2013年1月24日木曜日

1.避妊技術が生まれる歴史的必然性

人間は自然界に生息するヒトという生物です。
ヒトという生物の個体数(人口)は、食料によって規定されてきました。
1反の田があると1石の米が穫れ1人の人口が養われるという関係です。
土地が一定であれば、土地が養う事のできる人口も原則的に一定となります。
ヒトも他の生物同様に過剰増殖(出産)の潜在的リスクを持っていました。
しかし、人類の長い歴史の中で、過剰増殖が問題になるのは比較的新しい時代の事のように思えます。
それにはいくつかの理由が関係していたでしょう。
一つには自然淘汰力が大きく作用していたからです。
たとえば、疾病はヒトの増殖を強力に抑制していました。
特に乳幼児の死亡率は考えられないほど高いものだったでしょう。
二つ目に、耕地の拡大や食料生産技術の向上は、
人口増加圧力を吸収していました。
しかし、自然淘汰力をコントロールする技術(医学など)が進歩し、
耕地の開発が限界に達すると、
過剰増殖という問題に直面する事になりました。
この問題に対する最初の対策が間引きでした。
間引きという暴力的な対応。
この暴力的な対応をいかに克服するかは、
人類的な課題となったのです。
日本で過剰人口が問題となるのは、18世紀頃の事です。
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