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2013年8月12日月曜日

クイックスタートの流行に思う

クイックスタートとは?


ピルは生理初日に飲み始めるか、遅くとも7日目までに飲み始めます。
これが伝統的ルールです。
ところが、この伝統的ルールにこだわらなくてよいとの考えが示されるようになりました。
脱伝統的ルールの服用法をImmediate start法とかQuick start法といいます。
日本ではクイックスタートと呼ばれることが多いでしょう。

クイックスタートの背景


クイックスタートが提唱されるようになったのには、2つの背景があります。
日本でクイックスタートはAnyday startのように理解されていると感じられるのですが、
Anyday startではなくクイックスタートです。
クイックスタートという名称がこの服用法の背景を示しています。
というのは、欧米ではすでに非経口ホルモン避妊法が相当普及しています。
非経口ホルモン避妊法の内、皮下埋め込み法(インプラント)や注射法は病院での処置が必要です。
ピルなら病院でもらい生理が始まるのを待つことができますが、
皮下埋め込み法(インプラント)や注射法ではそういうわけにはいきません。
タイミングが悪いともう一度病院に来てもらうことになるのですが、
「今すぐ処置してしまいましょう」というのがクイックスタートでした。
Anyday startではなく今すぐスタートが、クイックスタートの意味です。
もう一つの背景は、性交頻度です。
避妊失敗率を示すパールインデックスの数値を見て、
「コンドームの失敗率はこんなに高いの?」とか思われた方も多いでしょう。
それは日本人の性交頻度が特異的に低いことと関係しています。
月に1度の頻度なら生理が来るのを待って始めてもよいかもしれませんが、
3日に1回の頻度なら生理が来るまでに妊娠してしまうかもしれません。
生理が来るのを待つ間に妊娠するリスクがあるなら、
今すぐホルモン避妊を始めた方がよいとの考えです。
クイックスタートが考案された背景には、高いセックス頻度があります。
さらに、アメリカでは処方箋を出しても、
約25%が薬局にピルを受け取りに行かないなどの問題もあります。

クイックスタートは妊娠しにくい?


後述するようにクイックスタートの評価はまだ十分になされていません。
しかし、これまでのデータを見る限り、妊娠リスクは高くありません。
ただ、それにはあるカラクリがあります。
標準的な性周期28日を7日ごとに区切ってみます。

1日目-7日目 伝統的スタート
8日目-14日目 クイックスタートA群
15日目-21日目 クイックスタートB群
22日目-28日目 クイックスタートC群

生理1日目から7日目までのスタートは、伝統的スタートです。
生理8日目から28日目までのスタートがクイックスタートということになります。
クイックスタートのB群・C群は排卵後のスタートなので、
妊娠しようがないグループです。
A群は排卵前のスタートになりますが、
クイックスタートでは7日間バリア法を併用しますから、
A群で排卵があってもその多くはバリアで防ぐことができます。
したがって、A群B群C群をトータルすると、低い妊娠率になるというわけです。
クイックスタートのこのカラクリを知れば、
クイックスタートで妊娠率が低くなるのはホルモンの作用のためではなく、
主としてバリア法と「オギノ式」の効果なのがわかるでしょう。
ピルの代わりにプラセボでクイックスタートしても妊娠率は低くなるかもしれません。

さらなる研究が必要


上で見たようにクイックスタートでは約2/3の妊娠しようがない人が含まれます。
クイックスタートでの妊娠率が低くなるのは当然と言えます。
しかし、これは統計としてみた場合の話です。
クイックスタートで始める女性は、実際は自分の状態が排卵前か、排卵後かわかっていません。
もし、排卵後とわかっているなら、クイックスタートを始める必要もないでしょう。
クイックスタートで最も問題になるのは、排卵前にクイックスタートしたケースです。
個々のケースに即して、クイックスタートがどれほど有効かは今後の研究課題です。
Lopez LMらは、「クイックスタートと通常スタートを比較するためには、さらなる研究が必要」と指摘しています(Immediate start of hormonal birth control.,2008.04)。
卵胞が一定成長してから後のクイックスタートが、
排卵にどのような影響を及ぼすのかまだ未解明の段階です。


クイックスタートのメリットには個人差がある


クイックスタートが行われるようになる背景には、冒頭に述べたような事情が関係しています。
日本にはピル以外のホルモン避妊法がほとんどないといってよい状態です。
また、一般に日本の性交渉頻度は少ない現状があります。
このような日本の状況の中で、はたしてクイックスタートの必要性がどれほどあるかは考慮されねばならない問題でしょう。
さらに、生理予定日間近でのクイックスタート例なども見受けられますが、
クイックスタートの乱用ではないかとさえ思えます。
クイックスタートにメリットがあるかどうかは、
個々の女性の条件で異なっています。
クイックスタートを選ぶかどうかは女性の選択に委ねられるべき問題と考えます。

クイックスタートの避妊効果


ピルをクイックスタートした場合、妊娠率は高くなりません。
これは事実です。
繰り返しになりますが、それはクイックスタートしたピルの効果ではなく、
主として最初の一週間のコンドームとオギノ式の効果なのです。
生理開始7日以内にピルの服用を開始しても、
服用7日目に必ず卵胞が消滅するとは言えません。
まして卵胞がある程度成長した段階でピルの服用を始めると、
ある場合には卵胞が消滅することもあるでしょうが、
ある場合には排卵が遅延されることもあるでしょう。
クイックスタートのピルが成長しつつある卵胞にどのような影響を与えるのか、
十分解明されていません。
クイックスタートの最初の7日間コンドームを使用すれば妊娠リスクは低いと言うことと、
8日目にはピルによる避妊効果があると言うことは別問題です。

妊娠していないという条件


クイックスタートを始める際の条件は、妊娠のおそれがないことです。
それは胎児がピルのホルモンに曝されるのを避けるためです。
もっとも、ピルのホルモンに胎児が曝されても、
胎児に影響はありません。
影響はないのですが、必ずといってよいほど皆心配してしまいます。
そういう事態を避けるために、妊娠のおそれがないことがクイックスタートの条件です。
ところが、クイックスタートする時点で妊娠検査薬はまだ反応しない時期のこともあります。
生理以後セックスしていないとか、妊娠してないと完全に思えることも、
クイックスタートでは大切なことだと思います。

あなたにクイックスタートは必要ですか?


