcEu-7sNFWX9PHbt8CHN854HMeUnaH76qHgTCatnsj-01Y/s1600/02.gif" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjkD_9keTPsYQxalpdSK4TDmuvzpAxeG0RdXT2CG_nMFfFAxmRFyDeA00RH4R9nGQxVp3tPwzOJzo4ZggVJqStdY0CsbqoiGPcEu-7sNFWX9PHbt8CHN854HMeUnaH76qHgTCatnsj-01Y/s1600/02.gif" height="177" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
(<span style="font-size: xx-small;">家から100mの大川小学校のプール </span><a href="http://edition.cnn.com/2011/WORLD/asiapcf/06/07/japan.tsunami.orphans/"><span style="font-size: xx-small;">http://edition.cnn.com/2011/WORLD/asiapcf/06/07/japan.tsunami.orphans/</span></a>)</div>
<br />
<br />
<h3>
極限状態での母娘の会話</h3>
<br />
<span style="color: cyan;">瓦礫に埋もれていた彼女は水が引いていくのを感じました。<br />お母さんは彼女のすぐ近くにいて、生きていて話しもしました。<br />お母さんは右足が瓦礫に埋もれ動くことができませんでした。<br />お母さんは彼女に<strong>逃げるように</strong>言いました。<br />(その時の詳しい状況を彼女は語りました。<br />彼女の顔は無表情でした。)<br />彼女「わかった。私行くね。」<br />お母さん「行かないで。まだここにいるんだから。」</span><br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEg4ehaGbcfR6eldhG0rUmJmw4Wtxj4cGOZivfbNOkPmZlCrFZ_vK94Olw2uALTrunX8U_A6HY427NUT59OFNuSRdTDSbhOMKii5xLbpw7PRwSR3WAH9tY7yyIGT6gwER2j_TDmCLBalqPs/s1600/03.gif" height="320" width="258" /></div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
(<span style="font-size: xx-small;">大川小学校の瓦礫の状態 <a href="http://f.hatena.ne.jp/takasama1/20110421202102">http://f.hatena.ne.jp/takasama1/20110421202102</a></span>)</div>
<h3>
</h3>
<h3>
津波の第2波</h3>
<br />
<span style="color: cyan;">彼女が瓦礫から掻き出たちょうどその時、<br />第二波の津波が襲ってきました。<br />その津波で彼女は学校の赤い屋根の上に打ち上げられました。※<br />ここから後の彼女の記憶は定かでありません。<br />彼女は救出されるまでに2日間の時間があったと思っています。</span><br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiSRDES_DzDC332J0dLdrt7g4u1XXZmqLwk536CDZdFMz0uoCt40AL9dpG1XtjZGg6AMmhRLFT3l2a2RNPoUwBghFRl2Fuo_2NDhCaafMNTJ3v1pVjqZa2sa1D8vbXz5ypALlMqnv86k0I/s1600/04.gif" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiSRDES_DzDC332J0dLdrt7g4u1XXZmqLwk536CDZdFMz0uoCt40AL9dpG1XtjZGg6AMmhRLFT3l2a2RNPoUwBghFRl2Fuo_2NDhCaafMNTJ3v1pVjqZa2sa1D8vbXz5ypALlMqnv86k0I/s1600/04.gif" height="179" width="320" /></a></div>
<br />
<div style="text-align: center;">
(<span style="font-size: xx-small;">プール背後の校舎の屋根にたどり着いた </span><a href="http://edition.cnn.com/2011/WORLD/asiapcf/06/07/japan.tsunami.orphans/"><span style="font-size: xx-small;">http://edition.cnn.com/2011/WORLD/asiapcf/06/07/japan.tsunami.orphans/</span></a>)</div>
<div style="text-align: left;">
</div>
<div style="text-align: left;">
※小学校校舎の屋根の色が赤いと言えるか微妙です。小学校校舎に隣接して赤い屋根の体育館がありました。CNNの伝えた赤い屋根の校舎が体育館を指す可能性も皆無ではありません。しかし、菅原証言どおり、体育館の屋根ではなく校舎の屋根と考えるのが妥当と思われます。その理由は、①CNNのインタビューの行われた6月時点で体育館は取り崩されていたこと、②河北総合支所の職員の証言も「学校の校舎」となっていること、津波の最高水位は校舎屋根の中程までであったこと、の3点です。</div>
<div style="text-align: left;">
</div>
<div style="text-align: left;">
家族の死</div>
<br />
<span style="color: cyan;">数週間後、お母さんとお祖母さんの遺体が見つかりました。<br />曾お祖母さんは行方不明のままです。<br />祖父を除き彼女の血縁者はいなくなりました。<br />(彼女の現在のお父さんと血のつながりはない)</span><br />
<br />
<h3>
1週間前のお母さんの写真</h3>
<br />
<span style="color: cyan;">お母さんの遺体とともに発見された携帯に残されていたお母さんの写真を彼女は持っています。</span><br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhJYLT4OXIJy33JQec20Q3uw_iqp2z1Ynhd0LrsgsI7epaA8Qm7Wc_XadynMSLR6VzoQMWpEYo_bZUfqZoHcMyjKv5bYX2dEh5GDZVK5FHdvfIPalLH6QY4Y3_7d9ho6hdLPp2ABnkkOKc/s1600/05.gif" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhJYLT4OXIJy33JQec20Q3uw_iqp2z1Ynhd0LrsgsI7epaA8Qm7Wc_XadynMSLR6VzoQMWpEYo_bZUfqZoHcMyjKv5bYX2dEh5GDZVK5FHdvfIPalLH6QY4Y3_7d9ho6hdLPp2ABnkkOKc/s1600/05.gif" height="182" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
(<span style="font-size: xx-small;">お母さんの携帯にあった写真 </span><a href="http://edition.cnn.com/2011/WORLD/asiapcf/06/07/japan.tsunami.orphans/"><span style="font-size: xx-small;">http://edition.cnn.com/2011/WORLD/asiapcf/06/07/japan.tsunami.orphans/</span></a>)</div>
<br />
以上がCNNが伝えた内容の概略です。<br />
---------------------------------------------------------------------------<br />
<br />
<br />
<h3>
「食い違い」は彼女の責任か?</h3>
<br />
2011年06月15日付け<a href="http://www.ashinaga.org/news/press/entry-350.html" target="_blank">あしなが育英会プレスリリース「東北津波遺児らが米国NYタイムズスクエアで街頭募金実施!」</a>には以下の内容が書かれています。<br />
<br />
<span style="color: cyan;"><参加した遺児たちの声><br />菅原彩加さん(高校1年)は津波に流され、<u>二晩、自宅屋根の上で過ごしました。</u>大きなガレキで背中に傷を負ったとき、彩加さんは飛び上がり、足の爪がはがれました。「母、祖母が亡くなりました。<u>祖父は未だ行方不明です。</u>海から7~8㎞あたりの住民は誰も今回のような大津波を想像していなかった。(津波が発生したとき)みんな家にいたと思う。私は流されましたが、生き残った」。「自分と同じ気持ちを持った世界の人や同世代の高校生たちと会い、互いを励ますとともに共感し合えたり出来たと思います。また、 ニューヨークの人たちやTVや新聞を通して世界中の人たちに被災地の現状や大変さを伝えることが出来たので本当に嬉しい。私たちがアメリカへ来て良かったと思います。5日間という本当に短い間の活動でしたが、とても良い経験になりました」</span><br />
このプレスリリースはCNN放送と重なる時期のものです。<br />
菅原さんがCNNとあしなが育英会に別の内容を話したわけではないでしょう。<br />
CNNの放送内容と食い違う点は、2点あります。<br />
「二晩、自宅屋根の上で過ごしました」と「祖父は未だ行方不明です」の2点です。<br />
まず後者。行方不明なのは曾祖母で、CNNにはそのように話しているのに、あしなが育英会には祖父が行方不明だと伝えることはあるでしょうか。<br />
あしなが育英会の聞き間違い書き間違いのように考えられます。※<br />
前者の「自宅屋根の上」ですが、菅原さんがそのような嘘を言う理由もないように思えます。<br />
「校舎の屋根の上」と話しているのをあしなが育英会が聞き間違えたか書き間違えたと考えられます。<br />
あしなが育英会のプレスリリースは、伝聞に伝聞を重ねて書かれているように思われます。<br />
<br />
<span style="font-size: x-small;">※「です・ます」体と「だ・である」体の混ざった文章で、翻訳臭さが感じられます。日本語(菅原さん)→英語(通訳)→日本語(あしなが育英会)だったのかもしれません。</span><br />
<h3>
</h3>
<h3>
</h3>
<br />
<h3>
誤報の二次利用</h3>
<br />
一般財団法人教育支援グローバル基金(BEYOND Tomorrow)の2011年8月29日付けの文書では、あしなが育英会の「自宅屋根の上」の記述が踏襲されています。<br />
菅原さん自身が「自宅屋根の上」と語ることは考えにくいでしょう。<br />
BEYOND Tomorrowはあしなが育英会プレスリリースを参考にし、「自宅屋根の上」としたように思われます。<br />
<br />
<h3>
「泳いで小学校へと渡り」について</h3>
<br />
中国・大連で9月14〜16日に「夏季ダボス会議」が開かれ、そこで菅原さんはスピーチします。<br />
仙台育英高校サイト内には、「<a href="http://www.sendaiikuei.ed.jp/i_html/i_tpc_11davos_2.html" target="_blank">菅原彩加さんのスピーチ(「Tohoku to the world」より)</a>」との記事があります。<br />
この内容は全体的にCNNの内容と重なっています。<br />
1点だけCNNにない内容があります。<br />
「<span style="color: cyan;">その後、私は泳いで小学校へと渡り一夜を明かしました</span>」です。<br />
この点を疑問視する方もいるようです。<br />
状況を考えてみましょう。<br />
彼女のいたのは小学校のプールです(下の写真参照)。<br />
そこで第2波の津波に襲われます。<br />
そして彼女は小学校の屋根の上にたどり着きます。<br />
津波は親切に彼女を屋根の上に運んでくれたわけではないでしょう。<br />
彼女は屋根にたどり着こうと努力したのではないでしょうか。<br />
そのことを「泳いで小学校へと渡り」と表現しても、<br />
間違いではないと思われます。<br />
菅原さんの証言では一貫して、第1波の津波で小学校プールまで流され、第2波の津波の際に校舎屋根に泳いで渡ったとなっています。小学校プールから校舎屋根までは水平距離で数メートルです。ところが、2015年03月12日の<a href="https://web.archive.org/web/20150404014014/http://www.yomiuri.co.jp/feature/TO000305/20150312-OYT1T50000.html" target="_blank">読売新聞は「100メートルほど泳いで市立大川小学校の屋根で一晩を過ごし」</a>と報じました。誤報に近い不正確な記事です。報道の真偽を吟味することを知らない情報弱者は、菅原さんのスピーチが捏造ではないかと騒ぎ始めました。<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjlX9kgcgC7J5IaM1tBphl7AaatNgbCzPNJfhg60GoFyZY4Gft4phw0EeKsvYGk5FCxfEG-CPhY0B5ARbjx8ltzzwK2xKuTe_9bwhuZRsm8Bit6eri1tsklxSPAWEFsZUjmukwb7uaGaIk/s1600/06.gif" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjlX9kgcgC7J5IaM1tBphl7AaatNgbCzPNJfhg60GoFyZY4Gft4phw0EeKsvYGk5FCxfEG-CPhY0B5ARbjx8ltzzwK2xKuTe_9bwhuZRsm8Bit6eri1tsklxSPAWEFsZUjmukwb7uaGaIk/s1600/06.gif" height="228" width="320" /></a></div>
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjhk9VXpvIpOHWMJ1miKhrZ0grz8pc1Q5DqIvYFVaiC7gJqocOCL0s6e0sk-AQQet-t0BtCz_RsPSRWLnLgupxHxyi2ubTiYgCYRchxZCavQg-CsgQCeYCa3LIf7IHyv_SJdHZoFy7WGCA/s1600/07.gif" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjhk9VXpvIpOHWMJ1miKhrZ0grz8pc1Q5DqIvYFVaiC7gJqocOCL0s6e0sk-AQQet-t0BtCz_RsPSRWLnLgupxHxyi2ubTiYgCYRchxZCavQg-CsgQCeYCa3LIf7IHyv_SJdHZoFy7WGCA/s1600/07.gif" height="226" width="320" /></a></div>
<br />
※ <a href="http://diamond.jp/articles/-/25726?page=3" target="_blank">河北総合支所の職員の証言</a>「<span style="color: cyan;">学校の校舎に声をかけたところ、校舎から反応があった。後でわかったのは、返事をしたのは、屋根の上にいた、当時中学生の女性と大人の女性。2人は校舎の屋根に流れついて、助けを待っていた。ただ、校舎の周りは水没していたため、どうすることもできない。</span>」<br />
<br />
<h3>
【「ありがとう」「大好きだよ」と伝えました。】について</h3>
<br />
ダボス会議のスピーチにはお母さんとの別れに際して「ありがとう」「大好きだよ」と伝えた話が出てきます。<br />
その時の状況はCNNが報じているとおりでしょう。<br />
極限の状況です。<br />
お母さんにはお母さんの葛藤があり、<br />
菅原さんには菅原さんの葛藤がありました。<br />
お母さんは「逃げて」とも言っています。<br />
「行かないで」とも言っています。<br />
菅原さんにも葛藤がありました。<br />
菅原さんはお母さんを助けようとしています。<br />
そこにまた津波が押し寄せてきます。<br />
「ありがとう」「大好きだよ」<br />
そう伝えることが彼女にできる唯一のことだったでしょう。<br />
<h3>
<br />「母を見捨てた」と中傷した方々へ</h3>
<br />
菅原さんは言語を絶する辛い経験をしました。<br />
彼女の心の痛みを私は理解できます。<br />
その彼女が中傷されているのを見て見ぬふりをすることはできません。<br />
彼女を中傷している人達は、不確かな情報の断片に振り回されているように見えます。<br />
今一度、よく考えてほしいのです。<br />
そして彼女を傷つける中傷をし、あるいはそれに加担したのならば、<br />
今からでも遅くありませんから、是非撤回の意思表示をしてほしいと思います。<br />
<br />
--------------------<br />
追記(2015.4.1)<br />
--------------------<br />
<br />
<br />
<h3>
ほぼブレていない菅原彩加さんの証言</h3>
<br />
菅原彩加さんの震災体験として伝えられるものは、<br />
大きく2つに分類できます。<br />
一つは菅原彩加さん自身の証言で、一つはNPOやマスコミなどによる紹介記事です。<br />
菅原彩加さん自身の証言はいわば1次資料であり、NPOなどによる紹介記事は2次資料です。<br />
両者をごちゃ混ぜにして事実関係を詮索するのは意味がありません。<br />
あくまで、1次資料を基にして考える必要があります。<br />
菅原彩加さん自身の証言と考えられるものは、5点あります。<br />
①2011年6月7日のCNN報道(このページ前半部参照)、<br />
②2011年9月14〜16日の<a href="https://www.youtube.com/watch?v=lwKSP4j4m_w" target="_blank">夏季ダボス会議スピーチ</a>、<br />
③2012年3月<a href="http://beyond-tomorrow.org/program/past-program/ussp2012/" target="_blank">米国スピーチ原稿</a><br />
④2013/07/05に公開された<a href="https://www.youtube.com/watch?v=hl3TiNuHpXU" target="_blank">Teen's Rights Movementメッセージ</a><br />
⑤2015年3月11日の<a href="http://d.hatena.ne.jp/ujikenorio/20150317/p5" target="_blank">東日本大震災追悼式スピーチ</a><br />
の5つです。<br />
<br />
①CNN番組インタビューの内容はこのページ前半部に示しています。<br />
<br />
②の <a href="http://www.sendaiikuei.ed.jp/i_html/i_tpc_11davos_2.html" target="_blank">夏季ダボス会議スピーチ</a>は以下の通りです。<br />
<br />
<span style="color: cyan;">3月11日の日、中学校の卒業式でした。10年間ともに過ごした仲間とのすばらしい別れの一日、一生思い出に残る良い日になるとばかり思っていました。午前中の式を終えてお昼は謝恩会をし、午後二時頃家に帰りました。帰ってすぐでした。</span><br />
<span style="color: cyan;"> 突然の大きな揺れ、「また地震か」。最初はその程度でしたが、どんどん強くなっていく揺れ。今まで感じたことのない程大きな揺れが日本に起きました。何分経っても止まらない長い長い揺れでした。家の中はぐちゃぐちゃで、家族もみんなパニック状態、「どうしよう、どうしよう」。それしか私は頭に出てきませんでした。しかし、少し時間が経つ と冷静になり、母や祖母なども「家の中、ガラスとかあぶないから片付けようか」ということになり、私の父、母、祖母、曾祖母そして私の五人で家の中を片付けていました。私はふと「あんなに大きい地震は本当にびっくりしたなあ。震度何だったんだろ?」とふと思い携帯を使い調べてみました。すると震度何だったなどというよりも大きな文字で「大津波警報」と表示されているのが私の目に入りました。「えっ津波?」と思い、その文字をクリックすると地域別に予想される津波の高さが表示されていました。石巻は何メートルかなと、石巻の所を見てみると10メートル以上と表示されていました。 私は「これはヤバい」と思い祖母にそのことを伝えました。すると祖母も「10メートル以上ってことは金谷(私の住んでいた地区)まで来るね。逃げるよってママとかに言ってきて」と言われ私は急いで二階へ行き母にそのことを伝えようとしたその時、「ゴォー」という地鳴りのような音が聞こえてきました。「また余震か」と思ったものの、まったく揺れも来ず、「ゴォー」という音がただただ大きくなるだけでした。すると「みんな早く逃げろー!」よく聞くと隣の家の人の声が私の耳に入りました。「これは津波だ。大変、逃げなきゃ」と思い、母の手を引き階段を降りようとした時、「バキバキッ、ガシャン」という音と共に家は壊れ、私たち家族5人は大きな波に飲まれました。</span><br />
<span style="color: cyan;"> 何が何だかわからなくて、痛くて冷たくて「もう死ぬんだ」ということが私の頭でぐるぐる駆け巡りました。「ギシ、ガチャガチャガチャ」。しばらくの間流されて、私はがれきの山に埋もれ、止まりました。力をふりしぼり、がれきをかき分け出て行くと約20メートルくらいの高さのがれきの山の上にいました。しーんと静まり返り、一言で言えば、“黒い海”という感じでした。そのとき、自分の足下から「ゔ—、ゔ—」とうなり声のようなものが聞こえました。足下のがれきを少しよけてみると私の母の姿がありました。くぎが刺さり木が刺さり、足は折れ、変わり果てた母の姿。右足が挟まって抜けず、一生懸命がれきをよけようと頑張りましたが、私一人ではどうにもならない程の重さ、大きさでした。母の ことを助けたいが、このままここにいたらまた流されて死んでしまう。“助けるか”“逃げるか”。私は自分の命を選びました。今思い出しても涙が止まらない選択です。最後その場を離れる時、母に何度も「ありがとう」「大好きだよ」と伝えました。「行かないで」という母を置いてきたことは本当につらかったし、もっともっと伝えたいこともたくさんあったし、これ以上辛いことは、もう一生ないのではないかなと思います。その後、私は泳いで小学校へと渡り一夜を明かしました。</span><br />
<span style="color: cyan;"> この後も、私が体験したことはもっともっとたくさんあります。辛くて辛くて死のうかと思った日もありました。なんでこんなに辛いんだろうと思った日もあるし、家族を思って泣いた日も数えきれな いほどありました。</span><br />
<br />
③の<a href="http://beyond-tomorrow.org/program/past-program/ussp2012/" target="_blank">米国スピーチ原稿</a>は、以下の通りです。<br />
<br />
<span style="color: cyan;">3月11日は、中学校の卒業式でした。<br />10年間共に過ごした仲間とのすばらしい旅立ちの日、<br />一生の思い出に残る良い日になるとばかり思っていました。 <br /> 家に帰るとすぐに地震が起きました。<br />今までに感じたことのないほど大きな揺れでした。<br />地震が発生して、停電になってしまったため、<br />テレビから情報を得ることが出来ず、携帯で津波がくるという情報を得て、<br />逃げようとした時にはすでに遅く、<br />地鳴りのような音と共に一瞬にして津波は家と私の家族を飲みこみました。<br />がれきと黒い水に流され、「もう死ぬんだ」「高校の制服を着たかったな」と、<br />たくさんのことが頭の中を駆け巡りました。<br />▼続きを読む<br />しばらく流されてがれきをかきわけて出ていくと、<br />がれきの下から母が私の名前を呼ぶ声が聞こえました。<br />がれきをよけると、くぎと木がささり、足は折れ、<br />変わり果てた母の姿がありました。<br />右足がはさまって抜けず、一生懸命がれきをよけようと頑張りましたが、<br />私一人ではどうにもならないほどの重さ、大きさでし た。<br />母のことを助けたいけれど、このままここにいたらまた流されて死んでしまう。<br />助けるか、逃げるか。私は自分の命を選びました。<br />今思い出しても涙の止まらない選択です。<br />最後その場を離れる時、母に何度も「ありがとう」「大好きだよ」と伝えました。<br />「行かないで」という母を置いてきたことは本当につらかったし、<br />もっともっと伝えたいこともたくさんあったし、<br />これ以上つらいことはもう一生ないのではないかなと思います。<br />その後私は泳いで小学校へと渡り一夜を 明かしました。 <br />この後も私が体験したことはもっともっとたくさんあります。<br />辛くて死のうかと思った日もありました。<br />なんでこんなに辛いんだろうと思った日もあるし、<br />家族を思って泣いた日も数え切れないほどありました。<br />今回の震災で私ははかりしれないほど多くを失いました。</span> <br />
<br />
なお、このスピーチ原稿には<a href="http://beyond-tomorrow.org/en/program/past-program/ussp2012/" target="_blank">英語版</a>があります。<br />
内容的には日本語と同じです。<br />
英文は高校1年生程度の英語力では無理な出来映えです。<br />
おそらく本人の翻訳ではないでしょう。<br />
<br />
④の<a href="https://www.youtube.com/watch?v=hl3TiNuHpXU" target="_blank">Teen's Rights Movementビデオメッセージ</a>は、<br />
上記②③と同一内容で、具体的な情景描写など一部が省略されています。<br />
<br />
⑤の<a href="http://d.hatena.ne.jp/ujikenorio/20150317/p5" target="_blank">東日本大震災追悼式スピーチ</a>は以下の通りです。<br />
<br />
<span style="color: cyan;">私は東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城県石巻市大川地区で生まれ育ちました。<br />小さな集落でしたが、朝学校へ行く際すれ違う人皆が「彩加ちゃん! 元気にいってらっしゃい」と声をかけてくれるような、温かい大川がとても大好きでした。<br />あの日、中学の卒業式が終わり家に帰ると大きな地震が起き、地鳴りのような音と共に津波が一瞬にして私たち家族5人をのみ込みました。<br />しばらく流された後、私は運良く瓦礫(がれき)の山の上に流れ着きました。その時、足下から私の名前を呼ぶ声が聞こえ、かき分けて見てみると釘や木が刺さり足は折れ変わり果てた母の姿がありました。右足が挟まって抜けず、瓦礫をよけ ようと頑張りましたが私一人にはどうにもならないほどの重さ、大きさでした。母のことを助けたいけれど、ここに居たら私も流されて死んでしまう。「行かないで」という母に私は「ありがとう、大好きだよ」と伝え、近くにあった小学校へと泳いで渡り、一夜を明かしました。</span><br />
<span style="color: cyan;"></span><br />
5つの証言は大筋で完全に一致しており、ぶれはありません。<br />
①は最も初期の証言であり、⑤は最も最近のスピーチです。<br />
したがって、この間に彼女の行った記録されていないスピーチも、同様であったと考えてよいでしょう。<br />
<br />
なお、細部において3点の齟齬が見られますが、<br />
意図的なものとは考えられません。<br />
<br />
<strong>a.齟齬1--父親の被災状況説明</strong><br />
<br />
被災当時、彼女の家族は曾祖 母・祖母・父・母・彼女の5人でした。<br />
①には父親についての記述だけがなく(②③には家族状況の説明が省略されている)、<br />
④と⑤には父親の被災についての説明があります。<br />
これを齟齬と言えば言えなくもありませんが、<br />
①は被災時に家族のそれぞれがどの位置にいたかを述べたものであり、記憶の定かでない父について語らなかっただけかもしれません。<br />
被災当時の父(継父)はその後、家族でなくなります。思春期の少女にとって語りたくない心理が働いたのかもしれません。<br />
いずれにしても、被災当時父親の状況がどうであったかは、枝葉末節に属する事柄で彼女の証言の信憑性を揺るがすものではありません。<br />
<br />
<strong>b.齟齬2--屋根上から救出されるまでの時間</strong><br />
<br />
校舎屋根上から救出されるまでの期間が2日間であったり、翌日であったりして、ぶれているとの指摘がなされています。<br />
実際に彼女が救出 されたのは震災翌日であったと考えられますから、<br />
屋根の上で一夜を過ごしたという②③④⑤の説明が正確です。<br />
それでは①のCNNには嘘の証言をしたのでしょうか。<br />
CNNの報道では「ここ(学校の屋根の上)で彼女の話はファジーになる--救助隊が彼女を救出する前に2日間が経過したと彼女は<span style="color: red;">信じている</span>」となっています。<br />
彼女は記者にどのように語り、記者はそれをどのように記事にしたのでしょうか。<br />
おそらく彼女は記者に「私は2日間救助を待ったと思っているのだけれど、実際は震災の翌日救出されたみたいです」と言うような話し方をしたと思われます。<br />
記憶と実際の時間経過にずれがあることを彼女自身が話さなければ、<br />
CNNのあのような表現(「信じている」)はなされなかったでしょう。<br />
インタビュー時点で彼女は主観と客観を区別して伝えているのであり、<br />
記者はきちんとそれを踏まえた表現をしていると考えられます。<br />
辛い経験の時間を長く感じることは、何ら不思議なことではありません。<br />
<br />
<strong>c.齟齬3--瓦礫の上での行動</strong><br />
<br />
第1波の津波の水が引いて第2波の津波が押し寄せるまでの時間はそれほど長くなかったでしょう。<br />
その間の彼女の行動について①には詳しい言及がありません。Just as she pulled herself out of the rubble another tsunami wave hit, とあり、彼女が瓦礫から抜け出してからほどない時間で次の津波が来たことが証言されています。<br />
②には「<span style="color: cyan;">右足が挟まって抜けず、一生懸命がれきをよけようと頑張りましたが、私一人ではどうにもならない程の重さ、大きさでした。母の ことを助けたいが、このままここにいたらまた流されて死んでしまう。“助けるか”“逃げるか”。私は自分の命を選びました。今思い出しても涙が止まらない選択です。</span>」とあり、以後のスピーチでも踏襲されています。<br />
まず、①と②以後は矛盾するものではありません。<br />
②以後のスピーチに見られる「逃げた」については、彼女の心の傷という観点から解釈する必要があります。<br />
彼女とお母さんのいた瓦礫の山と彼女が漂着した校舎の屋根は、水平距離にして数メートルです。<br />
そのことから考えると、彼女はどこか遠くに逃げたわけではないでしょう。<br />
そもそも靴を履いてない状態で瓦礫の上を移動することは困難です。<br />
津波の第2波が襲った時、彼女はまだお母さんと遠くない位置にいたと考えるのが合理的です。<br />
つまり、彼女はほとんど「逃げた」とは言えない状態だったと考えられます。<br />
彼女は「逃げた」わけではないのに、後に「逃げた」と言ってしまいます。<br />
なぜなのでしょうか?<br />
客観的に考えて15歳の少女が瓦礫の中からお母さんを救出することは無理です。<br />
それが無理だったことを彼女は頭ではわかっています。<br />
しかし、どうにもできなかった無念さ、悔しさ。<br />
人の心はその感情をぬぐい去ることはむつかしいのです。<br />
実際には「逃げた」のではなく、津波が彼女とお母さんを引き離しました。<br />
another tsunami wave hit, throwing her high into the air and onto the school's red rooftop.<br />
彼女は水に浮き上がり、お母さんは水に沈みました。<br />
この状況を自分は「逃げた」と彼女は言っているのです。<br />
それは病気で妻を亡くした夫が「妻は私が殺した」と思ったり、<br />
事故で子どもを失った親が「私が子どもを殺した」と思う心理と同じです。<br />
彼女が「逃げた」と感じるのは、彼女の深い悲しみとお母さんへの深い愛の証です。<br />
瓦礫に埋もれた状態でお母さんは、「逃げて」とも「行かないで」とも言っています。<br />
15歳の少女の葛藤はいかほどであったでしょうか。<br />
そのことも、彼女が自分は「逃げた」と思う背景になっているでしょう。<br />
<br />
<h3>
<br />説明責任を果たしていないNPO等</h3>
<br />
菅原彩加さん自身の発言に大きなブレはなく、多少の齟齬についても理解できる範囲です。<br />
彼女の発言を見る限りで、彼女の発言を虚偽とする根拠は皆無です。<br />
彼女の発言に疑惑が生じたのは、NPO等が事実関係を確認することなく彼女の経験を紹介したためです。<br />
たとえば、あしなが育英会は「自宅屋根の上で」2日間過ごしたと紹介し、Beyondはその記事を踏襲しました。<br />
菅原さんは終始一貫して自宅は一瞬で壊れ瓦礫の上に流れ着いたと言っているのであり、菅原さんが「自宅屋根の上で」云々と発言することは考えられないことです。菅原さんは最終的には校舎の屋根の上に辿り着きます。あしなが育英会などはそれを「自宅屋根の上」と勘違いして誤報を流してしまったのでしょう。<br />
責められるべきは誤報を流した団体等であり、菅原さん自身ではありません。<br />
誤報を流した団体等は誤報が生じた経緯を説明し、誤報について菅原さんに謝罪すべきです。<br />
ところが、誤報を流した団体等は説明責任を果たしていないだけでなく、サイト情報を何の説明もなしに削除するなど最悪の対応を取りました。<br />
そのため、菅原さんへの疑惑がふくれあがることになりました。<br />
また、マスコミ報道の中には、自宅から校舎の屋根まで100メートルを泳いだと報道しているものもあります。彼女自身の証言によれば、「泳いだ」のは小学校のプールから校舎の屋根までであり、水平距離で数メートルです。マスコミの誤報もNPO等の誤報をさらに誤解したために生じました。<br />
<br />
<h3>
ステレオタイプの被災者像</h3>
<br />
貧富や社会的地位や年齢・性別に関係なく自然災害は襲いかかります。<br />
したがって、被災者も種々さまざまです。<br />
たとえば多額の保険金を受け取る被災者もいれば、日々の生活に困窮する被災者もいます。<br />
酒色に溺れる被災者もあれば、前向きに生きようとする被災者もいます。<br />
清く貧しい被災者像に全ての被災者が当てはまるわけではありません。<br />
しかし、往々にして人々は清く貧しい被災者像に取り憑かれています。<br />
想像力の貧困が生み出す被災者像にこだわる人々は、<br />
そのステレオタイプの被災者像から外れる被災者を排撃することもあります。<br />
被災者の一面を捉えて妬みの言説が発せられることもあります。<br />
菅原さんバッシングは現代日本の精神的貧困が生み出した現象であるように感じます。<br />
<br />
<h3>
菅原彩加さんへ</h3>
<br />
菅原さんがこのブログを見ることはおそらくないでしょう。<br />
伝えることのできない菅原さんへのメッセージを書いておきます。<br />
菅原さんは慶應義塾大学へ進学すると聞いています。<br />
私はこのブログの中で何度か福澤諭吉について触れています。<br />
福澤は私の尊敬する思想家です。<br />
福澤は「文明の人」とは何かを考えました。<br />
世に阿る(おもねる)ことなく、理不尽に立ち向かう人は文明の人です。<br />
独立自尊の人が文明の人です。<br />
多くの場合、理不尽は理不尽と認識されているわけではありません。<br />
人類の進歩は理不尽に気づき改善する努力で達成されてきました。<br />
理不尽に対して立ち向かう小さな声が歴史を進歩させてきました。<br />
私はピルに関するサイトを16年間主宰してきました。<br />
それはピルを勧めるためのサイトではありません。<br />
ピルをめぐる日本の状況は、日本の女性が置かれている理不尽さを象徴しています。<br />
性の問題は個々人別々の問題で、一般論で処しがたい問題です。<br />
ピルが必要な女性がいます。<br />
必要でない女性もいます。<br />
緊急避妊薬が必要な女性がいます。<br />
必要ない女性もいます。<br />
必要とする女性の声が無視されているのは理不尽です。<br />
その理不尽さに気づいてほしいと私は考えました。<br />
理不尽な扱いを受けている人の声は、<br />
だれにでも聞こえるわけではありません。<br />
聞こうとする人にのみ聞こえます。<br />
私はその声の聞こえる人でありたいと努力してきました。<br />
以前、<a href="http://finedayspill.blogspot.jp/2013/03/blog-post_3039.html" target="_blank">「五木の子守唄」考 </a>をブログに書きました。<br />
理不尽な扱いを受けている人の声なき声を聞くという姿勢で考えると、<br />
見えてくるものがあります。<br />
理不尽な扱いを受けている人の声なき声を聞くという姿勢は私の哲学です。<br />
菅原さんが理不尽なバッシングを受けているのを見て、<br />
見て見ぬふりをできませんでした。<br />
理不尽に立ち向かう事は福澤の思想だ、と私は考えています。<br />
今の慶応大学にその思想があるかどうかわかりませんが、<br />
菅原さんには慶応大学で理不尽に立ち向かう事を学んでほしいと願っています。<br />
<br />
--------------------<br />
参考 女性自身2015.3.31号(<a href="http://jisin.jp/news/2673/8417/" target="_blank">同誌公式サイト(部分掲載)</a>)<br />
--------------------<br />
<br />
菅原さんバッシングが吹き荒れる中で雑誌「女性自身」は、菅原さん擁護記事を掲載しました。<br />
参考までに以下に記事内容を掲載します。<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhQF8WlDtmeEqqpMU_Rlk3hrA7EyxPFSQtLrou2GMxDQHraYCkOFhx-XTqdf0oymIQX7juHrRSiqJPki_Y3mJnwXwMPR2ptXK7e_lSLsJKgTQm3bZXCfCLC2ExaWz0UqfVN5qhMy___GXE/s1600/08.gif" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhQF8WlDtmeEqqpMU_Rlk3hrA7EyxPFSQtLrou2GMxDQHraYCkOFhx-XTqdf0oymIQX7juHrRSiqJPki_Y3mJnwXwMPR2ptXK7e_lSLsJKgTQm3bZXCfCLC2ExaWz0UqfVN5qhMy___GXE/s1600/08.gif" height="200" width="320" /></a></div>
<br />
<span style="color: cyan;"><strong>「行かないで」「ありがとう、大好きだよ」・・・<br />大震災追悼式”涙のスピーチ”の意外波紋ーー<br />津波で母と訣別<br />宮城県遺族代表<br />菅原彩加さん19を襲った卑劣すぎる「殺害予告」!</strong> </span><br />
<span style="color: cyan;"></span><br />
<span style="color: cyan;">19歳の少女が語る生々しい被災体験は、震災の傷の深さを私たちにあらためて思い起こさせた。その陰で彼女は、ネット上での、”心なき中傷”にも苦しんでいた。</span><br />
<span style="color: cyan;">■</span><br />
<span style="color: cyan;">≪津波 母残し・・・泣いた日々≫(読売新聞)<br />≪動けぬ母に最後の言葉≫(朝日新聞)</span><br />
<span style="color: cyan;"> 3月12日、主要新聞の朝刊一面を、19歳の少女の写真が飾った。</span><br />
<span style="color: cyan;"> 前日に千代田区・国立劇場で開催された東日本大震災追悼復興祈念式で、宮城県遺族の代表としてスピーチした菅原彩加さんの記事だった。<br />「足下から私の名前を呼ぶ声が聞こえ、かき分けて見ると釘や木が刺さり足は折れ、変わり果てた母の姿がありました。(中略)母のことを助けたいけれど、ここに居たら私も流されて死んでしまう。『行かないで』という母に私は『ありがとう、大好きだよ』と伝え、近くにあった小学校へと泳いで渡り、一夜を明かしました・・・・」</span><br />
