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2013年5月19日日曜日
中間集計③ アンケート:あなたのピル(OC)の服用目的は?
ありがとうございました。
アンケートは引き続き継続しますが、
中間集計してみました。
服用のきっかけについて
避妊のためが55人(57.3%)に対して治療のためが41人(42.7%)。
治療のために飲み始めた人の比率を年齢別に見ると、
10代100%、20代40.6%、30代75.0%、40代76.5%。
30歳以上では治療のために飲み始めた人が3/4と多数を占めている。
避妊利用について
現在避妊のためにピルを利用している人は76人(79.2%)で、副効果だけは20人(20.8%)。
年齢によるばらつきは小さい。
治療効果だけで避妊効果を期待していない人は20%程度にとどまっている。
副効果について
76人(79.2%)が避妊以外の副効果を期待している。
このアンケートでは生理日調整は副効果としないことにしているので、
生理日調整まで含めるとほとんどのピルユーザーが避妊以外のメリットを得ていることになるだろう。
上の円グラフは回答者全体のデータで、
例によって大都市のある都県が上位を占めている。
左の円グラフは避妊オンリーユーザーのデータだ。
サンプル数が少ないので偶然かもしれないが、
東京埼玉など上位都県が少ない。
右の円グラフは避妊がきっかけで現在は両方のメリットで服用しているユーザーのデータだ。
こちらは、東京・埼玉・愛知が上位を占めている。
副効果メリットに地域差があるとは考えにくいのでサンプル数の問題と思われるが、
現時点の集計ではそのような結果になっている。
【関連アンケート】
アンケート:「女性手帳」に賛成?反対?
アンケート:緊急避妊薬(アフターピル)服用までの時間は?
アンケート:ピル(中・低用量)で生理日が調整できるって常識?
アンケート:あなたのピル(OC)の服用目的は何ですか? →中間集計③
アンケート:ピルの服用をパートナーに知らせていますか?
アンケート:ピル1シートの代金はいくら? →中間集計②
アンケート:今、飲んでいるピルの種類は何?→中間集計①
回答がまだであれば是非ご協力願います。
2013年5月18日土曜日
窒息するHPVワクチンとピル
私は子宮頸がんワクチンは必要と思う人です。選択する機会を保証することが重要と考える人です。なのに、いったん中止した方がよいと考えました。中止すれば機会が保証されません。なのになぜ?その理由は書いておくべきだろうな。
— ピルとのつきあい方(公式)さん (@ruriko_pillton) 2013年5月18日
直接のきっかけ
5月16日、厚生科学審議会の予防接種・ワクチン分科会「副反応検討部会」が開かれました。
そのニュースです。
このニュースには書かれていませんが、桃井真里子部会長は全員に意見表明を求めましたが、発言しない委員もいました。そして、全員一致で継続が決まりました。
このニュースはある意味でショックでした。
ただ単に継続という結論が出されただけならば、それほど驚きません。
継続という結論にも一理あります。
しかし、中止という結論にも一理あるのです。
子宮頸がんワクチンは緊急性が高いとは言えません。
未解明の点があるならば、この際一旦中止して徹底的な調査をするという考えも成り立ちます。
現在までに報告されている副反応について、必ずしも精査されていないのが現状です。
海外のデータよりも高い頻度で重篤な症状が出ている可能性も否定できません。
データの正確性や信憑性は精査してみないとわからないことなのに、
データに問題があると決めつけるのは予断です。
命に関わる問題を考える際に、予断を排することは鉄則だと思います。
予断を排して考えれば、万が一にも想像外の事態が生じているかもしれないと考え得る状況があります。
そうであれば、中止を主張する委員が一人くらいいてもよかったでしょう。
ところが、そのような意見表明は一人もなかったことがショックなのです。
この委員会のもとで、ワクチン接種が継続されることに同意できなかったのです。
異論ゼロは異常。この感覚を日本は学びにくい環境だ。この感覚を医師は学びにくい職業だ。
— ピルとのつきあい方(公式)さん (@ruriko_pillton) 2013年5月18日
※多様な価値観何がワクチンを窒息させるのか
私はこれまで、子宮頸がんワクチンについていくつかの記事を書いてきました。
よろしければ、子宮頸がんのタグをクリックしてお読みください。
これまでの記事で、ピルと子宮頸がんワクチンの類似性について語っています。
この両者には多くの類似点がありますが、
どちらも価値観が関係する点で共通しています。
ピルがなくても避妊は出来ます。
ピルを選ぶかどうかは価値観の問題です。
ワクチンがなくても子宮頸がんは防げるかもしれないし、
子宮頸がんにならない人の方が大多数です。
それでもワクチンを選ぶかどうかは価値観の問題です。
このことがどれほど理解されているのか、
疑問に思うことが多々ありました。
一つ例を挙げましょう。
先から先の結論まで決まっていて、
その結論にそって啓発されるべきことのようなのです。
①
子宮頸がん征圧をめざす専門家会議の実行委員の先生が、
ワクチン接種場所について話をされました。
産婦人科での接種が1割に過ぎないと、
うらみがましく長々と話をするのです。
保存ページ
②
子宮頸がん征圧をめざす専門家会議のサイトには、
子宮なんでも辞典 > 月経痛と月経困難症の悩みありますか?
