2013年11月3日日曜日

ニッポンの性教育 セックスをどこまで教えるか(1)




この動画を見ての第1の感想は、「中京テレビのいい仕事」でした。
ずっーーーーと昔、たまたまTHE TIMESの老記者と隣り合わせました。
私は彼にTIMESの名前の由来を尋ねました。
質問の趣旨がなかなか伝わらなかったのですが、
彼はとても印象的な答えをしました。
以来ずっとそれは私がマスコミを見る視点となりました。
彼は言いました。
新聞は今の読者に書いているのだから今の読者の関心に応えなくてはならないが、
自分が先輩記者から教えられたのは後世の読者に向かって記事を書くことだった。
今の人が関心ない事柄でも後世から見て大事な事柄はある。
後世から見て大事な事柄が今の新聞に書かれていないことは記者の恥なのだ。
THE TIMESの名前の正確な由来は知らないが、
自分は、THE TIMESは現代と後世の2つの時代の意味だと理解してきた、と。
語学力があやしい時代の会話なので不正確な理解が混ざっているかもしれませんが、
クオリティペーパーの片鱗を垣間見たように思いました。

現在、特に性教育が問題にされているわけではないし、
話題になっているわけでもありません。
しかし、日本の性教育に問題がないわけではないし、
むしろ問題は大ありです。
まず、日本の性教育を超簡単に振り返ってみましょう。

※性教育そのものは戦前からある。 上記は学校教育が取り入れた性教育の意味で。以下同様。



日本の性教育は、現実を後追いしながら【必要な対策】として取り入れられてきたことは、
ほぼ異論のないところではないかと思います。

時代や社会の変化とともに、「必要性」は変化します。
日本の社会が性教育を必要としない方向に進んでいるのかというと、
そのようなことは全くありません。
明らかに日本の社会は性教育を必要とする方向に進んでいます。
ところが、今世紀初頭の性教育パッシング以来、
日本の性教育は萎縮し、停滞しています。
このような現在の状況は長い目で見れば必ず是正されていきます。


いつの日か性教育の必要性が再認識される日が必ず来ます。
その歴史の胎動が今始まっている。
そのような視点で中京テレビの番組は作られていると感じました。
この番組の中では、性教育を必要と考え行動する人々が紹介されています。
現在は、グループや個人の小さな動きです。
その中に歴史の始まりを感じ取ることができなければ、
この番組は作られなかったでしょう。
この番組の制作者と大昔に会ったTHE TIMES記者が重なりました。

 この番組は非常に優れた作品です。
現実に起きている事実を報道するのがマスコミの仕事です。
マスコミの仕事はここまでです。
現実に起きている事実について評論することはマスコミの仕事ではありません。
私の関心は、何故日本が性教育後進国になっていくのか、
という点にあります。
私見はメモ書きのようなものとしてツイートしましたが、
ブログで連載記事として詳しく述べていきたいと考えています。
次回は、日本の絶対禁欲主義について書く予定です。