カナダでは、ピルの一種ダイアンの副作用に注目が集まっています。こちら英語) きっかけはフランス医薬安全庁の決定です。 ダイアンの服用者では血栓症リスクが高くなるとして、 販売差し止めを決めたのです。 ダイアンはニキビの治療薬ですが、 避妊薬としても広く代用されていました。
FDAの卓見
アメリカでは多くの種類のピルが認可されています。 こちらのページにリストがありますが、100種類を越えているでしょう。 これほど多くのピルが認可されているアメリカですが、 ダイアンは認可しませんでした。 当サイト旧版の執筆時でダイアンは70カ国ほどで認可されていたと思います。 現在は世界135カ国で認可されています。 FDAがダイアンの認可を渋っていることを知っていましたので、 以下のように書きました。
「ある国で「きれいになる」をうたい文句にしたピルを見つけました。 ヨーロッパの某大手メーカーの製品です。 成分を見ると、エストロゲン(卵胞ホルモン)と抗男性ホルモン剤でできていて、 プロゲストーゲン(黄体ホルモン)は含んでいません。 原理的には「なるほどなぁ」と思いました。 しかし、使われている抗男性ホルモン剤は微量でしたが、 気になって飲むのはやめました。 その抗男性ホルモン剤は、性転換した「元男性」などが使用する薬剤で、 アメリカなど多くの国で未承認の薬です。」
アメリカFDAは頑としてサリドマイドを認可しなかった実績がありますが、 今回もまたその卓見が証明されました。
ダイアンの余波
フランス医薬安全庁の決定が各国に波及するのは必至です。 注目はダイアンの販売差し止めの影響が、 第3第4世代ピルに波及するかどうかです。 日本では、マーベロン・ファボワール・ヤーズ・ディナゲストが第3第4世代ピルです。 フランスでダイアンはニキビ治療薬として認可されているものです。 必須薬とはいえないので、 販売差し止めの決定がなされやすかったという事情もあるでしょう。 しかし、ダイアンで血栓症の副作用が出るのは、 第3第4世代ピルで血栓症リスクが高めになるのと同じ理由でしょう。(アンドロゲンの防御壁仮説参照) 第3第4世代ピルの血栓症リスク問題が、 再び脚光を浴びる可能性があります。
冷静な対応が必要
科学的研究は客観的事実としてデータを示します。 ただそれだけです。 しかし、世の中にはデータを政治的に利用しようとする人がいます。 かつてピルの認可に反対するグループは、 血栓症リスクのデータを認可反対のために利用しようとしました。 現在、ピルユーザーにコンドームを使用させたい人々は、 ピルユーザーの子宮頸がんリスクが高いと強弁しています。参照 いずれもデータを政治的に利用しようとするものです。 科学は一定の条件下で生じる事実を示すものです。 政治的意図によるデータの弄びに翻弄されることなく、 冷静に対応することが重要だと思います。 参照血栓症の頻度
追記① 第3第4世代ピル問題は、ピル問題とイコールです。 第1第2世代ピルでも血栓症リスクは非服用者と較べて高くなります。 ダイアンショックが起きれば第3第4世代ピル問題に波及し、 さらにピル全体の副作用不安を煽ることになります。 データの数値が少しでも高ければ「高い、高い」と宣伝できますが、 その「高さ」がどのような条件でどの程度高く、どの程度の意味を持つものなのか冷静に考えたいものです。
追記② 子宮頸がんリスクについてはこちら。 10万人につき11.19人の罹患がピルユーザーでは15.48人に。
しかも、統計的有意差はない。
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2013年2月1日金曜日
2013年1月30日水曜日
減少に転じた?ピル普及率
ばらつきが大きすぎるピル普及率データ
オーキッドクラブが20~30代の女性400名に行った調査では、ピルの普及率は5.5%</a>でした。
首都圏の男女1000人を対象とした「SOD Sex survey 2012」では、ピルの普及率は8%でした。
おそらく、サンプルの偏りのために高めの数値になっていると思います。
「第6回男女の生活と意識に関する調査」は、16~49歳の男女3,000人を対象としたもので規模も大きくもっとも信頼できる調査ですが、直近のピル普及率は1.9%となっています。(ネット上に未公表/一部結果)
「男女の生活と意識に関する調査」は2002年から2012年まで偶数年に6回の調査が行われました。
各回調査のピル普及率は以下の通りです。
①1.6
②1.9
③1.8
④3.0
⑤2.3
⑥1.9
2012年調査では2004年第②回調査のレベルまで普及率が後退しています。