などという親切なページもあります。
そして産婦人科受診を奨める内容です。
保存ページ
③
極めつけ。
子宮頸がんワクチン予防接種は小児科や内科でも接種できますが、筋肉注射に慣れているのはダントツ婦人科・産婦人科です。婦人科は恥ずかしいから避ける女性もいますが、今はエステやホテルのようなレディスクリニックも多いですし予防接種だけなら内診もありませんよ。 #LOC
— OC普及推進事業談さん (@OC_pill) 2013年4月18日
子宮頸がん征圧のためには産婦人科受診が重要だ、はその通りかもしれません。
それならそれでそのように書けばいいでしょう。
ところが、そろいもそろって回りくどい書き方になっています。
なぜでしょう。
あるべき行動規範は考えたり選択したりする余地のないもののようで、
いかに誘導するかに意が用いられているように思えます。
しかし、結論ありきの誘導は別のメッセージを発してしまいます。
それらの言説が「ワクチンでお金儲けしたい産婦人科病院からのメッセージ」になっていることに気づかないのでしょうか?
おまけに太鼓持が子宮頸がんへの偏見を助長する言説を振りまいていたピルの普及推進をうたう団体だったりすると、
子宮頸がん征圧よりも産婦人科誘導が本音と見られてしまいます。
さらにその団体のfacebookページを見ると、
産婦人科医がぞろぞろフォローしています。
最悪のパターンです。
このような状況はワクチンに名を借りた営業キャンペーンのメッセージにしか見えなくします。
こうして、ワクチンもピルも窒息していくのです。
自分の言葉で語ることの大切さ
子宮頸がん征圧をめざす専門家会議の実行委員の先生の話を取り上げました。
実際に子宮頸がんの患者と接しているのは産婦人科医です。
もし、産婦人科医としての自らの経験を語り、
ワクチンが小児科の病院でも場合によっては精神科の病院でもうけれる状況になっていることを産婦人科医師としてうれしく思うと語ったならば、
全然別のメーセージになったでしょう。
産婦人科業界のためにワクチンを推進しているのではなく、
女性の健康のためにワクチンを推進しているとのメッセージを発することができたのです。
しかし、現実は残念なことにことごとく逆のメッセージになっています。
ワクチンやピルが選ばれるかどうかは、
最後は価値観の問題です。
そのことに気づいているのだろうかと思うことがあります。
子宮頸がん征圧をめざす専門家会議のような組織が無意味だとはいいませんが、
もっと大事なことは自分の言葉で語る「人」です。
「ピルとのつきあい方」は個人サイトだとNPOにいつも馬鹿にされています。
でも、それはピルについてわかっていないことの証明です。
彼らは正しい一つの価値観、正しい一つの知識があると信じているようですが、
実際は100人に100通りのピルがあります。
100人が100通りのピルを語ることが大切なのです。
ワクチンについても同じ事が言えます。
ワクチンについていくら啓発しても、
ワクチンについて子宮頸がんについて語る人がいなければ、
それは枯れてしまいます。
ワクチンを一旦中止にすると復活するには大きなエネルギーが必要となります。
ワクチンがなくなれば組織は吹っ飛んでしまうかもしれません。
ワクチンがなくなっても、ワクチンが必要だと語る人。
そのような人の声でワクチンを再構築する方が、
遠回りのようで近道かもしれないと思うのです。
ワクチンやピルは権威や集団の力で普及させることはできません。
自分の言葉で語る人が必要です。
権威や集団の力で普及させようとすると、
自分の言葉で語る人がいなくなり窒息してしまうのです。
たとえばこんな形(2013.5.21追加)。
産婦人科医は子宮頸癌の怖さを知っている。若年発症進行癌で、まだ小さい子を残して逝かざるを得ない患者、輸血が追いつかず出血死となる患者。円錐切除で終了となる患者は自覚症状がなく、定期検診で「運良く」早期発見出来た患者に限られる。防ぎ得るなら、防いで欲しいし、確率を減らして欲しい。
— IvfGyneDrさん (@ShirorabiS) 2013年5月17日
自分の言葉で語る「人」の1つの言葉は、100万人の巨大組織による啓発にも優るように思えます。科学言説のメッセージ
ワクチンには反対運動があります。