<span style="color: cyan;"> 4年前の3月11日、菅原さんは石巻市の中学校の卒業式を終え、自宅に戻ったとき、大津波に襲われた。<br /> 一緒にいた母、祖母、曽祖母が犠牲になり、生き残ったのは菅原さんと、職場にいた祖父だけだったのだ。<br /> 切々と読みあげられる彼女の衝撃的な体験は、とかく4年前の悲劇を忘れがちだった多くの国民にも、あの日の”地獄絵図”をまざまざと思い出させた。<br /> 新聞だけではなく、テレビのニュースやワイドショーも、彼女のスピーチを大きく取り上げた。菅原さんに取材を申し込んだ新聞社やテレビ局にも多数あったという。</span><br />
<span style="color: cyan;"> だが、菅原さんはどれ一つとして応じていない。</span><br />
<span style="color: cyan;"> 実は追悼式直後、なぜかインターネット上には彼女を批判する声もあふれていたのだ。<br />≪自分だけ助かるぐらいなら、一緒に死んでやれよ≫<br />≪薄情な子供だな≫</span><br />
<span style="color: cyan;"> さらに驚くべきことに19歳の少女の命を狙うという、卑劣な殺害予告も繰り返し掲載されていた。<br />≪菅原彩加がナイフでメッタ刺しされて、母親と再開してフィナーレとか最高のエンディングやんけ!見つけ次第殺せ≫<br />≪ナイフでメッタ刺しにしてお前の大好きな母親に会わせてやるよ菅原彩加≫</span><br />
<span style="color: cyan;"> 菅原さんの知人は言う。<br />「驚いた菅原さんはすぐに警察に相談し、警察も犯人の捜査を始めています。<br /> 多くのマスコミから取材申し込みもありましたが、警察からは『安全のために取材は断ってください』といった要請もあり、依頼はすべてお断りしたのです・・・・」</span><br />
<span style="color: cyan;"> この知人によれば、母を失ってから4年、必死に生きるなかでことあるごとに菅原さんは中傷を受け続けてきたという。</span><br />
<span style="color: cyan;"></span><br />
<span style="color: cyan;"><strong>「震災直前の2月母と高校に・・・・」</strong><br /> 11年5月、菅原さんは仙台育英学園高校に進学。当時の担任教師だった石山かおりさんは、こう語る。<br />「震災直前の2月、菅原さんが新入生説明会にお母さんと一緒に来ました。お母さんと笑いながら話していた姿をよく覚えています。とても仲がよさそうな親子だったのに、震災であのようなことになってしまって・・・・。<br />『今でもお母さんのことを思い出して、時々泣いてしまう』<br />など、胸の苦しみを語ってくれることもありました。<br /> 入学当初は高校の近くにある寮で生活していましたが、家族のいない一人の時間が苦しかったのでしょう。すぐに退寮して、ご親戚の家、その後はお祖父さまの家から高校に通うようになりました」</span><br />
<span style="color: cyan;"> 埋めようもない心の傷を抱えながらも、彼女は辛い経験に正面から向き合った。</span><br />
<span style="color: cyan;"> 菅原さんは日本だけではなく海外でも被災体験を語るようになった。その数は世界7都市で50回にも及ぶという。<br />「人生は短いんだから、いろんな人に会ってほしい」という亡き母の生前の言葉が、背中を押してくれた。<br /> さらに前向きに生きるためにスイス留学にも旅立った。</span><br />
<span style="color: cyan;"> だが彼女が公の場所でスピーチしたり、活動報告をしたりするたびに、インターネット上から心ない言葉が襲ってきたという。<br />≪もっと被災者らしく暮らせ!≫<br />≪震災ネタでスイス留学できていいね≫</span><br />
<span style="color: cyan;"> 前出の菅原さんの知人は、言う。<br />「スイス留学の費用が、あしなが育英会の復興支援援助金から出ているといったネットでの批判がありましたが事実無根です。留学費は、海外の財団からの奨学金でした」</span><br />
<span style="color: cyan;"></span><br />
<span style="color: cyan;"><strong>「震災スピーチは追悼式典を最後に」</strong><br /> なぜ、被災者である彼女が攻撃にさらされ続けなければいけないのか。<br /> ITジャーナリストの井上トシユキさんは、<br />「菅原さんは、今回の追悼式典でのスピーチ以前から『目をつけられている』状態でした。被災者がつらい体験を語り、乗り越えようとしていることに対して『目立ちたいだけ』『売名だ』などと匿名で攻撃するのは、まさにいじめの構図です。<br /> ネット上では、称賛されている人をとにかくたたこうとする傾向も見られ、近年ますます悪質化しています」</span><br />
<span style="color: cyan;"> また、この”いじめの構図”について、立教大学教授で精神科医の香山リカさんは次のように分析する。<br />「社会的弱者や、困窮している人への支援を”特権”と誤ったとらえ方をして、攻撃するというケースが増えています。自分も不本意な生活を送っているのに”彼らだけ特権を得るのは許せない”という発想です。<br /> 菅原さんが自分自身の努力や、周囲の支援を受けて、前向きに生きようとしているにもかかわらず、そういった人たちによって攻撃を受けてしまっているわけです。<br /> 彼女は東日本大震災という天災に続き、人災にも襲われているのです」</span><br />
<span style="color: cyan;"> 苦難に耐え続けている菅原さんの胸中は・・・・。生き残った唯一の家族である祖父に、話を聞いた。<br />「私にとっても、大震災で3人もの肉親を失った体験はあまりにも過酷でした。<br /> それは当時中学3年生だった彩加にとっては、なおさらのことだったと思います。きっと日本で生活していても、スイスで生活していても、その記憶が頭を離れたことはなかったでしょう・・・・。」<br /> 実は彼女は震災体験を語ることについては、(11日の)追悼式典のスピーチで最後にしたいと考えているんです。<br /> 彩加は4月から東京の大学に進学します。それを機に一区切りつけるようです。<br /> 将来何をしていくかは、彼女自身が決めていくことですが、何をするにしても強く生きていってほしいと願っています・・・・」</span><br />
<span style="color: cyan;"> 菅原さんは、スイス留学から帰国後は、東京都内に住んでいるという。<br /> 前出の知人によれば、<br />「親戚宅に住み、焼き肉店のアルバイトをしながら、4月からの大学生活に備えています。ふだんは明るく、社交的な性格の彼女ですが『まだお母さんのことで、自分にちゃんと向き合えていない・・・・』と漏らすこともありました。いまだに心の傷を抱えているのです」</span><br />
<span style="color: cyan;"> 追悼式典では「前向きに頑張って生きていくことこそが、亡くなった家族への恩返し」<br />と、語っていた菅原さん。<br /> そんな彼女の未来を踏みにじるような行為は、断じて許されない。</span><br />
<br />Anonymoushttp://www.blogger.com/profile/15708490026898021442noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-1379882158469607859.post-10943602776231503862014-11-13T18:39:00.001+09:002014-11-15T17:17:52.561+09:00「実はこんなにリスキーだった!アフターピル体験談」は実話?それとも創作?ウェブマガジンMenjoyには、以下の記事があります。<br />
<br />
<a href="http://www.men-joy.jp/archives/23306" target="_blank">実はこんなにリスキーだった!アフターピル体験談【前編】</a> (<a href="http://www.peeep.us/ec40cad6" target="_blank">保存ページ</a>)<br />
<br />
<a href="http://www.men-joy.jp/archives/23346" target="_blank">実はこんなにリスキーだった!アフターピル体験談【後編】</a> (<a href="http://www.peeep.us/6ecb687d" target="_blank">保存ページ</a>)<br />
<br />
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
未だにアフターピルでググると、私の書いた記事が検索の二番目に来る。<br />
— 宇野未悠 (@uno_miu) <a href="https://twitter.com/uno_miu/status/531800389251637250">2014, 11月 10</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
リアルな表現で書かれていますので、<br />
緊急避妊を経験したことのない人はこの記事を通して緊急避妊のイメージを持つことも多いようです。<br />
この記事は経験談として書かれています。<br />
しかし、はたしてノンフィクションであるのか、疑問に思う事があります。<br />
疑問点を書いてみることにします。<br />
<br />
<h2>
実はこんなにリスキーだった!アフターピル体験談【前編】 、について</h2>
<span style="color: cyan;">>病院でアフターピルを処方されるのにあたり、まずはひと通りの問診や内診を受けました。</span><br />
緊急避妊薬の投与には、特別の事情がなければ内診はしません。<br />
<br />
<span style="color: cyan;">>男性医師から「どんな方法で避妊をしたのですか?」と聞かれたので「ウレタン製のコンドームを使って脱落してしまいました」と答えると「……あまり大きな声じゃ言えないんだけどね、今月あなたで2例目なんだよね」と。</span><br />
<span style="color: cyan;">医師がいうには、製品自体には問題はないのだけど、ウレタン製コンドームのゴワつき感から根元までさげずに使う人が多く、結果脱落してしまうことになるとのこと。</span><br />
<span style="color: cyan;">コンドームは、正しく使ってこそ効果を発揮すると改めて実感させられました。</span><br />
避妊の方法を聞かれて、「ウレタン製コンドーム」と答える人がいるでしょうか?<br />
まずいません。ふつうは「コンドームが・・・」と答えるでしょう。<br />
その病院に緊急避妊を求める患者が月に100人いたとして、<br />
ウレタン製コンドームの事故で来院する人がどれほどいるか、<br />
しかも「ウレタン製コンドーム」とご丁寧に答える女性が月に2人もいるでしょうか?<br />
<br />
<span style="color: cyan;">>アフターピルを処方してもらい、ご好意でその場で飲ませて頂きました。</span><br />
2011年のノルレボ認可後は、そのような対応を取る病院もあります。<br />
しかし、ヤッペ法は2回服用なので、院内薬局で処方するにしても、<br />
2回分を袋に入れて渡すのが普通でした。<br />
1回目分をその場で服用させ2回目分を後で渡す対応は、<br />
まずありえません。<br />
<br />
<span style="color: cyan;">>さらに、1回目の服用後、12時間後に飲むことになるのですが、それが午前1時になってしまうことが判明。</span><br />
2回目の服用が午前1時なら1回目の服用が午後1時だったことになります。<br />
記事では前日予約したことになっています。<br />
午前の診療終了間際の時間帯に予約を入れることは不自然です。<br />
<br />
<span style="color: cyan;">>なんとか吐かずに帰宅し、その日は何もできずに過ごしました。</span><br />
<span style="color: cyan;">>身体はとてもだるかったのですが、眠ってはダメだと自分に言い聞かせながら夜を過ごしていました。</span><br />
<span style="color: cyan;">軽い散歩をしたり、ヘッドホンで音楽聞いたりして眠気をごまかし、何とか2回目の服用を終えて眠りにつきました。</span><br />
データがあるわけではありませんが、激しい吐き気の副作用が出る場合、<br />
眠気の副作用が同時に出ることは稀です。<br />
散歩できるほどであれば、副作用としては軽かったようにも見えます。<br />
記憶力がよほどよいにしても、8年前の行動を「ヘッドホンで」まで詳細に覚えているものでしょうか。<br />
<br />
<span style="color: cyan;">>大量に出血、そして妊娠を回避</span><br />
<span style="color: cyan;">>その3日後、消退出血と呼ばれるものを確認することができました。</span><br />
<span style="color: cyan;">>この出血が1週間程続いて不安になってしまいました。</span><br />
服用3日後の出血は最も早いケースですがあり得ます。<br />
ただ、このような早い時期の出血はほぼ排卵前の服用で生じ、<br />
粘度の低い鮮血となります。<br />
粘度が低いので大量出血と感じることもありますが、<br />
短期間で出血は収まるのが普通です。<br />
大量出血が1週間続けば不安になるかもしれませんが、<br />
そのような出血パターンはまずないでしょう。<br />
<br />
<span style="color: cyan;">>あと、強いめまいを感じて、外出できないくらいに。これが結構辛かった。</span><br />
一時的にめまいを感じることがあるにしても、<br />
強いめまいが持続することはまずありません。<br />
<br />
<br />
ヤッペ法後の副作用の出方は人によりさまざまです。<br />
この体験談はヤッペ法で生じうる副作用を全て経験したことになっていますが、<br />
さまざまな人の副作用を寄せ集めたように感じられます。<br />
この記事はノルレボ発売直後の時期に書かれています。<br />
ノルレボは副作用の少ないことがウリです。<br />
ノルレボの副作用の少なさをアピールするために、<br />
ヤッペ法の副作用をことさら誇大に書いているように感じられます。<br />
<br />
<h2>
実はこんなにリスキーだった!アフターピル体験談【後編】 、について</h2>
<span style="color: cyan;">>その欠点を改良したのが今年7月より発売された『ノルレボ錠』です。これは、性行為があったときから72時間以内に1回服用するもので、ヤツペ法に比べて飲み忘れのリスクが低く、吐き気もほとんどありません。</span><br />
前編にはヤッペ法とノルレボの比較が書かれていて、<br />
2度目の服用はノルレボだったと誤解してしまいそうですが、<br />
ノルレボ発売前の2008年のことですから2度目もやはりヤッペ法です。<br />
<br />
<span style="color: cyan;">>当時、さまざまな事情があり、不本意な妊娠はどうしても避けたかったのです。</span><br />
その時々でさまざまな事情があるこことはあります。<br />
どうしても妊娠を避けたい事情があったのかもしれません。<br />
しかし、娘の「『ママ、赤ちゃんできたの? 嬉しい!』と喜びの言葉を。この一言で、私は産むことを決意」しています。<br />
上の子と下の子の年齢差も4歳近くです。<br />
1度目の緊急避妊でひどい副作用が出た女性が、<br />
敢えて2度目の緊急避妊を受けようと思うほど切実な理由があったのでしょうか。<br />
<br />
<span style="color: cyan;">>そして、このクリニックでもその場で飲ませていただけるということで、看護師に処置室に案内してもらったのですが、</span><br />
2011年のノルレボ導入以前、中用量ピルをその場で服用させる病院は極めて稀でした。<br />
2つの病院ともそのような対応を取ったことは偶然すぎます。<br />
<br />
<span style="color: cyan;">>深夜、当時2才9ヶ月の娘が夜泣きしながらおっぱいを求めてきたので、眠い目をこすりながら授乳をさせていました。この時、授乳回数は日に4回程度。</span><br />
2才9ヶ月まで授乳することが絶対ないとは言えませんが、<br />
極めて稀なケースです。<br />
授乳回数4回だと生理はまず始まっていたはずです。<br />
<br />
<span style="color: cyan;">>「あなた授乳中ですよね、だったら生理も排卵もないんじゃないんですか?」と衝撃的な一言が。</span><br />
ヤッペ法に用いられる中用量ピルは、授乳中の女性に対して相対禁忌です。<br />
医師がチェックを忘れることがないとは言えませんが、<br />
妊娠中・授乳中のチェックをしないことは考えにくいことです。<br />
なお、ノルレボは授乳中でも服用できますので、<br />
授乳のチェックは必ずしも必要でありません。<br />
また、産後2年9か月の女性が授乳中であっても、<br />
生理が回復してないだろうと思う看護師はまずいません。<br />
看護師の発言も不自然です。<br />
<br />
<span style="color: cyan;">>しかし、身体になんの変化も現れることがなかったのです。</span><br />
<span style="color: cyan;">あの辛かった吐き気、めまい、大量の出血がなく約2週間が経ちました。</span><br />
ヤッペ法の副作用は約半数の女性では全く感じません。<br />
1度目と2度目で副作用の出方が異なることもあります。 <br />
しかし、1度目で過敏症並みの副作用が出たにもかかわらず、<br />
2度目は皆無と言うことはほぼあり得ません。<br />
<br />
<span style="color: cyan;">>状況を察した娘が「ママ、赤ちゃんできたの? 嬉しい!」と喜びの言葉を。この一言で、私は産むことを決意しました。</span><br />
2才9ヶ月の子どもに「赤ちゃんできたかもしれない」と言う女性は珍しいでしょうが、<br />
そう告げても2才9ヶ月の子どもでは事態を理解するのは無理です。<br />
「嬉しい!」などと反応することはありえないでしょう。<br />
<br />
<h2>
ライターの意図</h2>
記事は「体験談」として書かれています。<br />
しかし、実体験にしては不自然な点が多すぎます。<br />
いや、ほとんどすべて不自然と言えるほど不自然です。<br />
一度でも緊急避妊をした経験があれば、<br />
これほど不自然な「体験談」にならないのではないでしょうか。<br />
仮に一部は事実で尾ひれ背びれを付け加えているものだとしても、<br />
全体を「体験談」としてみることはできないものになっています。<br />
それはある意味当然です。<br />
ライターの書く物は個人のブログとは異なります。<br />
単に個人的な体験を書くのではなく、情報提供を目的としています。<br />
情報提供のために、「体験談」の体裁が取られることもあるのでしょう。<br />
そのようなものとして、「実はこんなにリスキーだった!アフターピル体験談」は書かれています。<br />
それでは、この記事はどのような情報提供を意図しているのでしょう?<br />
記事のタイトルにあるように、<strong>緊急避妊のリスキーさを伝えることがこの記事から読み取れる情報提供の意図</strong>です。<br />
<br />
<strong>①副作用が強い</strong><br />
<br />
前編では副作用の「体験」が書かれています。<br />
それは明らかにヤッペ法についてのものですが、<br />
読者はヤッペ法とノルレボを区別して読むことはむつかしいでしょう。<br />
緊急避妊は副作用が強いとの情報を提供するものになっています。<br />
<br />
<strong>②避妊失敗は自己責任</strong><br />
<br />
避妊失敗は不可抗力的に生じるものです。<br />
前編では、「ウレタン製コンドーム」がことさらに取り上げられ、「コンドームは正しく使ってこそ効果を発揮すると改めて実感させられました」と述べられます。<br />
後編では、「夫はどうしても来年中に2番目が欲しいという、その1点で暴走してしまった」という話になっています。<br />
どんなに気をつけても、コンドームの失敗は一定比率で生じます。<br />
しかし、この記事では「もう二度と、こんな薬に頼らないようきちんと避妊しようと思った」と述べられます。<br />
緊急避妊は「きちんと避妊」しないからだとの「啓発」がなされています。<br />
<br />
<strong>③ノルレボのメリット</strong><br />
<br />
2度の緊急避妊は時期的に見てどちらもヤッペ法ですが、<br />
記事ではノルレボのメリットについて詳しく説明されています。<br />
2度目の緊急避妊で全く副作用がなかったり、産後2年9ヶ月後の授乳中だったりの設定は、ノルレボのメリットを念頭に置いた記述でしょう。<br />
<br />
<strong>④緊急避妊は不完全</strong><br />
<br />
この記事の最も伝えたかった情報は後編最後の部分でしょう。<br />
「<span style="color: cyan;">私は、産める環境にあったからこそ、アフターピルの失敗から出産を選択したのですが、そうでない人にとっては、アフターピルの失敗による妊娠は、本当に悲劇でしかありません。<br />アフターピルがあるから大丈夫、なんてことはないのです。<br />そもそも、アフターピルは気軽に飲めるものではありません。費用の面もそうですが、身体の負担が大きいものです。<br />男性が、面倒だからという理由で避妊せずに「アフターピルがあるからいいじゃん」というような、軽い気持ちでいられたら女性はたまったものじゃありません。<br />どうか、カップルの方はパートナーと避妊について話し合って、シングルの方は自分の身体を守るにはどうすればいいか、考えてみて欲しいと切に願っています。</span>」<br />
ここに書かれている内容はその通りです。<br />
普段からの避妊が重要なことは言うまでもありません。<br />
しかし、いくら普段からの避妊に気をつけても、<br />
緊急避妊が必要になることがあります。<br />
この記事では、不可抗力的に緊急避妊が必要になる事態のあることには全く触れられていません。<br />
緊急避妊が必要になるのは心掛けが悪いからと言わんばかりです。<br />
このような考えに立てば、緊急避妊アクセスの高いバリアは正当化されます。<br />
ノルレボ「乱用防止」キャンペーンに迎合した内容となっています。<br />
この記事がどのような世論形成を狙ったものかは、以下のツイートからうかがわれるでしょう。<br />
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" data-cards="hidden" lang="ja">
自分で調べて見ると?実はこんなにリスキーだった!アフターピル体験談【前編】 <a href="http://t.co/hqH3gpysrH">http://t.co/hqH3gpysrH</a> がまとまっていると思います。それとセックスを一時.. <a href="http://t.co/wgy29t4Rpm">http://t.co/wgy29t4Rpm</a><br />
— ざいろ (@zairo21) <a href="https://twitter.com/zairo21/status/532467014757924865">2014, 11月 12</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" data-cards="hidden" lang="ja">
多少高額であっても 「アフターピル」は処方できるわけですから、全然ないわけではないですし、逆にそういう緊急事態にならないように各自で防衛する意識と、「レイプ時」の緊急対応の徹底は必要だと思います。 .. <a href="http://t.co/Rd7MzWxlYb">http://t.co/Rd7MzWxlYb</a><br />
— ざいろ (@zairo21) <a href="https://twitter.com/zairo21/status/532455246933417985">2014, 11月 12</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script><br />
<h2>
心掛けのよくない女には罰が必要。50年間日本の社会は変わっていません。</h2>
<br />
################################################<br />
################################################<br />
上記記事の公表後、作者の宇野未悠さんと会話がありました。<br />
宇野未悠さんの私に宛てたツイートを収録します。<br />
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" data-conversation="none" lang="ja">
<a href="https://twitter.com/ruriko_pillton">@ruriko_pillton</a> こんばんは、リプありがとうございます。これはすべて実話なんです。アフターピルで失敗するケースって希ですが実際にあります。2度めのとき、アフターピルを処方されつつ医師からは子宮内をソウハすることも薦められました。→<br />
— 宇野未悠 (@uno_miu) <a href="https://twitter.com/uno_miu/status/532902923101929472">2014, 11月 13</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" data-conversation="none" lang="ja">
<a href="https://twitter.com/ruriko_pillton">@ruriko_pillton</a> それだけ、子宮内エコーでも妊娠しやすいことは確認されていましたし、過去の生理周期からもかなりの段階だったことが予測されていたのですがそこまではしなかったのです。もう6年近く前の話になります。<br />
— 宇野未悠 (@uno_miu) <a href="https://twitter.com/uno_miu/status/532903918255108096">2014, 11月 13</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" data-conversation="none" lang="ja">
<a href="https://twitter.com/ruriko_pillton">@ruriko_pillton</a> あの記事が公開されたのが2011年頃ですが、当時の反響としては私の狙っていた「避妊はカップルで考える」「家族計画は夫婦の合意のもとで」というところを考えていただく契機になったように思っています。日ごろからの避妊が大事というテーマだったのです。<br />
— 宇野未悠 (@uno_miu) <a href="https://twitter.com/uno_miu/status/532912571909545986">2014, 11月 13</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" data-conversation="none" lang="ja">
<a href="https://twitter.com/ruriko_pillton">@ruriko_pillton</a> もちろん、市販化の声をあげることは賛成です。一度めのときは避妊失敗から処方まで14時間ほどのタイムラグがありましたが、その間生きた心地はしませんでしたしね。ただ、販売者側にお願いしたいのは売りっぱなしにするんじゃなくて→<br />
— 宇野未悠 (@uno_miu) <a href="https://twitter.com/uno_miu/status/532915085664980993">2014, 11月 13</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" data-conversation="none" lang="ja">
<a href="https://twitter.com/ruriko_pillton">@ruriko_pillton</a> レスが前後しますが、なぜ緊急避妊したか、それはいくら夫との間でも妊娠したくなかったからです。結婚していても、闇雲に妊娠したくはありません。生む時期は、あくまで私が決めたかったのです。私は男性に避妊を委ねなければならない身体事情があります。<br />
— 宇野未悠 (@uno_miu) <a href="https://twitter.com/uno_miu/status/532916182253195264">2014, 11月 13</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" data-conversation="none" lang="ja">
<a href="https://twitter.com/ruriko_pillton">@ruriko_pillton</a> 医療機関への受診に結びつけるような働きかけをして欲しいんです。避妊しなかったセックスは妊娠するしないに関わらず感染症のリスクはあるので。これはアフターピルとは別の問題というのも承知の上でです。<br />
— 宇野未悠 (@uno_miu) <a href="https://twitter.com/uno_miu/status/532921019569147904">2014, 11月 13</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>################################################<br />
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会話前の99.9%の確信が、最初のツイートで120%の確信になりました。Anonymoushttp://www.blogger.com/profile/15708490026898021442noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-1379882158469607859.post-50096107215901304222014-10-22T21:24:00.000+09:002014-10-25T23:23:58.631+09:00【ドラッグストアで買える緊急避妊薬】キャンペーンにご賛同いただいた皆様<strong></strong><br />
<strong></strong><br />
<strong></strong><br />
<strong></strong><br />
<strong>緊急避妊の市販薬化の記事は、専用ブログに移転しました。</strong><br />
<strong>新ブログトップ </strong><a href="http://ec-otc.blogspot.jp/"><strong>すぐに必要な時がある。緊急避妊薬ノルレボを市販薬に!</strong></a><br />
<strong>この記事の移転先 </strong><a href="http://ec-otc.blogspot.jp/2014/10/rtfavrtfav-httpt.html"><span style="color: #2288bb;"><strong>ご賛同いただいた皆様</strong></span></a><br />
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【私たちにノルレボを! ドラッグストアで買える緊急避妊薬を実現させよう】キャンペーンを行っています。<br />
趣旨については、<a href="http://finedayspill.blogspot.jp/2014/10/blog-post_18.html">こちらをご覧下さい。</a><br />
ご賛同戴ける方を募集しています。(たくさんのRTやFAVありがとうございます。ただRTやFAVは賛同の意思表示として取り扱っていません。賛同の意思表示は「賛成」などと書いて返信願います。)<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgerwDqM0UTGaam6Tc31qamBR8auRE87NXVd7AmKLS2wWK5aL4Y0D_gyoK6CQ_mX8GnU55cER8woctsdnkLkSwtieR4Dxga5nOdbn1iDHYxYdJTyOxs3aa9gvBWfvtuP5KqDaGI1nVU_MQ/s1600/rep.gif" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgerwDqM0UTGaam6Tc31qamBR8auRE87NXVd7AmKLS2wWK5aL4Y0D_gyoK6CQ_mX8GnU55cER8woctsdnkLkSwtieR4Dxga5nOdbn1iDHYxYdJTyOxs3aa9gvBWfvtuP5KqDaGI1nVU_MQ/s1600/rep.gif" /></a></div>
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
個人用【私たちにノルレボを! ドラッグストアで買える緊急避妊薬を実現させよう】キャンペーンに賛同して頂ける方のご返信をお願いします。
<a href="http://t.co/xsPgrpUpUV">http://t.co/xsPgrpUpUV</a><br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/status/523453541331914752">2014, 10月 18</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<a href="https://twitter.com/intent/tweet?in_reply_to=523453541331914752&original_referer=http%3A%2F%2Ffinedayspill.blogspot.com%2F2014%2F10%2Fblog-post_22.html&tw_i=523453541331914752&tw_p=tweetembed" target="_blank">こちら</a>をクリックして返信することもできます。<br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
団体等用【私たちにノルレボを! ドラッグストアで買える緊急避妊薬を実現させよう】キャンペーンに賛同して頂ける方のご返信をお願いします。
<a href="http://t.co/xsPgrpUpUV">http://t.co/xsPgrpUpUV</a><br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/status/523453599729197057">2014, 10月 18</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
メールでもご賛同の意思表示ができます。
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<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://finedays.org/pill/mail.gif" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="http://finedays.org/pill/mail.gif" height="22" width="320" /></a></div>
<br />
<a href="http://finedayspill.blogspot.jp/2014/10/blog-post_18.html">キャンペーンメインページはこちら</a><br />
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これまでにご賛同の声を寄せられた皆様です(敬称略)。<br />
