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2015年5月26日火曜日

堕胎罪廃止を唱えるフェミニズムの質--ガラパゴス化したフェミニズム

 

堕胎罪廃止論はもっともそうな主張


まず、SOSHIREN女(わたし)のからだからというグループの「― やっぱり生きていた堕胎罪 ―「堕胎罪で書類送検」に抗議する!」を読んでみて下さい。
「産めないと追いつめられ、薬を飲んで出血した女性を、誰が、なぜ、罰することができるのだろうか」と問いかけています。
この問いに対する答えは、当然誰も罰することはできないになります。
したがって、書類送検に抗議するのは正当なことです。
起訴が不当であるとすれば、起訴を可能にしている法律に問題があると考えることができます。
刑法は堕胎罪を設け、212条には自己堕胎の罪を規定しています。
自己堕胎の罪に問われるのは女性だけです。
女性だけが罪に問われるのは、男女平等に反するのではないか。
そのように考えれば、堕胎罪は廃止すべきだとなります。
頭で(観念的に)考えれば、堕胎罪廃止の要求はもっともな主張に見えます。
2010年にはSOSHIRENなどが、堕胎罪撤廃100万人署名の運動を行いました。
その運動のブログには、賛同人の名簿が掲載されています。
そうそうたるメンバーです。
堕胎罪廃止運動は長年にわたって継続されており、
フェミニスト界隈に広く浸透しています。
堕胎罪廃止に異議を唱えた「フェミニスト」を私は知りません。

中絶合法化と何だったか


堕胎罪廃止を唱える「フェミニスト」の皆さんは、
中絶合法化の歴史を当然ご存じだと思います。
日本では1948年に優生保護法が施行されました。
優生保護法は世界に先駆け中絶を事実上公認したものですが、
人口政策(人口抑制・優生学)のための立法で諸外国の中絶合法化とは性質を異にしています。
欧米諸国では1970年代前後に中絶が合法化されます。
中絶の合法化が行われる最大の要因は、
闇堕胎の存在でした。
立法で堕胎が禁止されていても、
堕胎を必要とする女性は必ずいます。
それは日本でも欧米でも同じでした。
闇堕胎にはいくつかの問題点がありました。
1つは、闇堕胎はしばしば安全性に欠けるものでした。
2つは、闇堕胎の中には法外な代金を請求する者がいました。
3つは、当事者女性の心理的負担(罪の意識)が大きいものでした。
中でも安全性の問題は重要で、命をかけなくてはならない理不尽さの問題が、
中絶合法化の最大の要因でした。
中絶合法化後の人口統計で出生数の大きな落ち込みは見られず、
中絶合法化は闇中絶を合法化したものに過ぎないことを示しています。
つまり欧米における中絶合法化の意味は、中絶の安全化でした。
長年にわたる女性の身体・生命の犠牲の上に実現したのが、
欧米の中絶合法化です。

安全な自己堕胎はない


上に述べたような歴史的経緯からすれば、
中絶の権利とは安全な中絶の権利と言い換えてもよいほどのものです。
このように考える私からすると、「フェミニスト」の皆さんが主張する堕胎罪の廃止は理解できません。
冒頭に示した「やっぱり生きていた堕胎罪」の文章をもう一度読んでみましょう。
起訴された女性は経口中絶薬を使用しています。
現在、自身で使用するための経口中絶薬の入手が禁止されているのは、
堕胎罪があるためです。
堕胎罪が廃止されれば、経口中絶薬を個人輸入し自己堕胎することが可能になります。
堕胎罪の廃止は、経口中絶薬による自己堕胎の容認と同義です。
経口中絶薬による中絶は、中絶が合法化された当時の闇堕胎よりはるかに安全です。
しかし、先進国の基準で考えれば、経口中絶薬による自己堕胎が安全とはとても言えません。
多くの国で経口中絶薬が薬品として承認されていますが、
市販薬とされている先進国は1カ国もありません。
経口中絶薬は医療の管理下で使用しないと、安全性が確保できないからです。
堕胎罪廃止論は女性のための主張のようで、
その実は日本の女性の安全な中絶を受ける権利を台なしにしてしまうものです。
中絶合法化の歴史を逆回転させ合法化以前の状態に戻してしまうものです。