反対運動の言説には科学的に見て間違いの言説が含まれています。
科学的間違いを指摘することは重要ですし、
そのような努力も行われています。
しかし、現在の日本の状況を見ると、
非科学的言説が支持され広がりを見せています。
なぜ反ワクチン言説が広がるのでしょうか。
反ワクチン言説は元々は個人の思いに発しています。
副作用の被害者を出してはならないとのメッセージを反ワクチン言説が発しているから、
支持されるのだと思います。
一方、ワクチン推進言説はどうでしょうか。
本来、子宮頸がんの不幸を克服したいとのメッセージとなるはずなのに、
そのメッセージが感じられないものになっています。
なぜでしょう。
それはメッセージが本来個人的なものだからです。
個人には思いがありますが、組織には「こころ」がないのです。
組織から発せられる言説でメッセージを伝えることはできなくはないのですが、
それはかなり難しいことです。
子宮頸がん征圧をめざす専門家会議のサイトについて以下のようにコメントしました。
@akikoent サイトができた当初、いきなり5人の「彼女たちの体験記」があったような。高校生からアメリカ帰りの主婦までバランスよく5人。女性週刊誌的な手法としてはありかと思いますが、どうなんでしょうかね?とかとか。
— ピルとのつきあい方(公式)さん (@ruriko_pillton) 2013年5月17日
※http://www.cczeropro.jp/kenshin/uservoice/index.html修行の足りない広告屋が作った「たまたま物語」。文体が同じで同一人物の作文と見え見えなのだが、「プライバシー保護のため、実際の体験に少し変更を加えてご紹介しています」などというギャグ付き。このようなフィクションっぽい内容が含まれると、
真実性が揺らいでしまいます。
もう、一点。
メッセージはもともと個人的なものなので、
言説の主の言動とあわせて評価されます。
多くの産婦人科医が子宮頸がんワクチンの普及に努力しています。
そして科学的真実を啓発しようとしています。
しかし、その産婦人科医がトンデモグループを支持したり、
合理的説明のつかないピルの服用法について沈黙し続けたりしているのを見れば、
その言説のメッセージは失われてしまいます。
なぜ反ワクチン言説が広まるのか、
なぜワクチン推進言説は信用されないのか、
考えてみる必要があるでしょう。
「窒息するHPVワクチンとピル」を加筆修正しました。ワクチンは安全であってほしい、子宮頸がんはなくなってほしい。二者択一ではなく、この両方を女性は望んでいます。その願いに近づかない不幸な状況について考えてみました。finedayspill.blogspot.com/2013/05/hpv.ht…
— ピルとのつきあい方(公式)さん (@ruriko_pillton) 2013年5月18日
理想主義的かもしれませんが、女性の願いが社会的合意となるような「下からの」運動が欠如していて、「上からの」啓発で普及させようとするところに、問題があるのではないでしょうか。そのような中では、安全への願いが顧慮されるかも心配です。冒頭で述べた予防接種・ワクチン分科会「副反応検討部会」の審議は、その心配を裏付けてしまいました。医師が審議し医師が啓発する現在の仕組みに代わる新しい枠組みが必要ではないか、と考えるに至ったのです。本当に必要なのは子宮頸がん征圧をめざす専門家会議ではなく、子宮頸がん征圧をめざす市民会議ではないでしょうか。そして、専門家も一市民として発言するのであれば、大きな力になるでしょう。私たちは皆、心を持つ一人の人間です。社会を進歩させ歴史を変えるのは、小さな市民の大きな心なのです。
***************************************
この記事に関連するツイート
マスの啓発はどう見えるのかまで発信者側の責任と考えます。運営資金の出どころをコンプライアンスにしたがって明記すればいいのに。伏せてるのがまずいんですよ。代理店をはさめばいいという話ではありませんから RT @akikoent: @ruriko_pillton 真面目に啓発している
— 堀 成美 さん (@narumita) 2013年5月17日