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<img alt="" class="ProfileTweet-avatar js-action-profile-avatar" src="https://pbs.twimg.com/profile_images/495967203896750080/047z3mOT_normal.jpeg" /><img alt="" class="ProfileTweet-avatar js-action-profile-avatar" src="https://pbs.twimg.com/profile_images/488692118085328896/4qBTnQsl_normal.jpeg" /><img alt="" class="ProfileTweet-avatar js-action-profile-avatar" src="https://pbs.twimg.com/profile_images/525290798812639233/JXNU8mwh_normal.jpeg" /><img alt="" class="ProfileTweet-avatar js-action-profile-avatar" src="https://pbs.twimg.com/profile_images/475978379263365122/K11xSPqW_normal.png" /><img alt="" class="ProfileTweet-avatar js-action-profile-avatar" src="https://pbs.twimg.com/profile_images/3311867512/575afaefc99f972c01a6445fef53a28a_normal.jpeg" /><img alt="" class="ProfileTweet-avatar js-action-profile-avatar" src="https://pbs.twimg.com/profile_images/475191851884879872/YmRgTPgm_normal.png" /><img alt="" class="ProfileTweet-avatar js-action-profile-avatar" src="https://pbs.twimg.com/profile_images/1278555227/060602_normal.jpg" /><img alt="" class="ProfileTweet-avatar js-action-profile-avatar" src="https://pbs.twimg.com/profile_images/525530348625489920/9N5LzlgI_normal.jpeg" /><img alt="" class="ProfileTweet-avatar js-action-profile-avatar" src="https://pbs.twimg.com/profile_images/1101339462/__________normal.jpg" /><img alt="" class="ProfileTweet-avatar js-action-profile-avatar" src="https://pbs.twimg.com/profile_images/378800000542889146/812a9b9bd1948be44ef8adc63623a9d1_normal.jpeg" /><img alt="" class="ProfileTweet-avatar js-action-profile-avatar" src="https://pbs.twimg.com/profile_images/603403890/2007-06-25_normal.jpg" /><img alt="" class="ProfileTweet-avatar js-action-profile-avatar" src="https://pbs.twimg.com/profile_images/2611887527/image_normal.png" /><img alt="" class="ProfileTweet-avatar js-action-profile-avatar" src="https://pbs.twimg.com/profile_images/1460021766/CIMG0325-2_normal.JPG" /><img alt="" class="ProfileTweet-avatar js-action-profile-avatar" src="https://pbs.twimg.com/profile_images/498832856538308611/TNQE4tb-_normal.jpeg" /><img alt="" class="ProfileTweet-avatar js-action-profile-avatar" src="https://pbs.twimg.com/profile_images/1288160373/image_normal.jpg" /><img alt="" class="ProfileTweet-avatar js-action-profile-avatar" src="https://pbs.twimg.com/profile_images/515327095275147266/MRHr6F9q_normal.jpeg" /><img alt="" class="ProfileTweet-avatar js-action-profile-avatar" src="https://pbs.twimg.com/profile_images/514649383040593920/fU9TzZyp_normal.jpeg" /><img alt="" class="ProfileTweet-avatar js-action-profile-avatar" src="https://pbs.twimg.com/profile_images/521614918622007296/YoZsejm__normal.jpeg" /><img alt="" class="ProfileTweet-avatar js-action-profile-avatar" src="https://pbs.twimg.com/profile_images/2954771976/04c9ffe8b15b4d0cf83617c75757fe3d_normal.jpeg" /><img alt="mayu" class="ProfileCardMini-avatarImage" src="https://pbs.twimg.com/profile_images/446652613744795648/evXpH548_normal.jpeg" /><img alt="" class="ProfileTweet-avatar js-action-profile-avatar" src="https://pbs.twimg.com/profile_images/516301466626035712/Fvk1q_O1_normal.jpeg" /><img alt="" class="ProfileTweet-avatar js-action-profile-avatar" src="https://pbs.twimg.com/profile_images/523068363652608000/ElwqEZJC_normal.png" /><img alt="飛鳥" class="ProfileCardMini-avatarImage" src="https://abs.twimg.com/sticky/default_profile_images/default_profile_5_normal.png" /><img alt="Aさん" class="ProfileCardMini-avatarImage" src="https://pbs.twimg.com/profile_images/378800000322637988/3d1695798b82ad9ea6cbb4c2989910d4_normal.jpeg" /><img alt="yamazaki yuki" class="ProfileCardMini-avatarImage" src="https://pbs.twimg.com/profile_images/517601955107983360/uVdozFa__normal.jpeg" /><img alt="" class="ProfileTweet-avatar js-action-profile-avatar" src="https://pbs.twimg.com/profile_images/2345599259/image_normal.png" /><img alt="" class="ProfileTweet-avatar js-action-profile-avatar" src="https://pbs.twimg.com/profile_images/447090218764468224/7ynC9T8o_normal.jpeg" /><img alt="" class="ProfileTweet-avatar js-action-profile-avatar" src="https://pbs.twimg.com/profile_images/453840200150446080/_ADxhemR_normal.png" /><img alt="" class="ProfileTweet-avatar js-action-profile-avatar" src="https://pbs.twimg.com/profile_images/480407161667743745/MHOVkmof_normal.jpeg" /><img alt="" class="ProfileTweet-avatar js-action-profile-avatar" src="https://pbs.twimg.com/profile_images/378800000379158921/abae3f775d08f8007082c9e832a9966e_normal.jpeg" /><img alt="sakura t." class="ProfileCardMini-avatarImage" src="https://pbs.twimg.com/profile_images/422037165/___078_normal.jpg" /><img alt="" class="ProfileTweet-avatar js-action-profile-avatar" src="https://pbs.twimg.com/profile_images/474954531076190209/FZjDMPlD_normal.jpeg" /><img alt="" class="ProfileTweet-avatar js-action-profile-avatar" src="https://pbs.twimg.com/profile_images/344513261572524956/49d671c924252f60537ace36a2cf78a0_normal.jpeg" /><img alt="" class="ProfileTweet-avatar js-action-profile-avatar" src="https://pbs.twimg.com/profile_images/518574297606922240/A0OdYBGH_normal.jpeg" /><img alt="◆FP2Je3V6kg " class="ProfileCardMini-avatarImage" src="https://abs.twimg.com/sticky/default_profile_images/default_profile_1_normal.png" /><img alt="" class="ProfileTweet-avatar js-action-profile-avatar" src="https://pbs.twimg.com/profile_images/524203181459251201/EkUMs5tY_normal.jpeg" /><img alt="isoyo sugisaki" class="ProfileCardMini-avatarImage" src="https://abs.twimg.com/sticky/default_profile_images/default_profile_4_normal.png" /><a aria-hidden="true" class="_5pb8 _5v9u _29h _303" data-ft="{"tn":"m"}" data-hovercard="/ajax/hovercard/user.php?id=100005205429613" href="https://www.facebook.com/profile.php?id=100005205429613&fref=nf" tabindex="-1"><img alt="" class="_s0 _5xib _5sq7 _rw img" src="https://fbcdn-profile-a.akamaihd.net/hprofile-ak-xaf1/v/t1.0-1/p50x50/1907423_307950096055169_9119951589425165036_n.jpg?oh=dfed8af6fd8d4a580261b585fe30dc79&oe=54B58822&__gda__=1424303464_4d797ca78bda4bc82286d75b229b9afd" /></a><br />
<br />
<a href="http://finedayspill.blogspot.jp/2014/10/blog-post_18.html">キャンペーンメインページはこちら</a>Anonymoushttp://www.blogger.com/profile/15708490026898021442noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-1379882158469607859.post-89936372740982376632014-10-20T07:10:00.001+09:002014-10-20T07:10:03.543+09:00ピルとその周辺: 私たちにノルレボを! ドラッグストアで買える緊急避妊薬を実現させよう<a href="http://finedayspill.blogspot.com/2014/10/blog-post_18.html?spref=bl">ピルとその周辺: 私たちにノルレボを! ドラッグストアで買える緊急避妊薬を実現させよう</a>: 避妊は女性の最も基本的な権利の一つです 予期しない妊娠は、女性の人生に大きな影響を及ぼすことがあります。 学業や仕事の中断を余儀なくされる女性がいます。 中絶により心身にダメージを受ける女性がいます。 産む性である女性だけが不利益を被る社会は不公正です。 誰で...Anonymoushttp://www.blogger.com/profile/15708490026898021442noreply@blogger.com1tag:blogger.com,1999:blog-1379882158469607859.post-51424513406166835452014-10-18T21:31:00.000+09:002014-10-25T23:30:01.320+09:00私たちにノルレボを! ドラッグストアで買える緊急避妊薬を実現させよう<h2>
<span style="color: yellow;"></span></h2>
<br />
<br />
<br />
<strong>緊急避妊の市販薬化の記事は、専用ブログに移転しました。</strong><br />
<strong>新ブログトップ </strong><a href="http://ec-otc.blogspot.jp/"><strong><span style="color: #ffcc77;">すぐに必要な時がある。緊急避妊薬ノルレボを市販薬に!</span></strong></a><br />
<strong>この記事の移転先 </strong><a href="http://ec-otc.blogspot.jp/2014/10/14-72-120-1-400-rt-pic.html"><span style="color: #2288bb;"><strong>キャンペーンの趣旨</strong></span></a><br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<h2>
<span style="color: yellow;">避妊は女性の最も基本的な権利の一つです</span></h2>
<br />
予期しない妊娠は、女性の人生に大きな影響を及ぼすことがあります。<br />
学業や仕事の中断を余儀なくされる女性がいます。<br />
中絶により心身にダメージを受ける女性がいます。<br />
産む性である女性だけが不利益を被る社会は不公正です。<br />
誰でもいつでも避妊にアクセスできることは、<br />
女性の権利(リプロダクティブ ライツ)です。<br />
<br />
<h2>
<span style="color: yellow;">予期しない妊娠を1/4に減らせます</span></h2>
<br />
緊急避妊薬はコンドームの破損など避妊失敗の72時間以内に服用する薬です。<br />
緊急避妊薬の服用で妊娠確率は2%まで低下します。<br />
緊急避妊薬は産婦人科などの病院で処方されます。<br />
緊急避妊薬は服用時間が避妊失敗から早ければ早いほど避妊効果が高く、<br />
120時間後には効果がなくなります。<br />
<br />
<h2>
<span style="color: yellow;">避妊失敗は誰もが経験します</span></h2>
<br />
コンドームの避妊では一定確率で破損などの事故が生じます。<br />
ピルによる避妊では飲み忘れることがあります。<br />
レイプ被害に遭わないとは言えません。<br />
誰もが机の上にお茶をこぼした経験があるのと同じです。<br />
日本で1年間に緊急避妊を必要とするケースは、<br />
少なくとも400万件起きています。<br />
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
緊急避妊薬の店頭販売実現、事前処方運動に取り組んできた米国産婦人科学会のポスター。コーヒーをこぼして焦った経験を誰もが持つ。避妊の失敗で焦った経験を誰もが持つ。その時の気持ちを理解できない男性がガラパゴス島日本を支配している。【RT希望】 <a href="http://t.co/GPXcKHHT">pic.twitter.com/GPXcKHHT</a><br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/status/243279190756036608">2012, 9月 5</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<h2>
<span style="color: yellow;">緊急避妊薬の服用は時間が決め手!</span></h2>
<br />
緊急避妊薬の服用は時間が決め手です。<br />
3連休前の金曜日にも避妊失敗は起こります。<br />
お盆や正月などの長期休暇にも避妊失敗は起こります。<br />
病院が開くまで待てません。<br />
だから、ほとんどの国で緊急避妊薬は、ドラッグストアで買える薬です。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgOIEDPtyde3SEBJBCsMj-ulNSvTurETJSBScBI2fpKigfvo3wSqnIZW_9XO6fj8VKtGZD-DOrEiy3z6KD2RIP_6c4OIJScQOAwwmvoJWSf41BmAOQlyb8nxqRbKAYlqAyvr8J7WwqBs5M/s1600/ec16.gif" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgOIEDPtyde3SEBJBCsMj-ulNSvTurETJSBScBI2fpKigfvo3wSqnIZW_9XO6fj8VKtGZD-DOrEiy3z6KD2RIP_6c4OIJScQOAwwmvoJWSf41BmAOQlyb8nxqRbKAYlqAyvr8J7WwqBs5M/s1600/ec16.gif" height="257" width="320" /></a></div>
<br />
<br />
<h2>
<span style="color: yellow;">ノルレボ砂漠をなくす</span></h2>
<br />
産婦人科病院は都市に集中しています。<br />
ノルレボを処方してもらうのに1日がかりになるところもあります。<br />
島嶼部では、ノルレボを処方する病院さえありません。<br />
ドラッグストアで買える薬なら、事前購入しておくこともできます。<br />
<br />
<h2>
<span style="color: yellow;">貧乏女性は諦めろ?</span></h2>
<br />
ノルレボの価格は、ほとんどの先進国で1500円程度です。<br />
学生や生徒、低所得の女性には無償で提供される国も少なくありません。<br />
開発途上国では数百円です。<br />
日本の価格は約1万5千円程度です。<br />
1万5千円を持ち合わせていない女性は、躊躇するでしょう。<br />
金銭的負担で緊急避妊を躊躇する女性がいる日本は、<br />
リプロダクティブライツのない国です。<br />
市販薬化して他国並みの価格にすべきです。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgS289L8hr5_XG4DCSy-6wbPeq56k_A-HjbMo3jbW_BWPE3Y3JA7P5-POkw-yT84EXmjTon_EaR6y-IJju4TzdVRAs9a6pseLajpnuLW3poL-LSCV8qOBLrRQWpG5UTG_UbVtsHHs9zlaM/s1600/ec10.gif" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgS289L8hr5_XG4DCSy-6wbPeq56k_A-HjbMo3jbW_BWPE3Y3JA7P5-POkw-yT84EXmjTon_EaR6y-IJju4TzdVRAs9a6pseLajpnuLW3poL-LSCV8qOBLrRQWpG5UTG_UbVtsHHs9zlaM/s1600/ec10.gif" height="320" width="271" /></a></div>
<br />
<br />
<h2>
<span style="color: yellow;">高価格政策が女性の健康を害している</span></h2>
<br />
多くの病院では高価格のノルレボに手が出ない女性のために、<br />
ノルレボの代替として中用量ピルを処方しています。<br />
中用量ピルを通常の4倍量服用すれば、<br />
当然に強い副作用が現れることがあります。<br />
ノルレボの高価格政策が女性の健康を害しています。<br />
<br />
<h2>
<span style="color: yellow;">緊急避妊を知らない女性をゼロに</span></h2>
<br />
緊急避妊薬を選択するかしないかの選択は自由です。<br />
しかし、緊急避妊薬の存在自体を知らなければ、<br />
選択することもできません。<br />
全ての女性に緊急避妊薬の存在を知らせていく必要があります。<br />
緊急避妊薬が、コンドームや妊娠検査薬と並んで販売されれば、<br />
緊急避妊薬は身近な存在になります。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgh-mhgVNVF3-5_Cu_0yww9-yIp92DPxUOpeoBsTzmuXe4MC6bwBOunbcz4aK02H3_Dycj9AwUMK7jIAdaPVw8-rC26hcghSD5N1Zpj9n11uKxBSmSLYoRiUO2HWPTfpHvNUYbMWs_CkqE/s1600/ec-german.gif" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgh-mhgVNVF3-5_Cu_0yww9-yIp92DPxUOpeoBsTzmuXe4MC6bwBOunbcz4aK02H3_Dycj9AwUMK7jIAdaPVw8-rC26hcghSD5N1Zpj9n11uKxBSmSLYoRiUO2HWPTfpHvNUYbMWs_CkqE/s1600/ec-german.gif" height="294" width="320" /></a></div>
<br />
<h2>
<br /><span style="color: yellow;">ノルレボは安全性の高い薬です</span></h2>
<br />
ノルレボは黄体ホルモンだけの薬です。<br />
中用量ピルを用いる緊急避妊のような激しい副作用はありません。<br />
血栓症リスクを高めることもありません。<br />
妊娠阻止に失敗して妊娠した場合、胎児に影響はありません。<br />
<br />
<h2>
<span style="color: yellow;">ノルレボが乱用されることはありません</span></h2>
<br />
ノルレボ服用後の妊娠率は2%です。<br />
単純に年率換算すると、26%です。<br />
通常の避妊の代わりに緊急避妊が多用されることはありません。<br />
実際に、ほとんどの国で緊急避妊薬は廉価な市販薬品ですが、<br />
緊急避妊を通常の避妊に使用する女性はいません。<br />
<h2>
<br /><span style="color: yellow;">性感染症が蔓延することはありません</span></h2>
<br />
コンドームの破損など緊急避妊薬を必要とする事態は、<br />
すでに性感染症感染リスクの生じた状況です。<br />
緊急避妊薬が普及するとそのために、<br />
性感染症の感染が広がるわけではありません。<br />
緊急避妊薬を必要とする事態は性感染症リスクの高い状況と知らせ、<br />
性感染症の検査を奨める方が性感染症の拡大阻止効果は高いと思われます。<br />
<br />
<h2>
<span style="color: red;"><u>日本もドラッグストアで買える国に</u></span></h2>
<br />
避妊へのアクセスはリプロダクティブライツの核心です。<br />
わが国は避妊ピルの認可がなされない特種な国でした。<br />
今また、緊急避妊へのアクセス障壁を高くする政策が取られています。<br />
日本は依然として女性のリプロダクティブライツ状況が最悪の国です。<br />
日本の女性のリプロダクティブライツの前進のために、<br />
ノルレボが他国と同様な価格でドラックストアで買えるように、<br />
いっしょに声を上げていきましょう。 2014.10.18<br />
<br />
<span style="color: red;">拡散用ツイートです。RTをよろしくお願いします。</span><br />
<a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/status/523453473455890433">https://twitter.com/ruriko_pillton/status/523453473455890433</a><br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
避妊へのアクセスはリプロダクティブライツの核心です。
ノルレボが他国と同様な価格でドラックストアで買えるように、
声を上げていきましょう。
【私たちにノルレボを! ドラッグストアで買える緊急避妊薬を実現させよう】キャンペーン
<a href="http://t.co/ETL2Z0yD9D">http://t.co/ETL2Z0yD9D</a><br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/status/523453473455890433">2014, 10月 18</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<strong>呼びかけ人</strong><br />
<strong> </strong><img alt="ピルとのつきあい方(公式)" class="ProfileCardMini-avatarImage" src="https://pbs.twimg.com/profile_images/3064807639/952bac91d52d73fe87756ce42a2b01f9_normal.png" /><span style="font-size: large;"><strong>ruriko pillton</strong></span><br />
<a href="http://finedays.org/pill/mail.gif" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="http://finedays.org/pill/mail.gif" height="13" width="200" /></a><br />
<span style="font-size: large;"><img alt="" class="ProfileTweet-avatar js-action-profile-avatar" src="https://pbs.twimg.com/profile_images/416380362646757377/TK5zhIYO_normal.png" /><strong>yuko</strong></span><strong><span style="font-size: large;"> (<a href="https://twitter.com/yukonyu">@yukonyu</a>)</span></strong> <br />
<br />
<span style="font-size: large;"><img alt="" class="ProfileTweet-avatar js-action-profile-avatar" src="https://pbs.twimg.com/profile_images/523068363652608000/ElwqEZJC_normal.png" /><strong>Cook</strong></span><span style="font-size: large;"><strong> (<a href="https://twitter.com/CookDrake" target="_blank">@CookDrake</a></strong><strong>)</strong></span> <br />
<br />
呼びかけ人になって下さる方を募集しています。上記メールアドレスにお願い致します。<br />
<br />
<strong>############################################################</strong><br />
<strong></strong><br />
<strong></strong><br />
<strong>【私たちにノルレボを! ドラッグストアで買える緊急避妊薬を実現させよう】キャンペーンに賛同して頂けると幸いです。</strong><br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<strong><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgwY9wIZbQ9BLUcnCsMfGsZEdQMfAF6K4Ml57y8udXX9T3DnMe4rrlfT57DVE0O7Vs3qV42WO3FbPT4KBTdInpxGzEJ47c4Xv-gPV82um30MsYLE2uRKJ-tIJVty6A9s3wfaCpaIF8VP5E/s1600/rep.gif" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgwY9wIZbQ9BLUcnCsMfGsZEdQMfAF6K4Ml57y8udXX9T3DnMe4rrlfT57DVE0O7Vs3qV42WO3FbPT4KBTdInpxGzEJ47c4Xv-gPV82um30MsYLE2uRKJ-tIJVty6A9s3wfaCpaIF8VP5E/s1600/rep.gif" /></a></strong></div>
<br />
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
個人用【私たちにノルレボを! ドラッグストアで買える緊急避妊薬を実現させよう】キャンペーンに賛同して頂ける方のご返信をお願いします。
<a href="http://t.co/xsPgrpUpUV">http://t.co/xsPgrpUpUV</a><br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/status/523453541331914752">2014, 10月 18</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<a href="https://twitter.com/intent/tweet?in_reply_to=523453541331914752&original_referer=http%3A%2F%2Ffinedayspill.blogspot.com%2F2014%2F10%2Fblog-post_22.html&tw_i=523453541331914752&tw_p=tweetembed" target="_blank">こちら</a>をクリックして返信することもできます。<br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
団体等用【私たちにノルレボを! ドラッグストアで買える緊急避妊薬を実現させよう】キャンペーンに賛同して頂ける方のご返信をお願いします。
<a href="http://t.co/xsPgrpUpUV">http://t.co/xsPgrpUpUV</a><br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/status/523453599729197057">2014, 10月 18</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<a name='more'></a><a href="http://finedayspill.blogspot.jp/2014/10/blog-post_22.html">【ドラッグストアで買える緊急避妊薬】キャンペーンにご賛同いただいた皆様</a>(ページが切り替わります)Anonymoushttp://www.blogger.com/profile/15708490026898021442noreply@blogger.com2tag:blogger.com,1999:blog-1379882158469607859.post-15127836954132429142014-09-10T17:55:00.001+09:002014-09-10T19:12:31.385+09:00町の女性保健室は必要ないですか?<h2>
</h2>
<h2>
一面の真実</h2>
<br />
がんナビのサイトに、<br />
<a href="http://www.peeep.us/e4da62a8" target="_blank">子宮頸がん国際会議レポート(3)子宮頸がん検診の受診率を高めるために日本は何をすべきか</a><br />
という記事があります。<br />
「欧米では健康教育にかかりつけの産婦人科医や母親が重要な役割」、「欧州では性経験の有無に関わらず、産婦人科医に行く習慣がある」、「世界で子宮頸がんを知るキャンペーンが盛り上がる」という内容です。<br />
実態を調査したわけではなく、筋書きは欧州の産婦人科医のインタビューをつなぎ合わせた物となっています。<br />
記事では、「何歳から、産婦人科医の診察を受けているか」の調査結果と、女性の初体験の平均年齢から、<br />
「性体験のないころから、かかりつけの産婦人科医がいて、診察や検査を受けるのが当たり前のように考えられている」との結論が導かれています。<br />
かなり強引というか、非論理的です。<br />
さらに、それを補強する事例として、母親と一緒に14歳で産婦人科を受診した女性キャロル・スカール氏(42歳)の話が出てきます。<br />
日本の産婦人科医の夢物語をなぞったような内容になっています。<br />
おそらく、記者は欧米の産婦人科病院に行った経験が一度もないのでしょう。<br />
ほぼ例外なく予約制で、診療は時間をかけてゆったり行われます。<br />
もし、ほとんどの女性に掛かり付け産婦人科医がいて、特に用事はないのに受診するのだったら、1年が1000日以上あっても間に合いません。<br />
それは日本でも同じです。<br />
日本の産婦人科病院は今でも混雑しています。<br />
ほとんどの女性が産婦人科を掛かり付け病院にするようになったら、すぐにパンクしてしまいます。<br />
まして、14歳の娘と母親が「生理が始まりました」と受診すると、<br />
産婦人科医はどう対応していいのか戸惑うでしょう。<br />
事情は、日本も欧米もほぼ同じです。<br />
記事に書かれていることは、デタラメではありません。<br />
ただ、それは一面の真実であるように思います。<br />
欧米で子宮癌検診の受診率が高い理由を十分に説明していないように思えます。<br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
日本の産婦人科受診アレルギーについての興味深い論考。「生理が来る年齢になったら、産婦人科に行くのは当たり前という意識」を根づかせろと。<a href="http://t.co/bKOc4eS9Ar">http://t.co/bKOc4eS9Ar</a> 「何のために行くの?」の答えがなけれどどうかな?私見では、避妊相談という答えがないところなのだが。<br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/status/508627349370175488">2014, 9月 7</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<h2>
歴史の分かれ目となった1970年</h2>
<br />
上の記事にキャロル・スカール氏(42歳)のことが出てきます。<br />
彼女のお母さんは現在60歳代と推測できます。<br />
お母さんがティーンエイジャーだった頃、ピルが認可されます。<br />
そして、10年後の1970年には20歳代になっていたでしょう。<br />
お母さんの世代の女性は、ピル第1世代であるとともに、<br />
女性の健康サービスの第1世代でした。<br />
欧米で中絶が合法化されるのは、1970年代です。<br />
中絶が非合法であった時代、女性にとって避妊は現代人が想像できないほどの重大事でした。<br />
そのような時代にアメリカでは1つの法律が成立します。<br />
<a href="http://www.gpo.gov/fdsys/pkg/STATUTE-84/pdf/STATUTE-84-Pg1504.pdf" target="_blank">PUBLIC LAW 91-572-DEC. 24, 1970</a><u><span style="color: #0066cc;">(英語)</span></u>です。<br />
一般に、「避妊サービス及び人口研究法(人口研究と自主的避妊プログラム)」と呼ばれます。<br />
1970年、米国上下院の全員一致で成立した「避妊サービス及び人口研究法(人口研究と自主的避妊プログラム)」は、避妊だけに止まらないで、女性の健康全般に寄与する歴史的な法律となりました。<br />
この法律では、低所得者などへの避妊サービスの提供が規定されました。<br />
タイトル・テン(Title X)と呼ばれます。<br />
タイトル・テンについて、<a href="http://www.peeep.us/873f9a20" target="_blank">米国厚生省のサイトは以下のように説明</a>しています。<br />
<br />
<table border="1"><tbody>
<tr><td bgcolor="#ffd2d2"><span style="color: blue;"></span><br />
<span style="color: blue;">For more than 40 years, Title X family planning clinics have played a critical role in ensuring access to a broad range of family planning and <strong><span style="color: red;">related preventive health services</span></strong> for millions of low-income or uninsured individuals <span style="background-color: red;"><strong>and <span style="color: red;"><span style="color: blue;">others</span>.</span></strong></span></span><br />
<strong><span style="background-color: red; color: red;"></span></strong><br />
<strong><span style="background-color: red; color: red;"></span></strong><br />
<span style="color: blue;"><span style="background-color: red;"><br /></span>
<br />
40年以上にわたって、タイトルテン指定の家族計画クリニックは、低所得あるいは無保険の人々<span style="background-color: red;"><strong>など</strong></span>に対する広汎な家族計画と<strong><span style="color: red;">関連する予防医学サービス</span></strong>への確実なアクセスにおいて、決定的に重要な役割を果たしてきました。</span><br />
</td></tr>
</tbody></table>
<br />
家族計画クリニックは避妊サービスを中心にしながらも、実際は性感染症予防や子宮癌・子宮頸がん・乳癌検診など性に関する広汎なサービスを提供しました。<br />
また、もともとは経済弱者の女性を対象とするものでしたが、女性に限らず、また在学中の生徒・学生に対してもサービスを提供しました。<br />
タイトル・テンの家族計画クリニックは、学校の保健室に対して町の保健室と呼びうる存在でした。<br />
この法律のできた1970年は、第1次ピル恐慌の年でもありました。<br />
リブ運動が盛り上がっていた時代背景もあり、家族計画クリニックでは自分の身体を自分で守る女性を応援する丁寧な対応が取られました。<br />
ここに自分の身体は自分で守るという女性とそれを支援する医療の関係が生まれました。<br />
このような動きはアメリカに限らず、日本を除く先進国に広がりました。<br />
キャロル・スカール氏のお母さんはフランス人と思われますが、<br />
女性の意識変容はアメリカよりも大きなものがありました。<br />
タイトル・テンが作ったものは単なるクリニックではなく、女性の学校だったのです。<br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
「(我妻堯は)1968年日本総合愛育研究所愛育病院産婦人科部長兼母性保健部長に就任すると、家族計画外来を設置します。」<a href="http://t.co/qAyUH9pgkR">http://t.co/qAyUH9pgkR</a><br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/status/508631850860814338">2014, 9月 7</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
我妻堯の家族計画外来と現在日本のピル外来は、全く別物。家族計画外来が定着、発展しなかったことは決定的に大きい。そしてその理由は根深い。<br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/status/508631925112578049">2014, 9月 7</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<h2>
<br />日本に町の保健室が出来なかったわけ</h2>
<br />
町の保健室としての家族計画クリニックのような施設は、またたく間に先進各国に広がります。<br />
日本だけがその埒外にありました。<br />
その理由は明白です。<br />
アメリカの1970年「避妊サービス及び人口研究法」は、突然作られたものではありません。<br />
アメリカでは女性の権利を守る避妊運動が、すでに大きな社会運動になっていました。<br />
この社会運動が女性の熱い支持を得ていたので、<br />
1970年法に反対する議員は1人もなく全員一致で可決されました。<br />
またすでにピルがメインの避妊法となっていました。<br />
ピルは他の避妊法と異なり、きめ細かなサポートを必要とする避妊法です。<br />
ピル初心者の若者にきめ細かなサポートをするには、<br />
従来の産婦人科病院のシステムでは困難があると気づかれていました。<br />
さらに、女性達は避妊の医療化の問題に気付き始めていました。<br />
ピルのボストン茶会事件では、医療の指示に従うだけの避妊が問題とされ、<br />
女性の主体性の回復が課題として示されました。<br />
このような諸背景は先進諸国に共通するものだったので、<br />
町の保健室はまたたく間に広がったのです。<br />
一方、日本は全く事情を異にしていました。<br />
日本では1950年代から国策として家族計画運動が展開され、<br />
社会運動としての避妊運動は消滅していました。<br />
国策家族計画運動を主導した家族計画連盟は、<br />
ピル認可反対の急先鋒でした。<br />
ピルもない民間の社会運動もない日本では、<br />
町の保健室など思いもよらないものだったのです。<br />
1970年当時、日本の避妊法はペッサリーからコンドームに変わっていました。<br />
日本には、女性が性を通して女性の主体性を考える条件がありませんでした。<br />
1970年当時に限れば、自分の身体を守るという意識で、<br />
日本の女性と欧米の女性とでは大きな違いはなかったかもしれません。<br />
しかし、40数年の歳月を経て、その差は決定的に大きな差となりました。<br />
産婦人科の敷居の高さの差、子宮頸がん検診受診率の差は、<br />
40年の積み重ねであるように思います。<br />
キャロル・スカール氏のお母さんは、14歳の娘を産婦人科に連れて行きました。<br />
啓発すれば日本の女性もそのようになるでしょうか?<br />
私は懐疑的です。<br />
40年間、町の保健室が発信してきた文化があります。<br />
その文化は、女性達の語りと経験の交流と専門家のアドバイスが融合した文化です。<br />
その文化は、町の保健室から町全体、国全体に広がり、<br />
女性達の確信を形成しています。<br />
このように考える私は、啓発主義に懐疑的です。<br />
<br />
<h2>
町の保健室は女性の人権センター</h2>
<br />
性差医学という医学思潮があります。<br />
女性と男性では、病気のリスクが異なったり、薬の効き方が異なったりします。<br />
それを研究するのが性差医学です。<br />
性差医学研究を進めるための、あるいは応用するための病院があります。<br />
女性医学のための病院です。<br />
このような病院は女性の医療の進歩に役立つでしょう。<br />
(以上は、日本の一部の医師が提唱している独自理論の女性医療について述べたものではありません)<br />
<img alt="Veterans Affairs Medical Center, Women’s Clinic, Philadelphia, Pa. (Array Architects)" class="attachment-feature-img" src="http://mcdmag.com/wp-content/uploads/2014/03/3543_N105_medium_R.jpg" height="126" width="200" /><br />
<br />
<br />
一方、避妊クリニックから発展してきた女性のための病院があります。<br />
町の保健室です。<br />
タイトルテンによるクリニックは、単なる避妊クリニックではなく、性感染症、女性腫瘍、性自認などにカバーを広げていきます。<br />
それは偶然のことではありません。<br />
このクリニックの理念が、リプロダクティブヘルスライツだったからです。<br />
避妊はリプロダクティブヘルスライツの核心です。<br />
タイトルテンのクリニックは、避妊を通して社会的弱者のプロダクティブヘルスライツにかかわりました。<br />
避妊、特にピルによる避妊には、学習が必要です。<br />
タイトルテンのクリニックは、女性の意識を変える学校でもありました。<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEj4nHlIu11gIGvECiTl6p24FM4MeHPYd783qofQg0XmA303TNUOOIgQDjHf0kJW99stTp9LOU27IsY1IydmiivBELd7mJcV60TRCYWZTLuMKjC1CcDcSwMOi8JCco9oAJMKarFwXF_lIZA/s1600/ppa.png" imageanchor="1" style="clear: left; float: left; margin-bottom: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEj4nHlIu11gIGvECiTl6p24FM4MeHPYd783qofQg0XmA303TNUOOIgQDjHf0kJW99stTp9LOU27IsY1IydmiivBELd7mJcV60TRCYWZTLuMKjC1CcDcSwMOi8JCco9oAJMKarFwXF_lIZA/s1600/ppa.png" /></a></div>
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
日本循環器学会等は、「<a href="http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2010tei.h.pdf" target="_blank">循環器領域における性差医療に関するガイドライン</a>」を策定しています。<br />
女性の虚血性心疾患は閉経後に急増し、しばしば非典型的症状を示します。<br />
これは性差医学が明らかにした知見です。<br />
性差医学は女性の疾病診断や治療に役立つでしょう。<br />
しかし、だからといってリプロダクティブヘルスライツの前進に繋がるものではありません。<br />
女性の性差特性を考慮した診療を行う病院が出来たとしても、<br />
リプロダクティブヘルスライツの前進に繋がるものではありません。<br />
性差医学がリプロダクティブヘルスライツの前進に役立つと言い張っているのは、<br />
日本の一部の産婦人科医だけです。<br />
欧米で、そして現在開発途上国で、女性のリプロダクティブヘルスライツの前進は、避妊相談を核とする活動でもたらされてきました。<br />
日本では、「ピルは避妊薬というよりライフデザインドラッグだ」と考える産婦人科医がいます。<br />
そのような産婦人科医が考えたのが、性差医療の推進をうたう「女性の健康の包括的支援法」です。<br />
この法が成立し、「女性医療」の病院ができても、<br />
それは町の保健室ではありません。<br />
町の保健室になる事もありません。<br />
それどころか、町の保健室が作られる願いを妨害するものです。<br />
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
女性の健康の包括的支援法に相当する法律が海外にあるかというと・・・・。アメリカでは、1970年の「避妊サービス及び人口研究法(人口研究と自主的避妊プログラム)」。同時期に多くの先進国で同様の立法が行われています。日本にはないものです。<br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/status/508896486667460608">2014, 9月 8</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" data-conversation="none" lang="ja">
「避妊サービス及び人口研究法」は避妊をうたっているけれど、この法をベースに乳癌検診や子宮癌検診の普及がなされたので、欧米における元祖女性の健康法です。<a href="http://t.co/adTZLVZSh1">http://t.co/adTZLVZSh1</a>(英語)<br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/status/508896614425956354">2014, 9月 8</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script><br />
<blockquote class="twitter-tweet" data-conversation="none" lang="ja">
同法についての説明。「Title Xは個人に専ら包括的避妊及び関連する健康維持(予防)サービスを提供する唯一の連邦助成プログラムです。」<a href="http://t.co/ghGYKhVeBC">http://t.co/ghGYKhVeBC</a>(英語)まさに、女性の健康の包括的支援法なのです。<br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/status/508896716553068544">2014, 9月 8</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" data-conversation="none" lang="ja">
同法が発展させてものは、「避妊相談」というサービスでした。このサービスのあった先進国では産婦人科アレルギーは生じず、このサービスのなかった日本では産婦人科アレルギーが生じました。<a href="https://t.co/WCwzVtiboC">https://t.co/WCwzVtiboC</a><br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/status/508896820571811840">2014, 9月 8</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" data-conversation="none" lang="ja">
避妊はほとんどの女性が必要とし、また女性の権利でもあります。その避妊の問題を女性の健康問題の中心に据えたことは、欧米諸国で女性の健康の増進に計り知れない貢献をしました。<br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/status/508896929355292672">2014, 9月 8</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" data-conversation="none" lang="ja">
もし日本に「女性医療」が必要な特殊な事情があるにしても、入り口は避妊問題であるべきです。ところが、ピルは避妊薬であるよりもライフ・デザイン・ドラッグと考える人々が考えたのが、「女性の健康の包括的支援法」です。<br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/status/508897074285260800">2014, 9月 8</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" data-conversation="none" lang="ja">
欧米では、避妊を入り口にし、女性は自立の意識を高め、健康サービスが充実していきました。避妊は地雷ワードなどといいながら、避妊の問題から逃避する光景は滑稽です。「女性の健康の包括的支援法」は日本の女性の問題を解決することはないと断言できます。<br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/status/508897194355593217">2014, 9月 8</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" data-conversation="none" lang="ja">
日本に必要なのは、「女性の健康の包括的支援法」ではなく、40年間封印され続けている避妊支援法だと思います。避妊支援法と「女性の健康の包括的支援法」は立法の動機が全く異なります。「女性の健康の包括的支援法」は、避妊支援法を40年間封印してきた思想の産物です。<br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/status/508897270926807040">2014, 9月 8</a></blockquote>
<div style="text-align: center;">
**********************************</div>
<div style="text-align: left;">
<br /></div>
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja" style="text-align: left;">
アメリカは(ヨーロッパも)40年前から女性の健康のために町々に避妊相談のできる「保健室」を作りました(タイトル・テン)。そこは女性の健康センターになっていきます。<br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/status/509003208161636352">2014, 9月 8</a></blockquote>
<div style="text-align: left;">
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script><br /></div>
<blockquote class="twitter-tweet" data-conversation="none" lang="ja" style="text-align: left;">
日本の「女性の健康の包括的支援法」の提案者達は、「最先端の女性医療施設」を県に1つとか作ることを目指しているのでしょう。日本に必要なのは町々の「保健室」ではないでしょうか?<br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/status/509003287467528193">2014, 9月 8</a></blockquote>
<div style="text-align: left;">
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
</div>
<blockquote class="twitter-tweet" data-conversation="none" lang="ja" style="text-align: left;">
町々に女性のための「保健室」を作ることができたのは、避妊をメインの仮題としたからです。「最先端の女性医療」が町々にできるとは思えません。<br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/status/509003365045374976">2014, 9月 8</a></blockquote>
<div style="text-align: left;">
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
※(正)課題 (誤)仮題</div>
<div style="text-align: left;">
<br /></div>
<blockquote class="twitter-tweet" data-conversation="none" lang="ja" style="text-align: left;">
女性のための町々の「保健室」は産婦人科医だけでは運営できません。資格のある看護師がピルの処方や子宮内避妊具の装着をできるような制度ができました。日本の産婦人科医がこれを容認するには、300年くらい時間が必要でしょう。<br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/status/509003442849734658">2014, 9月 8</a></blockquote>
<div style="text-align: left;">
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
</div>
<blockquote class="twitter-tweet" data-conversation="none" lang="ja" style="text-align: left;">
町々に女性のための「保健室」を作ることで、女性の医療は劇的に変わっていきました。そこは基本的に治療の場ではありません。相談の場です。時間をかけた相談が行われるようになりました。<br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/status/509003529336258560">2014, 9月 8</a></blockquote>
<div style="text-align: left;">
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
</div>
<blockquote class="twitter-tweet" data-conversation="none" lang="ja" style="text-align: left;">
先進国で婦人科検診率が約8割、日本は2割台です。この差が生じるのは、町々に女性のための「保健室」があるかないかの差です。日本の女性は意識が低いから啓発するという産婦人科医がいますが、意識の低いのは日本の産婦人科医だと思います。<br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/status/509003610919669760">2014, 9月 8</a></blockquote>
<div style="text-align: left;">
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
</div>
<blockquote class="twitter-tweet" data-conversation="none" lang="ja" style="text-align: left;">
日本の女性の健康に役立つのは、「最先端の女性医療施設」ですか、「女性の健康の包括的支援法」ですか?私は違うと思います。町々に女性のための「保健室」を作ることなしに、日本の女性の健康サービスは欧米に追いつけないと思います。<br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/status/509003688048750592">2014, 9月 8</a></blockquote>
<div style="text-align: left;">
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
</div>
<blockquote class="twitter-tweet" data-conversation="none" lang="ja" style="text-align: left;">
日本の女性の健康サービスの立ち後れは、産婦人科医が「既得権」にしがみつくからです。「女性の健康の包括的支援法」は、その産婦人科医の発想だと思います。日本の女性の健康サービス工場のために「女性の健康の包括的支援法」が必要という医師は、嘘つきか不勉強です。<br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/status/509006817058254849">2014, 9月 8</a></blockquote>
<div style="text-align: left;">
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
※(正)向上 (誤)工場</div>
<div style="text-align: left;">
<br /></div>
<h2 style="text-align: left;">
「女性の健康の包括的支援法」の対案としての町の女性保健室</h2>
<div style="text-align: left;">
</div>
<div style="text-align: left;">
人権は政府に守ってもらうものではありません。<br />
人権は医師が守ってくれるものでもありません。<br />
人権を守るのは、社会運動です。<br />
人権を守る社会運動を国家は支援する、このような関係にあると私は考えます。<br />
欧米におけるリプロダクティブ・ヘルス・ライツの発展は、<br />
そのような関係で成し遂げられたと考えています。<br />
日本にはそれが欠けていました。<br />
あるにはあるのですが、十分とは言えない状態だと思います。<br />
今すぐ、町の女性保健室はできないかもしれません。<br />
しかし、必ず出来ますし、作らなくてはいけません。<br />
「女性の健康の包括的支援法」ができても、<br />
女性のリプロダクティブ・ヘルス・ライツを守ることは永遠にできません。<br />
今、できないものを「できる、できる」と宣伝しています。<br />
幻想を振りまいているのです。<br />
「女性の健康の包括的支援法」が成立してからも、<br />
幻想が振りまかれ続けるでしょう。<br />
その状態は最悪です。<br />
女性のリプロダクティブ・ヘルス・ライツを守る核が永遠に失われます。<br />
リプロダクティブ・ヘルス・ライツを前進させる町の女性保健室を目指すべきだと思います。</div>
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
ブログ「町の女性保健室は必要ないですか?」 <a href="http://t.co/pXfvQCroR7">http://t.co/pXfvQCroR7</a>
「女性の健康の包括的支援法」の対案を示したものです。<br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/status/509637502055903232">2014, 9月 10</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
町の女性保健室は、学校の保健室に似た民間立保健所のイメージです。「町の女性保健室は必要ないですか?」
<a href="http://t.co/pXfvQCroR7">http://t.co/pXfvQCroR7</a><br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/status/509637403904970752">2014, 9月 10</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
学校での性教育には複雑な問題があります。町の女性保健室の担う仕事の一つは、性教育です。「町の女性保健室は必要ないですか?」
<a href="http://t.co/pXfvQCroR7">http://t.co/pXfvQCroR7</a><br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/status/509636824281513984">2014, 9月 10</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
DV被害の女性を「性差医療の病院」が守れますか?町の女性保健室なら守れます。「町の女性保健室は必要ないですか?」
<a href="http://t.co/pXfvQCroR7">http://t.co/pXfvQCroR7</a><br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/status/509636945459159040">2014, 9月 10</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
性自認に違和感を持つ女性が「性差医療の病院」に相談に行くでしょうか?欧米の町の女性保健室では相談がなされています。「町の女性保健室は必要ないですか?」
<a href="http://t.co/pXfvQCroR7">http://t.co/pXfvQCroR7</a><br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/status/509637042855108608">2014, 9月 10</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<div style="text-align: left;">
<strong>関連記事</strong><a href="http://finedayspill.blogspot.jp/2014/09/blog-post.html" target="_blank"><span style="color: #ffcc77;">女性の健康の包括的支援に関する法律について</span></a> </div>
<div style="text-align: left;">
<a href="http://finedayspill.blogspot.jp/2014/09/blog-post_1.html" target="_blank"><span style="color: #ffcc77;">似非科学に立脚する「女性の健康の包括的支援に関する法律」</span></a></div>
<div style="text-align: left;">
<a href="http://finedayspill.blogspot.jp/2014/09/blog-post_5.html">アベノミクスと「女性の健康の包括的支援に関する法律」</a></div>
<div style="text-align: left;">
町の女性保健室は必要ないですか?(本記事)</div>
<div style="text-align: left;">
仮題:懐柔されるフェミニスト達。近日公開予定 </div>
<div style="text-align: left;">
<br /></div>
<div style="text-align: left;">
</div>
Anonymoushttp://www.blogger.com/profile/15708490026898021442noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-1379882158469607859.post-80050609377357084712014-09-05T20:48:00.002+09:002014-09-06T00:56:25.149+09:00アベノミクスと「女性の健康の包括的支援に関する法律」<h2>
アベノミクスと女性の活用</h2>
<br />
2013年4月19日、安倍総理は都内の日本記者クラブで、「成長戦略に向けて」をテーマに講演を行いました。<br />
官邸のサイトに、<a href="http://www.kantei.go.jp/jp/96_abe/statement/2013/0419speech.html" target="_blank">動画と書き起こし</a>がアップされています。<br />
スピーチの中で女性の活用について述べた部分をピックアップしてみました。<br />
<br />
<table border="1"><tbody>
<tr><td bgcolor="#ffd2d2"><span style="color: blue;"><strong>2.成長戦略の3つのキーワード<br />(挑戦:チャレンジ)</strong><br />「人材」資源も、活性化させねばなりません。</span><br />
<span style="color: blue;"> 優秀な人材には、どんどん活躍してもらう社会をつくる。そのことが、社会全体の生産性を押し上げます。<br /> 現在、最も活かしきれていない人材とは何か。それは、「女性」です。<br /> 女性の活躍は、しばしば、社会政策の文脈で語られがちです。しかし、私は、違います。「成長戦略」の中核をなすものであると考えています。<br /> 女性の中に眠る高い能力を、十二分に開花させていただくことが、閉塞感の漂う日本を、再び成長軌道に乗せる原動力だ、と確信しています。<br /> 具体策については、後ほど詳しくお話しさせていただきます。</span><br />
<span style="color: blue;"></span><br />
<span style="color: blue;"><strong>6.女性が輝く日本</strong><br /> さて、ようやく、私の成長戦略の中核である「女性の活躍」について、お話させていただきます。<br /> 「社会のあらゆる分野で2020年までに指導的地位に女性が占める割合を30%以上とする」という大きな目標があります。<br /> 先ほど、経済三団体に、「全上場企業において、積極的に役員・管理職に女性を登用していただきたい。まずは、役員に、一人は女性を登用していただきたい。」と要請しました。<br /> まず隗より始めよ、ということで、自由民主党は、四役のうち2人が女性です。こんなことはかつてはなかったことであります。2人とも女性の役員では、日本で最も注目される女性役員として活躍いただいています。そのおかげかどうかはわかりませんが、経済三団体からはさっそく前向きな回答をいただけました。<br /> ただ、足元の現実は、まだまだ厳しいものがあります。<br /> 30代から40代にかけての女性の就業率がガクンと下がる、いわゆる「M字カーブ」の問題については、少しずつ改善の傾向にありますが、ヨーロッパの国々などと比べると、日本はまだまだ目立っています。<br /> いまだに、多くの女性が、育児をとるか仕事をとるかという二者択一を迫られている現実があります。</span><br />
<span style="color: blue;"><br /><strong>(3年間抱っこし放題での職場復帰支援)</strong><br />妊娠・出産を機に退職した方に、その理由を調査すると、「仕事との両立がむずかしい」ことよりも、「家事や育児に専念するため自発的にやめた」という人が、実は一番多いのです。<br /> 子どもが生まれた後、ある程度の期間は子育てに専念したい、と希望する方がいらっしゃるのも、理解できることです。<br />(以下省略)</span><br />
<span style="color: blue;"></span><br />
<span style="color: blue;"><strong>(子育て後の再就職・起業支援)</strong><br /> 子育てに専念する経験も、貴重なものです。私は、むしろ、子育てそれ自体が、一つの「キャリア」として尊重されるべきものですらある、と考えています。<br /> 実際、自らの経験に基づいて、「外出先でも授乳できる授乳服」を開発して会社を立ち上げ、20億円規模の新たな市場を開拓した女性もいらっしゃいます。<br /> 子育てを経験した女性ならではの斬新な目線は、新たな商品やサービスにつながる「可能性」に満ちたものです。<br /> ぜひともその経験を、社会で活かしてほしい、と強く願います。<br />(以下省略)</span></td></tr>
</tbody></table>
<br />
安倍総理は、<br />
「女性の活躍は、しばしば、社会政策の文脈で語られがちです。しかし、私は、違います。「成長戦略」の中核をなすものであると考えています。」<br />
と語っています。<br />
社会政策ではなく経済政策だとする点が、画期的です。<br />
この点についての評価は分かれるでしょう。<br />
私は個人的には、評価しています。<br />
女性の地位の向上や男女の平等は、女性がその社会の中核的機能を担うことなしに実現しないと考えるからです。<br />
女性の就労が「成長戦略」として位置づけられると、<br />
より積極的な政策が取られると期待できます。<br />
私はアベノミクスによる女性の活用政策に、総論としては賛成です。<br />
<br />
<br />
<h2>
女性の労働市場参加とハンデ問題</h2>
<br />
本田由紀氏のツイートです。<br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
<a href="http://t.co/0xgOhotfeJ">http://t.co/0xgOhotfeJ</a>「政府の「女性活用」は…「女であることを不利と感じたことがない」と言い切れる、ごく一部のキラキラ女子にはいいでしょうが、女性が多数を占めるパートやアルバイト、派遣への視線はない。女性の窮状を根元から改善する姿勢が見えません。」<br />
— 本田由紀 (@hahaguma) <a href="https://twitter.com/hahaguma/status/507681189931413504">2014, 9月 5</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>上で見た 安倍総理のスピーチでも、女性活用はエリート女性について述べている印象があります。<br />
しかし、女性活用は労働人口の減少に対応した政策でもあるわけで、<br />
実際には広く女性の労働参加を促す政策が取られると考えられます。<br />
キラキラ女子の創出は、女性の中に格差を生じさせるという問題はありますが、<br />
問題の核心ではありません。<br />
問題の核心は、本田氏が指摘するように、女性がパートやアルバイト、派遣など、劣悪な雇用条件を強いられている、そしてその解決策が示されてないことです。<br />
<br />
なぜ、女性は不利な雇用条件を強いられてきたのでしょう?<br />
この問題の根底には、女性が産む性であることがあります。<br />
育児や家事は男女で分担できても、<br />
妊娠出産は分担できません。<br />
女性が妊娠・出産する性であることは紛れもない事実であり、<br />
そのことが女性の労働参加を阻害する要因になっています。<br />
出産後に労働参加する場合でも、パートやアルバイト、派遣を選ばざるを得ない現実があります。<br />
女性という性により社会的活動が制約されているのであり、<br />
これは女性差別の問題です。<br />
子どもを産まないという選択をすれば、<br />
性による差別という問題は生じません。<br />
実際に子どもを産まないという選択をする女性もいます。<br />
しかし、子どもを産むことは、セクシャルヘルス/ライツを構成する権利です。<br />
社会的活動の制約から自由となるために、<br />
セクシャルヘルス/ライツを放棄せざるを得ない状況は、<br />
セクシャルヘルス/ライツの侵害です。<br />
労働の問題はセクシャルヘルス/ライツとも密接にかかわる問題です。<br />
<br />
女性が産む性であることは、<br />
女性の労働参加に不利に作用してきました。<br />
産む性であることによる差別を認めない、<br />
差別をなくしていく。<br />
これが女性として求めていくことの基本です。<br />
しかし、実際は何をどのようにすればよいのか、<br />
むつかしい問題があります。<br />
大阪大学の近藤滋氏は、エッセイ「<a href="http://www.peeep.us/c265a6bc" target="_blank">共同さんかく、応募のしかく、ごかくの評価は得られるか?</a>」を書いています。<br />
男性ですし、フェミニスト活動をなさっている方ではありません。<br />
エッセイは大学教員人事を想定して書かれたものでしょうが、<br />
おもしろいなと思ってツイートで紹介したことがあります。<br />
近藤氏は妊娠・出産が女性のキャリア形成に不利になっている現実を認めた上で、<br />
それが不利にならないようにするにはどうすればよいかを考えています。<br />
女性の生物学的性が社会生活の上でマイナスに作用している、<br />
という現実から出発することは大切な視点だと思います。<br />
<br />
<h2 class="tweet-text js-tweet-text">
女性の健康の包括的支援に関する法律と女性の労働</h2>
<div class="tweet-text js-tweet-text">
</div>
<div class="tweet-text js-tweet-text">
女性が妊娠・出産する性であることが、女性の労働参加に不利に作用していると書きました。</div>
<div class="tweet-text js-tweet-text">
女性は妊娠・出産するだけでなく、生理があります。</div>
<div class="tweet-text js-tweet-text">
生理や生理痛も女性の労働参加に不利に作用するかもしれません。</div>
<div class="tweet-text js-tweet-text">
私は近藤氏と同じく、それは現実なのだからそのことが不利にならない社会にしていくことが大切と考えます。</div>
<div class="tweet-text js-tweet-text">
この考えを真っ向から否定しているのが、女性の健康の包括的支援に関する法律なのです。</div>
<div class="tweet-text js-tweet-text">
女性の健康の包括的支援に関する法律は、</div>
<div class="tweet-text js-tweet-text">
社会を変えようとするのではなく、女性の生物学的現実を変えようとします。</div>
<div class="tweet-text js-tweet-text">
具体的に書いてみましょう。</div>
<div class="tweet-text js-tweet-text">
生理痛のため数日間就労が困難な女性がいるとします。</div>
<div class="tweet-text js-tweet-text">
それは女性であるための生物学的現実です。</div>
<div class="tweet-text js-tweet-text">
この生物学的現実によって女性が不利益を被らない社会に変えていこう、</div>
<div class="tweet-text js-tweet-text">
と考えるのが私の考えです。</div>
<div class="tweet-text js-tweet-text">
一方、社会は変わらなくても、女性が生理痛を克服すればよい、</div>
<div class="tweet-text js-tweet-text">
というのが女性の健康の包括的支援に関する法律なのです。</div>
<div class="tweet-text js-tweet-text">
</div>
<div class="tweet-text js-tweet-text">
この2つの考え方の相違は、今に始まったことではありません。</div>
<div class="tweet-text js-tweet-text">
1年数ヶ月前のツイッターの会話を収録してみましょう。</div>
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
生理痛で学校は休めたけど、社会に出たらそうも言っていられません。「生理休暇を使う権利があるモン!」と休むことに依存せず、積極的な治療=ピルで改善を!ピルのメリットは避妊だけじゃありません。 <a href="https://twitter.com/hashtag/loc?src=hash">#loc</a><br />
— OC普及推進事業談 (@OC_pill) <a href="https://twitter.com/OC_pill/status/264020424185241601">2012, 11月 1</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
低用量ピルをいまでも怖い薬だと思っている人、薬はできるだけ飲まないほうが自然だと思っている人、それは現代に適応できない思考停止では?「自然なライフサイクル」とは無縁な現代女性の体の声を聞いてあげましょう。ピルは女性のQOLを高める現代の必須アイテムなのです。 <a href="https://twitter.com/hashtag/LOC?src=hash">#LOC</a><br />
— OC普及推進事業談 (@OC_pill) <a href="https://twitter.com/OC_pill/status/264019603850661889">2012, 11月 1</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
上のツイートは、対馬医師の病院に勤務していた女性が理事長を務めるNPOのツイートです。<br />
このツイートをめぐって以下の会話がなされました。<br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
うっなんだこりゃ…こーいう言説、なんでわざわざシバキアゲ現代社会に適応してやらないかんのだ社会変えようとか思っちゃう<br />
— 百合?薔薇?いいえ私はすみれさん (@CyMuPe) <a href="https://twitter.com/CyMuPe/status/264032991775424513">2012, 11月 1</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" data-conversation="none" lang="ja">
<a href="https://twitter.com/CyMuPe">@CyMuPe</a> すみれさん、横からごめんなさい。自分の体調管理の一環として生理調整を入れるのが、何か悪いことなんでしょうか…?試験とか大事な用事に合わせて、自分の体調管理したいってのは自然な欲求かと思うんですけど、この思想自体が、女性として間違ってるってことになるんです?<br />
— aim (@5tnd_3i) <a href="https://twitter.com/5tnd_3i/status/264036853357879296">2012, 11月 1</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" data-conversation="none" lang="ja">
<a href="https://twitter.com/5tnd_3i">@5tnd_3i</a> その欲求は自然だし否定できるものではないと思います。ただ、月経をコントロールする(そうすることで男並みにバリバリ働けるようになる)のが女性の「正しいあり方」だと称揚することは問題だと思います。ピルを飲むかどうかは女性個人の問題であり、社会の要請ではない<br />
— 百合?薔薇?いいえ私はすみれさん (@CyMuPe) <a href="https://twitter.com/CyMuPe/status/264038854787485696">2012, 11月 1</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" data-conversation="none" lang="ja">
<a href="https://twitter.com/CyMuPe">@CyMuPe</a> なるほど、<a href="https://twitter.com/OC_pill">@OC_pill</a>さん?のツイの中ですみれさんがRTした2つ目に疑問、ってことですね。すみれさんのツイだけ見ていると、現実に調整入れても自分を作って働いている女性まで否定するのかと思ってリプ飛ばしてしまいました。すみません。<br />
— aim (@5tnd_3i) <a href="https://twitter.com/5tnd_3i/status/264040192317476865">2012, 11月 1</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" data-conversation="none" lang="ja">
<a href="https://twitter.com/5tnd_3i">@5tnd_3i</a> <a href="https://twitter.com/OC_pill">@OC_pill</a> いえいえ。私も現実にピルで月経周期を調整してQOLを上げているのでピルユーザーを否定する意図はありませんでした。あと「現代に適応できない思考停止」にも相当疑問でしたので…<br />
— 百合?薔薇?いいえ私はすみれさん (@CyMuPe) <a href="https://twitter.com/CyMuPe/status/264041352143179776">2012, 11月 1</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgGH8oIpOHHy7U8KziX1iodH-vAkv-4Gp4e70HyB3CQTLgOpcjjPhKLTbWBmaSsm7fF5pOcGvWD3ikzDVxeR6FkOvREglw5PwqYwiNBuLidpXmMsEutMueA_jVdSYd4qqLQEKM1yYix_pE/s1600/qqqq.gif" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgGH8oIpOHHy7U8KziX1iodH-vAkv-4Gp4e70HyB3CQTLgOpcjjPhKLTbWBmaSsm7fF5pOcGvWD3ikzDVxeR6FkOvREglw5PwqYwiNBuLidpXmMsEutMueA_jVdSYd4qqLQEKM1yYix_pE/s1600/qqqq.gif" height="172" width="320" /></a></div>
<blockquote class="twitter-tweet" data-conversation="none" lang="ja">
</blockquote>
<blockquote class="twitter-tweet" data-conversation="none" lang="ja">
<a href="https://twitter.com/OC_pill">@OC_pill</a> リプライありがとうございます。折角なので思ったことを述べさせてください。「思考停止」という表現では、実際に食わず嫌いしている人に訴えかける力は低いというかむしろ逆効果なのではないかと思いました。→<br />
— 百合?薔薇?いいえ私はすみれさん (@CyMuPe) <a href="https://twitter.com/CyMuPe/status/264054109135581184">2012, 11月 1</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" data-conversation="none" lang="ja">
<a href="https://twitter.com/OC_pill">@OC_pill</a> また、現代に適応といってしまうと、男性のみが働いていた時代の慣習を引きずって、健康な女性には月経があるという当たり前のことを無視する社会をそのまま受け入れることが正しいのだ、という意図に感じられ、団体としての主張としては違和感がありました。(処世術ならともかく<br />
— 百合?薔薇?いいえ私はすみれさん (@CyMuPe) <a href="https://twitter.com/CyMuPe/status/264054462426005504">2012, 11月 1</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
上の会話は、女性が抱えている現実に対して、社会が適応するのか、女性が適応するのかという問題です。<br />
このNPOの女性が適応すべきだという主張は、さらにエスカレートしていきます。<br />
<br />
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
「コントロールした自己管理ができてこそ、現代の働き方では?」という提案は、SHINE路線を暗示しているような。<a href="https://t.co/bO8jY16Nki">https://t.co/bO8jY16Nki</a>
自己管理=女性の責任に転嫁されてしまいます。<br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/status/498385585317216256">2014, 8月 10</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<div class="tweet-text js-tweet-text">
</div>
<div class="tweet-text js-tweet-text">
動画の中では、<br />
<span style="color: red;"><strong>「男女平等!女性も社会進出したい!私の能力を認めて!女性だってできる!そういう時代は十分築き上げて来れたと思う」</strong></span><br />
と語られています。<br />
耳を疑いましたが、やはりそのように語られています。<br />
<br />
女性の健康の包括的支援に関する法律は、これを支持している女性もたくさんいるようです。<br />
しかし、それは決まって地位もあり経済的にも恵まれた女性名士です。<br />
現実の日本では、多くのと言うかほとんどの女性が、女性という性のために労働参加において不利益な条件を強いられています。<br />
女性名士たちは、そのことを知らないのでしょう。<br />
</div>
<h2 class="tweet-text js-tweet-text">
日本の女性を裏切る「女性の健康の包括的支援に関する法律」</h2>
<div class="tweet-text js-tweet-text">
<br />
なぜ今、「女性の健康の包括的支援に関する法律」の制定が目指されているのでしょう?<br />
アベノミクスは女性の活用を図ろうとしています。<br />
女性の活用を進めるには、社会が女性の現実に適応する必要があります。<br />
しかし、社会が女性に適応するとなると、企業の労働力コストは上がります。<br />
企業の労働力コストを上げずに女性の活用を図りたいというのが、企業の本音です。<br />
社会が適応するのではなく女性が適応してくれた方がありがたいのですが、<br />
露骨にそう言うわけにもいきません。<br />
そこで「女性医療」が意味を持ってきます。<br />
女性が生物学的に持っているハンデを「克服できる」ようにサポートするのが、「女性医療」です。<br />
もちろん、「女性医療」にそんな魔法ができるわけありません。<br />
しかし、「女性医療」は女性のハンデ克服に役立つと幻想を振りまく役割が期待されています。<br />
その幻想により、社会が適応すべきだという圧力をかわすことができるからです。<br />
女性が生きにくい社会の仕組みがあります。<br />
それが変わらなければ「女性が輝く」社会は実現しません。<br />
この女性の願いを幻想により押さえ込もうとするもの、<br />
それが「女性の健康の包括的支援に関する法律」です。<br />
だから、私は「女性の健康の包括的支援に関する法律」に反対です。</div>
<div class="tweet-text js-tweet-text">
</div>
<div class="tweet-text js-tweet-text">
<strong>関連記事</strong><a href="http://finedayspill.blogspot.jp/2014/09/blog-post.html" target="_blank"><span style="color: #ffcc77;">女性の健康の包括的支援に関する法律について</span></a> <br />
<a href="http://finedayspill.blogspot.jp/2014/09/blog-post_1.html" target="_blank">似非科学に立脚する「女性の健康の包括的支援に関する法律」</a><br />
アベノミクスと「女性の健康の包括的支援に関する法律」(本記事)<br />
仮題:懐柔されるフェミニスト達。近日公開予定 </div>
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<br /></div>
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</div>
Anonymoushttp://www.blogger.com/profile/15708490026898021442noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-1379882158469607859.post-6023453938394035322014-09-04T22:34:00.000+09:002014-09-05T20:51:19.325+09:00似非科学に立脚する「女性の健康の包括的支援に関する法律」<h2>
安倍内閣と似非科学の親和性</h2>
<br />
科学に政治が介入し災禍をもたらした例として、<br />
スターリン政権によるルイセンコ学説の採用があります。<br />
スターリン政権にとってルイセンコ学説の魅力は、<br />
農業生産を飛躍的に増大させる可能性のある学説だったからでしょう。<br />
アベノミクスを掲げ経済再生を目指す安倍内閣は、<br />
革新的政策を採用していると評価することもできます。<br />
しかし、その一方であやしげな学説を取り込んでしまうリスクも持っています。<br />
安倍首相はイデオロギー性の強い政治家であり、<br />
安倍首相と政治理念を共通にするグループが重用される傾向が見られます。<br />
イデオロギーは思いであり、科学ではありません。<br />
イデオロギー性の強い政治家では、往々にして思いが優先され、<br />
科学の論理が軽んじられる傾向が見られます。<br />
その典型的な例が下村文部科学大臣です。<br />
下村文部科学大臣と似非科学との関連については、<br />
すでにさまざまな指摘がなされていますので繰り返しません。<br />
安倍内閣は再生医療を成長戦略の一つの核として位置づけています。<br />
安倍首相、下村文科相がSTAP論文に注目したのは、<br />
当然のことです。<br />
そこまでは何の問題もありません。<br />
問題は、STAP論文疑惑が表面化してから後の問題です。<br />
STAP論文の処理は、現在も迷走を続けています。<br />
この迷走により日本の科学技術の信用が損なわれ、<br />
甚大な国益毀損が生じています。<br />
STAP論文疑惑の処理が迷走したことについて、<br />
文科省と下村大臣に責任のあることは明らかです。<br />
科学の論理よりも思いが優先したのではないかとの疑念は拭えません。<br />
政治が科学に介入すると、<br />
小さな介入であっても甚大な影響が生じます。<br />
ルイセンコ学説にしてもしかり、<br />
STAP論文処理にしてもしかりです。<br />
似非科学に毅然とした対応を取れない政治のリスクが、<br />
安倍内閣にはあるように思えます。<br />
STAP論文で不幸中の幸いは、<br />
政府がSTAP支援を始める前に疑惑が表面化したことでした。<br />
「女性の健康の包括的支援に関する法律」は、<br />
似非科学の理念に立脚した内容です。<br />
この法律が成立すれば、その影響は計り知れないものがあります。<br />
<br />
<h2>
似非科学としてのホルモン還元論</h2>
<br />
「女性の健康の包括的支援に関する法律」は、対馬ルリ子医師が主導しているものであり、<br />
別稿で述べたように「対馬法」とも呼ぶべき法律です。<br />
欧米や日本で性差医学の研究が進展しています。<br />
男性と女性では罹りやすい病気が異なっていたり、<br />
薬の効き目が異なっていたりします。<br />
それを明らかにするのは科学研究です。<br />
ところが、対馬医師は男女の違いは性ホルモンの違いであると主張します。<br />
たしかに、男性と女性では性ホルモンは異なっており、<br />
それによる違いがあるのは言うまでもありません。<br />
ただこの言説は、本来の性差医学の概念をやや逸脱するものです。<br />
女性は男性とは異なるホルモンを持っていることが性差であるとし、<br />
女性医療という分野が必要だと主張します。<br />
ここまでは強引な論理であっても、<br />
医学思想として許容できるものです。<br />
対馬氏によると、女性医療は年齢によるホルモン変動に着目することによって成り立ちます。<br />
対馬氏の注目したのは、35歳後のホルモン量の減少でした。<br />
そこで「プレ更年期」を対馬氏は提唱します。<br />
35歳前後をピークにホルモン量が減少することは、<br />
既知の科学的知見です。<br />
35歳を過ぎると心身の不調が生じることについては、<br />
科学的研究はないにしても経験的には知られていることです。<br />
ホルモンの減少と不調の増加の間に相関関係があるかどうかを調べることはできます。<br />
それを調べることは、科学的です。<br />
対馬説の似非科学性は、<br />
両者を因果関係として説明することです。<br />
つまり、ホルモン量の減少によって、心身の不調が生じると説明します。<br />
相関関係を因果関係として説明するのは、<br />
疑似科学によくある特徴です。<br />
もっとも、相関関係が見られる場合には、<br />
因果関係が成立していることも少なくありません。<br />
「プレ更年期説」は仮説としては成り立ちますが、<br />
あくまで1仮説です。<br />
私見では、対馬氏の「プレ更年期説」は有力仮説とは言えない代物です。<br />
女性のホルモン量は加齢とともに減少します。<br />
高齢者ではホルモン量は非常に低いレベルになりますが、<br />
不快症状が頻発するわけではありません。<br />
この点を対馬氏の「プレ更年期説」では説明できません。<br />
1990年代にLeeの唱えたエストロゲン優位仮説の方がよほど有力です(黄体ホルモンレベルの低下がエストロゲンレベルの低下より著しいために生じる現象とする説)。<br />
対馬医師の「プレ更年期説」は、似非科学の論理を取り込んだ独自の仮説に過ぎません。<br />
似非科学の唱道者は、単に自説を開陳するだけと言うことはまずありません。<br />
自説の有用性をアピールします。<br />
いや、むしろ自説の有用性をアピールするために、<br />
無理な理論が作り出されます。<br />
対馬氏の「プレ更年期説」では、35歳から低用量ピルによるホルモン補給が推奨されます。<br />
「プレ更年期説」と35歳からの低用量ピル推奨は、<br />
ほぼ一体の関係にありました。<br />
似非科学の論理でピルを推奨してきたのが、<br />
対馬医師にほかなりません。<br />
<br />
<h2>
似非科学批判と似非科学擁護</h2>
<br />
「プレ更年期」の女性が抱えている心身の不調に対して、<br />
ピルは効果があるのでしょうか?<br />
答えは、YESです。<br />
全ての女性に対して効果があるわけではありませんし、<br />
いかなる症状に対しても効果があるわけではありません。<br />
しかし、症状の改善する女性がいるのは事実です。<br />
このことが、「プレ更年期」説の似非科学性が批判を免れてきた一つの理由です。<br />
<br />
長年にわたり似非科学批判の活動を行ってきた医師にNATROM氏がいます。<br />
NATROM氏は、「プレ更年期」説について、次のような発言を行いました。
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
「女のカラダ、悩みの9割は眉唾」(宋美玄著/講談社)で取り上げられている「プチ更年期」「プレ更年期」も、「インチキ病名」の一種であるように思う。<br />
— なとろむ (@NATROM) <a href="https://twitter.com/NATROM/status/469470406210899968">2014, 5月 22</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
ここも参考になる。[ピルとその周辺: 35歳からのピル(「プレ更年期」のピル療法について) <a href="http://t.co/XnTT2wHTTz">http://t.co/XnTT2wHTTz</a> ]。以前からピルについての情報発信をしている老舗サイトで、個人的には信頼している。<br />
— なとろむ (@NATROM) <a href="https://twitter.com/NATROM/status/469470849947287554">2014, 5月 22</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
当たり前の話だけど、「プレ更年期」とされている患者さんの症状が嘘だとか、気のせいだとか言っているわけではない。根拠が不十分な疾患概念はかえって患者さんの不利益になるってこと。<br />
— なとろむ (@NATROM) <a href="https://twitter.com/NATROM/status/469471091732148224">2014, 5月 22</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" data-conversation="none" lang="ja">
当たり前の話を理解できず、患者さんの味方のつもりで「プレ更年期の患者さんを叩いている!医師として論外だ!」などと的外れなことを言う人がいないとも限らないので。<br />
— なとろむ (@NATROM) <a href="https://twitter.com/NATROM/status/469471178751369216">2014, 5月 22</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
宋美玄氏は「インチキ病名」と指摘し、NATROM氏は科学的検証のなされていないことを問題にしています。
<br />
NATROM氏の批判に対して、江夏亜希子医師が「プレ更年期」説擁護の立場から発言しています。<br />
こちらを参照<a href="http://www.peeep.us/320c044e">http://www.peeep.us/320c044e</a>
<br />
縷々述べていますが、経験を正当化する言説となっています。<br />
それに対して、NATROM氏は再度、個人の経験を越える科学的証拠はあるのかと問いかけています。
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" data-conversation="none" lang="ja">
<a href="https://twitter.com/akikoent">@akikoent</a> もしかしたら私の文献の探し方が不十分だったのかもしれません。「プレ更年期」の疫学的知見や症例報告についての文献があれば、教えてください。私は発見できませんでした。<br />
— なとろむ (@NATROM) <a href="https://twitter.com/NATROM/status/469482455078948864">2014, 5月 22</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
科学では、「STAP細胞はありま~す」と言うことには、何の意味もありません。
<br />
証拠を示せるのが科学であり、示せないのが疑似科学です。<br />
<br />
なお、江夏亜希子医師は対馬ルリ子医師の病院に勤務した経験があり、<br />
現在は性と健康を考える女性専門家の会の副会長です。<br />
<h2>
<br />似非科学のもたらす災禍</h2>
<br />
対馬医師はピル普及の功労者です。<br />
NPO法人OC普及推進事業団理事長氏も、<br />
対馬氏の病院に勤務していたことがあり、<br />
あやしい仕事をしていました。<br />
対馬医師とその影響を受けた人々のピル普及活動には、<br />
際だった特徴があります。<br />
対馬氏の関心は「プレ更年期」を含む女性医療です。<br />
女性医療の中にピルは位置づけられました。<br />
避妊薬としてのピルではありません。<br />
ピルユーザーの中で避妊ユーザーは減少し続け、<br />
おそらく1999年のピル解禁時よりも少なくなっているでしょう。<br />
「対馬法」である「女性の健康の包括的支援に関する法律」に避妊のヒの字も出てこないのは、<br />
当然すぎるほど当然のことなのです。<br />
海外でピルは切実な避妊要求を持つ若い世代の女性に支持される薬です。<br />
対馬医師はそのピルをライフデザインドラッグとして位置づけ、<br />
「プレ更年期」世代の女性などに普及させました。<br />
その結果、ピルユーザーの過半は30代以上の女性という、<br />
恐るべき状況となってしまいました。<br />
なぜ恐るべき状態なのでしょうか?<br />
35歳を過ぎると副作用による血栓症リスクは高くなります。<br />
40歳を越える女性に対しては相対禁忌となっています。<br />
対馬氏による女性医療では、このリスクの高い女性にピルが処方されることになります。<br />
私は日本の40歳以上の女性について血栓症発症率を試算してみました。<br />
私の試算では、600人に1人が血栓症を発症しています。<br />
参照 <a href="http://finedayspill.blogspot.jp/2014/01/600140.html" target="_blank">600人に1人が血栓症に--40歳以上のピル服用について試算</a><br />
600人に1人です。<br />
副作用の報告漏れがあることを考えれば、<br />
実際はこれよりももっと高い頻度でしょう。<br />
600人に1人は1年間当たりの数値です。<br />
2年、3年と継続した場合はもっと高い確率になります。<br />
とてもではありませんが、安全な薬とは言えません。<br />
ピルは本来非常に安全性の高い薬です。<br />
ところが、女性医療の中に位置づけられると、<br />
たちまち危険な薬に変わってしまいます。<br />
ピルを危険な薬にする活動を続けてきたのが、<br />
対馬氏とその支持者です。<br />
その結果、ピルの普及率は2008年頃をピークに下降に転じています。<br />
現時点では、1999年のピル解禁時に近い水準まで落ち込んでいると思われます。<br />
対馬氏の「プレ更年期」説や女性医療は、<br />
現実的にはすでに破綻しています。<br />
破綻した対馬説を国家公認の説にして挽回を図ろうとするのが、<br />
「女性の健康の包括的支援に関する法律」に過ぎません。<br />
もし、この法律が成立すると、<br />
累々たる被害者の山を築いた対馬説が国家規模で展開されることになります。<br />
国家と結びついた似非科学の危険性を日本の女性が身を以て体験させられる、<br />
そんな事態は絶対回避しなくてはなりません。<br />
だから、私は「女性の健康の包括的支援に関する法律」に断固反対なのです。<br />
<br />
<strong>関連記事</strong><br />
<a href="http://finedayspill.blogspot.jp/2014/09/blog-post.html" target="_blank">女性の健康の包括的支援に関する法律について</a> <br />
似非科学に立脚する「女性の健康の包括的支援に関する法律」(本記事)<br />
<a href="http://finedayspill.blogspot.jp/2014/09/blog-post_5.html" target="_blank">アベノミクスと「女性の健康の包括的支援に関する法律」</a><br />
仮題:懐柔されるフェミニスト達。近日公開予定Anonymoushttp://www.blogger.com/profile/15708490026898021442noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-1379882158469607859.post-25760573647668361462014-09-01T19:37:00.001+09:002014-09-04T22:34:53.780+09:00女性の健康の包括的支援に関する法律について<h2>
法案の作成過程</h2>
<br />
本年1月、自民党政務調査会に女性の健康の包括的支援に関するプロジェクトチームが置かれました。<br />
このプロジェクトチームは、対馬ルリ子医師の働きかけで作られたものです。<br />
同氏のブログには、以下のように記されています。<br />
<br />
<span style="background-color: blue;">1.自民党の政務調査会(政調)の「女性の包括的健康支援に関するPT(プロジェクトチーム)」会議が、1月から3月まで7回、終了しました。私たちの働きかけによってできた政調の10個あるPTのうちのひとつで、高階恵美子さん(参議院議員、看護師保健師さん)がリーダーになって、女性の一生涯の健康を包括的に支援するにはどうすべきかを検討しています。今の日本は何が足りないのか、何が問題なのか、海外ではどうなっているのか、今後どのようにしていけばよいのか等について、女性医療ネットワークと、連携している人たちから、意見を述べさせてもらいました。今後、高市政調会長に報告をあげ、あとは安倍総理がどのように政策に生かしていただけるのか。ということになります。楽しみです。</span><br />
<br />
女性の健康の包括的支援に関する法律は、実質上「対馬法」とも言えるものです。<br />
3月28日には「女性の健康の包括的支援の実現に向けて<3つの提言>」がまとめられました。<br />
4月1日には<a href="http://www.peeep.us/248ea9cb" target="_blank">党の文書として公表</a>されました。<br />
同文書には7回のヒアリングの日時と内容が記されています。<br />
また、出席団体として、5団体名が記されています。<br />
6月17日には<a href="http://www.peeep.us/3e606ecc" target="_blank">高階恵美子外3名による議員立法として参議院に提出</a>されました。<br />
議案は継続審議となりました。<br />
<br />
<h2>
女性の健康の包括支援法への期待と懐疑</h2>
<br />
「女性の健康の包括的支援に関する法律(案)」は6月17日に提出され、継続審議となりました。<br />
「女性の健康の包括的支援に関する法律」を支持する活動も盛んに行われています。<br />
週刊金曜日のサイトは、<a href="http://www.peeep.us/d17b82e4" target="_blank">「自民党 リプロ・性教育バッシングから一転、女性の健康包括的支援へ」と題する以下の記事</a>を掲載しました。<br />
<br />
<span style="background-color: blue;">【政党】自民党 リプロ・性教育バッシングから一転、女性の健康包括的支援へ 4月1日</span><br />
<span style="background-color: blue;"> 自民党は1日、同党「女性の健康の包括的支援に関するプロジェクトチーム(PT)」(座長・高階恵美子参院議員)がまとめた「女性の健康の包括的支援の実現に向けて〈3つの提言〉」を公表した。 </span><br />
<span style="background-color: blue;"> 女性の生涯にわたる健康という視点からの包括的支援が十分に行なわれていなかったことからPTを立ち上げ、今年1月から7回にわたり有識者や団体からのヒアリングや議論を重ねてきた。提言では、女性の健康支援に向けた教育・養成プログラムの改革、女性総合診療という新たな専門分野の確立、DV対策の充実のほか、安全な出産環境を整備することなどを盛り込んだ。今後、提言を基に議員立法として法案提出を検討する。 </span><br />
<span style="background-color: blue;"> 高階座長らは7日、首相官邸を訪ね安倍晋三首相に提言書を手渡した。安倍首相は「この中に知恵がある」と述べ、来年度の予算編成に向け、提言を参考にする考えを示した。かつて、リプロダクティブ・ヘルス/ライツを否定し、性教育攻撃を行なっていた同党の山谷えり子参院議員らと性教育バッシングのシンポジウムを開催した安倍首相だが、「女性活用」のために考えを改めたのだろうか。</span><br />
<br />
<br />
自民党は改心して、女性のための法律を作る事にしたのでしょうか。<br />
よからぬ企みほど、きれいな言葉で飾られます。<br />
きれいな言葉に惑わされ、よからぬ企みに協力してしまう善意の人も出てきます。<br />
想い出して下さい。<br />
子宮内膜症患者の支援と銘打って、ピルの保険適用がなされました。<br />
しかし、実際は缶コーヒー1本ほどの値段のピルのラベルを貼り替えて、7000円にしてしまいました。<br />
この法律が女性にとって有益な法律なのかどうか、冷静に考えてみる必要があるでしょう。<br />
<br />
<h2>
誤解の原因</h2>
<br />
「女性の健康の包括的支援」と銘打つならば、性の自己コントロールが重要な柱として位置付くと考えられます。<br />
週刊金曜日もそのように考えるから、「自民党 リプロ・性教育バッシングから一転、・・・」とタイトルを付けています。<br />
しかし、この「女性の健康の包括的支援に関する法律(案)」には、避妊のヒの字も出てきません。<br />
それは偶然ではありません。<br />
この法案には、「性差医学」を「女性医療」と読み替える日本的運動が深く関わっています。<br />
「女性医療」運動とは何か、から見ておく必要があります。<br />
<br />
<h2>
性差医学と性差医療(女性医療)</h2>
<br />
1990年代のアメリカでGender-Specific Medicineが提起されました。<br />
Gender-Specific Medicineは、性差医学とも性差医療とも訳すことができます。<br />
しかし、元々は性差医学です。<br />
性差医学のための病院も作られますが、<br />
それは医学研究の医学部と付属病院の関係と同じです。<br />
性差医学(とそれに付随する性差医療)は医学研究の潮流であり、<br />
立法や政治にはなじまない問題です。<br />
日本の性差医学の草分けは天野恵子医師です。<br />
性差医学・性差医療の必要性を<a href="http://www.peeep.us/97429b51" target="_blank">天野医師へのインタビュー記事</a>で確認しておきましょう。<br />
天野医師は性差医学と性差医療の関係をしっかり認識しておられるのですが、<br />
あえて違いを強調しないとのお考えのようです。<br />
<br />
<h2>
女性医療の登場</h2>
<br />
性差医学と性差医療(女性医療)の関係が曖昧な間隙を縫って、<br />
日本では女性医療という潮流が生まれてきます。<br />
よりよい医療を望む女性の願いを逆手に取り、<br />
複数の政治家により性差医療で女性の医療条件が改善するかのような幻想が語られます。<br />
2000年前後のことです。<br />
このような流れの延長線上にあるのが、<br />
対馬ルリ子医師による性差医療としての「女性医療」です。<br />
性差医学の研究は、疾病リスクや薬剤の効果などに性による差異があることを明らかにしました。<br />
しかし、それはむしろ例外的な差異であり、性を越えた同一性がベースになっています。<br />
したがって、性差医学の提起するところは、医療において性差の観点を考慮しようというものです。<br />
これなら誰も異存はないでしょう。<br />
このような医療は取り立てて【女性医療】という必要のないものです。<br />
対馬ルリ子医師のユニークな点は、<br />
女性医療ネットワークなるNPOまで立ち上げ、<br />
【女性医療】という領域を作ろうとしたことです。<br />
<br />
<h2>
不確かな女性医療の必然性</h2>
<br />
性差医学は女性に対する医療の質を向上させます。<br />
女性に対する医療が性差医学の知見を取り入れれば、<br />
女性が受ける医療の質は向上します。<br />
しかし、そのことと女性医療を分離すべきだという考えは、<br />
必ずしも結びつくものではありません。<br />
Gender-Specific Medicineと同時に注目されるようになったのが、Race-Specific Medicineです。<br />
人種差の医学です。<br />
人種差の違いに配慮した医療は、医療の質を高める可能性があります。<br />
しかし、黒人医療が必要という人もいなければ、<br />
黒人専用病院が必要という人もいません。<br />
生物学的な差異が強調されすぎると、<br />
医療における差別を引き起こしてしまう可能性があるからです。<br />
生物学的決定論は、社会的文脈の中で恣意的解釈を生む危険を内包しています。<br />
わが国の女性医療運動の特異性は、<br />
女性に対する医療の分離を主張することです。<br />
<h2>
</h2>
<h2>
プレ更年期説のもたらしたもの</h2>
<br />
ピル解禁から5年後の2004年、ピル政策は大きく転換し避妊薬ではなくライフ・デザイン・ドラッグとして位置づけられます。<br />
この政策転換と表裏一体の関係にあるのが、女性医療運動であり、「プレ更年期」説でした。<br />
女性の身体変化はホルモン変動によって説明され、<br />
このホルモン変動をコントロールすることでトラブルを避けることができると説明されます。<br />
ピルがライフ・デザイン・ドラッグとされる所以です。<br />
対馬医師によると、35-45歳の女性はホルモン量の減少が見られる「プレ更年期」であり、<br />
低用量ピルでホルモンを補充することが推奨されました。<br />
年齢の高い女性へのピル推奨は医学常識を逸脱するものです。<br />
ピルが避妊薬である時、ピルユーザーのピークは20代の女性です。<br />
ところが、日本では「プレ更年期」対策としてピルが推奨されたため、ピルユーザーの過半は年齢の高い女性となりました。<br />
その結果、日本では世界のピル史上最悪の副作用被害が生じました。参照 <a href="http://finedayspill.blogspot.jp/2014/03/35.html" target="_blank">35歳からのピル(「プレ更年期」のピル療法について)</a><br />
<br />
<h2>
女性の健康の包括的支援に関する法律に受け継がれる生物学的女性観</h2>
<br />
女性の健康の包括的支援に関する法律には、<br />
「女性の健康についてはその心身の状態が人生の各段階に応じて大きく変化するという特性に着目した施策を行うことが重要」と規定しています。<br />
この法律が、対馬医師の思想、女性医療運動を具現化したものにほかならないことを示しています。<br />
上述したように、対馬医師は「プレ更年期」説を唱え、<br />
「プレ更年期」の女性にサプリのようにピルを服用することを奨めたのです。<br />
「サプリのように」は、比喩的に述べているのではありません。<br />
彼女の著書の中に書かれている言葉です。<br />
40歳以上の女性に対してピルは相対禁忌です。<br />
その年齢層の女性にピルが奨められた結果、<br />
ピル史上空前の副作用被害が生じました。<br />
このことについて、対馬医師は反省と謝罪を表明するのが先だと思うのですが、<br />
かえって国家レベルで推進しようとしています。<br />
対馬医師の言説により副作用に苦しんだ、あるいは亡くなった女性がいる事を思うと、<br />
この法案に賛同することは決してできません。<br />
対馬医師のホルモン還元主義的女性観は、<br />
女性を生物学的特性からとらえるものです。<br />
法が上記のような規定を行うことは、<br />
女性を生物として扱うと宣言したようなものです。<br />
たとえそれが立法者の善意に出るものであれ、<br />
女性を生物学的特性からとらえれば、<br />
女性の生き方を国が規制することに繋がるでしょう。<br />
<br />
<br />
<h2>
誰が誰を支援するのか?</h2>
<br />
法律案の中には、「支援」の語が36回使用されています。<br />
この「支援」の主語はきわめて曖昧なのですが、<br />
法律なので常識的には【国が支援する】という意味に解されます。<br />
誰を(何を)支援するのかも明確ではありません。<br />
誰が誰を支援するのか、不明確な法律なのですが、<br />
少なくとも女性が支援される存在であることは明らかでしょう。<br />
女性が生物学的な存在であるならば、<br />
支援は意味があることかもしれません。<br />
私は日本の女性に対する医療の遅れは、<br />
そのような問題ではないと考えています。<br />
1970年代のリブ運動を契機として、<br />
女性医療は、そして全ての分野の医療も、パターナリズムを脱していきました。<br />
自立的な女性とそれを支援する医療という関係ができてきました。<br />
ところが、日本ではそのような関係が構築されませんでした。<br />
現代社会は複雑な構造を持ち、それぞれの女性の持つ背景やニーズはさまざまです。<br />
女性を取り巻く環境の変化とパターナリズムの齟齬が、<br />
日本の女性に対する医療の基本的問題としてあると考えます。<br />
女性は支援されるべき存在ではなく、<br />
自助が励まされる存在でなくてはならないと考えます。<br />
法律案が生物学的女性観に立つのであれば、<br />
それは日本の女性医療をパターナリズムに押し留めるものです。<br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
避妊のヒの字もないのに【包括的】と強弁できる人が作った法案が、「女性の健康の包括的支援に関する法律(案)」だと思う。<br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/statuses/506283990563553281">2014, 9月 1</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
法律案に避妊のヒの字もないのは偶然ではありません。<br />
性の問題は、個々人により抱えている問題がそれぞれ異なり、<br />
女性自ら主体として解決していく問題です。<br />
生物学的女性観に立つ【支援】は、<br />
女性の自立となじまないのではないかと思います。<br />
<br />
<h2>
医療資源の分配</h2>
<br />
法律案には「女性の健康の包括的支援に関する施策を総合的に推進することを目的とする」と書かれています。<br />
立法の経緯から考えれば、これは「女性医療」を行う病院を行政が支援することを意味していると考えられます。<br />
ここで考えておきたいことは、女性に対する医療の現状です。<br />
女性がかかりつけの産婦人科を持つことが推奨されることがあります。<br />
しかし、そのようなゼイタクが許されている国はどこにもありません。<br />
日本でも実現不能です。<br />
産婦人科医の都市集中は今も進行中です。<br />
田舎では、産婦人科医に通うのが1日仕事になる地域も少なくありません。<br />
「女性医療」を行う病院は都市部で可能であっても、<br />
全ての女性が享受できるものとはなりません。<br />
この現状を変え、女性に対する医療の全般的質を高めていくためには、<br />
むしろ家庭医制度を充実していく方が効果的でしょう。<br />
これまでも日本では女性医療を産婦人科医が囲い込んできました。<br />
その端的な例がピルの処方です。<br />
ピルの普及している国で、産婦人科医だけがピルを処方している国などどこにもありません。<br />
ピルを処方するのは、家庭医であったり、資格を持つ看護師であったりします。<br />
まさにかかりつけ医が女性の健康に関与しているのです。<br />
性差医学の知見が家庭医にも共有されれば、<br />
女性の医療はさらに向上することが期待できます。<br />
女性の健康の包括的支援に関する法律の目指しているところは、<br />
女性医療の囲い込みをさらに促進しようとするもののように思えます。<br />
それが日本の女性の健康に寄与することになるのか、<br />
疑問に思わざるを得ません。<br />
<br />
<h2>
幻想の中の「女性の健康の包括的支援に関する法律」</h2>
<br />
「女性の健康の包括的支援に関する法律(案)」は具体性が乏しく、<br />
何がどのように変わるのか見えにくいものになっています。<br />
法案作成過程では、薬剤中絶法の問題なども取り上げられ、<br />
女性のリプロヘルスライツに寄与する法律であるかのような幻想が生じました。<br />
しかし、私の見るところではそれは単なるパフォーマンスに過ぎません。<br />
この法律案は、何を課題と考え、どのように解決しようとしているのか、<br />
全く見えない法律案です。<br />
私はこの法律案に塵ほどの期待も持っていません。<br />
そのよって立つ女性観・医療観は陳腐なまでに旧態依然たるものであり、<br />
進もうとしている方向は現状の問題をさらに悪化させるもののように思えます。<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
--------------------------------------<br />
上記は6月に作成したブログ原稿に手を加えたものです。<br />
公開しても理解していただけないかもと思い、<br />
お蔵入りさせていたものです。<br />
関連ツイートを以下に収録します。<br />
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
日本では性差医療がホルモン差医療に矮小化されているのではないか?この10年間の日本では、性差医療と裏表の関係で女性ホルモンの強調がなされてきたことは事実だろう。<br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/statuses/450580498583388160">2014, 3月 31</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
女性の心身に女性ホルモンが関係していることは明らかなことなのだが、女性ホルモン還元主義とでもいうべき言説の流行には疑問を感じる。<br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/statuses/450580594569641985">2014, 3月 31</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
昔、「女性は子宮で思考する」と揶揄されたことがある。女性ホルモン還元主義を突き詰めれば、「女性は子宮で思考する」と同じ思想ではないかと思う。科学の装いで【女性ホルモンに振り回される女性】という女性観が刷り込まれている。<br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/statuses/450580707924918272">2014, 3月 31</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
性ホルモンの変動は発達・老化の結果であって、その逆ではない。女性ホルモン還元主義の言説はこの関係を転倒させているように思える。性ホルモンの変動は発達・老化の結果であるならば、ことさらに女性についてホルモン還元主義的な言説がなされなければならない理由はない。<br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/statuses/450580848962580480">2014, 3月 31</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
ホルモン還元主義の言説は、女性ホルモンが「女らしさ」や美しさを作る源泉だという。「女らしくない」のは女性ホルモンの乱れ(不足)が原因らしい。それは「女らしさ」を生物学的に正当化するものではないか?<br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/statuses/450653436954955776">2014, 3月 31</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
「女らしさ」が生物学的に正当化されるものであるとき、「女らしくない」振る舞いは、排撃されることになる。<br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/statuses/450653512850866178">2014, 3月 31</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
ホルモン還元主義が向かうのは女性に「女らしく振る舞え」と強いることになるのではないか。
>日本人女性に異変!“オス化”する女が急増中★[女のオス化]が止まらない!