以上、流行のクイックスタートについて説明してみました。
日本ではピルでクイックスタートが流行っています。
女性がそれを選択した結果、
クイックスタートが流行っているのなら問題ありません。
しかし、生理が28日前後で安定している女性が、
生理20日目からクイックスタートしたなどのケースを見ると、
疑問に思えます。
1週間待てばよいのにクイックスタートを選ぶ理由が思いつきません。
ピルの代金が無駄になるだけのように思えます。※
女性が選択するのではなく、医師が指導する結果、
クイックスタートが流行っているのではないかとも心配しています。
※ピルの費用負担の大小は選択に当たって考慮される条件の一つです。

クイックスタート選択の参考

排卵前のクイックスタート(たとえば排卵3日前の服用開始)
排卵は抑止できない→7日間のコンドーム使用で避妊。※
次の月経に対する影響→通常の排卵があるので軽減効果はない。
8日目からの避妊効果→ピルの効果でなく、排卵後なので避妊が不必要になるだけ。
副作用→生体由来のホルモンにピルのホルモンが付加される。
ピルを服用している安心感が得られる(1シート分の代金が余分にかかる)。
※7日ルールの適用外。

排卵後のクイックスタート
避妊効果→ピルの効果でなく、排卵後なので避妊が不必要になるだけ。※
次の月経に対する影響→通常の排卵があるので軽減効果はない。
副作用→生体由来のホルモンにピルのホルモンが付加される。
次回生理日が遅れる(生理日を遅らせる服用法に準じた服用法)。
ピルを服用している安心感が得られる(1シート分の代金が余分にかかる)。
※7日ルールとは無関係。

月経不順のクイックスタート(排卵の予測不能)
※基礎体温やホルモン濃度の測定で状態の把握が前提となる。
排卵性稀発月経→上記の排卵前のクイックスタートと排卵後のクイックスタートに準じる。
無排卵性稀発月経→クイックスタートは有効。ただし、漫然とピルの服用を続けることは疑問。
無排卵性頻発月経→クイックスタートとする必然性が乏しい。
排卵性頻発月経→クイックスタートとする必然性が乏しい。

緊急避妊後のクイックスタート
※緊急避妊の翌日から通常ピルの服用を開始する。
緊急避妊の成功率を高める可能性がある。
子宮外妊娠の既往がある場合には、クイックスタートは慎重に。

「早く避妊効果が得られる、早く生理痛が改善する、早く治療が開始できる」と、
クイックスタートを推奨しているグループのサイト
彼らはそのうちに生姜湯避妊法を奨め始めるかもしれない。

生姜湯のすごい避妊効果!?

女性 「先生が新しい避妊法を発見したと聞きました。」

ドクター 「うんうん、副作用もないし、避妊効果も実証済みじゃ。」

女性 「ぜひ、教えて下さい。」

ドクター 「生理5日目から、毎日これを飲みなさい。」
 

女性 「それ、何ですか?」

ドクター 「特製生姜湯じゃ。」

女性 「そんなもので避妊できるんですか?」

ドクター 「できる!ただし、効果が出るまで2週間かかる。2週間はコンドームを使うのじゃ。」
 

女性 「はい、わかりました。」

ドクター 「あ、生理が始まったら飲まなくていいよ。」

女性 「じゃあ、ずっと避妊効果があるんですか?」

ドクター 「いや、生理が始まると避妊効果は消えるのじゃ。また、生理5日目から同じ事を繰り返すのじゃ。」

女性 「なんだか、面倒くさいですね。」

ドクター 「月経周期が38日を越えたことがない女性ならまず確実だし、
生姜湯を飲むだけでいいんだよ。」

女性 「そうですね。それ、試してみます!」
 



2013年6月21日金曜日

産婦人科医の犯罪的怠慢

このエントリーは「ピルを2錠以上飲み忘れたとき 」の姉妹編です。
ピルの飲み忘れ対応の問題は、
実際にピルの服用経験のない方には、ピンと来ないテーマかもしれません。
しかし、ピルユーザーにとっては切実な問題です。
この問題について、各国では委員会を設置し時間をかけた検討が行われます。
日本では1999年に作成された責任所在不明の奇妙なガイドラインが、
いまだに踏襲されています。
特に問題なのは2錠以上の飲み忘れがあった場合の対応です。
なぜそれが問題なのかをピルユーザーでない読者にも分かっていただくために説明しました。


※一般的使用PI=9.0 1年間換算。


※緊急避妊薬のガイドラインにはピルの飲み忘れで緊急避妊が必要なケースが説明されています。しかし、日本のピルの服用法に従えば、ピルユーザーは緊急避妊が必要な状態に追いやられることになるわけで、ピルユーザーにこの情報は伝えることが出来ない状態です。なお、日本のガイドラインでは緊急避妊の適応を3錠以上としていますが、2錠以上とする方が合理的です。、