@akikoent @ruriko_pillton このワクチン啓発のプロセスにおいて、ワクチンや予防接種そのものがabuseされた側面があり、それこそ昔から真面目に啓発してる人たちやワクチンまで様々なことをいわれるシーンもあり、残念です。
— 堀 成美 さん (@narumita) 2013年5月17日
重要な視点だし、いい記事。ノルレボは・・・>つなごう医療 中日メディカルサイト | ワクチン 評価 委員の医師と製薬会社 不透明な関係 iryou.chunichi.co.jp/article/detail… @chunichi_mediさんから
— ピルとのつきあい方(公式)さん (@ruriko_pillton) 2013年5月17日
HPVワクチンキャンペーンの難しさをチラッと指摘。Reasons for Not Vaccinating Adolescents: National Immunization Survey of Teens, 2008 -2010 bit.ly/161byc5
— ピルとのつきあい方(公式)さん (@ruriko_pillton) 2013年5月20日
*****************************************************************江夏亜希子氏の批判(感想?)に応える(2013.5.22)
@ruriko_pillton @narumita ブログ、拝見しました。@ruriko_pilltonさんの「偏見」がどうしても感じられて残念です。HPVワクチンをどんなに接種しても、私たち医師や医療機関はほぼ儲かりません。(ワクチンの仕入れ値を知ることができれば自明ですが)
— 江夏 亜希子さん (@akikoent) 2013年5月22日
@ruriko_pillton @narumita 「ワクチンでお金儲けしたい産婦人科病院からのメッセージ」という先入観があって読むからそうなるのではないでしょうか?
— 江夏 亜希子さん (@akikoent) 2013年5月22日
@akikoent ブログは、言説が言外に発するメッセージについての評論です。言説の持つメッセージ性は多義的です。つまり、受け手によって異なります。受け手の「偏見」によって、メッセージが解釈されることがあることは否定できません。1
— ピルとのつきあい方(公式)さん (@ruriko_pillton) 2013年5月22日
@akikoent ブログをよく読んでいただきたいのですが、私自身のメッセージ解釈を示したものではありません。したがって、ご批判は的外れです。ブログでは言説がどのようなメッセージとして受け取られるか、について書いています。2
— ピルとのつきあい方(公式)さん (@ruriko_pillton) 2013年5月22日
@akikoent 「意図しないメッセージ」を発する例として3つをあげました。①は接種場所についての言説です。接種場所が産婦人科であらねばならない必然性はないにも関わらず、「願望」が語られています。不必要な言説と思いませんか?3
— ピルとのつきあい方(公式)さん (@ruriko_pillton) 2013年5月22日
@akikoent ②は「子宮頸がん講座」に月経困難症などが取り上げられ、産婦人科受診を奨める言説が書かれています。「子宮頸がん講座」に不必要な言説と思いませんか?4
— ピルとのつきあい方(公式)さん (@ruriko_pillton) 2013年5月22日
@akikoent ③は、筋肉注射の頻度やエステのようなきれいさなど、本質的でない理由を挙げて、産婦人科でのワクチン接種を奨めています。ワクチン接種そのものを奨めるのに不必要な言説と思いませんか?5
— ピルとのつきあい方(公式)さん (@ruriko_pillton) 2013年5月22日
@akikoent ブログにあげた3つの例は、PHVワクチン推進に便乗した産婦人科の勧めになっているのではないでしょうか?利権懐疑はPHVワクチン反対論の温床です。必然性のない産婦人科誘導は、利権懐疑を肥大化させると指摘しました。6
— ピルとのつきあい方(公式)さん (@ruriko_pillton) 2013年5月22日