<a href="http://t.co/XTsZcK4vG6">http://t.co/XTsZcK4vG6</a><br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/statuses/450653592798523392">2014, 3月 31</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
そもそも“オス化”という現象が実在するのか、また仮にそのような現象があったとしてホルモンと関係するのかは示されておらず、脳内仮説に過ぎない。<br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/statuses/450653679385706496">2014, 3月 31</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
女性に「女性らしく」と強いる“オス化”言説とピルの推奨が結びついているのを見ると、悲しくなる。<br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/statuses/450653754522488832">2014, 3月 31</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
確かに昔はオトコ言葉を使う女性はいなかった。オトコ言葉を使う女性が現れたのは、オンナ言葉を強いる文化への反逆ではないかと思う。それを“オス化”だ、生物学的異常が原因だと言うのがホルモン還元主義だ。ホルモン還元主義はイデオロギーとしてみる必要があると思う。<br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/statuses/450658639972290562">2014, 3月 31</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
<a href="https://twitter.com/mihyonsong">@mihyonsong</a> 1990年代のおやじギャル→肉食系女子→渡辺淳一ほか『メス化する男たち オス化する女たち』2009→松村ら「プレ更年期」言説の女医"オス化"再定義、拡散。←「オス化 ピル」で検索するとぞろぞろヒットする。<br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/statuses/450835504603209728">2014, 4月 1</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
『女性外来が変える日本の医療』2002年は、まさに「女性総合医療を展開するための・・・基本宣言文書」だった。歴史的文書と言えるだろう。概要・目次<a href="http://t.co/SZICItFloz">http://t.co/SZICItFloz</a><br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/statuses/450944698635411456">2014, 4月 1</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
「女性総合医療」のアイデアは、いろいろな要素が混然と詰め合わされているのだが、核心は女性に特化した家庭医システムと理解した。性別家庭医だ。イスラム教国ではない日本で、どれほどの必然性があるのかと考えたりもした。<br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/statuses/450944770743869441">2014, 4月 1</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
家庭医システムにはメリットも合理的必然性もあるのだが、それを飛び越えて性別家庭医としなくてはならない説得力のある理由は示されていないと感じた。「女性総合医療」はユートピア思想であり、日本の医療を変えることはないだろうと思った。<br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/statuses/450944866457903104">2014, 4月 1</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
「女性総合医療」をユートピア思想と考えたのは、医師-患者関係の把握の甘さを感じたからだ。「患者でもある女性たち(=女性医師?)が主体にならなければ、本当に女性に喜ばれる医療は実現しないとわたしは思う」。これが思い上がりであるとは、気づいていないのだろう。<br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/statuses/450944932115525633">2014, 4月 1</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
啓蒙専制君主や社会主義政府は、専制暴君よりも冷酷であり得た。彼らは人民の保護者と自認していたから、自らの暴虐を暴虐と認識できなかった。「女性総合医療」は権威主義や患者不在の医療をなくそうとしたが、かえって権威主義や患者不在に迷い込んでしまった。<br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/statuses/450945091075457024">2014, 4月 1</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
「女性総合医療」の目に映らなかったもの、それは声なき名もなき女性ではなかったか?医師に迎合する人々をのみ女性と見間違ったのではないか?<br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/statuses/450945148097007616">2014, 4月 1</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
性別家庭医を目指した十余年の「女性総合医療」実験は破綻すべくして破綻したと私は考える。「女性総合医療」の中でのピルはとんでもないピルになった。この際、性別家庭医ではなく、本当の家庭医にピルを委ねてよいのではないかと思う。<br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/statuses/450946790028611585">2014, 4月 1</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
性差医療の本当の意味→天野恵子氏「(医学の)大学教育や研究に性差の視点を持ち込むことでした」<a href="http://t.co/lnGOqGBLxU">http://t.co/lnGOqGBLxU</a>
病院を男女別々に分けることではない。本来の性差医療をねじ曲げたのが「女性総合医療」。<br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/statuses/450964915902095360">2014, 4月 1</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
本来の性差医療の意味はこちら。→性差医療の誕生 09/05/11 03:08AM <a href="http://t.co/akpqpowtdv">http://t.co/akpqpowtdv</a> なお、性差医療研究の進展の中で診療部門が生まれてくるが、医学部付属病院のようなもの。産婦人科が女性対象なので性差医療だというのはこじつけ。<br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/statuses/450977096093810688">2014, 4月 1</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
日本のピルに最も影響を与えた人物は、対馬ルリ子医師だ。彼女は「思想」として論理的に自らの思想を表明しているわけではないが、彼女を思想の提唱者として理解していく必要があると思う。<br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/statuses/454255086508576768">2014, 4月 10</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
彼女の思想の核心は「女性医療」という思想だ。そう、それは思想だ。彼女は性差医療の文脈で「女性医療」を語るが、本来の性差医療の意味と彼女のそれは微妙に異なっている。<br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/statuses/454255408509485056">2014, 4月 10</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
彼女の「女性医療」にはフェミニズムの文脈も取り込まれている。さまざまな思想的文脈が取り込まれ、再構成されているのが「女性医療」だ。<br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/statuses/454255472938217472">2014, 4月 10</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
「プレ更年期」言説は、「女性医療」の思想と密接に絡んでいる。性ホルモンは目に見える性差であるから、性ホルモン還元主義になるのも必然性があるし、性ホルモンに注目することの結果が「プレ更年期」言説だ。<br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/statuses/454255565410033665">2014, 4月 10</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
対馬ルリ子医師の言説は、女性や女性産婦人科医に受け入れられやすい要素を備えている。彼女の主宰する女性医療ネットワークは、今後さらに拡大していく可能性がある。<br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/statuses/454255649052844032">2014, 4月 10</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
ピルが「女性医療」の文脈に組み込まれると、ライフデザインドラッグとしてのピルとなる。「女性医療」の文脈においてピルはキードラッグだ。<br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/statuses/454255739066781697">2014, 4月 10</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
ピルの副作用頻発は「女性医療」思想のほころびなのだが、多分ほころびとして多くの人に意識されることはないだろう。<br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/statuses/454255824169213952">2014, 4月 10</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
「女性医療」思想はSTAP細胞のように夢のある思想だ。破綻が早いか遅いかの違いはあっても、いつかは破綻すると見ている。橋田邦彦と対馬ルリ子医師が重なって見える。<br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/statuses/454255944390553601">2014, 4月 10</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
「女性の健康の包括的支援に関する法律(案)」は、ホルモン還元論的な女性医療を唱える対馬ルリ子医師の【思想】が反映されたもの。その【思想】は、年齢の高い女性にピルを普及させ多くの副作用を招いた。同法律案には、避妊のヒの字も入っていない。<br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/statuses/488335740364152833">2014, 7月 13</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script><br />Anonymoushttp://www.blogger.com/profile/15708490026898021442noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-1379882158469607859.post-30342865270464323422014-07-30T11:15:00.000+09:002014-08-04T17:46:46.921+09:00意図しない妊娠を半減する仕組み--中絶保険避妊の失敗は誰にでもあります。<br />
そして、中絶せざるを得ない事情の女性もいます。<br />
中絶には10万円から数十万円の費用がかかります。<br />
その費用は自己負担です。<br />
中絶費用をカバーする保険ができないかと、<br />
考えてみました。<br />
<br />
<h2>
年額3000円の保険料</h2>
<br />
女子人口1000人当たりの中絶数は7.5件程度です。<br />
ただ母数の1000人にはパートナーのいない女性も含まれていますし、妊娠中の女性も含まれています。<br />
パートナーはいるが妊娠を望んでいない女性(以下、「対象女性」とします)1000人当たりの中絶数は、2倍の15件と想定します。<br />
妊娠中絶1件当たりの費用は10万円程度が多いのですが、ケースによれば数倍になることもあります。<br />
そこで、1件当たりの費用を15万円と見積もります。<br />
以上を基に対象女性1000人についての年間費用は、<br />
15万円×15人=225万円と見込まれます。<br />
これを対象女性数1000人で割ると、<br />
2250円となります。<br />
事務経費を加算し、年額3000円の保険料で中絶費用をカバーする保険は成り立つ計算です。<br />
<br />
<h2>
保険加入者への緊急避妊薬事前配布</h2>
<br />
保険加入者には緊急避妊薬を無償で提供します。<br />
海外から1000人に緊急避妊薬を手配するのにかかる費用は、100万円です。<br />
緊急避妊薬の配布により妊娠中絶件数は50%減少すると見込まれます。<br />
15件の妊娠中絶が7.5件となる事で、<br />
15万円×7.5=112万円<br />
の保険金支払額が削減できます。<br />
<br />
<h2>
中絶保険という形の避妊啓発</h2>
<br />
「ふざけるな!<br />
中絶保険などできたら避妊しない女性が増え、<br />
中絶が増える」<br />
と考える人が必ず出てきます。<br />
でも、それは違います。<br />
自動車保険が普及すると無謀運転が増えますか?<br />
増えません。<br />
自動車保険は安全運転意識を高め、<br />
むしろ事故を減少させます。<br />
女性にとって中絶は身体も心も傷つくものです。<br />
中絶保険があるから避妊しなくなるなど絶対にありません。<br />
自動車保険会社は交通事故減少のための啓発活動を行います。<br />
それは経済的に合理性のある活動です。<br />
中絶保険でも同じようなことが行われるでしょう。<br />
<br />
<h2>
中絶を減少させる効果</h2>
<br />
望まない妊娠を減少させる最も効果的な方法は、<br />
緊急避妊の普及です。<br />
緊急避妊薬は意図しない妊娠を理論的には75%削減することができます。<br />
そのため、海外諸国では緊急避妊薬へのアクセス障壁の除去に多大のエネルギーが使われてきました。<br />
しかし、残念なことに日本では意図的に緊急避妊薬へのアクセス障壁が設けられています。<br />
中絶保険と緊急避妊薬の事前配布をセットにすることで、<br />
望まない妊娠を大幅に減少させることができます。<br />
<br />
<h2>
アイデアとリスク</h2>
<br />
中絶保険を会社とするにせよ共済とするにせよ、<br />
事業の立ち上げにはエネルギーも資金も必要です。<br />
リスクもあります。<br />
誹謗中傷も覚悟しておかねばなりません。<br />
それでもこのアイデアを形あるものにしたい方がいれば、<br />
協力したいと考えています。Anonymoushttp://www.blogger.com/profile/15708490026898021442noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-1379882158469607859.post-82470799542579791482014-06-24T00:11:00.000+09:002014-06-24T00:11:54.676+09:00まだ検討が不十分な子宮頸がんワクチン<h2>
1.「心身反応」は危険な結論</h2>
<br />
水俣病の原因確定には時間がかかりました。<br />
チッソ廃液説が確定するまでの紆余曲折には仕方のなかった側面もあるのですが、<br />
結果的にはその時間が被害を拡大させてしまいました。<br />
HPVワクチンの副反応については原因がよくわかっていません。<br />
私はアルミニウム毒性反応ではないかとの疑念を持っていましたが、<br />
個人的見解なので表明することを控えてきました。<br />
厚生労働省の合同会議が出した結論は、「心身反応」でした。<br />
合同委員会では、考えられる原因について検討し、<br />
消去法で「心身反応」との結論が導かれました。<br />
アルミニウム毒性反応についても検討されましたが、<br />
動物実験結果を根拠に否定されました。<br />
少し乱暴な言い方をすると、よくわからないから【気のせいと考えられる】という結論です。<br />
この結論は問題のある結論だと思います。<br />
もし、この委員会が水俣病の原因調査に当たったなら、<br />
「心身反応」との結論を導き出すでしょう。<br />
患者の救済や被害の拡大防止に何の役にも立たない結論です。<br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
副反応が存在する以上、副反応にきっちり向き合って行かなくてはなりません。副反応に苦しむ人を支えなくてはなりません。HPVワクチンを推進するなら、最も必要なことは被害者をサポートすることです。<a href="http://t.co/YA2ywrvffy">http://t.co/YA2ywrvffy</a><br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/statuses/480733538015145984">2014, 6月 22</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<h2>
2.難病治療研究振興財団チームの奮起</h2>
<br />
<a href="http://www.peeep.us/94f419ed" target="_blank">6月21日、毎日新聞</a>は以下のように報じました。<br />
<br />
「患者の多くに線維筋痛症にほとんどない物忘れなどの『高次脳機能障害』が起きている可能性が示唆され、西岡所長は『ワクチン接種によって新たな病気が起きている恐れがある』と分析する。・・・HANS症候群の診断基準案を作り、治療法確立や症状の周知を急ぐ方針だ。」<br />
新聞記事は淡々と事実を報道しています。<br />
しかし、難病治療研究振興財団チームの行動は賞賛されるべきとても勇気ある行動です。<br />
記事には<strong>「新たな病気」</strong>の表現が使用されています。<br />
実は昨年、定期接種停止前後に2つのブログ記事を書いた時、<br />
「新たな病気」の疑念が頭の片隅にありました。<br />
そのような観点から記事を書くことも考えたのですが、<br />
実態を精査すべきと書くにとどめました。<br />
難病治療研究振興財団チームは、副反応を「新たな病気」と捉え診断基準案を作成しました。<br />
それは、副反応の解明に大きな一歩を踏み出したことを意味します。<br />
<br />
<h2>
3.無名ブログの行った大きな仕事</h2>
<br />
「新たな病気」が何であるのかは、まだ明らかでありません。<br />
浜六郎氏などは抗リン脂質抗体ではないかとの見解を表明しています。<br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
注目されてよい仮説だと思うのだが。>
HPV ワクチン接種後疼痛・神経症状:抗リン脂質抗体症候群では?<a href="https://t.co/ZQGPQ8ZEFh">https://t.co/ZQGPQ8ZEFh</a><br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/statuses/480298065866141696">2014, 6月 21</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>立論にやや強引さが感じられますが、検討に値する見解と思われます。<br />
私が「新たな病気」の疑念を抱いたのは、<br />
副反応がアルミ毒性反応のように思えたからです。<br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
HPVワクチンの副反応を心身反応とすることは納得できない。個人的にはアルミニウム毒性反応ではないかと疑っている。→アルミニウムワクチンアジュバントは重大な免疫学的障害を誘発する可能性/アルミワクチンアジュバントの神経毒性など
<a href="http://t.co/XE1LxEURDw">http://t.co/XE1LxEURDw</a> (英語)<br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/statuses/480764405118795776">2014, 6月 22</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>副反応に関する知見の蓄積は、<br />
アルミ毒性反応で最も整合性をもって説明できるように思われます。<br />
浜氏らの所説とも矛盾しないかもしれません。<br />
「新たな病気」を解明していくためには、<br />
副反応に関する内外の知見を蓄積整理することが必要と考えていました。<br />
そのように考えている時見つけたのが、<br />
<a href="http://ameblo.jp/mutsuki2012/" target="_blank">外国でのサーバリックス副作用</a>という名のブログです。<br />
被リンクがほとんどない無名ブログですが、<br />
膨大な外国文献を翻訳してアップしていました。<br />
海外にも副反応について定説があるわけではありません。<br />
模索の過程にあります。<br />
日本の合同委員会の結論「心身反応」も一つの見解ですが、<br />
数多くの知見の中にそれを位置づけるとかなり異端の見解と見ることができるでしょう。<br />
私の見方にはバイアスがかかっているのかもしれませんが、<br />
アルミ毒性反応と見る見方が強まっているように思えます。<br />
このブログの日本語翻訳は正確になされており、<br />
それなりの素養のある方の仕事です。<br />
STAP細胞事件では長年にわたって論文不正を監視してきた<a href="https://www.blogger.com/profile/03513633746083109180" target="_blank">11jigen氏のブログ</a>が注目されました。<br />
ブログ<a href="http://ameblo.jp/mutsuki2012/" target="_blank">外国でのサーバリックス副作用</a>も貴重なブログであると思います。<br />
<h2>
</h2>
<h2>
4.原因解明がなぜ重要なのか</h2>
<br />
私は副反応について、原因解明が非常に重要と考えています。<br />
それには2つの理由があります。<br />
1つは副反応被害者の治療のためです。<br />
合同会議の結論である心身反応説では、<br />
カウンセリングやリハビリという治療が示されています。<br />
しかし、もしこの副反応の原因が心身反応でないのなら、<br />
正しい治療の機会を奪うことになりかねません。<br />
心身反応でない原因があるのならば、<br />
あるいは心身反応以外の原因がある可能性が否定できない状況であれば、<br />
副反応の原因を心身反応と断定してしまうことは許されません。<br />
万一結果的に副反応の原因が心身反応であったとしても、<br />
他の原因を模索することは必要です。<br />
2つ目は潜在被害者の問題です。<br />
水俣病を例に考えてみましょう。<br />
水俣病が心身反応と結論づけられたとします。<br />
その時、水俣病は現に症状のある患者だけの問題となります。<br />
しかし、実際は有機水銀中毒でした。<br />
有機水銀中毒が原因であるとなれば、<br />
有機水銀に曝露した多くの人達が、たとえ症状は軽くても、あるいは胎児被爆した人も、水俣病の患者として適切な治療を受ける機会を持ちます。<br />
原因次第で患者の範囲は大きく異なるでしょう。<br />
本来適切な治療を受けなければならない人が放置されるのを防ぐためにも、<br />
原因をしっかり究明する必要があります。<br />
原因解明を加速すべきです。<br />
<br />
<h2>
5.子宮頸がん検診を受けよう</h2>
<br />
HPVワクチン副反応は心身反応であるかもしれません。<br />
その可能性は非常に低いと考えますが、<br />
他の原因が確定していない現時点ではその可能性も皆無ではありません。<br />
その場合、リスクよりもベネフィットの方が明らかに大きいと言えます。<br />
リスクを知った上でワクチン接種を受ける選択は合理的選択です。<br />
もし副反応の原因が他にある場合、たとえばアルミ毒性反応であった場合、<br />
リスクは現在考えられている所よりも大きくなるでしょう。<br />
重篤な症状の患者数をかなり上回る数の人が、<br />
自覚症状のない程度の症状(たとえば軽度の記憶力低下)を経験するかもしれません。<br />
私見では、その場合でもリスクよりもベネフィットの方が大きいのではないか、<br />
と現時点では考えています。<br />
未確定の要素はありますが、現時点で考えればHPVワクチンのベネフィットはリスクよりも大きい、と個人的には考えています。<br />
しかし、副反応について十分解明されているとは言えない現状では、<br />
HPVワクチン接種を受けないという選択もまた合理的な選択だと思います。<br />
そこで、皆さんに伝えたいことがあります。<br />
HPVワクチンを選択するにしても、選択しないにしても、<br />
子宮頸がん検診は必ず受けるようにしましょう。<br />
子宮頸がん検診を忌避する理由は何一つありません。<br />
日本の子宮頸がん検診率は恥ずかしいほど低いレベルです。<br />
HPVワクチン問題を契機として検診率が他の先進国並みになれば、<br />
子宮頸がん死亡率は劇的に下がります。<br />
一人でも多くの女性が子宮頸がん検診を受けるようになる事を願っています。<br />
<br />
Anonymoushttp://www.blogger.com/profile/15708490026898021442noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-1379882158469607859.post-87476338876869297472014-04-19T23:17:00.001+09:002014-04-27T23:06:59.952+09:00ピルに関する情報の発信停止について当ブログ、ツイッター等におけるピルに関する情報の発信を当面停止することにしました。<br />
ピルは本来安全性の高い薬であり、<br />
ピルの普及は日本の女性にとって多大なメリットがあるとこれまでも確信してきましたし、<br />
現在もその確信に変わりありません。<br />
しかし、日本の現状においては、ピルはメリットよりもデメリットの方が大きいと考えざるをえません。<br />
ピルを安全な薬にすることはできます。<br />
そのために微力ながら情報を発信してきましたが、<br />
残念ながら状況は変わっていません。<br />
現状において日本のピルは、メリットよりデメリットが大きい状態が続いています。<br />
この状態は、根本的な改善がなされない限り転換できません。<br />
当サイトの情報が多少なりともリスク回避に役立ったとしても、<br />
それはかえって現状の問題点を隠蔽してしまう結果になるのではないかと恐れます。<br />
状況が変化するまで、ピルについての情報発信停止を決意した理由です。<br />
<br />
「ピル推進派」産婦人科医に十数年間期待してきましたが、<br />
期待しても無駄との認識に至りました。<br />
・ピル解禁の意義を共通認識できない状況<br />
・副作用問題の現状を共通認識できない状況<br />
・副作用回避方策の必要性を共通認識できない状況<br />
状況が変わるまではピルについての発言は控え、<br />
ピルと直接関係しない事柄を書いていきます。<br />
<br />
★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★<br />
副作用拡大を招いたライフデザインドラッグ路線のピル。<br />
誰が最期までライフデザインドラッグ路線にしがみつくのか見届けたい↓↓。<br />
<a href="http://archive.today/mm0K6" target="_blank">特定非営利活動法人OC普及推進事業団ご推薦の産婦人科医など</a>(26 Apr 2014保存)。<br />
<span style="color: #b4a7d6; font-size: x-small;">※同団体は虚々実々のプロパガンダ言説を専らとしてきた経緯があり、勝手に「つながり」を表明しているケースも考えられます。</span><br />
<br />
ピルの製造原価は1シート数十円です。<br />
製薬会社にとってピルほど利益の上がる薬はありませんし、<br />
ピルほど広告効果のある薬はありません。<br />
原発推進に巨額な広告費が使われたのと同様に、<br />
ピル販売促進に巨額の資金がつぎ込まれました。(参照 <a href="http://finedayspill.blogspot.jp/2014/04/blog-post.html" target="_blank">ピルの副作用被害とオーキッドクラブの責任</a>)<br />
日本のピルは製薬会社が提供する情報と資金によってコントロールされています。<br />
ピル推進派の女性専門家の会は、血栓症副作用の勉強会をするのに製薬会社から講師を招きました。<br />
当サイトの情報を製薬会社情報と異なるという理由で間違いと決めつけ中傷してきたNPOの理事長は、まともな医療者の当たり前の発言まで気にいらないようです。(<a href="https://twitter.com/bycomet/status/33885889608290304" target="_blank">参照</a> )<br />
製薬会社による情報操作は、医師からユーザーまで浸透しているのが現状です。<br />
製薬会社から情報操作のための資金提供が続く限り、<br />
製薬会社の意を酌んだピル言説が横行します。<br />
日本のピルが再生するには、<br />
いったん滅んでしまった方がよいのではないか。<br />
この考えを自分で抑えることができなくなりました。<br />
<br />
<br />
ライフデザインドラッグ路線への懐疑が一定程度になれば、当サイトの活動を再開します。<br />
<br />Anonymoushttp://www.blogger.com/profile/15708490026898021442noreply@blogger.com11tag:blogger.com,1999:blog-1379882158469607859.post-72024124170300183392014-04-08T17:49:00.000+09:002014-04-08T17:49:27.340+09:00ピルの副作用被害とオーキッドクラブの責任<h2>
オーキッドクラブの設立</h2>
<br />
「ピルや避妊に関する総合サイト」と銘打つオーキッドクラブのサイトが現れるのは、<br />
2000年秋頃です。<br />
2000年11月9日の同サイト<a href="http://web.archive.org/web/20001109171600/http://www.orchid-club.gr.jp/html/orc_3.html" target="_blank">保存ページ</a>はこちらです。<br />
「オーキッドクラブって何?」には、<br />
「産婦人科医をはじめとするウィメンズヘルスケアの専門家の集まりです」との簡単な説明があります。<br />
2004年4月29日までは、同サイトにオーキッドクラブの詳しい説明はありませんでした。<br />
未確認情報によると、オーキットクラブは2000年9月27日の発足で、<br />
間壁さよ子医師(発起人代表)・松峯寿美医師・対馬ルリ子医師・早乙女智子医師が発起人でした(<a href="http://archive.is/YDkv8" target="_blank">参照ページ</a>)。<br />
当時、対馬医師は性と健康を考える女性専門家の会副会長、松峯医師と早乙女医師は同会運営委員でした。<br />
オーキットクラブと性と健康を考える女性専門家の会は目的が類似しているだけでなく、<br />
メンバー的にも重なっていました。<br />
2004年6月12日になると、「設立のごあいさつ」以下の紹介ページが登場します。(<a href="http://web.archive.org/web/20040612173540/http://www.orchid-club.gr.jp/html/orc_3.html" target="_blank">保存ページ</a>)<br />
「オーキッドクラブのしごと」によると、「オーキッドクラブは非営利の団体(N.P.O)です」と記され、<br />
理事長・副理事長・理事・顧問など理事会メンバーが紹介されています。(<a href="http://web.archive.org/web/20101007211527/http://orchid-club.gr.jp/html/orc_3_2.html" target="_blank">保存ページ</a>)<br />
<h2>
<br />突然登場した間壁さよ子発起人代表=理事長</h2>
<br />
4名の発起人の中で間壁さよ子医師を除く3名は、<br />
それ以前から避妊やピルについて発言してきた医師です。<br />
一方、発起人代表の間壁医師は、避妊やピルについての活動実績はほとんどありませんでした。<br />
間壁さよ子著『避妊のすべてがわかる本』が刊行されたのは、2002年のことでした。<br />
当時、日本の産婦人科医は誰でもピルの処方経験が乏しかったわけですが、<br />
間壁医師もその1人だったでしょう。<br />
オンライン外来の回答にも初々しさがにじんでいます。<br />
たとえば、「膝から下がじんじんする」との質問に、<br />
「このような副作用は聞いたことがありません。・・・努力されたらいかがでしょう」と回答しています(<a href="http://web.archive.org/web/20021227125530/http://www.orchid-club.gr.jp/html/orc_2a/orc_2_01009b.html" target="_blank">保存ページ</a>)。<br />
「ピルが飲めるように努力」せよ、には唸ってしまいます。<br />
間壁医師が発起人代表となり、理事長となっていく経緯は謎であるように思われます。<br />
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
間壁さよ子医師は突然「ピルや避妊に関する総合サイト」を始めた不思議な人。同医師の著作についての書評。 <a href="http://t.co/B11ZpUd86V">http://t.co/B11ZpUd86V</a><br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/statuses/452812224587776001">2014, 4月 6</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script> <br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
オーキッドクラブ理事長先生は、ピルについてもきっと科学的な観点から発言しているのだろう?→
女の子希望ならアッサリsex
男の子が欲しいなら
濃厚が可能性大★mamaPRESS(ママプレス)は、ママたちと一緒に作るママ新聞。 <a href="https://t.co/3El3rlt74u">https://t.co/3El3rlt74u</a><br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/statuses/452816698014302208">2014, 4月 6</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<h2>
ターギス株式会社</h2>
<br />
オーキッドクラブの事務局はターギス株式会社内に置かれました。<br />
ターギス株式会社は、「医薬品、ヘルスケア用品のマーケティングやプロモーションの企画」等を行うグローバルな広告代理店です(<a href="http://www.targis.co.jp/#/top/whoWeAre/profile" target="_blank">参照</a>)。<br />
間壁発起人代表=理事長とターギス株式会社の関係は、次の2つの内のどちらかでしょう。<br />
一つは、間壁医師の志に感銘を受け、<br />
ターギス株式会社が間壁医師のために便宜を図ったという関係です。<br />
オーキッドクラブのホームページは凝った作りで、<br />
制作費だけでかなりの費用がかかるでしょう。<br />
それもターギス株式会社が提供したとすると、<br />
ターギス株式会社は希有な会社ということになります。<br />
しかし、外資系企業のターギス株式会社がそのような便宜を図った可能性はほぼ皆無です。<br />
もしそのようなことをすれば、ターギス株式会社の役員は背任罪で訴えられてしまいます。<br />
普通に考えれば、間壁医師とターギス株式会社の関係はその逆です。<br />
ターギス株式会社のプロモーション企画に間壁医師が協力したと考える方が合理的です。<br />
外資系広告企業であるターギス株式会社は、英語でコミュニケーションの取れる間壁医師に話を持ちかけたのでしょう(間壁医師は在外経験のある医師)。<br />
このように考えると、ピルと接点のなかった間壁医師が突然オーキットクラブのトップになった経緯が理解できます。<br />
<br />
<h2>
オーキッドクラブと製薬会社の不透明な関係</h2>
<br />
ターギス株式会社は、「医薬品、ヘルスケア用品のマーケティングやプロモーションの企画」等を行う広告代理店です。<br />
ターギス株式会社の顧客は、主として製薬会社などの企業です。<br />
製薬会社は広告代理店であるターギス株式会社に広告費を支払い、<br />
ターギス株式会社はその資金で企業のためにプロモーション活動を行います。<br />
ピルについては諸般の事情で資金提供製薬会社が伏せられた形のプロモーションがしばしば行われました。<br />
その典型がオーキッドクラブにほかなりません。<br />
製薬企業名が伏せられたプロモーションの場合、<br />
広告代理店は複数の製薬企業から資金提供を受けることがあるようです。<br />
製薬企業も広告代理店も資金提供元を秘密にするからです。<br />
オーキッドクラブに資金提供していた会社の一つは、 <br />
あすか製薬(アンジュの発売会社)でした。<br />
あすか製薬の『環境・社会報告書2009』には、<br />
オーキットクラブが以下のように紹介されています。<br />
<br />
<table border="1"><tbody>
<tr><td bgcolor="#ffd2d2"><span style="color: blue;">「オーキッドクラブ」の支援</span><br />
<span style="color: blue;">低用量ピルの普及と女性の健康を推進するために設立された団体です。ホームページ・メールマガジン・セミナー・講演会・アンケート調査・学会発表を通じた情報提供で、女性の健康支援に役立てられています。</span><br />
<span style="color: blue;"></span><br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgD5aRDY4VRPE37YPLk2-EA3oXbaNJ9M2ZeI0RUd2XwsX7eh4puJDHA9IYNrDdBlK8ssGiBLvuEiAQonRM7IEMh2H9dsLrhnr6GnBqCLDYMz71Dw5ZHzNxMjdSdLPPnHsV1QPbSkKJ4MAE/s1600/orchidclub02.gif" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgD5aRDY4VRPE37YPLk2-EA3oXbaNJ9M2ZeI0RUd2XwsX7eh4puJDHA9IYNrDdBlK8ssGiBLvuEiAQonRM7IEMh2H9dsLrhnr6GnBqCLDYMz71Dw5ZHzNxMjdSdLPPnHsV1QPbSkKJ4MAE/s1600/orchidclub02.gif" height="171" width="320" /></a></div>
<span style="color: blue;"></span><br />
<span style="color: blue;"><a href="http://www.aska-pharma.co.jp/pdf/company/csr_report09_all.pdf">http://www.aska-pharma.co.jp/pdf/company/csr_report09_all.pdf</a></span><br />
<span style="color: blue;"></span> </td></tr>
</tbody></table>
<br />
また、あすか製薬の『環境・社会報告書2010』には、以下のように紹介されています。<br />
<br />
<table border="1"><tbody>
<tr><td bgcolor="#ffd2d2"><span style="color: blue;">オーキッドクラブは、「女性が充実した人生を送るためのサポートがしたい」と考える産婦人科医の集まりです。<br />OCに関するアンケート調査の実施と学会での発表、メンバードクターを対象とした資材作成などを通じて、医療関係者にOCの理解を深めてもらう活動を行っています。</span><br />
<span style="color: blue;"></span><br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjtzNAx4_ijLC7DWYhNWVmkhquvATa90yejRVFeNuEg5WRkOeRofzDU5J3ARl1mQ6stwe3Mji-Rqyy06IiZx157x_CA6kDdyKNhJXK0NhXS7JLc1h4TamUezqboSw_BYtdwkIgQQCL47IQ/s1600/orchidclub03.gif" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjtzNAx4_ijLC7DWYhNWVmkhquvATa90yejRVFeNuEg5WRkOeRofzDU5J3ARl1mQ6stwe3Mji-Rqyy06IiZx157x_CA6kDdyKNhJXK0NhXS7JLc1h4TamUezqboSw_BYtdwkIgQQCL47IQ/s1600/orchidclub03.gif" height="165" width="320" /></a></div>
<span style="color: blue;"></span><br />
<span style="color: blue;"><a href="http://www.aska-pharma.co.jp/pdf/company/csr_report10_all.pdf">http://www.aska-pharma.co.jp/pdf/company/csr_report10_all.pdf</a></span><br />
<span style="color: blue;"></span> </td></tr>
</tbody></table>
<br />