ピルの普及が伸び悩んでいるとの実感と符合する結果です。
岩盤の70%
これまで6回の「男女の生活と意識に関する調査」で注目しているのは、
ピルを「使いたくない」と回答する女性が一貫して70%強存在することです。
この70%強の女性について、
いわゆる「ピル推進派」は無知で偏見を持った70%と考えているように見えます。
だから、「正しい知識」を啓発することに熱心になります。
しかし、10年間啓発活動を続けても70%はびくともしません。
なぜでしょう。
「無知で偏見を持った70%」という認識自体が間違っているのではないかと私は考えます。
70%の女性と30%の女性では、
70%の女性の方がピルについての知識は乏しいでしょう。
しかし、ピルを普及すると活動しているNPOのメンバーがトンデモ情報を連発しているのを見ればわかるように、
両者の知識差は決定的なものではありません。
ピルについての知識差が70%の女性と30%の女性の区別になっているとは思えないのです。
「無知で偏見を持った70%」が微動だにしないのは、
実は彼女たちの方が主体的選択をしている女性だからだと考えます。
彼女たちの特徴は直観的な冷めた判断です。
これを別の言い方で言うと、
宣伝臭にはとても敏感であるとともに、
自らの体験に基づいて判断しようとします。
いくつか例えを上げてみましょう。
例1
「ピルの避妊効果はほぼ100%です。
コンドームの避妊は失敗が多いので、
避妊具と言うよりSTD予防具です。」
このような言説に対する反応は、
「これまでコンドームで別に不都合はなかったし、
ピルだって飲み忘れとかで妊娠すると聞いているのに、
良いことばかり言っているみたい。」
例2
「ピルを飲むと生理は軽くなるし、
卵巣がんや子宮体がんを予防する効果もあります」
このような言説に対する反応は、
「薬だから良い点もあるかもしれないけど、
良い点だけ言われても。
副作用だってあるかもしれないから、
ひとまずはパスしとこう。」
例3
「ピルで乳癌リスクが高くなることはありませんし、
ピルで肥るというのは神話です。」
このような言説に対する反応は、
「以前はピルで乳癌リスクが高くなると言っていたはずなのに、
今になってそんなこと言われてもなぁ。
それに医師の中でも意見が分かれているみたいだし。
ネットにはピルで肥ったとか痩せにくくなるとか言う話がたくさんあるのはなぜなんだろう?」
以上3つの例を挙げましたが、
70%の女性は「無知で偏見を持った70%」ではなく、
主体的に判断しようとする女性なのです。
避妊、避妊、そして避妊
「ピルで血栓症リスクが高まる!」
「ピルを服用すると肥る!」
「ピルは乳癌になりやすくする!」
ピルの歴史はこのようなネガティブ情報の波を跳ね返してきた歴史です。
このネガティブ情報を跳ね返してきた力は、
ただ一つです。
<strong>「確実な避妊をしたい!」</strong>でした。
「ピルで血栓症リスクが高まるってどの程度? だったら、私は確実な避妊をしたい!」
「ピルを服用すると肥るってどの程度? だったら、私は確実な避妊をしたい!」
「ピルは乳癌になりやすくするってどの程度? だったら、私は確実な避妊をしたい!」
ピルの服用を選択する女性の主体的判断に、
誰も口を挟むことはできませんでした。
「確実な避妊をしたい」との切実な思いに対して、
しっかり応えようとしてきたのがピルの歴史です。
1970年代の日本でピルが爆発的に普及したと書きました。こちら
青森県のある地方ではピルが驚くほど普及し定着しています。
卵巣がんが減少すると訴えたからではありません。
「確実な避妊をしよう!」という訴えと「確実な避妊をしたい!」という思いが重なったからです。
これはどこの国でも同じ事なので、
ピルが副効果のために普及した国はないと書いてきました。
日本のピルの13年間は、「確実な避妊をしたい!」との思いを持つ女性に訴えるものではありませんでした。
13年間妊娠リスクを高める服用法を放置してきました。
日本のピルの普及が低迷するのは、
ある意味当然のことのように思えます。
オーキッドクラブが20~30代の女性400名に行った調査では、ピルの普及率は5.5%</a>でした。
首都圏の男女1000人を対象とした「SOD Sex survey 2012」では、ピルの普及率は8%でした。
おそらく、サンプルの偏りのために高めの数値になっていると思います。
「第6回男女の生活と意識に関する調査」は、16~49歳の男女3,000人を対象としたもので規模も大きくもっとも信頼できる調査ですが、直近のピル普及率は1.9%となっています。(ネット上に未公表/一部結果)