※服用を中止すると言うことは、妊娠を回避する何らの対応もしないことを意味します。








※かつては、日本ルールを問題視する産婦人科医がいましたが、【医師向け】参照マニュアルの提示で沈黙に転じました。

※添付文書や服用者向け情報提供資料に従えば、防げる妊娠を防げずに妊娠するケースが出てきます。これを放置することは許されません。
訂正 (正)最小限にするために放水     (誤)最小限にするに放水



トンデモ服用法を弁護するトンデモ理論について(追記1/2013.11.7)

ツイッターで
「 二錠以上飲み忘れた場合、すり抜け排卵の可能性が出てくるので、服用を中止することによって、生理を誘発し、妊娠を防ぐんですよ。」
とのメンションを頂きました。
上に引用しているツイート、
「2錠以上の飲み忘れで服用を中止すれば消退出血が来て妊娠が否定される、だからいいんだよ」と言う産婦人科医の顔を見たら真顔だったので怖かった。出血は排卵(妊娠)がなかったことの結果に過ぎないのに。排卵があれば出血は起きず妊娠一直線だったりする。21 Jun 2013 」
が理解されていないようです。
このことについて、補足しておきます。
もう一度、下の図を見て下さい。



24Hを越えると、つまり24Hより右で飲み忘れに気づいたら服用を中止せよと言うのが、
日本の産婦人科医が指導している服用法です。
たとえば、36Hで飲み忘れに気づいたとします。
「2日の飲み忘れ」(2錠の飲み忘れ)状態ですから、
服用を中止することになります。
飲み忘れがあってもすぐに排卵があるわけではありません。
排卵リスクは時間経過とともに加速度的に高くなります。
それを赤いグラフで示しています。
一定時間後、たとえば96Hまでラッキーにも排卵がなければ、
消退出血が見られます。
96Hまでに排卵があれば、黄体が形成されますので消退出血は見られません。
排卵が先か消退出血が先かの競争になるわけです。
この競争の結果は運任せです。
消退出血は排卵が幸運にもなかったことの結果に過ぎず、
消退出血があるから妊娠を防げるなどと言うことはできません。
もし飲み忘れを放置して妊娠リスクを避けることができるのなら、
どのような飲み忘れ対応も意味がないことになります。
また、飲み忘れ時の緊急避妊対応も無意味ということになり、
緊急避妊ガイドラインと整合性がとれません。
イギリスなど多くの国では24時間を越える飲み忘れが、
緊急避妊の適応になっています。


もし、飲み忘れ36時間で緊急避妊すると、
低いレベルの排卵リスクで済ますことができます。
このように排卵リスクを最小限に抑える方法を無意味と言っているのが、
日本の産婦人科医なのです。


1999年ガイドラインについては、産婦人科医の不勉強のためなのかと好意的に考えていました。
しかし、改訂後もそれを踏襲し、なおかつ問題ないと強弁し、
問題を指摘する当サイトを中傷するなどの動きから考えると、確信犯としか思えません。

以上、追記1終わり

「月経初日」の「消退出血初日」への読み換えについて(追記2/2013.11.16)

添付文書等の記載は以下のようになっています。
2日以上連続して飲み忘れた場合
その時点で飲むのを止めて、次の月経を待って新しいシートから再び飲み始めて下さい

この服用法では、避妊失敗率低減効果が全くないことは上に述べたとおりです。
服用を中止すると、排卵がなければ数日後に出血が見られます。
この出血は月経ではなく、消退出血です。
月経は概ね2週間後から3ヶ月後の範囲でやってきます。
(服用中止後の性周期の回復と同じ)
添付文書は、自然の月経の再開を待って服用を開始するように求めています。
その場合、月経初日から服用すれば、その日から避妊効果が得られます。

ところで、日本の産婦人科医は、日本のピルユーザーがわざわざ妊娠しやすくなるトンデモ服用法を考案しました。
このような服用法は、50年のピルの歴史で、どこの国のどんな医師も思いつかなかったトンデモ服用法です。
そもそもこのような服用法が取られたなら、
避妊のためにピルを使用するピルユーザーは絶滅してしまいます。
24時間を越える飲み忘れなど、ざらにあります。
そこで服用を中止すると、性周期の回復に3ヶ月かかる女性も少なくありません。
飲み忘れの度に3ヶ月間使えない避妊法など欠陥避妊法ですから、
そのような避妊法が選択されることはあり得ません。

避妊薬としてのピルの普及を抑制しながら治療薬としてのピルを普及させる政策が取られています。
同じピルでありながら、ヤーズ、ルナベル(LD,ULD)の添付文書には、
トンデモ服用法は採用されていません。
トンデモ服用法を採用すると、排卵リスクが高まり治療効果が失われてしまうからです。
トンデモ服用法は避妊効能ピルについてだけ取られていまるのです。
治療目的ピルは普及させても、避妊目的ピルは普及させない、
との意図なのでしょう。
しかし、その邪悪な政策の犠牲になるのは、
ピルに高い避妊効果を期待した女性です。
政策目的達成のために、何の罪もない女性を危険にさらすことは許されません。