@akikoent私の「偏見」の吐露に過ぎないとする指摘が当たっているか否かは、読者の判断に委ねられます。ただ、申し上げておきたいのは、そのご指摘に理由が付されてないことです。それは単なる感想に過ぎません。言説が言外に発するメッセージへの鈍感さを示していなければよいのですが。7
— ピルとのつきあい方(公式)さん (@ruriko_pillton) 2013年5月22日
@akikoent ちなみに、ワクチン接種を社会奉仕でしろなどと誰も思っていませんし、私も思っていません。「私たち医師や医療機関はほぼ儲かりません」とおっしゃりたい気持ちは理解しますが、その言説では上述のメッセージに対抗できません。8
— ピルとのつきあい方(公式)さん (@ruriko_pillton) 2013年5月22日
@akikoent むしろ、「そこそこ利益は出るけれども、利益のためにしているのではない。私たちは、・・・」という言説の方が、メッセージは伝わるのではないでしょうか。メッセージを伴わない言説は非力です。それは、このブログ記事から読み取ってほしかったことなのですが残念です。9
— ピルとのつきあい方(公式)さん (@ruriko_pillton) 2013年5月22日
おまけ
記事中頃に示した①②③の例。「なんだ、これは?ワクチンの推進とは関係ない話じゃない?」と思うのが偏見なのだろうか?窒息するHPVワクチンとピルfinedayspill.blogspot.jp/2013/05/hpv.ht…
— ピルとのつきあい方(公式)さん (@ruriko_pillton) 2013年5月22日
2013年5月14日火曜日
「生理休暇」問題とピル
この生物学的特性のために、女性が社会的に不利益を被ることかあってはなりません。
女性の生物学的特性が女性の不利益となる社会的仕組みを変えていくこと。
この課題の中に、「生理休暇」問題も含まれますが、
関心は妊娠・出産問題より低いのが現実でしょう。
しかし、本質的には同じ問題です。
この問題は社会的問題なので、社会的に解決するのが基本です。
妊娠出産による不利益は、女性が働かなくてよい社会にすればよいという考えは、
あきらかに間違いです。
なぜなら、それにより働く女性に対する社会的差別が解消したことにならないからです。
社会的に解決すべき事柄を社会的に解決せず、
女性の身体を通して解決しようとするイデオロギーに警戒する必要があります。
「女性手帳」の発想にそのようなイデオロギーが見え隠れするようにも感じます。
ピルは生理に関するトラブルを軽減する可能性のある薬ですが、
生理があるという生物学的特性による不利益をピルで解決するというのは間違いです。
それはまさに社会的問題を女性の身体を通して解決する典型だからです。
中山いづみ氏の田口亜紗著『生理休暇の誕生』書評。oohara.mt.tama.hosei.ac.jp/oz/545/545-06.…原著、書評とも評価できる仕事。
— ピルとのつきあい方(公式)さん (@ruriko_pillton) 2013年5月14日
非正規労働化が進行する中での生理休暇の問題や生理休暇が生理日を対象としていてPMSを含まない問題、さらには生理休暇制度そのものが不要という説など、考えるべき問題は多い。
— ピルとのつきあい方(公式)さん (@ruriko_pillton) 2013年5月14日
生理休暇の不正取得があるから生理休暇をなくせと言う議論は、生活保護の不正受給があるから生活保護を削減せよという議論と同じで、受け入れられない。
— ピルとのつきあい方(公式)さん (@ruriko_pillton) 2013年5月14日
生理休暇問題は微妙な点があり、議論が深まっているとは言えない状況だと思う。この問題は女性の社会的生き方にも関係するかなり本質的問題だと思うので、多角的な視点からの議論が必要だろう。
— ピルとのつきあい方(公式)さん (@ruriko_pillton) 2013年5月14日
ピルは生理に関するトラブルを解消したり軽減することがあるが、誰でも同じように効果があるわけではなく、生理休暇問題の議論とピルの利用は切り離して考えるべき問題だ。
— ピルとのつきあい方(公式)さん (@ruriko_pillton) 2013年5月14日
ピルの副効果を強調する言説が流行する中で、ピルで生理痛問題は解決するとか生理痛は病気と考えるべきでしっかり受診して病欠扱いにすべきとか、勇み足的な言説も目立つようになっている。