権利の保障とは何か


本題から外れます。
権利は法律の文面の中にあるのでしょうか。
違います。
権利は実質化されてはじめて意味を持ちます。
教育を受ける権利を例に説明してみましょう。
憲法26条は「すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する」と規定しています。
この規定により、親が子に教育を受けさせる義務を負い(義務教育)、
子どもは中学校までの教育を受ける権利を持っています。
義務教育とは言いますがそれは親の義務で、
子どもから見ると権利です。
もし、仮に小中学校に高い授業料が必要だったとします。
いくら費用がかかろうと子どもを学校にやることのできる高所得家庭もありますが、
子どもを学校にやれない家庭も出てきます。
親の所得により教育を受けれたり受けれなかったりするのでは、
権利が保障されているとはいえません。
そこで国は親に代わって教育を受けれない子どもを支援することになります。
小中学校の設置があり学校に通える子どもがいるというだけでは、
教育を受ける権利があるとは言えないのです。
たとえ貧しくとも誰もが等しく学校に行けて始めて、権利と言えます。
権利は保障されてはじめて実質化されるものです。

中絶の権利とは何か


教育を受ける権利を例に権利の実質化について書きました。
中絶の権利は憲法で保障された権利ではないので、
国に保障する義務はないかもしれませんが、
中絶も権利であるならば保障されなくては意味がないものです。
だれでも享受できてはじめて権利と言えます。
中絶の費用は10万円前後です。
月数が進むと数十万円の費用がかかります。
この金額を負担に感じない人もいるでしょう。
しかし、決して誰でも負担できる金額ではありません。
各国の中絶費用について調べたことがありますが、
日本の中絶費用は先進国の数倍です。
治療として保険適用のある中絶がありますが、
日本の健康保険が中絶費用として認定している金額と比べても数倍です。
中絶が保障されるべき権利であるならば、
まずこの費用の高さが問題にされなくてはなりません。
日本は中絶の権利が保障されている国とは言えません。

フランスにおける中絶の権利


フランスは中絶に反対のカトリック信者が7割を占める国です。
フランスで中絶がようやく合法化されたのは、1975年です。
日本よりも20年以上遅れて合法化されました。
そのフランスでは、中絶や避妊を女性の権利とするたゆまぬ努力が継続されました。
2014年1月、議会は「妊娠を続行するか否かを選ぶのは女性の権利である」とする条項を可決しました(参照中絶を容易にする条項を可決、反対運動も/パリの日本語新聞オヴニー)。
この条項が可決された背景には、40年間にわたり中絶を女性の権利として実質化する運動の積み重ねがありました。
1975年の中絶合法化は運動の終わりではなく、運動の始まりでした。
フランスの運動を年表にまとめてみました。

1920年 中絶禁止、避妊情報提供禁止(7月31日法)
1955年 中絶部分解禁(母胎生命危険条件)
1956年 グループ「幸せな母性」結成
1958年 家族計画のためのフランス運動(MFPF)スタート
1967年 ピル解禁(ニューヴィルト法)
1960年代 MFPF、34支部・会員数11万人・数百カ所の避妊相談所
1969年 女性解放運動(MLF)結成
1971年 市民団体「Choisir選択」結成
1971年 343人宣言(Manifeste des 343)
1973年 妊娠中絶と避妊の自由化運動(MLAC)スタート
1974年 避妊ピルに保険適用、18歳未満のピル無償化へ(12月4日法)
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1975年 中絶合法化(ヴェイユ法)
1982年 中絶に保険適用(約360ユーロ保険負担、約90ユーロ自己負担)
1988年 経口中絶薬(RU486)承認(230ユーロ程度)
1988年 人工妊娠中絶妨害罪新設
1994年 刑法堕胎罪改正(堕胎罪→非合法中絶罪)、公衆衛生法典制定
2001年 未成年者についての両親承諾条件廃止(中絶と避妊にかんする法律)
2011年 第2次343人宣言(参照 薔薇の言葉)
2012年 中絶費用無償化(18歳未満の無料中絶を全年齢に拡大)
2012年 15-18歳女性の避妊を完全無料化