トンデモ服用法を考案した日本の産婦人科医は、
トンデモ服用法にトンデモの輪をかけた服用指導をしています。
飲み忘れで服用を中止したピルユーザーに対して、
消退出血の初日からピルの服用を再開するよう指導している産婦人科医は少なく見積もっても過半数を超えます。
Yahoo知恵袋を見ると、ほとんどのピルユーザーは消退出血の初日からピルの服用を再開するよう指導されているのがわかります。
添付文書の求める「月経初日」を「消退出血初日」に読み替えているのです。
「月経初日」を「消退出血初日」と読み替えるメリットがあるとすれば、
ピルを服用しないインターバルが長くならないことです。
メリットはこの1点のみです。
この消退出血初日再開も日本の産婦人科医の発明なので、
そのデメリットを示すデータは存在しません。
しかし、その服用法は避妊失敗のリスクをさらに大きくするかもしれません。
消退出血の初日にピルの服用を再開しても、
すぐに排卵抑止力が得られるわけではありません。
たとえば、飲み忘れ4日目に消退出血が来てピルの服用を再開しても、
排卵リスクは継続しています。※
問題はピルの再開で出血が止まり子宮内膜が維持されてしまう事があることです。
ピルを再開したために子宮内膜が維持され、その状態で排卵があると、
妊娠リスクは高くなります。
消退出血初日のピル服用再開は、妊娠リスクを高めるおそれがあります。
飲み忘れ後のピルの服用開始は、1日2錠服用で排卵リスクを下げると言うのが、
セオリーになっています。
(ルナベル・ヤーズについては不十分ながらそのような形が取られています。)
世界中の産婦人科医が認めているセオリーに反して、
新しいシートの1日目1錠だけを服用する消退出血初日再開はトンデモの上塗りのように思えます。
※消退出血は月経と似ているが、性格は不正出血と同じ。
以上、追記2終わり

「添付文書に従っていない」は免罪符にならない(追記3/2013.11.16)

ピルののガイドライン改訂版は、トンデモ服用法を是認した上で、
WHOガイドラインの服用法を参照として示しています。
添付文書に従わないで、WHOガイドラインに準拠した服薬指導を行っている医師もいます。
トンデモ服用法を指導するより明らかにマシです。
しかし、その場合でも、患者に渡される服用者向け情報提供資料は、
トンデモ服用法が記載されています。
トンデモ服用法に異議を唱えない限り、どのような服用指導を行っても自己満足に過ぎません。
以上、追記3終わり

※万が一にも日本ルールが正当性を持ちうるのは、飲み忘れ錠数が多くなっても避妊失敗率は高くならないと証明された場合のみです。しかし、そのようなエビデンスは一切ありません。
緊急避妊薬のガイドラインは、飲み忘れ錠数が多くなればなるほどリスクが高くなると認めていますので、整合性がありません。

※このエントリーは「ピルを2錠以上飲み忘れたとき 」の姉妹編です。

2013年4月2日火曜日

14日ルールを知らずしてピルを語るべからず

14日ルールとは

「ピルとのつきあい方」は、13年前の開設時も今日も、
ピルの基本ルールである14日ルール、12時間ルール、7日ルールにそった説明を頑なに守っています。
14日ルールと7日ルールについては、こちらで説明しています。
まだご覧になられてない方は、是非一度ご覧下さい。


14日ルールと7日ルールを簡単に説明すると、
排卵が生じないレベルになる日が服用7日目、
服用中止しても7日間は排卵が生じないレベルになる日が14日目です。
(上の図を参照)

14日ルールと自立的ピルユーザー

当サイトが3ルールを頑なに守っているのには、
理由があります。
日本に自立的ピルユーザーを育てたい。
これが当サイトの希望です。
自立的ピルユーザーはどうすればできるのか、
考えたのです。
その答えは、まず基本、そして基本、基本、基本、でした。
ピルはとても奥が深い薬です。
それだから基本が大事だというのが答えでした。
基本の中でも基本になるのがこの3ルールです。
多くのピルユーザーが当サイトで学んでくれました。
この3基本を押さえれば、
ピルのだいたいの疑問は自分で解決できるのです。
飲み忘れで1週目2週目3週目でなぜ対応が違うのか、
生理日移動しても避妊効果が継続するのはなぜか、
など多くの応用が可能になります。
逆に言うと、この3ルールが理解できていないと、
ピルの避妊効果が得られているのか自分で分かりませんから、
いつも不安ですし自立的ピルユーザーにはなれません。
当サイトで学んだ多くのピルユーザーが、
3ルールを理解しピルを自分の物にしていった思います。

14日ルールは後進国ルール?

ところが、2人のピルユーザーだけは、
この基本を学ぼうとしませんでした。
その2人が低用量ピル普及推進委員会の法人理事長と副理事長です。
副理事長は、避妊効果はいつからかという問題について、以下のように書いています。

服用開始が月経初日からなら当日から。
それ以外なら服用開始から7日目以降。
14錠以上なんて書いてある製薬会社さんの資料や文献はありませんが昔(後進国で排卵日は14日位だからとの理由でわかりやすいと)使われた経緯を知れば、検索して「ピルとのつきあい方」が何年も昔の情報で、更新されてない管理人さんの知識・リンク先はほぼ切れてるのがわかるかと思いますけど(^^;)

医師に直接、指導してもらい、わからなければ安易に誰が作ったかわからないホームページなんかではなく少なくとも新しい情報に対応し、医師の指導を勧めてくれるサイトを探すべきです。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1158047246
 

ここでも例によって、他の避妊法を併用するとの記述を脳内変換し、
避妊効果がないに読み替えています。
その上で、独自の考えを展開しています。
実は日本ほどピルの後進国はありません。
14日ルールは後進国のバカが作ったルールと考えるのは、
身の程知らずです。
(開発途上国の指導的ドクターは欧米先進国の大学で学んだ、
優秀なドクターが少なくありません。
日本の大学の医学部ではピルでの避妊など教えませんから、
実力の差は雲泥の差があります)
他の避妊法併用を求める期間を7日ルールで7日間とするのも、
14日ルールで14日間とするのも、
どちらも一理あり古いとか新しいとか言う問題ではありません。
(副理事長氏が14日ルールについて、
「排卵日は14日位だからとの理由で」など言うのは、
例によってこじつけの独自説です。)
排卵が生じないレベルになるのが7日なので、
7日間他の避妊法というのも一理あります。
一方、飲み忘れなどのアクシデントがあっても妊娠しないレベルになるのが14日なので、
14日間他の避妊法というのも一理あります。
私はより慎重な14日ルールによる方法を推奨しました。
それだけの事なのですが、独自説に立って批判されています。

ルールなんて所詮意味ないのよ、と言いたげな・・・

副理事長が副理事長なら、理事長も理事長です。
7日ルールが絶対でないので14日ルールというこれまた独自説を展開します。

ピルは、卵巣が眠ることによって排卵が抑制され、避妊効果を発揮するのです。
卵巣が眠るのは、ピルを毎日同じ時間に服用を継続して、7日経った頃と言われています。
一般的な生理周期を基本とすると、28日周期で排卵は周期14日目に起こるとされます。
月経初日から飲んだ場合、月経周期7日目に卵巣が眠ることになりますから、
一般的には14日目に起こるとされる排卵は抑止できるので、
月経初日以降、いつ性行為があっても妊娠することはないと考えられます。
こういった経緯があるため、「月経初日から飲む」というのが一般的なピルの飲み始め方なんです。
初日に飲んだ人限定で即日効果が出る・・・というワケではないんですよね。

月経翌日でもほぼ同様に考えられるので避妊できると考えられますが、
じゃあ3日目4日目は?と数えていくと、だんだんグレーゾーンが出てきます。
それに加え、人によってもともとの周期も違いますから、
もしかしたら12日目に排卵する事もあるかもしれませんし、周期18日目頃の人もいるかもしれません。

例えば周期6日目から飲んだ場合、7日後というと月経周期は13日目にあたります。
排卵は14日目だから排卵抑制が間に合う!と計算上はいえるかもしれませんが、
絶対がなく、計算外の事が起きるのが人間の体!
排卵が一般論の14日目ではなく、13日目12日目に起こる可能性、
卵巣が眠るのは7日後と書きましたが8日かかる人もいるかもしれない可能性、
生理周期が長く、20日くらいが排卵の人だったら排卵抑制できている可能性。。。
「確実な避妊」という意味では、「一般的に考えればたぶん大丈夫」では頼りないですネ。
でも、これを追究してしまうとキリがないわけです。
ココは推測ですが、マニュアル化するとしたら「初日から飲む」としてしまうのが
最もシンプルなので、初日から飲んで避妊しましょう、としたのではないかと思います。
コミュやOC普及推進事業団では、避妊効果について「初日」という基準ではなく
2006年頃知った、アメリカの「クイックスタート」という方式から
「月経初日から何日かたってから飲み始めても大丈夫」ということも言っています。
もちろん「飲み始め7日間は避妊効果は期待せず他の避妊法を併用するか、セックスを控えてね」
という注意を添えたうえでですが。
「初日から飲む」と限定してしまうと、
生理が終わったばかりの人が次の生理までに妊娠してしまう可能性がある人とか、
生理痛や月経困難症の人が1周期でも早くラクになりたい人には、
次の生理を待つ期間はリスキーということになります。
きちんと受診して、医師の指導を確認してから飲むのが一番安全ではありますが、
★ボブ嬢★さんの生理が、もう1週間以内には来る予定であれば待って初日から飲めばいいですし、
だいぶ先のようであれば、今日からでも飲み始めてしまっていいと思いますよ。 http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=29021554&comm_id=29074
 

副理事長説よりは少しはまともなように見えますが、
オギノ学説をベースにピルを説明する珍説ぶりは副理事長と同じです。
「可能性」が繰り返し強調され、7日ルールは絶対でないとして、
7日ルール懐疑論まで展開する勢いです。
オギノ式ベースのピルの説明は、低用量ピル普及推進委員会の独自理論ですが、
もし仮にその説明が妥当だとしても初めてピルを服用する場合の説明にしかなりません。
デイワンスタートやクイックスタートについてのコメントは割愛しますが、
事実に即して考える科学の方法ではなく、
ニセ科学に共通な思弁的方法が取られている事に注意したいと思います。

基礎知識の大切さ

低用量ピル普及推進委員会の大先生2人の発言を見ました。
3つのルールはピルの50年の歴史の中で編み出されてきたルールです。
ピルの超後進国である日本にはこのルールがありませんでした。
だから、私はこの3ルールを紹介しようとしたのです。
ところが、この2人は日本にないとして3ルールを拒否します。
彼らの12時間ルールについてとんちんかんな発言は、
12時間ルールの背景で説明しています。
低用量ピル普及推進委員会は、ピルユーザーが自立しないようにするのを目標としているように見受けられます。
あんちょこに「ハウツーだけ教えます」がヤフー知恵袋の活動ですし、
「困ったことがあれば自分で考えるな、ドクターと相談しろ」がモットーです。
低用量ピル普及推進委員会の法人理事長と副理事長が、
14日ルールを後進国のルールだなどと言ってしらばくれていたのも当然のことのように思えます。
学校で習うのは、国会や内閣や元素や分子など基本的な事柄です。
学校で習う基礎知識があるから、現代のニュースや科学についていくことができます。
「ピルとのつきあい方」はただ新しい物を良しとする立場ではありません。
基礎を重視する編集になっています。
「(当サイト管理人の)知識・・・はほぼ切れてるのがわかる」とのことですが、
小学校でも中学校でも高校でも、教科書の内容は数十年単位ならそれほど変わるものではありません。

不勉強医師発見機

日本のピル情報の現状を嘆いてか、
人の悪いわが家族計画協会クリニックは不勉強医師発見機を仕掛けています。
以下は家族計画協会クリニックのサイトにある飲み忘れ対策チャートです。
http://archive.is/7vgaf
3日飲み忘れ第3週を見て下さい。
「再開後7日間は避妊効果なし!」となっています。
第3週の飲み忘れは、14日ルールで7日間服用がなくても排卵はありません。
だから、日本以外のどのような文献でも、3週目の飲み忘れに対してはバックアップを求めていません。
もしこのケースでバックアップが必要なら、
ピルユーザーが生理を早める調整を行うと避妊効果がなくなる事になってしまいます。
このチャートは日本以外の国だったら、即刻訂正ものです。
ところが、年末年始の頃、このチャートを紹介する産婦人科医のツイートやリツイートが大流行していました。
まるで、家族計画協会クリニックと産婦人科医が虚構新聞のネタを提供しているようでした。
http://twilog.org/ruriko_pillton/date-130103
虚構新聞ごっこは、医師の遊びとしては余り良い趣味とは言えません。

思い上がりはこの国のピルの環境をよくしない

日本はピルの歴史も浅いので、不十分な情報が出回る事もある意味仕方がありません。
40年の遅れを取り戻していきたいというのが私の考えです。
日本はピルの、ピル情報の先進国では決してありません。
そのことを自覚すべきであって、
思い上がりはこの国のピルの環境をよくしていく事に少しも役立ちません。

2013年3月31日日曜日

ピルを2錠以上飲み忘れたとき

前書き(2013.10.26追加)
この記事は「ピルとのつきあい方」のピルを飲み忘れた時の対処法記述について、
その背景を書いたものです。
詳しい服用法は「ピルとのつきあい方」でご覧下さい。
ピルの飲み忘れがあると、排卵リスクが高まります。
それを模式的に示したものが上の図です。
12時間以内の飲み忘れは誤差として無視してかまいません(参照12時間ルール)。
12時間を越える飲み忘れについては排卵リスクが生じ、
2錠、3錠・・・と飲み忘れ錠剤数が多くなるほどリスクが高くなります。
上の図はそれを模式的に示しています。
2錠以上の飲み忘れ(図では24Hより右)では、時間経過とともにリスクが上昇します。
このリスクにどのように対応するかが、ピルユーザーの避妊失敗を少なくする上で重要です。
現在、日本以外の諸外国では副作用の少ない緊急避妊薬がドラッグストアで店頭販売されており、価格も低価格です。
このような状況を反映して、2錠以上の飲み忘れには緊急避妊で対応する方法が主流となっています。
図に①で示したのはイギリスの緊急避妊ガイドラインですが、
緊急避妊の適応を2錠以上の飲み忘れとしています(参照日本の実情を無視したガイドライン)。
日本では緊急避妊薬の入手には病院での処方が必要ですしその価格も高価格です。
病院で処方を受けるまでの時間がかかればかかるほど、リスクは大きくなります。
そこで「ピルとのつきあい方」では、
飲み忘れたピルを使用して排卵リスクを低く抑える方法を紹介しています。
ところが、日本のピルのガイドライン・添付文書・服用者向け情報提供資料は全て、
24時間を越える飲み忘れでは服用を中止するように求めています。
服用を中止すれば、排卵リスクが時間とともに増大することは上の図からも明らかです。
これは明らかにトンデモ服用法です。
この服用法に従ってはいけません。
公的文書がトンデモ服用法なので、病院サイトなどの説明もほとんどがトンデモ服用法です。
そのことに目を付けたNPOグループが、「ピルとのつきあい方」攻撃のためにトンデモ服用法を利用しています。
彼らの無責任な言説に耳を貸さないで下さい。

なお、日本の緊急避妊ガイドラインは3錠以上の飲み忘れを緊急避妊の適応としています(図の②のライン)。
ピルの添付文書との整合性もない思いつき(実は政治的判断)なので、
ピルユーザーに緊急避妊が必要なケースについて情報提供されることは全くといってよいほどありません。
以上、前書きです。

ピルユーザーには必ず飲み忘れがあります。
この飲み忘れに際して、ピルユーザーにわざわざ妊娠しやすくなる方法を推奨してきたのが、
低用量ピル普及推進委員会なるグループです。
ピルユーザーを妊娠させるTWに注意
このグループに偉そうな事を言う資格はないと考えますが、
以下のような当サイト批判?を行っています。

某サイトでは
 12時間以上ならアウト
 24時間までの飲み忘れなら1日の飲み忘れの対処

2日になったら完全アウトと言いながら
 2錠服用→朝1錠(21錠目)/定時に1錠
 ・・・朝の服用の意味はわからない。

私のバイブルである低用量ピル適正使用マニュアルには
1週目の2日の飲み忘れの対処に関しては、
気がついたら2錠/翌日にも2錠を服用する方法も記載あり。
http://archive.is/fILxS

これについてコメントしておく事とします。

マナーの(法的な)問題

出所を明示せずに某サイトなど書くのは、著作権法違反です。
さらに、勝手な改変をしているのも著作者人格権の侵害です。
「1日の飲み忘れ」では不明確になるので、
当サイトは「1錠の飲み忘れ」のような表記法を採用してきました。
このグループは、このような著作権法違反を常習的に繰り返しています。