— ピルとのつきあい方(公式)さん (@ruriko_pillton) 2013年5月14日
ピル界隈にはピルの奥深さに目が届かずに、ピルを都合よく弄ぶ言説が多いように感じる。ピルはその周辺にも目配りが必要な薬なのだ。だから、「ピルとその周辺」を語ることが必要と思う。
— ピルとのつきあい方(公式)さん (@ruriko_pillton) 2013年5月14日
ピルがもたらすさらなる「女性の身体の医療化」の問題に無自覚だと、ピルは女性を幸せにできないかもしれない。
— ピルとのつきあい方(公式)さん (@ruriko_pillton) 2013年5月14日
ピルは関わり方次第で、身体の自分性を取り戻す道具ともなるし、身体の自分性を喪失する道具ともなる。ピルとのつきあい方は、自分の中では重たいテーマなのだが。このテーマ自体が気づかれていないのではと思うことが多い。
— ピルとのつきあい方(公式)さん (@ruriko_pillton) 2013年5月14日
2013年5月11日土曜日
アンケート:「女性手帳」に賛成?反対?
「女性手帳」は政府で内容を決め公費で配布されるものを指すこととします。
性別・年齢等を選択していただけると、クロス集計できるようになっていますので、 ご協力願います。
【関連アンケート】
アンケート:「女性手帳」に賛成?反対?
アンケート:緊急避妊薬(アフターピル)服用までの時間は?
アンケート:ピル(中・低用量)で生理日が調整できるって常識?
アンケート:あなたのピル(OC)の服用目的は何ですか?
アンケート:ピルの服用をパートナーに知らせていますか?
アンケート:ピル1シートの代金はいくら? →中間集計②
アンケート:今、飲んでいるピルの種類は何?→中間集計①
「女性手帳」についてのツイートまとめ
TWお休み中に女性手帳問題で盛り上がったようです。乗り遅れたので、一般論的雑感。政治は原因に対して対策を立てるもの。少子化は結婚率の低下が8割の要因。結婚率低下対策に集中するのが正解。1
— ピルとのつきあい方(公式)さん (@ruriko_pillton) 2013年5月9日
結婚率低下は男性・女性どちらかの問題ではない。女性対策と考えるのは的外れだろう。2
— ピルとのつきあい方(公式)さん (@ruriko_pillton) 2013年5月9日
結婚率低下の原因は複雑。ただ雇用問題が最大の原因であることは明らか。安定的な雇用と安心できる社会保障制度が最大の対策となる。3
— ピルとのつきあい方(公式)さん (@ruriko_pillton) 2013年5月9日
制度や社会を変えることで意識が変わると考えるのが、政治というものだ。制度や社会を変えないで意識を変えようとするのは、近代政治ではない。4
— ピルとのつきあい方(公式)さん (@ruriko_pillton) 2013年5月9日
意識を変えることが政治だとする儒教主義の2000年の歴史は、今なお続いている。制度や社会を変えることなく意識を変えようとするから「啓発」が政治だと思ってしまう。「啓発」は近代政治ではない。5
— ピルとのつきあい方(公式)さん (@ruriko_pillton) 2013年5月9日
ピルについて私はTWやブログでなんと書いてきたか?必要なのは啓発ではなく、選択できる条件の整備(価格問題を含めて敷居の低さの実現、選択の参考になる情報の提供、など)と繰り返してきた。6
— ピルとのつきあい方(公式)さん (@ruriko_pillton) 2013年5月9日
何事にせよ主体的選択ができる環境の整備が重要。そうすれば、社会は自ずと落ち着くところに落ち着くものなのだ。「啓発」は主体的選択とはなじまない考えだと思う。7
— ピルとのつきあい方(公式)さん (@ruriko_pillton) 2013年5月9日
社員の遅刻が多くて困った町工場の社長。A社長は「社員手帳」を作ろうと考え、B社長は無遅刻報奨金制度を作り、C社長は工場の近くに社宅を作った。「社員手帳」や「女性手帳」は、日本では自慢になっても海外ではバカにされるレベルの話。
— ピルとのつきあい方(公式)さん (@ruriko_pillton) 2013年5月9日
女性医療の改善に対する政策効果(5/10ツイート分)
国策「女性手帳」が話題になっているので書きたくないが、本当は女性手帳のようなものがあってもよいと思う。性教育としての女性手帳のようなものなら、むしろほしい気がする。ただ、いくつか条件がある。1
— ピルとのつきあい方(公式)さん (@ruriko_pillton) 2013年5月10日
第1の条件は、少子化対策であってはならない。昨日もTWしたように、少子化対策で政府がなすべきことは、安定した生活基盤の整備であって、「啓発」ではない。2
— ピルとのつきあい方(公式)さん (@ruriko_pillton) 2013年5月10日
第2の条件は、国策であってはならない。性の問題は価値観の問題と関係しており、公権力が一定の価値観を強制するものであってはならない。3
— ピルとのつきあい方(公式)さん (@ruriko_pillton) 2013年5月10日
第2の条件に関係して、欧米で民間団体が果たした役割についてひと言付言。避妊運動は一つの例外もなく、民間団体主導だった。民間団体の避妊運動から、リプロヘルスライツ支援施設ができた。産婦人科医の敷居の低さはその歴史と関係している。4
— ピルとのつきあい方(公式)さん (@ruriko_pillton) 2013年5月10日
一方、日本の避妊運動も民間団体から生まれたが国策団体に性格を変え、やがて業界団体的な色彩も付加された。この歴史の違いを引きずっている点も乗り越えるべき課題だ。「女性健康支援センター」などを「L・センター」として整備する案があるが、若者の性の相談施設の方が意味がある。5
— ピルとのつきあい方(公式)さん (@ruriko_pillton) 2013年5月10日
第3の条件は、メインは性教育とし、その補完的意味合いを女性手帳に持たせることだ。性教育をないがしろにして、女性手帳はあり得ない。6
— ピルとのつきあい方(公式)さん (@ruriko_pillton) 2013年5月10日
第4の条件は、徹底的に科学的知見に依拠し、誘導的歪曲が排除されるべきことだ。高齢出産のリスクなど最近知られたことではない。日本の性に関する情報は、思惑で歪められたり隠されたりする傾向がある。7
— ピルとのつきあい方(公式)さん (@ruriko_pillton) 2013年5月10日
第5の条件は、性に関する情報提供がリプロヘルスライツの改善とセットでなされることだ。たとえば、緊急避妊への遠ざけ政策を放置しておきながら、緊急避妊の知識を教えるのは正義ではない。8
— ピルとのつきあい方(公式)さん (@ruriko_pillton) 2013年5月10日
※緊急避妊の遠ざけ政策については「もうひとつのノルレボ物語(1)」~(12)参照
第6の条件は、リプロヘルスライツの主体としての女性の位置づけがなされるべきで、その中には性的マイノリティの権利や非婚という価値観の許容に配慮した内容でなくてはならない。9
— ピルとのつきあい方(公式)さん (@ruriko_pillton) 2013年5月10日
以上の条件を満たす女性手帳のようなものは、国定であってはならず、好ましくは個人の著作であるべきだ。1種類である必要はなく、多種類である方がむしろ自然だろう。10
— ピルとのつきあい方(公式)さん (@ruriko_pillton) 2013年5月10日
@nakamukae twitter.com/ruriko_pillton…
— ピルとのつきあい方(公式)さん (@ruriko_pillton) 2013年5月10日
ブログやTWで書いてきたことだが、フランスなどのようにピルの値段を300円とかにすれば、20才までにほとんどの女性が産婦人科となじみになる。このようなシステムは女性手帳などより、ずっとすばらしいと思うのだが。11
— ピルとのつきあい方(公式)さん (@ruriko_pillton) 2013年5月10日
世論誘導と利益誘導
政治はしたたかです。
おそらく、反対を弱める方策と支持を広める方策を同時に打ち出してくるでしょう。
私が行政担当者なら、根拠法を母子保健法とするのではなく、
健康増進法とします。
そして、「健康手帳(男性版)」「健康手帳(女性版)」を作ることにします。
これで反対の風当たりはぐっと弱まるでしょう。
「健康手帳」の編集を関係学会に委託すれば、