あすか製薬の文書では、オーキッドクラブはあくまで産婦人科医有志の団体であり、<br />
あすか製薬はその団体を支援する善意の第三者として説明されています。<br />
なお、同上冊子では、オーキッドクラブの「理事長」真壁さよ子医師は、あすか製薬を<strong><span style="color: red;">「守護神」</span></strong>と褒めちぎっています。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgp_4KssbRsVBZ4VsaLoNaJEBYFMNlqxUBac6ro7Waw7mO5p8QiJ5mrBDVIXZ5JDBPL2t1dRDS72hsbJcr7yrhZ2KhNGXfK-mQ0lG9iWwm9D0nFnfEi43Tpks8U4KVUgouU9MlbfFFdKxw/s1600/orchidclub05.gif" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgp_4KssbRsVBZ4VsaLoNaJEBYFMNlqxUBac6ro7Waw7mO5p8QiJ5mrBDVIXZ5JDBPL2t1dRDS72hsbJcr7yrhZ2KhNGXfK-mQ0lG9iWwm9D0nFnfEi43Tpks8U4KVUgouU9MlbfFFdKxw/s1600/orchidclub05.gif" height="152" width="320" /></a></div>
<div align="left" class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
</div>
<br />
白々しい茶番ではないでしょうか?<br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
「あすか製薬は女性の守護神といえる」←資金提供を受けても、ここまでよいしょできるとは。この有名女医は資金提供については口を閉ざしながら、更年期の女性にピルを奨める言説をガンガン流し続けている。自称「女性の健康をサポートする専門家」なのだが、企業をサポートする専門家ではないか?<br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/statuses/452799803735281664">2014, 4月 6</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
オーキッドクラブはNPO(非営利組織)を名乗っているけど、実態は営利企業の広告会社の運営。製薬企業から流された資金は莫大。甘い汁を製薬会社・広告会社・一部の産婦人科医が吸っているから、日本のピルは馬鹿高なんだよ。<br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/statuses/452802642100510720">2014, 4月 6</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script> <br />
<h2>
ユーザーを欺く「有志医師の集まり」というフィクション</h2>
<br />
オーキッドクラブの設立から2年後、オーキッドクラブ事務局編『なやめるからだ オンライン外来730日のカルテ』が刊行されます。<br />
同書には以下の説明が付されていました。<br />
<br />
<table border="1"><tbody>
<tr><td bgcolor="#ffd2d2"><span style="color: blue;"><br />
オーキッドクラブ事務局編『なやめるからだ オンライン外来730日のカルテ』<br />
「オーキッドクラブは、多様な現代に生きる女性の健やかでいきいきした生活をサポートするウィミンズヘルスケアの専門家の集まりです」</span><br />
<span style="color: blue;"></span> </td></tr>
</tbody></table>
<br />
副会長ほかが設立に関与した性と健康を考える女性専門家の会は、いち早くオーキッドクラブを紹介しました。<br />
その紹介文は以下の通りでした。<br />
<br />
<table border="1"><tbody>
<tr><td bgcolor="#ffd2d2"><span style="color: blue;">オーキッドクラブ (産婦人科医によるバーチャル診療室、回答者に当会会員が居ります。)</span></td></tr>
</tbody></table>
<br />
広告業界出身者の始めた低用量ピル普及推進委員会は、オーキッドクラブについて以下のように紹介しています。<br />
<br />
<table border="1"><tbody>
<tr><td bgcolor="#ffd2d2"><span style="color: blue;">「オーキッドクラブ」というのは女性の健康をサポートする専門家の集まりで、一般の人でも参加できる「オーキッド・エル」という部門もあります。<br /><a href="http://mixi-pill.com/archive.html">http://mixi-pill.com/archive.html</a></span><span style="color: blue;"><u><span style="color: #0066cc;">(<a href="http://archive.is/Dq2in" target="_blank">保存ページ</a>)</span></u></span><br />
<u><span style="color: #0066cc;"></span></u><br />
<u><span style="color: #0066cc;"></span></u><br />
<span style="color: blue;">「日本家族計画協会やオーキッドクラブ、NAHWといった女性医療に特化した団体」<a href="http://www.mixi-pill.com/siryou.html">http://www.mixi-pill.com/siryou.html</a><u><span style="color: #0066cc;">(<a href="http://archive.is/wq8hS" target="_blank">保存ページ</a>)</span></u></span><br />
<span style="color: blue;"></span> </td></tr>
</tbody></table>
<br />
オーキッドクラブについては、自他共に「産婦人科有志の団体」との紹介がなされています。<br />
オーキッドクラブは自らについて、「オーキッドクラブは非営利の団体(N.P.O)です」と明記してきました。<br />
仮にオーキッドクラブがターギス株式会社によるプロモーション活動だとすると、<br />
オーキッドクラブは非営利の団体(NPO)などということは到底できません。<br />
団体の存在自体がフィクションで、それをカモフラージュするための小道具が自称NPOだったり理事会ではなかったかと思われます。<br />
そもそも、オーキットクラブのサイトでは、理事長も理事も「○○先生」として登場します。<br />
理事長や理事は偉い方々なので自分のことを「先生」付けして名乗るのでしょうか。<br />
違うでしょう。<br />
ターギス株式会社の社員が運営しているので、<br />
「先生」の尊称が付けられているのです。<br />
端から見ても、オーキッドクラブが「有志医師の集まり」で非営利の団体(NPO)などとは思えません。<br />
まして、メンバー的にも重なっていた性と健康を考える女性専門家の会の幹部は、<br />
オーキッドクラブの実態を最もよく知ることのできる立場にありました。<br />
オーキッドクラブの数億円に上る莫大な資金のおこぼれにあずかりながら、<br />
知って知らぬ顔をしていたのではないでしょうか。<br />
その資金も元をただせばユーザーが高いピル代として負担したものです。<br />
ユーザーに高いピル代を負担させながら、<br />
製薬会社・広告会社・一部の産婦人科医がその甘い汁を吸う構図は道徳的ではありません。<br />
断っておきますが、私は医師が製薬会社の広告プロモーションに関与することを否定しているのではありません。<br />
また、企業の広告宣伝活動を否定しているわけでもありません。<br />
企業は広告宣伝活動を行うことは当然だし、<br />
知見や労力を提供する医師がそれ相応の報酬を得ることも当然と考えます。<br />
問題は、ユーザーを欺く広告手法は医師の倫理観を麻痺させ、<br />
企業の意に迎合する「専門家」を生み出してしまうことです。<br />
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
オーキッドクラブが善意の産婦人科医有志の団体など思っているなら、サイトを見てごらん。「理事長」以下、全てが「○○先生」ってなっているから。広告会社が産婦人科医に頼むから、「○○先生」ってなるわけだ。<br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/statuses/452804495156600833">2014, 4月 6</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<h2>
更年期女性にピル服用を強力に推奨</h2>
<br />
若いときからピルを服用している女性でも、35歳を過ぎれば血栓症リスクが高くなります。<br />
40歳を過ぎた女性には相対禁忌とされているのがピルです。<br />
年齢の高い女性に対して、リスクを伝えるのが医療者の本来の使命です。<br />
ところが、リスクを伝えるどころか、メリットを強調し、<br />
年齢の高い女性にピルを積極的に奨めてしまったのがオーキッドクラブです。<br />
理事長のアドバイスをピックアップしてみました。<br />
<br />
<table border="1"><tbody>
<tr><td bgcolor="#ffd2d2"><span style="color: blue;">「ピルの基礎知識<br />
<strong>ピルの副効用・・・中高年の女性では、更年期障害の症状が緩和されます。</strong>」<a href="http://archive.is/sZkKd">http://archive.is/sZkKd</a><br />
</span><br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<br /></div>
<span style="color: blue;">
服用前の不安>わたしも服用できますか?>避妊の必要がない時期もピルを服用したいです。40代なのですが・・・。<br />
「<strong>更年期症状が出てくる年齢層にとって、その有益性を体験したら手離せない薬でしょう。</strong><br />
<strong>・・・44歳ですから、もちろん副作用の少ない低用量ピルですよね。</strong>」<br />
<a href="http://archive.is/I0VQp">http://archive.is/I0VQp</a><br />
</span><div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<br /></div>
<span style="color: blue;">
服用前の不安>わたしも服用できますか?>年齢と子宮筋腫があることから、ピルの継続を迷っています。<br />
「<strong>41歳という年齢を考えると、更年期障害もそろそろ出てくる頃ですね。<br /> 低用量ピルをのむことでホルモンを安定させ、更年期を元気にいきいきと、</strong><br />
<strong>若さを保ちながら過ごすことができると思います。<br /> 結局一石四鳥ですね。</strong>」<br />
<a href="http://archive.is/7O1T8">http://archive.is/7O1T8</a><br />
<br />
服用前の不安>わたしも服用できますか?>ピルを飲もうと思いますが、40歳なので心配です。<br />
「<strong>ぜひ低用量ピルを試しに飲んでみてください。<br /> 副作用はほとんどの人にありません。<br />わずかな吐き気や少量の出血などが主なものです。<br /> 妊娠するかもしれないと思うストレスがなくなれば、</strong><br />
<strong>不定愁訴のような症状もなくなる可能性があります。</strong>」<br />
<a href="http://archive.is/ErUL8">http://archive.is/ErUL8</a><br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<br /></div>
<br />
<div align="left" class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
</div>
服用前の不安>わたしも服用できますか?>更年期の時期でもピルを飲みつづけてよいものか不安です。<br />
「 <strong>喫煙者、乳癌既往がある方には使用できませんが、</strong><br />
<strong>適応を守れば40代の方での使用は問題ありません。<br /> 更年期まではまだ少し時間がありそうですが、</strong><br />
<strong>更年期障害や更年期以降に発症しやすい疾患(骨粗鬆症、高脂血症など)の予防も含め、</strong><br />
<strong>女性ホルモンの補充をかねたピル服用、お勧めです。</strong>」<br />
<a href="http://archive.is/84L12">http://archive.is/84L12</a><br />
<br />
服用中>不正出血>ピルを飲み始めて10日目。まだ出血しています。<br />
「<strong>低用量ピルのバランスのとれたホルモン投与で、貴女の更年期障害も軽減すると思います。</strong><br />
<strong> 低用量ピルは更年期の治療としても使われています。</strong>」<br />
<a href="http://archive.is/PUQlU">http://archive.is/PUQlU</a></span><br />
<span style="color: blue;"></span> </td></tr>
</tbody></table>
<br />
<br />
<h2>
更年期女性へのピル投与は問題ないとミスリード</h2>
<br />
年齢の高い女性にピルの服用を奨めるなど、医学常識を逸脱したトンデモです。<br />
それを確信犯的に行ってきたのがオーキッドクラブです。<br />
オーキッドクラブは一般女性に対する「啓発」と並んで、<br />
医師に対する情報提供を行ってきました。<br />
「OCに関するアンケート調査の実施と学会での発表、メンバードクターを対象とした資材作成などを通じて、医療関係者にOCの理解を深めてもらう活動を行っています。」<br />
にわか「ピル推進派」の医師は、そんな大それた事は考えないでしょう。<br />
オーキッドクラブが製薬会社のダミーだからそのような発想が出てくるのでしょう。<br />
オーキッドクラブによる医師への情報提供の例を挙げてみます。<br />
2013年5月、日本産科婦人科学会学術講演会でオーキッドクラブは、医師会員への<a href="http://archive.is/iWxgb" target="_blank">アンケート調査の結果を発表</a>しました。<br />
<br />
その時のパネルが以下です。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiqbtMi3rgCzxzHx4SOCICgcwwLFxXlLZsGXpwyhZcT98pB1yG-3OZcvQzpg9kQIsmFq_AhE6nSlIPFkk3Zv5sd2AStfqk2YkYgrs5hfH_HZBGXTwbYBpmnm93Bxp-5fC-Ow-nZzXXZjn0/s1600/orchidclub01.gif" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiqbtMi3rgCzxzHx4SOCICgcwwLFxXlLZsGXpwyhZcT98pB1yG-3OZcvQzpg9kQIsmFq_AhE6nSlIPFkk3Zv5sd2AStfqk2YkYgrs5hfH_HZBGXTwbYBpmnm93Bxp-5fC-Ow-nZzXXZjn0/s1600/orchidclub01.gif" height="267" width="320" /></a></div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
</div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
「40歳以上にOCを処方する場合、40歳未満と比べてトラブルの発生頻度は異なりますか」</div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
という設問に対する医師の回答を集計しています。</div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
大部分の医師が「変わらない」と答え、「多い」と「少ない」が少数ずつあります。</div>
40歳以上の女性にピルを処方しても特に問題ない、<br />
と印象づけるかのような結果となっています。<br />
オーキッドクラブの狙いはそこにあったのでしょう。<br />
しかし、それはとんでもないことです。<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
吐き気や不正出血などのトラブルは、年齢による発生頻度に差がありません。</div>
トラブルの頻度を聞くことは無意味です。<br />
無意味な設問なので、回答した医師の中にはリスクの意味で回答する医師が出てきます。<br />
具体例として血栓と答える医師も例外的に出てきます。<br />
それをクローズアップすると、<br />
リスクについての回答結果のように見えてしまうのです。<br />
いかにも広告会社らしい情報操作が行われています。<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
それよりも、そもそも医師の意識を調査するアンケート自体が無意味です。</div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
40歳以上が相対禁忌となっているのは、トラブルが多いからではありません。</div>
40歳以上の女性に対してピルが相対禁忌となっているのは、<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
血栓症などのリスクが高いからです。</div>
リスクが高いか低いかが問題なのであり、<br />
医師の意識がどうかは関係ない話です。<br />
事実を問題にせず意識だけを調べる調査はインチキではないかと思います。<br />
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
40歳以上にピルを処方すれば【リスク】は格段に高くなる。それを必死で隠蔽するインチキ「調査」。
<a href="http://t.co/wQaLywujfE">http://t.co/wQaLywujfE</a><br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/statuses/452821883155521538">2014, 4月 6</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<h2>
性と健康を考える女性専門家の会会員の追従</h2>
<br />
オーキッドクラブに関して非常に残念なことがあります。<br />
オーキットクラブは製薬会社のダミーサイトであり、<br />
製薬会社に迎合する言説を流していると思えば、<br />
その情報が鵜呑みにされることもないでしょう。<br />
しかし、事もあろうに性と健康を考える女性専門家の会の主要会員まで、<br />
オーキッドクラブ的言説に染まってしまっているようなのです。<br />
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
性と健康を考える女性専門家の会会長の40歳代女性への回答。<a href="http://t.co/DOgkGpkT2j">http://t.co/DOgkGpkT2j</a> ピル経験のない40歳以上の女性がピルを服用すると、とんでもないハイリスクになるのを知らないのだろうか?<br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/statuses/452149222289072129">2014, 4月 4</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script><br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
性と健康を考える女性専門家の会幹部の50歳代女性への回答。「更年期の避妊には低用量ピルを勧めます。」 <a href="http://t.co/Rl7cbb2dMk">http://t.co/Rl7cbb2dMk</a> 日本の専門家は世界の専門家の常識からかけ離れているような。<br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/statuses/452149317856288768">2014, 4月 4</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
性と健康を考える女性専門家の会幹部の49歳女性への回答。「この時期の避妊方法としては低用量ピルがお勧めです。・・・女性ホルモンには心筋梗塞や老人性痴呆症そして骨粗鬆症の予防の役割もあります。」<a href="http://t.co/mLx37LCJOi">http://t.co/mLx37LCJOi</a> 心筋梗塞リスクは高まるはずなのだが。<br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/statuses/452149393768972288">2014, 4月 4</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
性と健康を考える女性専門家の会の女医先生方は、喫煙と血栓症リスクをリンクさせるのが好きなようですが、静脈血栓に関しては喫煙の影響はありません。ピルユーザーに多い静脈血栓は年齢が最大のリスク要因です。わかってるのかなぁ?<br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/statuses/452150384690081792">2014, 4月 4</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
※喫煙により動脈血栓のリスクは高くなります。<br />
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
性と健康を考える女性専門家の会の女医先生方。ピルユーザーを副作用から守るのが専門家のはずです。それができなければ日本のピルは滅亡しますよ。<br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/statuses/452149460672315392">2014, 4月 4</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
性と健康を考える女性専門家の会も、きわめてまっとうな理念を掲げる団体であったことは、<br />
ブログで紹介しました。<br />
ところが、この両団体は軌を一にしながらライフデザインドラッグとしてのピル路線にのめり込んでいきました。<br />
そして、ピル史上最悪の副作用問題が日本で生じる事になりました。<br />
そのことに両団体は責任があるのではないか、<br />
と考えてきました。<br />
ピルの副作用問題が報道されるようになって半年が過ぎました。<br />
この間、性と健康を考える女性専門家の会は完全沈黙を守ってきました。<br />
今になってやっと、反応が出されました。<br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
4/26(日)17:00〜勉強会「ピルと血栓症」を開催します。 女性たちが安心、安全にピルを服用するために、専門家として何ができるのか、一緒に考えましょう。 申し込み等の詳細は後日改めてツイートします。<br />
— 性と健康を考える女性専門家の会 (@pwcsh) <a href="https://twitter.com/pwcsh/statuses/448611938692378624">2014, 3月 26</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script><br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
<a href="https://twitter.com/pwcsh">@pwcsh</a> 勉強会は結構だけど、更年期障害の【予防】のため「プレ更年期」にピル、などというエビデンスのない言説に加担し、血栓症副作用被害を拡大させたことについて反省会が必要なのでは?<br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/statuses/450507197311492096">2014, 3月 31</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script> その勉強会の内容は、以下のようです。<br />
<br />
<table border="1"><tbody>
<tr><td bgcolor="#ffd2d2"><span style="color: blue;"></span><br />
<span style="color: blue;">[講義1]低用量ピルと血栓症<br />バイエル薬品 学術部(演者未定)</span><br />
<span style="color: blue;"></span><br />
<span style="color: blue;">[講義2]低用量ピルを安全に使用するために ~臨床における血栓症リスク対策の実際~ <br />性と健康を考える女性専門家の会 副会長、四季レディースクリニック 院長 江夏 亜希子</span><br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
</div>
<a href="https://twitter.com/pwcsh/status/452262750501085185">https://twitter.com/pwcsh/status/452262750501085185</a><br />
</td></tr>
</tbody></table>
<br />
<br />バイエル薬品はヤーズやトリキュラーを販売する日本最大のピル販売会社です。<br />
副作用問題を引き起こしている会社から講師を呼んで勉強会を開催することに違和感を感じない、<br />
それが今の性と健康を考える女性専門家の会なのでしょうか。<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: left;">
</div>
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
<a href="https://twitter.com/pwcsh">@pwcsh</a> 「『性と健康を考える女性専門家の会』の理念を賞賛する」<a href="http://t.co/7WAqIGM5LT">http://t.co/7WAqIGM5LT</a>を書いたのは、理念が忘れられているのではないかと感じるから。<br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/statuses/450512833814335488">2014, 3月 31</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script> Anonymoushttp://www.blogger.com/profile/15708490026898021442noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-1379882158469607859.post-80065440895457219892014-03-10T22:29:00.000+09:002014-03-10T23:41:38.197+09:00心の内なる滅私奉公<h2>
荻生徂徠が作った日本</h2>
<br />
日本が他のアジア諸国と異なる近代化の道を歩み始めるのは、いつからでしょう?<br />
歴史の教科書では、明治維新が強調されますので、明治維新以後に日本は近代化の道を歩み始めるとの印象を与えています。<br />
しかし、江戸時代の日本では他のアジア諸国にない、さまざまな現象が生じていました。<br />
私がおもしろいと感じるのは、自己の考えを論理的に主張する人々が広汎に出現したことです。<br />
江戸時代、山の所有権や境界をめぐる紛争が頻発しました。<br />
山論と言います。<br />
裁判で争われることもありました。<br />
長期の裁判になることも少なくありませんでした。<br />
そこには甲論乙駁の論理の世界があり、それに関与したのは一般人でした。<br />
現代人が見ても新鮮さを持っています。<br />
江戸時代の日本には、自己の考えを主張する文化があったように思えます。<br />
もし、江戸時代の日本に独自の精神文化があったとすれば、荻生徂徠の影響に注目すべきでしょう。<br />
江戸時代は朱子学の時代ではありませんでした。<br />
中国や朝鮮には科挙(官吏の登用試験)がありました。<br />
試験には正解が必要です。<br />
正解は朱子学の中にあり、正解を学ぶ「試験勉強」が盛んに行われました。<br />
科挙のなかった日本では朱子学は普及しませんでした。<br />
「試験勉強」のような学習はおもしろくなかったからです。<br />
日本で流行ったのは荻生徂徠の学問です。<br />
荻生徂徠の学問は、研究的・論争的・探求的学風でした。<br />
江戸時代の学者の多くは、多かれ少なかれ徂徠学の影響を受けました。<br />
荻生徂徠を通して、江戸時代の日本には論理で決着を付ける文化が浸透しました。<br />
それは唯々諾々と服従する封建時代人のイメージとはかけ離れています。<br />
<br />
<h2>
万機公論に決すべし</h2>
<br />
明治政府の最初の施政方針は、五箇条の御誓文です。<br />
その第1条には「万機公論に決すべし」と書かれています。<br />
明治維新は欧米の市民革命とは異なる性格を有しています。<br />
しかし、この「万機公論に決すべし」は、明治維新の市民革命【的】な性格を示しています。<br />
市民革命は、【国王による意志決定】方式の否定でした。<br />
【国王による意志決定】に代わるものが【議会による意志決定】でした。<br />
五箇条の御誓文には、【議会による意志決定】を彷彿とさせる文言が唐突に出てくるのです。<br />
いや、唐突にではなく、それは自然に出てきたのかもしれません。<br />
江戸時代の日本は、絶対権力者による意志決定の社会ではありませんでした。<br />
江戸時代の日本には論理で決着を付ける文化が浸透していました。<br />
その延長線上に、「万機公論に決すべし」があるように思えます。<br />
明治の思想家福澤諭吉は、独立自尊を唱えます。<br />
福澤は欧米人の中に独立自尊の精神を発見したのですが、<br />
実は欧米人【を通して】独立自尊の精神を発見したのではないかと思えます。<br />
福澤も論理で決着を付ける文化の中で育った人です。<br />
奴隷の文化の中で育った人ではありません。<br />
だからこそ、独立自尊の精神を発見できたのではないかと思えるのです。<br />
<br />
<h2>
滅私奉公への堕落</h2>
<br />
気骨のある明治人と言われることがあります。<br />
日本人は近代のある時期まで、独立自尊の近代人に向かって進歩していたように思えます。<br />
しかし、一方でアンチ独立自尊の思想も成長していきます。<br />
楠正成は忠君の人として戦前の教科書で頻繁に取り上げられました。<br />
幕末から始まる楠フィクションを福澤は「楠公権助論」として批判したことがありました。<br />
昭和戦前期に入ると、楠正成賛美は極に達します。<br />
楠正成は滅私奉公のモデルとして祭り上げられました。<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://www13.ocn.ne.jp/~seiroku/gunkan1.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="http://www13.ocn.ne.jp/~seiroku/gunkan1.jpg" height="265" width="320" /></a></div>
<br />
滅私奉公は『戦国策』中の言葉のようですが、<br />
楠フィクションを彩る言葉として使用されました。<br />
荻生徂徠に始まる日本の誇るべき文化は、<br />
偏狭な愛国主義イデオロギーによって窒息させられたのです。<br />
<br />
<br />
<h2>
内なる滅私奉公</h2>
<br />
滅私奉公は戦争遂行の標語でした。<br />
戦後、滅私奉公は死語となります。<br />
しかし、はたして日本人は滅私奉公のメンタリティから脱却できたのでしょうか?<br />
「愛する○○と私」の関係を見て見ましょう。 <br />
戦前の滅私奉公で「公」は天皇や国家でした。<br />
愛する天皇(国家)のためには私を殺して従う、<br />
これが滅私奉公でした。<br />
現在を見て見ます。<br />
日本で政党と支持者の関係は、<br />
右も左も余り変わりません。<br />
日本では政党の政策が変わっても支持者は変わりません。<br />
政党の政策が変わると、支持者の考えが変わるからです。<br />
「愛する政党と私」の関係で、政党(公)が優先され私が従属してしまうからです。<br />
政党を会社や団体の組織に置き換えても同じような関係が見て取れます。<br />
「愛する彼(彼女)と私」を見て見ましょう。<br />
1969年、奥村チヨの歌「恋の奴隷」がヒットしました。<br />
「あなた好みの、あなた好みの女になりたい」が繰り返されます。<br />
さすがに現在、このような歌詞の歌が作られることはないでしょう。<br />
しかし、この歌詞は現在でも続く日本人の恋愛感情の一側面を表しているように思えます。<br />
彼や彼女(公)が優先され私が従属してしまう関係です。<br />
彼や彼女を個人と個人の一般的な人間関係に置き換えても同じような関係が見て取れます。<br />
日本でピルが解禁されて15年が経ちます。<br />
15年経ちますがピルはメジャーなわけではありません。<br />
そのような中で、熱烈なピルのファンが生まれました。<br />
つまり、「愛するピルと私」の関係ができています。<br />
ピルは完全な薬ではありません。<br />
メリットもあれば、デメリットもあります。<br />
しかし、もしかするとデメリットに目をつぶる恋の奴隷の心理が働くかもしれません。<br />
もしそうであるなら、偏狭な愛国主義者が誇るべき文化的伝統を押し殺したのと同様に、<br />
熱烈なピルファンはピルを押しつぶしてしまうかもしれません。<br />
<br />
<h2>
自立的ピルユーザーであれ</h2>
<br />
ピルがあって「私」があるのではありません。<br />
「私」があってピルがあるのです。<br />
ピルには長所もあれば欠点もあります。<br />
欠点に目をつぶってはいけません。<br />
私は15年前、「ピルは頭で飲む薬」と書きました。<br />
この考えは最初にピルと出会ったときからずっと変わっていません。<br />
日本バンザーイを叫ぶ人が愛国者でしょうか?<br />
違います。<br />
日本をよりよい国にしていこうとする人が愛国者です。<br />
ピルについても同じです。<br />
変な言い方ですが、私はピルを愛しています。<br />
だから、ピルの欠点も率直に語り、<br />
私たちにとってもっといいピルにしていきたいのです。<br />
自立的ピルユーザーがこの国のピルの歴史を作る、<br />
そんな思いでサイト名を「ピルとのつきあい方」にしました。<br />
ピルとつきあうことは、内なる滅私奉公から脱却することでもあると思うのですが。Anonymoushttp://www.blogger.com/profile/15708490026898021442noreply@blogger.com1tag:blogger.com,1999:blog-1379882158469607859.post-76823986883475960952014-03-06T20:32:00.000+09:002014-03-06T20:44:51.253+09:0035歳からのピル(「プレ更年期」のピル療法について)ピルについてのWHOガイドラインでは、<br />
喫煙や血圧などの条件がクリアされれば35歳以上でもピルの服用ができることになっています。<br />
日本のガイドラインも同様です。<br />
35歳以上でもピルの服用ができます。<br />
もう一度書きます。<br />
35歳以上でもピルの服用ができます。<br />
なぜ繰り返し書いたのかというと、<br />
この日本語がわからない人がいるからです。<br />
「35歳以上でもピルの服用ができる」は、<br />
35歳以上の年齢でピルの服用が好ましいという意味ではありません。<br />
「20歳を過ぎれば喫煙することができる」は、<br />
20歳を過ぎたら喫煙することが好ましいを意味しません。<br />
当たり前ですね。<br />
ところが「35歳以上でもピルの服用ができる」を逆手にとって、<br />
35歳を過ぎたらピルを服用しようとする言説が蔓延っているのです。<br />
とんでもないことです。<br />
<br />
<h2>
35歳以上のピルが否定されない理由</h2>
<br />
35歳を過ぎると血栓症リスクが加速度的に上昇します。<br />
それでも、「35歳以上でもピルの服用ができる」としているのです。<br />
なぜでしょう?<br />
35歳以上でのピル服用について英語で書かれたサイトを10個探して読んでみて下さい。<br />
一つの例外もなく、閉経までは妊娠リスクがあるので避妊が重要と強調し、<br />
その文脈で「35歳以上でもピルの服用ができる」と書かれているはずです。<br />
100のサイト、1000のサイトを探しても、一つの例外もないはずです。<br />
海外ではピルは避妊薬ですから、<br />
当然避妊に関して書かれるのです。<br />
その背景には、妊娠のリスク、妊娠に伴う血栓症リスクの上昇に較べると、<br />
ピルによる血栓症リスクは小さいとの認識があります。<br />
<br />
<h2>
35歳以上のピル服用リスクについて説明すること</h2>
<br />
避妊はきわめて個人的なことです。<br />
お寿司にするかカレーにするかが個人的なことであるのと同様に、<br />
避妊法の選択は個人的なことです。<br />
だから「あなたはカレーにしなさい」など、<br />
誰も指示しません。<br />
避妊法についても同じで、<br />
「あなたは○○にしなさい」など誰も指示しません。<br />
医療者も指示しません。<br />
指示はしませんが、必要な情報を伝えるのは医療者の使命です。<br />
「35歳以上でもピルの服用ができる」は、<br />
ピルを推奨するわけではなく、<br />
リスクを説明した上で選択肢として提示するという意味です。<br />
ピルが避妊薬である時、医療者は副作用のリスクについての情報をきちんと説明します。<br />
<br />
<h2>
35歳以上ではピルによる避妊が半減</h2>
<br />
下の図はフランス人の避妊法についての調査です。<br />
<br />
<img src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhye7a__T4VkLrfCrWFP2IpUKvgT5W-fQdl9jb2IDEeyveRxdZvZKGUrCm6r-Cupky4caWMw_546pUwNCvWFUi-iP1vdAefzEUrjLzwpAdMkY0qX5JrIdjLVo-OiD2SkhUcGiN-OaBGIXg/s1600/contaraceptivemethodinfrance.gif" /><br />
詳しくは<a href="http://finedayspill.blogspot.jp/2013/04/blog-post_5.html" target="_blank">脱ピルと卒ピル</a>参照<br />
<br />
34歳まではピルによる避妊が過半数を超えています。<br />
(ピルのみとピル+コンドームの合計)<br />
しかし、35歳以上の年齢層では年を重ねる毎に減少し、<br />
45-49歳では半減しています。<br />
35歳以上のピルによる避妊には、<br />
ミニピルも含まれています。<br />
リスクの説明がきちんとなされているから、<br />
ピルによる避妊が回避されているのです。<br />
<br />
<h2>
ライフデザインドラッグとしてのピル</h2>
<br />
日本では2004年にライフデザインドラッグ政策が採用され、<br />
以来脱避妊薬路線が推進されました。<br />
ライフデザインドラッグとしてのピルは、<br />
2つの特徴を持っていました。<br />
1つは年齢横断性です。<br />
ライフデザインドラッグ路線では、<br />
思春期から閉経期までの全年齢の女性に対してピルは役立つとします。<br />
年齢によるリスクを考慮すれば、<br />
ライフデザインドラッグとしてのピルは成り立ちませんから、<br />
年齢リスクが警告されることはありませんでした。<br />
2つは非選択性です。<br />
ピルが避妊薬であるとき、ピルの選択は個人の選択に委ねられます。<br />
避妊の切実度は個人によって違いますし、<br />
性交渉の頻度も個人によって違います。<br />
上の図を見るとピルは20-24歳の年齢階層がピークで、<br />
その後は下降していきます。<br />
避妊法が選択されるものであるとき、<br />
ピルを選択する年齢層が異なってくるのです。<br />
ところが、ライフデザインドラッグでは、<br />
ピルはそれぞれの年齢層で有用な薬と位置づけられます。<br />
個人的な選択の薬ではなくなります。<br />
「いつでもピル、みんなのピル」が、<br />
ライフデザインドラッグのピルです。<br />
<br />
<h2>
「プレ更年期」言説に見るピル</h2>
<br />
ライフデザインドラッグのピルが、年齢横断性・非選択性という2つの特徴を持つと書きました。<br />
ライフデザインドラッグ路線の特徴を端的に示しているのが、<br />
「プレ更年期」言説です。<br />
対馬ルリ子医師は「プレ更年期」にピルを活用することを唱道した医師です。<br />
その考えは、<a href="http://archive.is/ECLW0" target="_blank">こちら</a>に端的に示されています。<br />
「プレ更年期」は、35歳から45歳とされます。<br />
そして、この年齢期にピルを積極的に服用することが推奨されています。<br />
<strong>本来はリスクを警告すべき年齢の女性に、</strong><br />
<strong>逆にピルの服用が推奨されているのです。</strong><br />
「プレ更年期」のピルは更年期の不調に備える、<br />
という位置づけがなされています。<br />
まさに、「いつでもピル、みんなのピル」なのです。<br />
ピルがこのように位置づけられると、<br />
リスクを上回るメリットがあるかどうかという指標は意味を持ちません。<br />
ピルの副作用は都市伝説と一蹴することによってしか、<br />
ライフデザインドラッグ路線のピルは成り立たないのです。<br />
もっとも有力な産婦人科医の一人が唱道した「プレ更年期」にピルの言説は、<br />
広く流布することになりました。<br />
オールアバウトにも<a href="http://archive.is/jYZ71" target="_blank">同趣旨の記事</a>が見られます。<br />
<br />
<br />
<h2>
ピルユーザーの過半数は30歳以上</h2>
<br />
ピルが切実な避妊要求に応える避妊薬であるとき、<br />
ピルユーザーのピークは20歳代(前半)となります。<br />
避妊薬としてのピルはそのような薬なのです。<br />
20歳代(前半)までの女性には未婚の女性も多くいます。<br />
日本では長い間ピルが認可されませんでした。<br />
その背景には「ふしだら少女に避妊手段を与えてしまう」、<br />
とするおじさま方の心配がありました。<br />
ピルが認可されてから後も、<br />
若者がピルにアクセスしにくくする障壁を作りました。<br />
その延長線上にあるのが、<br />
ピルを避妊薬でなくしてしまうという脱避妊薬路線です。<br />