以下では、フランスにおける中絶の権利保障の実現を詳しく見ていくことにしましょう。

中絶の権利と避妊の権利は表裏一体


家族計画のためのフランス運動(MFPF)は、フランス家族計画協会と訳されることがあります。
日本の家族計画協会に相当する組織ですが、
性格は非常に異なっています。
日本の家族計画協会は、国策を推進する半官半民の組織としてスタートしました。
一方、家族計画のためのフランス運動(MFPF)は、避妊情報の提供も中絶も禁じられていた時代に作られました。
同時期の性の権利を求める団体は、互いに関係があったり、連携したりしながら、運動を進めました。
避妊を求める団体は中絶の自由も求めましたし、中絶の自由を求める団体は避妊の自由化も求めました。
運動の成果には、ある種の法則が見られます。
ピルの解禁が先行し、遅れて中絶の合法化が実現します。
ピルに保険適用が先行し、遅れて中絶の保険適用が実現します。
18歳未満の避妊無償化が先行し、遅れて18歳未満の中絶費用無償化が実現します。
18歳未満の中絶無償化が先行し、遅れて全年齢の中絶費用無償化が実現します。
運動が、中絶の権利と避妊の権利を表裏一体と捉えていたからです。

大衆運動と知識人


家族計画のためのフランス運動(MFPF)がスタートするのは、1958年です。
厳密に言えば、非合法活動でした。
この運動は10年の間に大きな大衆運動に発展しました。
フランス全土に34支部が設けられ、会員数は11万人に上りました。
町々には避妊相談所が設けられました。
専門職や知識人は、ボランティアでこの大衆運動をリードしました。
また、側面から強力にバックアップしました。
1971年に著名な女性343人の宣言が雑誌に掲載されます。
彼女たちは、自分も闇中絶をしたことがあると告白し、
逮捕するなら自分を逮捕しろと訴えました。
この勇気ある行動は3年後の中絶合法化を導く大きな力となりました。
343人の宣言からちょうど40年後の2011年、第2次343人宣言が出されました。
翌年には、中絶費用の全面無償化と15-18歳女性の避妊の完全無料化が実現しました。 

弱者への眼差し


1971年宣言の女性343人と2011年宣言の女性343人は、
どちらも社会的地位のある女性でした。
お金のある女性は中絶にも避妊にも困りません。
フランスが中絶を禁止していた頃、イギリスはすでに中絶を合法化していました。
お金のある女性はイギリスに堕胎旅行に出かけました。
海外での中絶が罪に問われることはありませんでした。
中絶を禁止し避妊へのアクセスを困難にすれば、
困るのはいつも弱者です。
フランスのフェミニストは弱者への眼差しを持ち続けているように見えます。

弱者に犠牲を強いる堕胎罪廃止


話を日本に戻します。
経口堕胎薬を服用して起訴されたのは、
22歳の無職の女性でした。
彼女はなぜ病院で中絶手術を受けなかったのでしょうか。
その事情はわかりません。
想像ですが、無職の彼女には、
病院で手術を受ける10万円のお金がなかったのかもしれません。
10万円のお金が用意できない女性は少なくありません。
10万円のお金が用意できない女性が、
自身の身体を危険にさらしながら、
逮捕起訴されるかもしれないリスクを取って、
敢えて選択しているのが自己堕胎です。
わが国の「フェミニスト」は堕胎罪の廃止を主張します。
では、堕胎罪が廃止されたらどうなるのでしょう。
お金のある女性は病院で中絶手術を受け、
お金のない女性は自己堕胎することになるでしょう。
それが「フェミニスト」のいう中絶の権利でしょうか。
違います。
フランスでお金のある女性は外国に堕胎旅行に出かけれたけれども、
お金のない女性は闇堕胎を強いられていました。
その理不尽を終わらせようとしたのが、
中絶合法化の運動でした。
堕胎罪廃止を主張する「フェミニスト」は、
中絶合法化以前の状態に引き戻そうとしているように思えます。

中絶弱者としての未成年女性


日本でも妊娠に気づかず手遅れになる少女の事例が話題になることがあります。
あるいは、トイレで出産してしまった少女の事例が話題になることがあります。
そして、それらのケースについて、しばしば教育の不備が指摘されます。
教育の不備の指摘は間違いではありません。
教育を充実する必要があります。
しかし、未成年者の妊娠は、教育だけでは解決できない問題を含んでいます。
フランスでは中絶のできるのは、10週(現在は12週)まででした。
親に知られたくなかったり、
病院の敷居が高かったり、
心理的葛藤があったり、
少女達には決断を鈍らせる要素がいくつもあります。
もちろん、お金の問題もあります。
結果として、中絶できる期限を越えてしまう少女がいます。
中絶が権利であっても、未成年の女性は権利の埒外に置かれているのではないか。
フランスの年表をもう一度見て下さい。
18歳未満ヘの避妊の無料化、中絶の無料化がいち早く実現しています。
弱者が権利の埒外に置かれないようにすることに配慮がなされてきたからです。