医療界が「健康手帳」の推進に取り組むようになるでしょう。
「健康手帳」の配布は、健康増進法第十九条の二(市町村による健康増進事業の実施)に位置づけます。
このようにして一旦「健康手帳」を導入してしまえば、
行政ペースで物事が運ぶようになります。
ピル認可の際に厚労省は関係学会名でガイドラインを作成させました。
ガイドラインの内容は「服用者向け情報提供資料」として、
製薬会社に作らせることとしました。
その内容はわざわざ妊娠しやすくする服用法を奨めるなどトンデモです。
しかし、一旦それができてしまうと教典化し、
異議を唱えると異端視されてしまいます(参照)。
政治は恐ろしい世界です。
役人の世論誘導術と利益誘導術が健在な間は、
この国は本当に良い国にはならないと思います。
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啓発政治の非実効性(5/11ツイート分)
以下5/11ツイート分。屋上屋の観もあるが。
自分の「女性手帳」関連ツイートをまとめた。自分は中迎聡氏的なある意味常識論的賛成論を意識してツイートした。中迎氏は「ないよりある方がましで反対するのはおかしい」と言いたげだ。一般ウケする言い方だ。1
— ピルとのつきあい方(公式)さん (@ruriko_pillton) 2013年5月11日
中迎氏が反対するなら対案を示せと述べている点も当を得ている。もっとも少子化対策としての「女性手帳」が無効であることは指摘されていて、雇用問題など生活基盤の不安定さの解消が重要との対案は示されている。中迎氏はこの点を無視する。2
— ピルとのつきあい方(公式)さん (@ruriko_pillton) 2013年5月11日
そして「女性手帳」は女性の健康の役に立つと強調し、対案を示せと言う。「女性手帳」が一定の支持を得ているのも、まさにこの点にかかっている。3
— ピルとのつきあい方(公式)さん (@ruriko_pillton) 2013年5月11日
日本のリプロヘルスの現状が改善を必要する状況にあることは間違いない。そのことを逆手にとって、「女性手帳」を導入すれば解決するかのような幻想をまき散らしているのだ。4
— ピルとのつきあい方(公式)さん (@ruriko_pillton) 2013年5月11日
たとえば、子宮頸がん検診受診率は先進国で軒並み80%程度なのに、日本は25%程度だ。これは「女性手帳」を導入して「啓発」しても改善する問題ではない。5
— ピルとのつきあい方(公式)さん (@ruriko_pillton) 2013年5月11日
先進国で産婦人科がホームドクター的存在になったのは、避妊に関わったからだ。避妊は誰でも不可避だ。その避妊に真剣に向き合ったから、女性のホームドクターになったのだ。6
— ピルとのつきあい方(公式)さん (@ruriko_pillton) 2013年5月11日
ピルの値段をフランスなどのように300円(保険なしで)にして、産婦人科医療の入り口にすれば、誰もが産婦人科をホームドクターにするようになるのだ。ヨーロッパ諸国でできることが日本でできないわけはない。7
— ピルとのつきあい方(公式)さん (@ruriko_pillton) 2013年5月11日
女性医療の改善についても、実効性が疑わしい「女性手帳」導入などと言う「骨細そ」の政策を考えるのではなく、女性医療の抜本的改革を考えるのが骨太の政策というものだろう。8
— ピルとのつきあい方(公式)さん (@ruriko_pillton) 2013年5月11日
twという媒体の特性かもしれないが、あるいは単なる私の受けた印象かもしれないが、「女性手帳」はキモいから反対というTWが多い気がする。それも理解できるが、それだけでは政治過程の中でかき消されてしまうのではなかろうか。finedayspill.blogspot.jp/2013/05/blog-p…
— ピルとのつきあい方(公式)さん (@ruriko_pillton) 2013年5月11日
本日ツイートを含めて、「女性手帳」関連ツイートをブログにまとめた。finedayspill.blogspot.jp/2013/05/blog-p…
— ピルとのつきあい方(公式)さん (@ruriko_pillton) 2013年5月11日