ワクチン推進がかえってワクチンを窒息させる、との趣旨でした。
それから1ヶ月後、6月14日に開かれた厚生労働省のワクチンの安全性を検討する専門家会議は、子宮頸がんワクチンについて接種呼びかけを中止する決定を行いました。
「子宮頸がんワクチン 接種呼びかけ中止へ」2013年(平成25年)6月19日 NHK News Web
まさに、子宮頸がんワクチンは窒息状態に追い込まれたのです。
この一ヶ月の間、何も新しい事実が明らかになったわけではありません。
呼びかけ中止を決定した6月会議について、以下のように報道されています。
接種したあと体中の痛みを訴えるケースが33例あり、このうち8例は回復していないことが報告され、専門家会議は「接種との因果関係も否定できない」と判断しました。 |
このような事実は5月会議時点で分かっていたことです。
何が専門家会議の結論を逆転させたのでしょうか。
私は前のブログで、推進派の言動が信頼を失っていると書きました。
そのことに気づかず突っ走れば、いよいよ傷口が広がるとの思いでした。
私の発言について、堀成美氏が耳を傾けて下さいました。堀氏の見識には敬意を表したいと思います。
しかし、堀氏は例外で、多くの専門家は問題がどこにあるのかさえ、理解できなかったのではないかと考えます。
日本の国民は世界一知的レベルの高い国民です。
あのようなぐうたら会議を見せつけられては、
接種率が急低下するのは自明のことでした。
専門家会議の結論ではなく専門家会議の審議経過に国民がNOを突きつけた結果が、
6月会議の結論ではなかったかと思います。
このことについて、もう少し詳しく書きましょう。
私は、「この委員会のもとで、ワクチン接種が継続されることに同意できなかったのです」と書きました。
専門家会議のメンバーは、ワクチン接種により一定比率で複合性局所疼痛症候群(CRPS)などの副反応が生じる事は当然知っています。
会議には「子宮頸がん予防ワクチン接種後の疼痛関連症例等について」の資料も提出されています。
この資料には海外での報告も付されています。
海外の事例は、複合性局所疼痛症候群(CRPS)として理解できる範囲です。
海外と較べて日本の副反応頻度が高いか低いかは、
副反応報告のシステムが異なるので即座には判断できません。
もし仮に日本が副反応報告システムの整備された国だったとしても(実際は違いますが)、
日本の頻度は高すぎるのではないかとの疑問は拭えません。
また、海外で報告されていないタイプの有害事象が生じている可能性も否定できません。
これらの点について解明するには時間がかかります。
子宮頸がんワクチンは緊急性の低いワクチンであり、
疑問点が解明されるまで中止してもよいのではないかと考えました。
ワクチン接種女性の安全を守るつもりなら、
当然議論されるべき事だし説明されるべき事です。
それがなされていないことに、怒りを覚えたのです。
@sagechin_MR 科学は経験知です。経験知を合理的理由なしに疑うのはトンデモですね。ただ経験知と矛盾する現象について、経験知を疑うのも科学です。経験知と矛盾する現象を無視しようとするのも一種のトンデモかと。そういうことも書きたかったんです。
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) June 18, 2013
前の記事では、「子宮頸がん征圧をめざす専門家会議」による情報提供のあり方に対して問題を提起しました。
同サイトだけでなく、メーカーがらみのいわゆる公的サイトには、
副反応(副作用)についての情報が恐ろしくなるほど欠落しています。
このような広報の仕方では女性の信頼は得られません。
かえって、ワクチンは窒息してしまうのです。
日本の国民は賢いのです。
よい情報、悪い情報、包み隠さず情報を出していけば、
賢い選択をします。
この点を、考えてほしいと願っています。
同じ事がピルについてはもっと言えます。
「ピルとのつきあい方」は、ピルを頭で飲もうと提唱してきました。
当サイトについては毀誉褒貶があるようですが、
当サイトがなければ日本のピルはとっくに窒息していたかもしれません。
製薬メーカーの情報で、あるいはそのステマライクな情報で、
ピルが普及するはずがないことに気づいてほしいものです。
子宮頸がんワクチンは、接種者の判断に委ねられることになりました。
当然接種率は惨憺たる状態になるでしょう。
しかし、私はそれを嘆きません。
子宮頸がんワクチンは明らかに有効です。
もし日本のワクチン接種に副反応頻度を高めている要因があるなら、
それを解明し改善していけばいいのです。
それでも副反応をゼロにすることは出来ません。
副反応について、反ワクチン派よりももっと徹底的に情報を開示すべきなのです。
隠し事のない自由な言説により、正しい判断が導かれます。
それは「啓発」によって導かれた行動よりも価値ある行動です。
その第一歩が踏み出されたと思っています。
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