堕胎罪廃止の条件


堕胎罪は男女平等に反するといって堕胎罪を廃止しても、
女性が孕む性であることが変わるわけではありません。
ただ堕胎罪を廃止するだけでは、女性は危険な堕胎を甘受しなくてはならなくなります。
現在の日本で堕胎罪廃止を主張するなど、
私から見れば正気の沙汰とは思えないのです。
諸外国のフェミニストは堕胎罪の廃止を目標にしたでしょうか。
いいえ、決してそうではありません。
諸外国のフェミニストは闇堕胎(自己堕胎)に追い込まれる女性をなくそうとしてきました。
望まない妊娠がなければ、中絶はありません。
中絶へのアクセスが容易であれば、わざわざ自己堕胎する女性はいません。
諸外国のフェミニストは避妊へのアクセス改善に努力し、
中絶へのアクセス改善に努力してきました。
そして、それは大きな成果を上げています。
病院での中絶が無料の時、わざわざ自己堕胎する女性はいません。
わざわざ自己堕胎する女性がいないのであれば、
堕胎罪があろうとなかろうと大きな問題ではなくなります。
中絶の権利の実質的な保障は、堕胎罪廃止の条件です。
先進国の中で日本ほど避妊へのアクセスが困難で、
中絶へのアクセスが困難な国はありません。
「フェミニスト」にはこの現実が見えてないのではないでしょうか。

中ピ連粛清で失ったもの


1972年、榎美沙子氏は中絶禁止法に反対しピル解禁を要求する女性解放連合(以下、中ピ連)を結成しました。
中ピ連には指摘されているような未熟さがあったことは事実です。
しかし、①女性の身体問題への着目、②弱者への視点、③行動主義の3点において、欧米リブと共通点を持っていました。
中ピ連は短期間のうちに、その未熟さの故に自壊します。
自壊した中ピ連について距離を置く、あるいは異端視するフェミニズムが日本に成立しました。
それはきつい言葉で言えば、中ピ連的なるものの粛清でした。
フランスでは、①女性の身体問題への着目、②弱者への視点、③行動主義の3点は、50年間綿々と引き継がれてきました。
一方、それを切り捨てた日本のフェミニズムは、ガラパゴス化したのではないかと考えます。

ガラパゴス島に橋を架けよう


2年ほど前のツイートです。
50年間、世界中のフェミニストが胸に刻んできた言葉です。
私たちの国には、意図しない妊娠に苦しんでいる女性がいます。
しかし、イギリスで百数十円のピルは、日本では7000円の薬価です。
緊急避妊すれば防げる妊娠があります。
諸外国ではドラッグストアで買えランチ代ほどの値段です。
日本では、病院を受診し約1万5千円ほどの費用が必要です。
どんなに完全に避妊しても、望まない妊娠は生じます。
諸外国では中絶費用は保険の適用があったり、
負担にならない額に抑えられています。
日本では中絶するのに10万円はかかります。
私達の国は、避妊や中絶の権利がないに等しい状態です。
その中で、苦しむ女性がいます。
その女性達の側に寄り添う人がフェミニストです。
日本にはフェミニストはいたのでしょうか。

日本の女性の性が置かれている状況は、
とてつもなく酷い状態です。
数年前、日本のピルについてガラパゴス島に橋を架けたいと書きました。
日本のピルがガラパゴス化している原因の一つは、
フェミニズムのガラパゴス化です。
ノルレボの市販薬化は、ガラパゴスに架かる最初の橋になるでしょう。
日本の女性の力で橋を作りましょう。

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このエントリーは、以下の3エントリーの一部です。
他のエントリーも合わせてご覧下さい。
  堕胎罪廃止を唱えるフェミニズムの質(このページ)
  日弁連は堕胎罪廃止意見書を撤回すべき
  堕胎罪廃止がもたらす日本の女性の不幸

2014年11月13日木曜日

「実はこんなにリスキーだった!アフターピル体験談」は実話?それとも創作?

