北陸の真宗地域では間引きの風習がなかったと言われます。
この点については更に検討が必要でしょう。
なぜなら、間引きは過剰人口という社会的矛盾の解決策だったからです。
もし、真宗地域で間引きが行われなかったのなら、
過剰人口の問題を抱えていたはずです。
しかし、真宗地域でもやはり人口の停滞は見られます。
真宗地域で間引きの習慣がなかったとすると、
もらい子などのシステムがあったのかもしれません。
間引きの一側面は貧富の格差で育てられない貧困層が生じていたことでしょう。
唐津藩ではビデオの中でも語られますが、
富の再分配システムを作り上げます。
唐津藩の間引き禁止政策が成功したのは、
この富の再分配政策に鍵があると思われます。
富の再分配政策は短期的には間引き防止の効果を発揮するでしょう。
しかし、間引きの根本的原因は、
土地の生産性に見合わない過剰人口の問題です。
したがって、富の再分配により間引きを防止し人口増加を実現できたとしても、
さらに過剰人口を抱えることになります。
唐津藩政策の中に福祉政策の導入という進歩的性格があったことは、
注目されなければなりませんが、
それが根本的解決策でなかったことも指摘しなくてはなりません。
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