まともな批判になっている点について
1.朝夕(定時)の意味

①【気づいたときに2錠、翌日定時2錠】と
②【気づいたときに2錠、翌日朝夕(定時)各1錠】は、
基本的に同じ服用法です。
気づいたときに2錠のパターンは、
A 定時朝 気づいたのは定時より後の朝
B 定時朝 気づいたのは定時より後の夜
C 定時夜 気づいたのは朝
D 定時夜 気づいたのは定時より後の夜
のようなパターンがあります。
①の服用法でCの場合、1回目の2錠と2回目の2錠の間隔が開きすぎてしまう。
①の服用法でBの場合、1回目の2錠と2回目の2錠の間隔が短すぎて不正出血が起きやすい。
このような①の服用法の問題点を改善したのが、②の服用法です。
当サイト、②の服用法批判はためにする批判に思われます。

2.第2週への適用
2錠+2錠の服用法はミニ緊急避妊の考えで、排卵のリスクを応急的に回避するものです。
2錠以上の飲み忘れで排卵リスクが最も高いのは第1週なので、
第1週の飲み忘れ対応としては「低用量ピル適正使用マニュアル」と同じです。
第2週の2錠以上の飲み忘れで排卵リスクがほとんどないなら、
2錠+2錠の服用法を取る必要はない事になりますが、
実際は排卵リスクがあるので2錠+2錠の服用法を不可とする理由にはなりません。
2錠以上の飲み忘れには3錠4錠5錠・・・の飲み忘れもあります。
それに対して、2錠+2錠の服用法は非常に有効です。

欧米でピルは半年分または1年分まとめて処方されるのが普通なので、
ピルユーザーの手元に未使用のシートがいつでもある状態です。
一方、日本ではピルユーザーが未使用のシートを持たないケースも多くあります。
このような事情を勘案すると、すぐに新シートへの移行をアドバイスするのは、
現実的でないと考えます。

3.応急性

ピルユーザーの多くは飲み忘れに気づいたとき、とっさの対応を思い出せません。
服用を中止してしまうのが最悪です。
「2週までの2錠以上の飲み忘れなら、まず取り敢えず2錠服用する。」
この対応は開発途上国などの一部の女性にはとても難しい事でした。
(WHOガイドライン改訂2版の背景)
日本の女性なら全然問題ないでしょう。
この対応を取ってからゆっくり考えたり相談してよいのです。
ある場合には緊急避妊が必要なケースもあります。
その場合でもこの応急対応はプラスに作用します。

4.つけたし

低用量ピル普及推進委員会なるグループは当サイトの揚げ足取りに熱心ですが、
まずしっかり勉強して、それからピルユーザーのための活動をすべきです。
2錠服用を忘れたら服用中止などというトンデモ服用法のトンデモさが理解できないのでしょうか。
それとも、ピルユーザーが避妊に失敗してもへっちゃらなのでしょうか。
顔を病院へ製薬会社に向けるのを止めて、しっかりピルユーザーの方を向くようにしてほしいものです。

参照 図説 ピルの飲み忘れ


本稿の姉妹編 産婦人科医の犯罪的怠慢

2013年3月23日土曜日

増え続ける?ピルの避妊失敗率

「ピルの避妊失敗率は0.1%」と言うけれど・・・

病院サイトではこのような記述をよく見かけます。
その根拠になっているのが日本のガイドラインや添付文書です。
当サイトは避妊法評価の世界的な標準となっているTrussell J. Contraceptive Efficacy.のパールインデックスを紹介しています。
Contraceptive Efficacyの最新版は、現在第20版となっています。
第16版から第20版までの各版でピルの避妊効果評価は異なります。
以下にまとめてみました。


理想的な使用の評価はPI0.1からPI0.3でほとんど変わっていませんが、
一般的な使用の評価は下がり続けています(失敗率は上昇)。
第16版ではPI 3.0であったものが、現在ではPI 9.0にまでなっています。
ちなみに、コンドームの理想的使用ではPI 2.0です。
コンドームをきちんと使用すれば、
ピルを漫然と服用するよりはるかに避妊効果が高いという数字です。
ピルはかつてのように避妊効果抜群とは言えなくなっているのです。

ピルの避妊効果低下の背景

おおざっぱに言うと理想的使用のPIは避妊法要因で、
一般的な使用のPIは使用者要因です。(PIについての説明参照)
一般的な使用のPIは使用者要因ですので、国によっても異なってきます。



アメリカではこの十数年の間、
ピルユーザーの服用規律が低下しPI 3.0からPI 9.0になったといえるでしょう。
他の要因があるにしても、ピルユーザーの服用規律低下の要因が関係していることは確かでしょう。
ピルは他の避妊法と異なり、
避妊効果が得られている状態か否かを頭で判断する/頭で判断できる避妊法です。
ピルについての一定の知識がなければ、この判断ができませんので失敗が多くなります。
ブッシュ政権下のアメリカでは禁欲教育政策が取られましたが、
これは長期的に見るとピルの避妊失敗率を上昇させる要因になるかもしれません。
2004年にWHOは、ピル服用についてのガイドラインを改定しました(Selected practice recommendations for contraceptive use,Second edition)。
この新ルールについてはDiana Mansourらによって、先進国女性の避妊需要に適さないとの批判がなされてきました。
新ルールとピルの避妊失敗率の上昇の関係は明らかでありませんが、無関係とも言い切れません。

日本のピルユーザーの状況

性についての知識が乏しければ、ピルについての理解度は低くなります。
ピルについての理解度が低ければ、
失敗率は高くなりますし長続きしません。
これはアメリカのピルユーザーと西欧のピルユーザーの違いとして、
しばしば指摘されてきたことです。
日本の性教育はお世辞にも十分とは言えません。
日本女性の性についての知識はかなり乏しいと言えるでしょう。
この日本にピルを定着させるには、
ピルの知識を持つピルユーザーを育てていく必要があります。
この問題が課題として意識されない限り、
日本にピルが定着することはありません。
換言すると、医師がピルユーザーを管理しようとすればするほど、
ピルユーザーは遠のいてしまうのです。
日本の飲み忘れ対応は、問題外なのでここでは書きません。
日本の女性の几帳面さがなければ、
日本のピルユーザーの避妊失敗率は世界最悪レベルになるかもしれません。
「ピルとのつきあい方」がピルユーザーに慎重な対応を奨めている理由です。

2013年1月28日月曜日

【拡散希望】ピルユーザーを妊娠させるTWに注意。説明→

ピルユーザーが妊娠してしまう悲劇を減らすためにご協力願います。
ピルユーザーを妊娠させるTWに注意の説明
①ピルは飲み忘れがあると避妊に失敗します(年率9%)。
②飲み忘れ前の服用錠数が少ないほど妊娠リスクは高くなります。
飲み忘れ錠数が多いほど妊娠リスクは高くなります。
④飲み忘れ前の服用常数が少なく(1週目)飲み忘れ錠数が多いとき(3錠以上)は、
緊急避妊が必要です(「緊急避妊適正使用指針」)。
⑤2錠の飲み忘れで服用を中止すると、翌日には3錠の飲み忘れと同じになり、
翌々日には4錠の飲み忘れと同じになり、
飲み忘れ錠数が多い状態になり妊娠リスクが高まります。
⑥妊娠リスクを高めないためには、服用を中止してはいけません(3週を除く)。
⑦ツイッターアカウント@OC_Pillから流される服用中止を促すtwを信じないで下さい。

「ピルの飲み忘れ。2日以上過ぎてしまったら、いったん中止しましょう。一度に3錠飲むのは意味がありません。」
⑧ツイート元のサイトは危険な服用法を推奨した前科がありますが、
現在は「ユーザーに有利な情報をお知らせしています」として危険情報を更新済みです。
⑨ツイート元のアカウントは前科があるのにtwitterでは危険な情報を確信犯的に流しています。
⑩同グルーブにより危険な服用法が推奨される背景については、
ピルは避妊薬でなかったのか」を参照。

2013年1月27日日曜日

上品になんか、やっておれない!怒り怒り怒り

このブログ、格調高くとはいかなくても、 穏やかに語るブログにするつもりだったのだが、
早々に気が変わってしまった。
ピルは毎日決まった時間に服用する薬だ。
実際に服用してみると、 定時に服用することは想像以上にむつかしい。
誰でも必ず飲み忘れはある。
飲み忘れなどがなければ1年間あたりの妊娠指数PIは0.3と低いのだが、
実際の服用のPIは9にもなる。
下手に服用すればコンドームをきちんと使うよりも妊娠リスクは高いのだ。
いかに失敗を少なくするかは、 飲み忘れを少なくすることと効果的な飲み忘れ対応をすることにかかっている。
「ピルとのつきあい方」は最も慎重な飲み忘れ対応を紹介してきた。
飲み忘れが年に2度くらいまでなら、
慎重すぎるくらい慎重な対応でも別に不都合はない。
コンドームの避妊では不安だという女性がピルユーザーとなった。
だから、当サイトの慎重な服用法がピルユーザーに支持されたのだ。
ところが、これを苦々しく思うグループが2004年9月に生まれた。
現在はNPO法人OC普及推進事業団となっている。
このグループは当サイトを敵視し続け、 長年にわたり当サイトを中傷する言説を振りまいてきた。
言論は自由ではあるが、 ピルユーザーの避妊を失敗させる言説だけはどうしても許せない。
このグループの悪質さは、 当サイトの批判とトンデモ服用法の推奨がセットな点だ。
当サイトでは名指しで中傷されてきたので、 名指しで反論させていただいた。
この反論以後、NPOはトンデモ服用法を改変し、
当サイトへの名指しの中傷もしなくなった。

しかし、だ。

今年になって、NPOのツイッターアカウントが、
またまたトンデモ服用法の推奨と名指しではないが当サイトへの中傷を始めたのだ。

以前の「24時間」を「2日」としているが、内容的には同じだ。
ピルユーザーの飲み忘れによる避妊失敗は、 飲み忘れ以前に服用した錠数が少ないほどリスクが高く、 飲み忘れ日数が多いほどリスクが高い。
だから、緊急避妊のガイドラインは、 最もリスクの高い1週目の飲み忘れで3錠以上の飲み忘れの場合は緊急避妊が必要としている。
このNPOは2日(2錠)飲み忘れたら服用を中止せよと言う。
服用を中止すると、次の日には3錠の飲み忘れ状態になり、
その次の日には4錠の飲み忘れ状態となる。
妊娠リスクをわざわざ高くするトンデモ服用法なのだ。
こういうトンデモ服用法を垂れ流しながら、
「ネットは便利ですが、その情報は玉石混合。 身元不明な個人のサイトや情報源を併記していない情報は鵜呑みにしないよう注意しましょう。 #loc」
と当サイトを揶揄することも忘れない。
このNPOは「OC普及推進事業団」と名乗っているが、
その言説はコンドームを併用しない避妊ピルユーザーを撲滅し、
治療薬としてのピルの普及を図ろうとするもののように思える。
ピルユーザーが避妊に失敗し妊娠するよう誘導しているとしか言いようがない。
これを怒らずにはいられない。