ウェブマガジンMenjoyには、以下の記事があります。

実はこんなにリスキーだった!アフターピル体験談【前編】 (保存ページ)

実はこんなにリスキーだった!アフターピル体験談【後編】 (保存ページ)


リアルな表現で書かれていますので、
緊急避妊を経験したことのない人はこの記事を通して緊急避妊のイメージを持つことも多いようです。
この記事は経験談として書かれています。
しかし、はたしてノンフィクションであるのか、疑問に思う事があります。
疑問点を書いてみることにします。

実はこんなにリスキーだった!アフターピル体験談【前編】 、について

>病院でアフターピルを処方されるのにあたり、まずはひと通りの問診や内診を受けました。
緊急避妊薬の投与には、特別の事情がなければ内診はしません。

>男性医師から「どんな方法で避妊をしたのですか?」と聞かれたので「ウレタン製のコンドームを使って脱落してしまいました」と答えると「……あまり大きな声じゃ言えないんだけどね、今月あなたで2例目なんだよね」と。
医師がいうには、製品自体には問題はないのだけど、ウレタン製コンドームのゴワつき感から根元までさげずに使う人が多く、結果脱落してしまうことになるとのこと。
コンドームは、正しく使ってこそ効果を発揮すると改めて実感させられました。
避妊の方法を聞かれて、「ウレタン製コンドーム」と答える人がいるでしょうか?
まずいません。ふつうは「コンドームが・・・」と答えるでしょう。
その病院に緊急避妊を求める患者が月に100人いたとして、
ウレタン製コンドームの事故で来院する人がどれほどいるか、
しかも「ウレタン製コンドーム」とご丁寧に答える女性が月に2人もいるでしょうか?

>アフターピルを処方してもらい、ご好意でその場で飲ませて頂きました。
2011年のノルレボ認可後は、そのような対応を取る病院もあります。
しかし、ヤッペ法は2回服用なので、院内薬局で処方するにしても、
2回分を袋に入れて渡すのが普通でした。
1回目分をその場で服用させ2回目分を後で渡す対応は、
まずありえません。

>さらに、1回目の服用後、12時間後に飲むことになるのですが、それが午前1時になってしまうことが判明。
2回目の服用が午前1時なら1回目の服用が午後1時だったことになります。
記事では前日予約したことになっています。
午前の診療終了間際の時間帯に予約を入れることは不自然です。

>なんとか吐かずに帰宅し、その日は何もできずに過ごしました。
>身体はとてもだるかったのですが、眠ってはダメだと自分に言い聞かせながら夜を過ごしていました。
軽い散歩をしたり、ヘッドホンで音楽聞いたりして眠気をごまかし、何とか2回目の服用を終えて眠りにつきました。
データがあるわけではありませんが、激しい吐き気の副作用が出る場合、
眠気の副作用が同時に出ることは稀です。
散歩できるほどであれば、副作用としては軽かったようにも見えます。
記憶力がよほどよいにしても、8年前の行動を「ヘッドホンで」まで詳細に覚えているものでしょうか。

>大量に出血、そして妊娠を回避
>その3日後、消退出血と呼ばれるものを確認することができました。
>この出血が1週間程続いて不安になってしまいました。
服用3日後の出血は最も早いケースですがあり得ます。
ただ、このような早い時期の出血はほぼ排卵前の服用で生じ、
粘度の低い鮮血となります。
粘度が低いので大量出血と感じることもありますが、
短期間で出血は収まるのが普通です。
大量出血が1週間続けば不安になるかもしれませんが、
そのような出血パターンはまずないでしょう。

>あと、強いめまいを感じて、外出できないくらいに。これが結構辛かった。
一時的にめまいを感じることがあるにしても、
強いめまいが持続することはまずありません。


ヤッペ法後の副作用の出方は人によりさまざまです。
この体験談はヤッペ法で生じうる副作用を全て経験したことになっていますが、
さまざまな人の副作用を寄せ集めたように感じられます。
この記事はノルレボ発売直後の時期に書かれています。
ノルレボは副作用の少ないことがウリです。
ノルレボの副作用の少なさをアピールするために、
ヤッペ法の副作用をことさら誇大に書いているように感じられます。

