2013年1月24日木曜日

2.嬰児殺しと間引き

東北のこけし人形は「子消し」に由来するといわれます。
こけし人形が「子消し」に由来するとする説も相まって、
東北地方は「嬰児殺し/間引き常習地域」と考えられる事があります。
しかし、東北地方と嬰児殺し/間引きを重ねて考えるのは、
根拠が薄いのではないかと考えます。
人口調整としての嬰児殺しは、自然淘汰力の克服によって生じました。
避妊技術が生まれる歴史的必然性参照
自然淘汰力が大きければ嬰児殺しは生じません。
疫病や自然災害は、自然淘汰力の最たるものです。
自然淘汰力により人口が失われると、
過剰人口どころか過少人口になります。
自然災害(飢饉)によるダメージの大きかった東北地方で、
他の地方よりも過剰人口が生じていたとは考えにくいのではないでしょうか。
このように考える時、嬰児殺しと間引きは別物と考える方が合理的です。
江戸時代の人口構成は、全国的に男10に対して女8でした。
これは嬰児殺しが全国的に常習化していたことを示しています。
嬰児殺しは東北地方に限ったことではなかったと考えられます。
東北地方でも嬰児殺しはあったでしょうが、
東北地方の特殊性は幼児殺しだったかもしれません。
餓死者が出る飢饉の中で、
幼児が犠牲となりその悲しみを癒すために「こけし人形」が作られたのかもしれません。
こけし人形は決まって女の子です。
嬰児殺し、間引きの犠牲者は女の子でした。

0 件のコメント: