効き目が強く出たり弱まったりすることがあります。
FSRH.,Drug Interaction with Hormonal Contraception,2012年版の記述を紹介します。
本来、一個人がこのような情報の紹介を行うことは、好ましいことではありません。
しかし、不思議なことに日本ではピルの安全な服用など眼中にないのではないか、
と疑いたくなる状況があります。
たとえば、テオロングという薬はテオフィリン製剤です。このテオロングの添付文書を見ると、ご丁寧にタバコまで相互作用薬に挙げられていますが、ピルは無視されています。
一方、日本産科婦人科学会編「低用量経口避妊薬の使用に関するガイドライン」にも、
経口避妊薬の添付文書にも、テオフィリン製剤の相互作用は全く記述されていません。
お寒い状況を放置し、誰も動こうとはしないのです。
日本のピルは「気にするな」が、まかり通っています。
見るに見かねて、簡単に紹介することにしました。
薬効減弱のおそれ、または臨床的影響
分類 | 薬品等 | 備考 |
抗てんかん剤 | ラモトリギン(lamotrigine)の作用を減弱する。 | . |
血圧降下剤 | ピルと拮抗作用があるかもしれない。 |
. |
抗糖尿病薬 | ピルとの拮抗作用がある。 | . |
利尿剤 | 利尿効果と拮抗する。 | . |
甲状腺ホルモン | エストロゲンは甲状腺機能低下症の患者の甲状腺ホルモン要求量を増加させるかもしれない。 | . |
薬効増強のおそれ、または副作用
分類 | 薬品等 | 備考 |
抗真菌薬 | ボリコナゾールの作用を増強。 | . |
抗不安剤、 催眠薬 |
メラトニン濃度が上昇。 |
. |
気管支拡張薬 | エストロゲンはテオフィリン排泄を減少させ、結果的に濃度が上昇する。テオフィリン用量の減少を推奨。 | . |
ドーパミン作動薬 | ロピニロール濃度が上昇。BNFは危険性なしと判定。 免疫抑制剤 タクロリムスの濃度が上昇のおそれ。シクロスポリンの濃度が上昇のおそれ。 |
. |
免疫抑制剤 | タクロリムスの濃度が上昇のおそれ。シクロスポリンの濃度が上昇のおそれ。 筋弛緩剤 チザニジンの濃度が上昇し毒性化のおそれ。 |
. |
筋弛緩剤 | チザニジンの濃度が上昇し毒性化のおそれ。 | . |
カリウム保持性利尿剤、アルドステロン拮抗薬 | ドロスピレノン(ヤーズ)で高カリウム血症の理論上のリスク。ただし、ドロスピレノン(ヤーズ)は高血圧女性に通常使用されない。 | . |
レチノイド | イソトレチノイン(ニキビ治療薬、未承認) |
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トリプタン製剤 (片頭痛治療薬) |
フロバトリプタン、ナラトリプタン、ゾルミトリプタンで軽度の濃度上昇、スマトリプタンで軽度の濃度上昇。 |
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