実はこんなにリスキーだった!アフターピル体験談【後編】 、について

>その欠点を改良したのが今年7月より発売された『ノルレボ錠』です。これは、性行為があったときから72時間以内に1回服用するもので、ヤツペ法に比べて飲み忘れのリスクが低く、吐き気もほとんどありません。
前編にはヤッペ法とノルレボの比較が書かれていて、
2度目の服用はノルレボだったと誤解してしまいそうですが、
ノルレボ発売前の2008年のことですから2度目もやはりヤッペ法です。

>当時、さまざまな事情があり、不本意な妊娠はどうしても避けたかったのです。
その時々でさまざまな事情があるこことはあります。
どうしても妊娠を避けたい事情があったのかもしれません。
しかし、娘の「『ママ、赤ちゃんできたの? 嬉しい!』と喜びの言葉を。この一言で、私は産むことを決意」しています。
上の子と下の子の年齢差も4歳近くです。
1度目の緊急避妊でひどい副作用が出た女性が、
敢えて2度目の緊急避妊を受けようと思うほど切実な理由があったのでしょうか。

>そして、このクリニックでもその場で飲ませていただけるということで、看護師に処置室に案内してもらったのですが、
2011年のノルレボ導入以前、中用量ピルをその場で服用させる病院は極めて稀でした。
2つの病院ともそのような対応を取ったことは偶然すぎます。

>深夜、当時2才9ヶ月の娘が夜泣きしながらおっぱいを求めてきたので、眠い目をこすりながら授乳をさせていました。この時、授乳回数は日に4回程度。
2才9ヶ月まで授乳することが絶対ないとは言えませんが、
極めて稀なケースです。
授乳回数4回だと生理はまず始まっていたはずです。

>「あなた授乳中ですよね、だったら生理も排卵もないんじゃないんですか?」と衝撃的な一言が。
ヤッペ法に用いられる中用量ピルは、授乳中の女性に対して相対禁忌です。
医師がチェックを忘れることがないとは言えませんが、
妊娠中・授乳中のチェックをしないことは考えにくいことです。
なお、ノルレボは授乳中でも服用できますので、
授乳のチェックは必ずしも必要でありません。
また、産後2年9か月の女性が授乳中であっても、
生理が回復してないだろうと思う看護師はまずいません。
看護師の発言も不自然です。

>しかし、身体になんの変化も現れることがなかったのです。
あの辛かった吐き気、めまい、大量の出血がなく約2週間が経ちました。
ヤッペ法の副作用は約半数の女性では全く感じません。
1度目と2度目で副作用の出方が異なることもあります。
しかし、1度目で過敏症並みの副作用が出たにもかかわらず、
2度目は皆無と言うことはほぼあり得ません。

>状況を察した娘が「ママ、赤ちゃんできたの? 嬉しい!」と喜びの言葉を。この一言で、私は産むことを決意しました。
 2才9ヶ月の子どもに「赤ちゃんできたかもしれない」と言う女性は珍しいでしょうが、
そう告げても2才9ヶ月の子どもでは事態を理解するのは無理です。
「嬉しい!」などと反応することはありえないでしょう。

ライターの意図

記事は「体験談」として書かれています。
しかし、実体験にしては不自然な点が多すぎます。
いや、ほとんどすべて不自然と言えるほど不自然です。
一度でも緊急避妊をした経験があれば、
これほど不自然な「体験談」にならないのではないでしょうか。
仮に一部は事実で尾ひれ背びれを付け加えているものだとしても、
全体を「体験談」としてみることはできないものになっています。
それはある意味当然です。
ライターの書く物は個人のブログとは異なります。
単に個人的な体験を書くのではなく、情報提供を目的としています。
情報提供のために、「体験談」の体裁が取られることもあるのでしょう。
そのようなものとして、「実はこんなにリスキーだった!アフターピル体験談」は書かれています。
それでは、この記事はどのような情報提供を意図しているのでしょう?
記事のタイトルにあるように、緊急避妊のリスキーさを伝えることがこの記事から読み取れる情報提供の意図です。

①副作用が強い

前編では副作用の「体験」が書かれています。
それは明らかにヤッペ法についてのものですが、
読者はヤッペ法とノルレボを区別して読むことはむつかしいでしょう。
緊急避妊は副作用が強いとの情報を提供するものになっています。