避妊薬であるよりライフデザインドラッグであるピルは、<br />
当然のことながら年齢の高い女性の間に普及しました。<br />
<a href="http://finedayspill.blogspot.jp/2013/02/blog-post_5049.html" target="_blank">当ブログのアンケート</a>によれば、<br />
ピルユーザーの年齢分布は以下の通りです(2014.3.5現在)。<br />
10歳代28人4.29%、<br />
20歳代233人35.68%、<br />
30歳代250人36.28%、<br />
40歳代140人21.44%<br />
30歳以上が57.7%を占めています。<br />
「プレ更年期にピル」は現実を動かす言説になってきました。<br />
<br />
<h2>
30歳オーバーのピルデビュー</h2>
<br />
WHOのガイドラインが「35歳以上でもピルの服用ができる」としていること、<br />
そして実際に各国には35歳を超えたピルユーザーがいることを書きました。<br />
そうです、確かにどの国にも一定数の35歳を超えたピルユーザーがいます。<br />
ただ、それは日本の35歳を超えたピルユーザーとはわけが違います。<br />
日本以外の国では、ピルは若者を中心に利用されている避妊薬です。<br />
35歳になると、ピルをこのまま続けるか検討するのです。<br />
そして、ピルを止めるユーザーもいますし、ピルを続けるユーザーもいます。<br />
「35歳以上でもピルの服用ができる」は、ニュアンスとしては<strong>35歳を超えてもピルを【継続】できる</strong>に限りなく近いものです。<br />
これを言い換えると、35歳を過ぎてピルデビューするユーザーなど、<br />
ほぼ皆無です。<br />
「35歳以上でもピルの服用ができる」は、<br />
5年、10年、15年とピルを使用してきたユーザーについて言っているものです。<br />
若いときからピルユーザーであり続けた女性は、<br />
血栓症になりやすい体質でないことが証明済みです。<br />
また、ピルの血栓症はピルを飲み始めた最初の1年に集中する傾向があります。<br />
数年間服用を続けているユーザーでは、リスクは低くなります。<br />
このようなユーザーを前提に「35歳以上でもピルの服用ができる」とされているのです。<br />
このような事情を考慮せずに、<br />
WHOのガイドラインが「35歳以上でもピルの服用ができる」としているから、<br />
35歳を過ぎてピルデビューしてもかまわないとするのは乱暴すぎます。<br />
<h2>
<br />斬新な【実験】</h2>
<br />
「プレ更年期にピル」は斬新なアイデアを実証する【実験】であったと考えられます。<br />
1つ目の【実験】は、35歳を過ぎたピルデビューで血栓症発現率はどのようになるかの【実験】です。<br />
とてつもなく高い発現率になるのではないかとの想像はできても、<br />
実際に【実験】が行われたことはありません。<br />
この【実験】はすでに結論が出ていますので、中止してもよいのではないかと思います。<br />
※<a href="http://finedayspill.blogspot.jp/2014/01/600140.html" target="_blank">600人に1人が血栓症に--40歳以上のピル服用について試算</a>などを参照のこと。<br />
<br />
2つ目の【実験】は、「プレ更年期」のピル服用が更年期に与える影響の【実験】です。<br />
「プレ更年期」のピル服用が、更年期に好影響を与えるとの仮説が述べられています。<br />
「プレ更年期のうちからホルモンケアをしていると、次に続く更年期も上手に乗り切ることができます」<br />
これはあくまで仮説であって、何らのエビデンスもありませんでした。<br />
あるいは私が知らないだけなのかもしれませんが、<br />
少なくともメジャーな雑誌にはそのような知見は報告されていません。<br />
きっと世界から注目される論文になるでしょう。<br />
※なお、<a href="http://www.med.or.jp/wma/helsinki08_j.html" target="_blank">ヘルシンキ宣言</a>を逸脱する研究はどのように優れた研究であっても、<br />
受理されることはありません。<br />
<br />
<h2>
35歳超でもピルが選択できる国</h2>
<br />
私は<a href="http://finedayspill.blogspot.jp/2014/02/10.html" target="_blank">ピルの副作用被害をなくすための10の提言</a>で、<br />
「35歳以上の女性に対する混合ピルの新規処方を停止する」ことを提唱しました。<br />
実はこの提言は私の主義に反しています。<br />
この提言では処方するかしないかを医師が決定することになっており、<br />
医師が処方しないと決めれば女性の選択権が失われます。<br />
かなり悩みましたがこの1項目を入れることにしました。<br />
現実に生じている副作用をストップする緊急的措置が必要と考えたのが、<br />
大きな理由です。<br />
もう一つ理由があります。<br />
欧米では35歳を過ぎても混合ピルを服用し続ける女性がいます。<br />
そして、その中のかなりの女性が治療目的を兼ねたユーザーです。<br />
そのような女性の一人が話してくれたことがあります。<br />
「このピルを飲み始めたのは19の時だったわ。<br />
かれこれ20年同じピルを飲み続けてるの。<br />
だから、20年間私の身体のホルモンは同じって事よね?<br />
これから10年飲み続けるつもりだけど、<br />
ホルモン状態は19の時と変わらないわ。<br />
ドクターはリスクが高くなるって言うけど、<br />
私について当てはまらないでしょ?」<br />
彼女は自信たっぷりに話しましたが、<br />
実はやはりリスクは高くなります。<br />
しかし、彼女の場合確かにメリットを上回るリスクがあるとは言えません。<br />
ピルが若者の避妊薬として普及している国では、<br />
ピルと長くつきあうことも可能になります。<br />
35歳を過ぎても安全にピルが使える国にするには、<br />
35歳以上の新規処方を停止する方が近道ではないかと考えました。<br />
<h2>
<br />誰もがいつでも安心して利用できるピルに</h2>
<br />
ピルが避妊薬であるとき、ピルは女性が選択する薬です。<br />
ピルが治療薬であるとき、ピルは医師が奨める薬です。<br />
ピルが女性の選択する薬であるとき、医師はリスクを丁寧に説明します。<br />
ピルが医師の推奨する薬であるとき、医師はリスクを説明しないか過少に説明します。<br />
1970年を境に、世界のピルは医師がリスクを説明し、<br />
女性が選択する薬に大きく変わりました。<br />
日本のピルは、依然として1970年以前のピルなのです。<br />
発足当初の性と健康を考える女性専門家の会にとってピルは避妊薬でした。<br />
ピルが避妊薬であるとき、性と健康を考える女性専門家の会の理念はすばらしいものでした。<br />
<a href="http://finedayspill.blogspot.jp/2014/02/blog-post_27.html" target="_blank">「性と健康を考える女性専門家の会」の理念を賞賛する</a> 参照<br />
興味深いことにライフデザインドラッグ路線にどっぷり関与してきたのは、<br />
同会メンバーです。<br />
対馬ルリ子医師も同会の有力メンバーです。<br />
「プレ更年期にピル」の言説と同会の理念は齟齬しないのか?<br />
同会にはこの点をしっかり考えてほしい気持ちです。<br />
同会のためにも、日本の医療のためにも、そして何よりも日本の女性のために。Anonymoushttp://www.blogger.com/profile/15708490026898021442noreply@blogger.com4tag:blogger.com,1999:blog-1379882158469607859.post-75432994489517742952014-03-03T19:40:00.000+09:002014-03-03T19:40:45.620+09:00ミニピルの導入を望む声について<a href="http://finedayspill.blogspot.jp/2014/03/now.html"><span style="color: #ffcc77;">ミニピル NOW!!</span></a> にコメントを頂きました。<br />
お返事が長文になるので別エントリーとしました。<br />
<span style="color: yellow;">黄色の文字</span>が頂いたコメントです。<br />
<br />
<span style="color: yellow;">ミニピルですが、私の場合、かかりつけのお医者さんはノアルテンの処方はして頂けませんでした。<br />『適応外での処方はしたくない』<br />という、とても真面目な理由からでした。</span><br />
<br />
<br />
ルナベル・ヤーズとノアルテンは効能が重なっていますので、代替可能です。<br />
低用量ピル(避妊効能)ユーザーがノアルテンへの切り換えを希望する場合、<br />
適応外の壁が存在します。<br />
適応外であっても医師の判断で処方することは可能なのですが、<br />
年齢など高リスク要因への認識が薄ければ断られることになるでしょう。<br />
残念なことです。<br />
<br />
<br />
<span style="color: yellow;">ならばと、個人輸入のセラゼッタを服用したいと伝えたところ<br />『ミニピル(黄体ホルモン)でも血栓は起こるよ』<br />と・・・。<br />調べてみると、黄体ホルモンは動脈血栓を引き起こす可能性があるという婦人科の先生のHPを発見しました。</span><br />
<span style="color: yellow;">実際のところどうなんでしょうか?</span><br />
<br />
<a href="http://www.fsrh.org/pdfs/CEUGuidanceProgestogenOnlyPill09.pdf" target="_blank">イギリスのミニピルガイドライン(2013年改訂版)</a>の「循環器疾患(心筋梗塞・深部静脈血栓症・脳卒中)」には以下のように書かれています。<br />
<br />
Few studies have been large enough to evaluate the risk of cardiovascular disease associated with POP use. Although limited by small numbers of women using progestogen-only contraceptives, data from a World Health Organization study suggest there is little or no increase in risk of VTE, stroke or acute myocardial infarction(MI) associated with use of POP(or injectable).(37)<br />
(37)World Health Organization. Cardiovascular disease and use of oral and injectable progestogen only contraceptives and combine injectable contraceptives. Results of an international, multicentre, case control study. Contraception 1998;57:315-324.<br />
(翻訳)ミニピル使用にともなう循環器疾患リスクを評価しうる規模のいくつかの研究がなされてきた。ミニピル避妊法を使用している女性が少数という制約はあるが、WHOのデータはミニピル(注射剤を含む)使用に伴う深部静脈血栓症・脳卒中・急性心筋梗塞のリスク上昇は、ほとんどないか全くないことを示している。<br />
<br />
脳卒中・心筋梗塞は動脈血栓によるものです。<br />
典拠のWHO調査は1998年ですが、その結論は現在まで踏襲されています。<br />
いくつかの産婦人科病院のサイトには、世界で共有されている知見を大胆に否定している記述が見られます。<br />
日本家族計画協会のサイトには精子が着床するなどの記述さえ見られます。<br />
見栄えを優先してサイト作成を業者に丸投げしているからなのでしょうが。。。<br />
困ったものです。<br />
<br />
<span style="color: yellow;">セラゼッタを飲みはじめて、そのことが気になり、これといった副作用はなかったものの、過剰に体の変化がきになってしまい服用をやめてしまいました。<br />(気にしすぎのせいか、足が痛かったような・・・心臓も圧迫され息苦しいような感覚がありました。ただ混合ピルの時と比べると、気のせいかな?とも思える程度です。)</span><br />
<br />
ノンピルユーザーとの比較でミニピルによる血栓リスクの上昇はありません。<br />
しかし、ノンピルユーザーと同程度のリスクになるわけで、<br />
リスクがなくなるわけではありません。<br />
ノンピルユーザーに血栓が生じるのと同じ程度に、<br />
ミニピルユーザーにも血栓が生じます。<br />
血栓の初期症状に気をつけることは必要だと思います。<br />
<br />
<span style="color: yellow;">ミニピルの副作用についての情報が少なく、また海外からの個人輸入しかないとなると、連続服用する勇気がもてなかったりします。<br />やっぱり日本で処方してもらい、納得いく情報のもとで服用したい。</span><br />
<span style="color: yellow;">私自身、決して若くない年齢ですが、妊娠する可能性もまだまだあり、避妊は積極的にしていきたい。<br />でも・・今の日本の現状だと・・・。</span><br />
<br />
日本やアメリカなど一部の国を除いて、<br />
薬を個人輸入する患者のいる国はほとんどありません。<br />
薬を個人輸入すると輸送コストが加算され高くなるからです。<br />
個人輸入が悪いのではなく、個人輸入を余儀なくする薬事行政が悪いのです。<br />
個人輸入に頼らなくてよい国になるといいのですが。<br />
<br />
<span style="color: yellow;">rurikoさんを中心に、署名を集めて国に声を届けてみるのはどうでしょうか。<br />もちろん私も協力したいです。</span><br />
<br />
日本にミニピルは是非とも必要だと考えていますが、<br />
共通認識にはなっていません。<br />
今すぐ出来る対応策を「<a href="http://finedayspill.blogspot.jp/2014/02/10.html" target="_blank">ピルの副作用被害をなくすための10の提言</a>」にまとめました。 <br />
改善すべき10項目があるということは、<br />
問題点が10点あると言うことです。<br />
10点もの問題点があるから、<br />
世界のピル史上最悪の副作用被害が生じています。<br />
公表されているデータを丹念に見れば、<br />
ピル史上最悪の副作用被害が生じていることは簡単に想像できます。<br />
実際はさらに深刻な事態となっていると見ています。<br />
報告されていない副作用が数多く埋もれていると推測できるからです。<br />
しかし、実際のデータを丹念に見なければ、<br />
現在生じている事態を認識できません。<br />
薬には副作用は付きものだとの認識に留まってしまいます。<br />
これが現実です。<br />
まずは実態についての共通認識を広めなくてはなりません。<br />
<br />
<br />
私の願いはただ一つです。<br />
日本の女性を守るために役立ちたい。<br />
私の知識や経験をそのために使っていただきたい。<br />
その私にできることは何なのかは、模索中です。<br />
日本にはすでにさまざまな運動体があり、活動しています。<br />
私の出る幕などないように思えます。<br />
たとえば、「性と健康を考える女性専門家の会」があります。<br />
<a href="http://finedayspill.blogspot.jp/2014/02/blog-post_27.html" target="_blank">その会の理念について</a>書いたことがあります。<br />
アドボカシー活動から始まった会でもあり、<br />
現在も理念が生きているのなら、<br />
ミニピルの導入はこの会が取り組んで下さることではないかなと思います。<br />
アドボカシー活動を目指して設立された団体は、<br />
ほかにも多くあるのではないかと思います。<br />
独自の提案を行っていくことは啓発よりも格段に困難なことですが、<br />
私の考えに参考になる点があれば使って下さればいいのにと考えたりします。<br />
<br />
以上、お返事です。Anonymoushttp://www.blogger.com/profile/15708490026898021442noreply@blogger.com4tag:blogger.com,1999:blog-1379882158469607859.post-73990203762529552612014-03-01T21:04:00.000+09:002014-03-01T21:34:38.505+09:00ミニピル NOW!!<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
日本では1999年に避妊効能の低用量ピルが認可されたが、避妊効能のミニピルは認可されていないままだ。避妊効能のミニピルが認可されてない国があるなら教えてほしい。<br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/statuses/439721600032583680">2014, 3月 1</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
少なくとも、先進国でミニピルが認可されていない国はない。<br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
ピルには混合ピルとミニピルの2種類があるわけだけれども、混合ピルが適している人もいればミニピルが適している人もいる。ミニピルが適している人に安易に混合ピルを処方してきたのだから問題が生じるのは当然のこと。<br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/statuses/439679952594558976">2014, 3月 1</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
混合ピルもミニピルも基本的には避妊薬。避妊薬としてのミニピルの弱点は飲み忘れ限界が3時間と短いこと。現在は、混合ピル同様12時間まで許容限界のあるミニピルも開発されている。<br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/statuses/439680003681165312">2014, 3月 1</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
一般に避妊薬としての第一選択肢がミニピルでなく混合ピルなのは、ピルユーザーの多くを占める若年層で3時間の時間厳守が難しいから。<br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/statuses/439680085251993600">2014, 3月 1</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
定時服用が厳守できるなら、ミニピルは断然優れものだ。生理そのものがほとんどなくなる人も多いわけで、生理痛とは無縁になれる。血栓症リスクも上がらない。<br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/statuses/439680150850899968">2014, 3月 1</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
年齢の高い女性ではミニピルが第一選択肢となり、定時服用が難しいなどの事情があれば混合ピルの選択が考慮される。<br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/statuses/439680224897167360">2014, 3月 1</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
日本で年齢の高い女性がミニピル(ノアルテン)でなく混合ピル(ヤーズ・ルナベルなど)を選択しているのは、①定時服用が難しい②血栓症を体験してみたい③お金が余っているので7倍価格の高いピルを選択している、などの事情だろう(皮肉)。<br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/statuses/439680288977735680">2014, 3月 1</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
ノアルテンなら3割自己負担で月の薬代は300円強。<br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja"><p>訂正 正しくは10万人に付き162人、618人に付き1人でした。</p>— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/statuses/439739877328842752">2014, 3月 1</a></blockquote>
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<a href="http://finedayspill.blogspot.jp/2014/01/600140.html" target="_blank"><span style="color: #ffcc77;">600人に1人が血栓症に--40歳以上のピル服用について試算</span></a><br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
低用量ピルとミニピルの両方がある普通の国では、両者のメリットとデメリットが必ず説明される。ミニピルは授乳中も年齢が上がってもOKという知識が行き渡っている。<br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/statuses/439721663387557888">2014, 3月 1</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
ミニピルは年齢が上がってもOKという知識が常識の国では、年齢が上がると混合ピルはヤバイという知識も常識。ミニピルのない日本ではこの常識が作用しなかったために大量の副作用被害が生じた。<br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/statuses/439721715631792129">2014, 3月 1</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
私は日本を低用量ピルもミニピルもある普通の国にしたい。だから低用量ピルだけの日本で生じている問題を指摘している。問題がないという人は日本がミニピルのない特殊な国であり続けてほしいのだろうか?<br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/statuses/439721799392038912">2014, 3月 1</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
日本のピルユーザーは30歳以上が過半数を占め、<br />
その年齢の高いユーザーに血栓症などの副作用が集中的に生じているというのが現実だ。<br />
この現実に目をつぶり、問題がないといわんばかりの言説が見られる。<br />
たとえば、<br />
薬には副作用はつきものだ。<br />
低用量ピルの副作用リスクは許容しうる範囲だ。<br />
低用量ピルの恩恵は大きい。<br />
喫煙しなければリスクは小さい。<br />
定期検査でリスクを低減できる。<br />
ピルの副作用を取り上げるのは反ピル思考だ。<br />
などなど。<br />
<br />
私は現在日本で生じている問題を直視すべきだと思う。<br />
問題を直視すれば、解決すべき問題は明らかだ。<br />
ミニピルが認可されていないという問題を解決しなければ、<br />
副作用問題は根本的に解決しない。<br />
治療目的ユーザーはヤーズ・ルナベルからノアルテンに切り替えることが出来る。<br />
避妊目的ユーザーは年齢が高くなっても、<br />
ミニピルに切り替えることが出来ない状況は許せない。<br />
<br />
<span style="color: red; font-size: x-large;"><strong>ミニピル NOW!!</strong></span><br />
<br />
<br />
*******************************************<br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
歪な日本のピルは政策価格から始まった。→
ルナベル・ヤーズの錬金術<a href="http://t.co/FLMFJMYCSi">http://t.co/FLMFJMYCSi</a><br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/statuses/439684693391183872">2014, 3月 1</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script><br />Anonymoushttp://www.blogger.com/profile/15708490026898021442noreply@blogger.com5tag:blogger.com,1999:blog-1379882158469607859.post-27385004610099193362014-02-27T19:02:00.000+09:002014-02-28T08:40:57.518+09:00「性と健康を考える女性専門家の会」の理念を賞賛するピル認可前の1997年に性と健康を考える女性専門家の会が結成されます。<br />
16年余が経過しました。<br />
日本のピルの現状を見るとき、少しく考えることがあります。<br />
長くなりますがこの会の理念を引用してみます(太字強調は引用者)。<br />
<a href="http://square.umin.ac.jp/pwcsh/about/ayumi.html">http://square.umin.ac.jp/pwcsh/about/ayumi.html</a> 2014/02/27<br />
<br />
<!-- InstanceEndEditable --> <!-- InstanceBeginEditable name="headerimg" --> <!-- InstanceEndEditable --> ◆以下引用◆<br />
<div class="clearfix" id="primary">
<article class="page">ひとりひとりの女性が満足できる女性医療とはなにか・・・・・ 医療・保健システムに女性の視点を生かし、男女ともに生き生きと幸福に暮らせる社会をつくりたい ― わたしたちの会は、同じ願いをもつ医療者・学者・教師・ジャーナリストなどにより、1997年に設立されました。</article><article class="page"> そのきっかけは低用量ピル(以下ピル)の認可問題でした。</article><article class="page"> 1997年3月、ピル認可について検討するための公衆衛生審議会を傍聴した堀口雅子医師(虎の門病院産婦人科元医長)は、会の設立呼びかけのレターに、ピルが審議会で「認可されれば女性の性行動が活発になりエイズなどの性感染症の蔓延が危惧される。したがって認可すべきではない。」という論調で話し合われることに、「何度“違う!”と声にならない声をあげ、こぶしを握りしめたことでしょう」と書いています。そもそも、何十人といる審議会のメンバーのうち、女性の委員はひとりもいなかったのでした。</article><article class="page"> 堀口医師からの<span style="color: red; font-size: large;">「もしかして妊娠してしまったかもしれない、という不安を抱えて指折り待つ女性たちの不安、月経がはじまりほっと安堵する気持ちを彼らは知っているのでしょうか。わたしたちは女性の代弁者として、かつ専門家として、きちんと意見を言うべきではないでしょうか。」という熱いメッセージ</span>は、ジャーナリスト芦田みどりさんの仲介を得て、数十人の女性たちに届けられ、初夏のある日、堀口医師の自宅にメンバーがあつまりました。</article><article class="page"> これは、興奮する出来事でした。お互いに名前は聞いたことはあるがはじめて会ったプロフェッションルたちが、はじめて、個人として感じていた女性医療の実態への疑問や不信について語り合ったのです。そして<span style="color: red; font-size: large;">「私たち自身がきちんと情報を得、女性の目からみた、冷静で科学的な発言を、医療や行政に対してしていこう!」</span>と意見が一致し、「性と健康を考える女性専門家の会」が立ち上がったのでした。</article><article class="page">(会の名前が決まる前、当会は1107の会(いいオンナの会)と呼ばれ、11月7日に設立集会が予定されていました。現在もメーリングリストのアドレスにその番号が残されています。実際の立ち上げは、11月8日に行われました。)</article><article class="page"> そして、1999年7月にピルが日本ではじめて経口避妊薬として認可され、9月に発売されるまで、当会の活動はたいへん活発で、実に多彩なセミナー、シンポジウム、勉強会、アドボカシー活動を行ってきました。</article><article class="page"> 思い出に残るのは、設立集会となったコロンビア大学のキャロリン・ウェストホフ助教授による「ピルの認可を求めて」、500名以上の参加者を集めて行われた、スウェーデンのカロリンスカ大学のハーゲンフェルト教授ら世界の名だたる講師陣によるシンポジウム「21世紀の女性医療」です。会員の熱気と会の若いエネルギーの感じられる催しでした。</article><article class="page"> また、主な女性議員たちに働きかけたり、旧厚生省、日本産婦人科学会、日本母性保護医協会、テレビや新聞の関係者など、私たちが会ってアドボカシーを行った人々は多岐にわたりました。その間、「ピルと女性の健康」検討資料集、避妊ガイドブックなどメンバーの手によって出版、製作された本や資料のいくつもが、ピル認可後の使用指針になっています。</article><article class="page"> 認可が決定した1999年の5月には、事務局である朝日エルの会議室に堀口会長以下主だったメンバーが集まり、祝杯をあげました。この2年間の間に、一部専門家や官僚、政治家のあいだで、ピルは、「エイズを蔓延させるもの」から「女性が主体的に利用できる科学的な避妊法のひとつ」として認識が変わってきました。</article><article class="page"> しかし、認可されても、国民の多くのあいだでは、あいかわらずピルといえば、「副作用がある、ホルモンはこわい、自然でないものはやめたほうがいい」という偏見や誤解が強いという現状は変っていませんでした。<span style="font-size: large;">一般の女性たちの科学的知識が増え、心身と社会的な健康に対する認識が高まり、<span style="color: red;">自己価値感と性の自己決定能力</span>が育たなければ、避妊薬(望まない妊娠に対する予防薬)としてのピルは服用できないということがわかったのです。また、多くの産婦人科や他科の医療者たちの方も、<span style="color: red;">偏見があり管理的・指示的</span><span style="color: red;">で、女性たちに正しい知識を提供し、女性たちの選択を重んじてピルを処方することが難しい状況</span>が浮かび上がってきました。</span></article><article class="page"> そこで、私たちは、どのようにすれば、日本女性たちが予防と生涯健康の視点を育て、証拠に基づいた科学的な情報を得、個々のライフスタイルに合わせて情報の選択と利用を行っていけるのかを次の課題として活動するようになってきました。</article><article class="page"> 2000年に作成した会の紹介パンフレットには、以下のように書かれています。</article><article class="page"><blockquote>
この50年間に女性のライフスタイルはすっかり変わっています。身体の成長と性行動の開始が早くなり、産む子どもの数は少なくなりました。一方で高学歴化し、職業をもって社会参加するのがあたりまえになりました。寿命も飛躍的に延び、閉経後の人生は30年以上に及んでいます。それにともない、長い人生をどうやって健康の質(QOL)を保ちながら豊かに生きるかが新しい課題となっています。<br />
WHOは、身体のみならず精神も社会的な状態も、すべて良い状態(Wellbeing)であってこそ、真の健康と言っています。私たちは、女性の健康の専門家を目指して、証拠にもとづいた正しい情報を提供し、わが国に包括的な女性医療・保健システムを実現するために活動をしています。</blockquote>
</article><article class="page"> このころから会は新しいメンバーを次々に迎え、第二期とも言える時代に入りました。ピルの問題を通してはっきりしてきた女性医療・保健の課題に多方面からとりくむプロジェクト活動が中心になりました。健康啓発(ヘルスエデュケーション)、学校や地域での性教育、<span style="color: red; font-size: large;">自己決定能力の育成</span>などを柱として、10を超えるプロジェクトが誕生しました。内科・産業医や精神科医、研究者などを中心とした「働く女性の健康プロジェクト」は、すでに何度も新しい形のセミナー・シンポジウムを展開しておりましたし、薬剤師たちが中心になって「くすりプロジェクト」がCASP(エビデンスに基づいた論文評価法)の勉強会を開催、また医療者として自立し行動していこうとする「助産師エンパワーメンプロジェクト」、避妊ばかりではなく性の健康を社会的に考えようとする「STD予防プロジェクト」「十代の健康プロジェクト」など、職域を超え学際的に活動しようとする多種多彩な会員たちの自由闊達な活動が広がっていきました。</article><article class="page"> ふりかえってみますと、これまでの活動は以下のように多岐にわたっています。</article><article class="page">
<dl>
<dt>1. 政策への提言</dt>
<dd>低用量経口避妊薬の認可を求めて</dd><dd>新しい女性医療システムを目指して</dd><dd>十代の性教育の充実を求めて</dd>
<dt>2.シンポジウム・セミナー</dt>
<dd>「21世紀の女性医療」</dd><dd>「性感染症や中絶から十代を守ろう」</dd><dd>「避妊カウンセリング―日本とアメリカ」</dd><dd>「働く女性の健康」</dd><dd>「働く女性のメンタルヘルス」</dd><dd>「中高年女性の健康―Complete Wellnessとは―」</dd><dd>「女性の健康とクスリ」</dd><dd>「くすりCASP勉強会」</dd><dd>「出産シンポジウム」他</dd>
<dt>3.リーダーシップ研修</dt>
<dd>ピル講師養成講座</dd><dd>十代への性教育講師養成講座</dd>
<dt>4.調査研究</dt>
<dd>日本女性の性・避妊行動調査</dd><dd>メディアの性感染症の取り上げ方についての研究</dd>
<dt>5.出版・編集協力、ビデオ、スライド作成</dt>
<dt>6.広報活動</dt>
<dd>年4回のニュースレター発行</dd><dd>インターネットホームページの運営</dd>
<dt>7.ネットワーク形成</dt>
<dd>日本女医会、米国女医会、ほか国際アドバイザー多数との交流</dd><br />
また、臓器別ではなくトータルな人間として診る統合医療を臨床で実践しようとする女性総合医療も、当会会員を中心に各地で試みられるようになりました。岡山や福岡での試みはその先駆とも言えます。また、医学的にも性差医療(ジェンダースペシフィックメディスン)が注目され、男性と女性の生物学的、遺伝学的、医学的、社会的差異について検討されようとしています。<br />
2003年。女性医療・保健は「健康日本21」でリプロダクティブヘルス・ライツの項目として掲げられ、わが国の医療・保健の目標として推進されようとしています。しかし、<span style="color: red; font-size: large;">ひとりひとりの人間によりそい、自己決定を支援しよう</span>と私たちが求めてきたトータルな医療・保健の実現には、まだ遠い道のりであるといえます。とはいえ、この数年、当事者主体の医療改革のムーブメントには目をみはるものがあり、これからは、ますます当会が、専門家でありかつ当事者の視点を失わない活動を、真に一般女性の健康と幸福のために展開できるのかどうかが、試されることでしょう。<br />
最後に、私たちが、生涯にわたる女性の真の健康を実現していくために、今後活動してゆくための5つの柱を掲げたいと思います。<br />
<ol>
<li> <span style="font-size: large;">従来の母子保健制度の枠を超え、女性の健康の視点から<span style="color: red;">リプロダクティブ・ヘルス/ライツ</span>の推進</span>をしていきます。妊娠や分娩ばかりでなく、月経、不妊、望まない妊娠や性感染症、更年期、女性ホルモンの積極的利用などについても積極的に考えていきます。 </li>
<li>総合的な女性の健康(Women's Health)を実現させる医療や保健システムの確立にむけて活動していきます。栄養や睡眠、ストレス、がん予防、メンタルケア、思春期や高齢者の健康問題など、女性の健康にも学際的な研究や医療の提供が必要とされています。 </li>
<li> 子どもからおとなまで、男女一緒の性と健康に関する教育を実現させていきます。従来の性教育を見直し、個人の人権を尊重した科学的な健康教育が必要です。<span style="color: red; font-size: large;">わたしたちは、「性」と「こころ」の自己決定をサポートしていきたい</span>と考えています。 </li>
<li> 科学的な証拠に基づく医療(EBM)の考え方を導入し、わが国の女性の健康に関する学際的研究を行っていきます。 </li>
<li> 患者や障害者、高齢者、子どもなど弱者にやさしい医療や社会の構築を提言します。<span style="font-size: large;"><span style="color: red;">パターナリズム(家父長主義)を廃し、</span>ひとりひとりの人間が尊厳のある個人として大切にされる</span>、心地よい社会環境を実現していきます。</li>
</ol>
</dl>
</article><br /></div>
<div class="clearfix">
◆以上引用◆</div>
<br />
すばらしい理念なので、理念を賞賛するとのタイトルを付けました。<br />
理念にそったすばらしい活動も行いました。<br />
たとえば1999年12月に性と健康を考える女性専門家の会は、<br />
ガイドライン等に「2日以上のみ忘れたら止めるように書かれているが、<br />
<strong><span style="color: red; font-size: large;">それでは妊娠リスクを上げてしまう</span></strong>」として厚生省に改善の申し入れを行いました。<br />
この服用法では妊娠回避効果が全くないだけでなく、<br />
血栓症リスクを高めてしまいます。<br />
理念もすばらしいが活動もすばらしい、と賞賛しておくことにします。<br />
<br />
もし私が後代の歴史家であったなら、<br />
「性と健康を考える女性専門家の会」とそのメンバーの言説に即して日本におけるピル受容を考察するでしょう。<br />
私は後代の歴史家ではないので、それは控えておきましょう。<br />
<br />
**************************************<br />
以下は余談です。蛇足です。<br />
18世紀後半、世界各地に啓蒙専制君主が現れます。<br />
明治日本も啓蒙専制君主の国と似ています。<br />
啓蒙専制君主の改革は一定の成果を上げます。<br />
しかし、社会を根底から改革することは出来ませんでした。<br />
啓蒙専制君主の国では、日本の自由民権運動のような運動が起こります。<br />
下からの運動です。<br />
啓蒙専制君主と下からの運動は、共通する理念を持っていました。<br />
しかし、どの啓蒙専制君主の国でも、下からの運動は抑圧されます。<br />
そのような歴史がありました。<br />
<br />
なお、余談の余談になりますが、<br />
「ピルとのつきあい方」はずっと飲み忘れの問題を取り上げてきましたし、<br />
ブログでは<a href="http://finedayspill.blogspot.jp/2013/06/blog-post_21.html" target="_blank">産婦人科医の犯罪的怠慢</a>の記事を書きました。<br />
避妊失敗のリスク、血栓症副作用のリスクにピルユーザーが曝されているなら、<br />
ピルユーザーに注意を喚起したいからです。
<br />
<br />
**************************************
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" data-conversation="none" lang="ja">
<a href="https://twitter.com/ruriko_pillton">@ruriko_pillton</a> 「自己決定」が4回使用されている。「パターナリズム(家父長主義)を廃し」とも。医療者、患者双方の意識変革が必要な問題だ。それを実現する方途が重要。<br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/statuses/438989797172846594">2014, 2月 27</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
「性と健康を考える女性専門家の会」の理念や活動について考えるとき、頭の中で交差するのはOBOSの活動だ。→
40周年を迎えた『OBOS からだ・私たち自身』
<a href="http://t.co/Vc6PeJL5xs">http://t.co/Vc6PeJL5xs</a><br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/statuses/439012455822282752">2014, 2月 27</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
OBOSを紹介する英語ページ。護身術の図解ページのコピーがある。いかにもな感じだ。<a href="http://t.co/60RFIdXWrs">http://t.co/60RFIdXWrs</a><br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/statuses/439012648391155712">2014, 2月 27</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
<br />
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja">
本家OBOSは一般人の女性の声で生まれたものだが、実は医療者が1女性として協力した。日本の医療者は1女性となれるかなと思う。<br />
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) <a href="https://twitter.com/ruriko_pillton/statuses/439013349959802881">2014, 2月 27</a></blockquote>
<script async="" charset="utf-8" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
Anonymoushttp://www.blogger.com/profile/15708490026898021442noreply@blogger.com0