「男女の生活と意識に関する調査」は2002年から2012年まで偶数年に6回の調査が行われました。
各回調査のピル普及率は以下の通りです。
①1.6
②1.9
③1.8
④3.0
⑤2.3
⑥1.9
ピルの普及が伸び悩んでいるとの実感と符合する結果です。
岩盤の70%
これまで6回の「男女の生活と意識に関する調査」で注目しているのは、
ピルを「使いたくない」と回答する女性が一貫して70%強存在することです。
この70%強の女性について、
いわゆる「ピル推進派」は無知で偏見を持った70%と考えているように見えます。
だから、「正しい知識」を啓発することに熱心になります。
しかし、10年間啓発活動を続けても70%はびくともしません。
なぜでしょう。
「無知で偏見を持った70%」という認識自体が間違っているのではないかと私は考えます。
70%の女性と30%の女性では、
70%の女性の方がピルについての知識は乏しいでしょう。
しかし、ピルを普及すると活動しているNPOのメンバーがトンデモ情報を連発しているのを見ればわかるように、
両者の知識差は決定的なものではありません。
ピルについての知識差が70%の女性と30%の女性の区別になっているとは思えないのです。
「無知で偏見を持った70%」が微動だにしないのは、
実は彼女たちの方が主体的選択をしている女性だからだと考えます。
彼女たちの特徴は直観的な冷めた判断です。
これを別の言い方で言うと、
宣伝臭にはとても敏感であるとともに、
自らの体験に基づいて判断しようとします。
いくつか例えを上げてみましょう。
例1
「ピルの避妊効果はほぼ100%です。
コンドームの避妊は失敗が多いので、
避妊具と言うよりSTD予防具です。」
このような言説に対する反応は、
「これまでコンドームで別に不都合はなかったし、
ピルだって飲み忘れとかで妊娠すると聞いているのに、
良いことばかり言っているみたい。」
例2
「ピルを飲むと生理は軽くなるし、
卵巣がんや子宮体がんを予防する効果もあります」
このような言説に対する反応は、
「薬だから良い点もあるかもしれないけど、
良い点だけ言われても。
副作用だってあるかもしれないから、
ひとまずはパスしとこう。」
例3
「ピルで乳癌リスクが高くなることはありませんし、
ピルで肥るというのは神話です。」
このような言説に対する反応は、
「以前はピルで乳癌リスクが高くなると言っていたはずなのに、
今になってそんなこと言われてもなぁ。
それに医師の中でも意見が分かれているみたいだし。
ネットにはピルで肥ったとか痩せにくくなるとか言う話がたくさんあるのはなぜなんだろう?」
以上3つの例を挙げましたが、
70%の女性は「無知で偏見を持った70%」ではなく、
主体的に判断しようとする女性なのです。
避妊、避妊、そして避妊
「ピルで血栓症リスクが高まる!」
「ピルを服用すると肥る!」
「ピルは乳癌になりやすくする!」
ピルの歴史はこのようなネガティブ情報の波を跳ね返してきた歴史です。
このネガティブ情報を跳ね返してきた力は、
ただ一つです。
<strong>「確実な避妊をしたい!」</strong>でした。
「ピルで血栓症リスクが高まるってどの程度? だったら、私は確実な避妊をしたい!」
「ピルを服用すると肥るってどの程度? だったら、私は確実な避妊をしたい!」
「ピルは乳癌になりやすくするってどの程度? だったら、私は確実な避妊をしたい!」
ピルの服用を選択する女性の主体的判断に、
誰も口を挟むことはできませんでした。
「確実な避妊をしたい」との切実な思いに対して、
しっかり応えようとしてきたのがピルの歴史です。
1970年代の日本でピルが爆発的に普及したと書きました。こちら
青森県のある地方ではピルが驚くほど普及し定着しています。
卵巣がんが減少すると訴えたからではありません。
「確実な避妊をしよう!」という訴えと「確実な避妊をしたい!」という思いが重なったからです。
これはどこの国でも同じ事なので、
ピルが副効果のために普及した国はないと書いてきました。
日本のピルの13年間は、「確実な避妊をしたい!」との思いを持つ女性に訴えるものではありませんでした。
13年間妊娠リスクを高める服用法を放置してきました。
日本のピルの普及が低迷するのは、
ある意味当然のことのように思えます。
この13年間の日本のピル。結局、中用量ピルが低用量ピルに置き換わっただけなんだよな。
— ピルとのつきあい方(公式)さん (@ruriko_pillton) 2013年3月31日
大学入学者は女性がんリスクが高くなるかもしれないという話