②避妊失敗は自己責任

避妊失敗は不可抗力的に生じるものです。
前編では、「ウレタン製コンドーム」がことさらに取り上げられ、「コンドームは正しく使ってこそ効果を発揮すると改めて実感させられました」と述べられます。
後編では、「夫はどうしても来年中に2番目が欲しいという、その1点で暴走してしまった」という話になっています。
どんなに気をつけても、コンドームの失敗は一定比率で生じます。
しかし、この記事では「もう二度と、こんな薬に頼らないようきちんと避妊しようと思った」と述べられます。
緊急避妊は「きちんと避妊」しないからだとの「啓発」がなされています。

③ノルレボのメリット

2度の緊急避妊は時期的に見てどちらもヤッペ法ですが、
記事ではノルレボのメリットについて詳しく説明されています。
2度目の緊急避妊で全く副作用がなかったり、産後2年9ヶ月後の授乳中だったりの設定は、ノルレボのメリットを念頭に置いた記述でしょう。

④緊急避妊は不完全

この記事の最も伝えたかった情報は後編最後の部分でしょう。
私は、産める環境にあったからこそ、アフターピルの失敗から出産を選択したのですが、そうでない人にとっては、アフターピルの失敗による妊娠は、本当に悲劇でしかありません。
アフターピルがあるから大丈夫、なんてことはないのです。
そもそも、アフターピルは気軽に飲めるものではありません。費用の面もそうですが、身体の負担が大きいものです。
男性が、面倒だからという理由で避妊せずに「アフターピルがあるからいいじゃん」というような、軽い気持ちでいられたら女性はたまったものじゃありません。
どうか、カップルの方はパートナーと避妊について話し合って、シングルの方は自分の身体を守るにはどうすればいいか、考えてみて欲しいと切に願っています。

ここに書かれている内容はその通りです。
普段からの避妊が重要なことは言うまでもありません。
しかし、いくら普段からの避妊に気をつけても、
緊急避妊が必要になることがあります。
この記事では、不可抗力的に緊急避妊が必要になる事態のあることには全く触れられていません。
緊急避妊が必要になるのは心掛けが悪いからと言わんばかりです。
このような考えに立てば、緊急避妊アクセスの高いバリアは正当化されます。
ノルレボ「乱用防止」キャンペーンに迎合した内容となっています。
この記事がどのような世論形成を狙ったものかは、以下のツイートからうかがわれるでしょう。



心掛けのよくない女には罰が必要。50年間日本の社会は変わっていません。


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上記記事の公表後、作者の宇野未悠さんと会話がありました。
宇野未悠さんの私に宛てたツイートを収録します。






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会話前の99.9%の確信が、最初のツイートで120%の確信になりました。

2014年10月22日水曜日

【ドラッグストアで買える緊急避妊薬】キャンペーンにご賛同いただいた皆様





緊急避妊の市販薬化の記事は、専用ブログに移転しました。
新ブログトップ すぐに必要な時がある。緊急避妊薬ノルレボを市販薬に!
この記事の移転先 ご賛同いただいた皆様













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趣旨については、こちらをご覧下さい。
ご賛同戴ける方を募集しています。(たくさんのRTやFAVありがとうございます。ただRTやFAVは賛同の意思表示として取り扱っていません。賛同の意思表示は「賛成」などと書いて返信願います。)
こちらをクリックして返信することもできます。
メールでもご賛同の意思表示ができます。

キャンペーンメインページはこちら

これまでにご賛同の声を寄せられた皆様です(敬称略)。

mayu飛鳥Aさんyamazaki yukisakura t.◆FP2Je3V6kg isoyo sugisaki

キャンペーンメインページはこちら

2014年10月18日土曜日

私たちにノルレボを! ドラッグストアで買える緊急避妊薬を実現させよう




緊急避妊の市販薬化の記事は、専用ブログに移転しました。
新ブログトップ すぐに必要な時がある。緊急避妊薬ノルレボを市販薬に!
この記事の移転先 キャンペーンの趣旨






避妊は女性の最も基本的な権利の一つです


予期しない妊娠は、女性の人生に大きな影響を及ぼすことがあります。
学業や仕事の中断を余儀なくされる女性がいます。
中絶により心身にダメージを受ける女性がいます。
産む性である女性だけが不利益を被る社会は不公正です。
誰でもいつでも避妊にアクセスできることは、
女性の権利(リプロダクティブ ライツ)です。

予期しない妊娠を1/4に減らせます


緊急避妊薬はコンドームの破損など避妊失敗の72時間以内に服用する薬です。
緊急避妊薬の服用で妊娠確率は2%まで低下します。
緊急避妊薬は産婦人科などの病院で処方されます。
緊急避妊薬は服用時間が避妊失敗から早ければ早いほど避妊効果が高く、
120時間後には効果がなくなります。

避妊失敗は誰もが経験します


コンドームの避妊では一定確率で破損などの事故が生じます。
ピルによる避妊では飲み忘れることがあります。
レイプ被害に遭わないとは言えません。
誰もが机の上にお茶をこぼした経験があるのと同じです。
日本で1年間に緊急避妊を必要とするケースは、
少なくとも400万件起きています。


緊急避妊薬の服用は時間が決め手!


緊急避妊薬の服用は時間が決め手です。
3連休前の金曜日にも避妊失敗は起こります。
お盆や正月などの長期休暇にも避妊失敗は起こります。
病院が開くまで待てません。
だから、ほとんどの国で緊急避妊薬は、ドラッグストアで買える薬です。



ノルレボ砂漠をなくす


産婦人科病院は都市に集中しています。
ノルレボを処方してもらうのに1日がかりになるところもあります。
島嶼部では、ノルレボを処方する病院さえありません。
ドラッグストアで買える薬なら、事前購入しておくこともできます。

貧乏女性は諦めろ?


ノルレボの価格は、ほとんどの先進国で1500円程度です。
学生や生徒、低所得の女性には無償で提供される国も少なくありません。
開発途上国では数百円です。
日本の価格は約1万5千円程度です。
1万5千円を持ち合わせていない女性は、躊躇するでしょう。
金銭的負担で緊急避妊を躊躇する女性がいる日本は、
リプロダクティブライツのない国です。
市販薬化して他国並みの価格にすべきです。



高価格政策が女性の健康を害している


多くの病院では高価格のノルレボに手が出ない女性のために、
ノルレボの代替として中用量ピルを処方しています。
中用量ピルを通常の4倍量服用すれば、
当然に強い副作用が現れることがあります。
ノルレボの高価格政策が女性の健康を害しています。

緊急避妊を知らない女性をゼロに


緊急避妊薬を選択するかしないかの選択は自由です。
しかし、緊急避妊薬の存在自体を知らなければ、
選択することもできません。
全ての女性に緊急避妊薬の存在を知らせていく必要があります。
緊急避妊薬が、コンドームや妊娠検査薬と並んで販売されれば、
緊急避妊薬は身近な存在になります。



ノルレボは安全性の高い薬です


ノルレボは黄体ホルモンだけの薬です。
中用量ピルを用いる緊急避妊のような激しい副作用はありません。
血栓症リスクを高めることもありません。
妊娠阻止に失敗して妊娠した場合、胎児に影響はありません。

ノルレボが乱用されることはありません


ノルレボ服用後の妊娠率は2%です。
単純に年率換算すると、26%です。
通常の避妊の代わりに緊急避妊が多用されることはありません。
実際に、ほとんどの国で緊急避妊薬は廉価な市販薬品ですが、
緊急避妊を通常の避妊に使用する女性はいません。


性感染症が蔓延することはありません


コンドームの破損など緊急避妊薬を必要とする事態は、
すでに性感染症感染リスクの生じた状況です。
緊急避妊薬が普及するとそのために、
性感染症の感染が広がるわけではありません。
緊急避妊薬を必要とする事態は性感染症リスクの高い状況と知らせ、
性感染症の検査を奨める方が性感染症の拡大阻止効果は高いと思われます。

日本もドラッグストアで買える国に


避妊へのアクセスはリプロダクティブライツの核心です。
わが国は避妊ピルの認可がなされない特種な国でした。
今また、緊急避妊へのアクセス障壁を高くする政策が取られています。
日本は依然として女性のリプロダクティブライツ状況が最悪の国です。
日本の女性のリプロダクティブライツの前進のために、
ノルレボが他国と同様な価格でドラックストアで買えるように、
いっしょに声を上げていきましょう。      2014.10.18

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