2014年1月6日月曜日

「ピルの値段が高ければ高いほど血栓症発現率が高くなる」ってホント?



 年齢以外の要因について考えてみることにしましょう。
まず、問題です。

欧米ではピルは半年または1年分まとめて処方されるのが普通です。
日本在住の外国人は日本のピル事情について、以下のように記しています。

This also means that you have to go back to the doctor's office to renew your prescription each time, typically one month as mentioned above, but maybe two months for some. (Others have mentioned being able to get more than three months at a time.) Yes, it is a pain, but in my experience at least, I have to go back frequently to get most prescriptions refilled - this includes simple allergy medicine.
(http://www.survivingnjapan.com/2010/12/guide-to-birth-control-pills-in-japan.html)

彼らにとって、日本の細切れ処方は奇異に感じられるようです。
2か月分のピルをもらうのに待ち時間や往復時間で半日仕事になるケースもあります。
スムーズにもらえるケースでも、どうしても時間の都合がつかないこともあります。
ピルが切れたのを契機に脱ピルするケースは少なくないでしょう。
短期ユーザーや短期反復ユーザーが多くなるのは仕方ありません。

 (正)わんさといるのが日本  (誤)わさんさといるのが日本


それがどうして高い血栓症発現率に繋がるのでしょう?
下の図を見て下さい。
ルナベルについて服用期間と副作用発現までの期間を調べたものです。


血栓症や脳閉塞の過半は服用4か月以内に生じています。
1人が13か月服用しても、13人が1か月服用しても、どちらも1婦人年です。
後者で副作用発現率が格段と高くなる事を理解していただけると思います。
極端に言えば、日本の女性はリスクの高い期間だけピルを服用することになっているのです。

細切れ処方が行われるのには、それらしく聞こえる言い分もあります。
建前の議論は措いておいて、現実問題としてピルを1年分処方しますと言われたら、
ユーザーも困るかもしれません。
イギリスなら1年分が3千円でおつりが来ます。
日本だと桁が違います。
日本のピルの値段が高いから細切れ処方になり、
細切れ処方だから短期離脱ユーザーが続出し、
結果として血栓症発現率が高くなる構造があります。
  (正)ピルの値段を  (誤)ピルの値段が


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