最初に断っておきますが、大学に入学したとしても乳がんや子宮頸がんのリスクが高まるわけではありません。
そんなことは当たり前のことなので、
誰も調査しませんし調査もありません。
しかし、実際に調査してみると、
大学に入学すると女性がんリスクが高まるという結果が出ないとは限らないのです。
例えば、大学入学経験者と非経験者の乳がんリスクについて調べたとします。
すると、大学入学経験者と非経験者の乳がんリスクに差がないことがわかるでしょう。
しかし、大学入学経験者の20年経過時点の乳がんリスクを調べると、
大学入学経験者の乳がんリスクが高くなるかもしれません。
ええっ!!と思われるでしょうが、
そのような結果が出ないとは限らないのです。
なぜかというと、大学入学経験者の20年経過時点というのは、
38歳前後に集中しています。
もし38歳前後が乳がんの好発年齢だとすると、
大学入学経験者は20年経過時点で乳がんリスクが高くなるように見えます。
以上は、ざっくりした例えですが、
そのような視点でピルと発がんリスクの関係を見てみましょう。
以下は、ピルと乳がんの関係について説明したページです。
まず表の見方を説明しましょう。
死亡を例に取ると、
「相対リスク(95%CI) 」が0.90(0.74-1.08)となっています。
ピルユーザーと非ユーザーのリスクが同じであれば、
1.0ですが0.90となっているので、
ピルユーザーの方が死亡リスクが低いというデータです。
しかし、カッコの中を見ると(0.74-1.08)となっています。
数値が1.00を挟んでいます。
1.00を挟む場合には統計的に有意とはいいきれないことになります。
これが表の見方です。
統計的に有意なデータは太字で示しています。
ピルユーザーと非ユーザーを較べると、
乳がんリスクに差は見られません。
しかし、ピル服用経過が15-20年の女性だけに限ってみると、
2.45倍乳がんリスクが高くなります。
逆に20年以上経過するとピルユーザーの乳がんリスクは半分程度に低下します。
このような奇妙な結果になるのは、
ピルユーザーの服用開始年齢が一定年齢に集中しているからではないかと想像しています。
ピルの服用開始年齢は似通っているので、
ピル服用経過年数は年齢層と重なっている可能性があります。
ピルユーザーは、ピル服用経過15-20年で乳がんリスクが高くなるのではなく、
ピル服用経過15-20年で乳がん好発年齢に達しているのではないかとの想像です。
このように想像すると、大学入学経験者の入学20年経過後の乳がんリスクは高い、
などと言うデータが得られるかもしれません。
なお、日本乳癌学会は一貫してピルが乳癌リスクを高めるとの見解を表明しています。
それを受けて、
「このガイドラインがある以上は、正統派の乳腺診療を行う医師はピルを安易にピルの使用を認める事はありません」
(ベルーガクリニック)となるのですが・・・。
ピルと乳癌の関係については、肯定否定両論があります。
意地悪い見方をすると、業界のバイアスが関係しているようにも思えます。
それはさておき、次ぎに子宮頸がんリスクについて見てみましょう。
子宮頸がんリスクについての説明ページはこちらです。
まず、子宮頸がんリスクの表をご覧下さい。
乳癌リスクの表と非常に似たパターンなのがわかります。
つまり、死亡や罹患で見ると有意な差はないのに、
経過年数でグルーピングすると有意な差が生じています。
これも上の乳癌リスクについての説明で述べた年齢グルーピング効果が関係しているように思えます。
しかし、乳癌リスクとの違いも見られます。
子宮頸がんリスクでは統計的に有意でなくても、
有意に近い95%CIで相対リスクが高くなっています。
この点について考えてみましょう。
表ではピルユーザーと非ピルユーザーの相対リスクを較べているのですが、
非ピルユーザーの中には異性間性行為のない人も含まれます。
このことがピルユーザーの子宮頸がんリスクを高めに見せているように思えます。
もし、コンドームユーザーと非コンドームユーザーを較べてみても、
同じような傾向が現れるかもしれません。
ピルユーザーにコンドーム使用を強力に推奨する文脈の中で、
ピルユーザーの子宮頸がんリスクが高くなるとの言説が横行しています。
コンドームの使用で子宮頸がんリスクが低下するとのデータは見たことがありませんが、
もし最大限の予防効果があるとしても10万人中15.48人の罹患が11.19人に低下する程度です。
コンドームで子宮頸がんリスクを予防できるかのような幻想を振りまくよりも、
HPV予防ワクチンや定期検診の普及に取り組んだ方が現実的であるか、と思うのですがいかがでしょうか。
そんなことは当たり前のことなので、
誰も調査しませんし調査もありません。
しかし、実際に調査してみると、
大学に入学すると女性がんリスクが高まるという結果が出ないとは限らないのです。
例えば、大学入学経験者と非経験者の乳がんリスクについて調べたとします。
すると、大学入学経験者と非経験者の乳がんリスクに差がないことがわかるでしょう。
しかし、大学入学経験者の20年経過時点の乳がんリスクを調べると、
大学入学経験者の乳がんリスクが高くなるかもしれません。
ええっ!!と思われるでしょうが、
そのような結果が出ないとは限らないのです。
なぜかというと、大学入学経験者の20年経過時点というのは、
38歳前後に集中しています。
もし38歳前後が乳がんの好発年齢だとすると、
大学入学経験者は20年経過時点で乳がんリスクが高くなるように見えます。
以上は、ざっくりした例えですが、
そのような視点でピルと発がんリスクの関係を見てみましょう。
以下は、ピルと乳がんの関係について説明したページです。
まず表の見方を説明しましょう。
死亡を例に取ると、
「相対リスク(95%CI) 」が0.90(0.74-1.08)となっています。
ピルユーザーと非ユーザーのリスクが同じであれば、
1.0ですが0.90となっているので、
ピルユーザーの方が死亡リスクが低いというデータです。
しかし、カッコの中を見ると(0.74-1.08)となっています。
数値が1.00を挟んでいます。
1.00を挟む場合には統計的に有意とはいいきれないことになります。
これが表の見方です。
統計的に有意なデータは太字で示しています。
ピルユーザーと非ユーザーを較べると、
乳がんリスクに差は見られません。
しかし、ピル服用経過が15-20年の女性だけに限ってみると、
2.45倍乳がんリスクが高くなります。
逆に20年以上経過するとピルユーザーの乳がんリスクは半分程度に低下します。
このような奇妙な結果になるのは、
ピルユーザーの服用開始年齢が一定年齢に集中しているからではないかと想像しています。
ピルの服用開始年齢は似通っているので、
ピル服用経過年数は年齢層と重なっている可能性があります。
ピルユーザーは、ピル服用経過15-20年で乳がんリスクが高くなるのではなく、
ピル服用経過15-20年で乳がん好発年齢に達しているのではないかとの想像です。
このように想像すると、大学入学経験者の入学20年経過後の乳がんリスクは高い、
などと言うデータが得られるかもしれません。
なお、日本乳癌学会は一貫してピルが乳癌リスクを高めるとの見解を表明しています。
それを受けて、
「このガイドラインがある以上は、正統派の乳腺診療を行う医師はピルを安易にピルの使用を認める事はありません」
(ベルーガクリニック)となるのですが・・・。
ピルと乳癌の関係については、肯定否定両論があります。
意地悪い見方をすると、業界のバイアスが関係しているようにも思えます。
それはさておき、次ぎに子宮頸がんリスクについて見てみましょう。
子宮頸がんリスクについての説明ページはこちらです。
まず、子宮頸がんリスクの表をご覧下さい。
乳癌リスクの表と非常に似たパターンなのがわかります。
つまり、死亡や罹患で見ると有意な差はないのに、
経過年数でグルーピングすると有意な差が生じています。
これも上の乳癌リスクについての説明で述べた年齢グルーピング効果が関係しているように思えます。
しかし、乳癌リスクとの違いも見られます。
子宮頸がんリスクでは統計的に有意でなくても、
有意に近い95%CIで相対リスクが高くなっています。
この点について考えてみましょう。
表ではピルユーザーと非ピルユーザーの相対リスクを較べているのですが、
非ピルユーザーの中には異性間性行為のない人も含まれます。
このことがピルユーザーの子宮頸がんリスクを高めに見せているように思えます。
もし、コンドームユーザーと非コンドームユーザーを較べてみても、
同じような傾向が現れるかもしれません。
ピルユーザーにコンドーム使用を強力に推奨する文脈の中で、
ピルユーザーの子宮頸がんリスクが高くなるとの言説が横行しています。
コンドームの使用で子宮頸がんリスクが低下するとのデータは見たことがありませんが、
もし最大限の予防効果があるとしても10万人中15.48人の罹患が11.19人に低下する程度です。
コンドームで子宮頸がんリスクを予防できるかのような幻想を振りまくよりも、
HPV予防ワクチンや定期検診の普及に取り組んだ方が現実的であるか、と思うのですがいかがでしょうか。
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