「ピルとのつきあい方」が緊急避妊法を紹介し、
緊急避妊ブームとも言える現象が生じたと書きました。
当時、緊急避妊法の具体的な方法を知っている医師は、
100人に1人いるかいないかだったでしょう。
緊急避妊を必要としている女性が病院に駆けつけると、
「緊急避妊?そんなものはやってない」
と追い返されるケースが続出しました。
何とか対応してくれる病院探しが大変だったのです。
このようなニーズに応えて、
緊急避妊可能な病院リストがさまざまなサイトで作られました。
このような動きを知ってか知らずにか、
家族計画協会が緊急避妊のできる病院を紹介するサービスを始めました。
このサービスは女性の緊急避妊へのアクセスをサポートする有意義なサービスでした。
このサービスについて、高く評価したいと思います。
当サイトでも、そのサービスを紹介していた時期があります。
しかし、途中で家族計画協会のサービスを紹介するのはやめました。
個々の病院がサイトを開設し、緊急避妊への対応を料金付きで明示するようになったのが大きな理由です。
もう一つ理由があるとすれば、
家族計画協会紹介の病院の料金は決まって高い、
と掲示板でささやかれていたからです。
現在は、充実した病院検索サイトがいくつかあります。
病院検索サイトには地域ごとに診療科ごとに病院が網羅的に掲載されています。
多くの産婦人科で緊急避妊に対応するようになっていますから、
近くの産婦人科に電話で問い合わせればすむようになりました。
このような状況になっているのに、
なぜか家族計画協会は親切な病院紹介サービスに力を入れています。
日本家族計画協会クリニックは、同協会付属の病院です。
同病院サイトの目玉に、
Dr.北村が推奨する緊急避妊薬を処方している施設検索
http://www.jfpa-clinic.org/search/ec-search.php
があります。
この施設検索は必ずしも網羅的ではありません。
たとえば、帯広市の女性が検索すると直近の病院まで110キロ以上あります。
まだ、充実途上なのだとも考えられます。
しかし、ある疑念を抱かざるを得ないのです。
というのは、家族計画協会は今は一般社団法人ですが、
公益性のある団体と多くの人が思っています。
そのような団体のサイトが「Dr.北村が推奨する」とうたうのはいかがなものでしょうか。
緊急避妊薬を処方している病院の内から、
選別して推奨するとうたっているわけですから。
市町村のサイトには当番医が網羅的に示されています。
その市町村のサイトに「推奨当番医」として一部の病院だけ掲載することはあり得るでしょうか。
だから、奇妙なサービスに見えるのです。
もちろん、奇妙なサービスでもないよりあった方がましなサービスもあります。
しかし、おそらくそのような理由で緊急避妊薬を処方している施設検索サービスを提供しているのではないでしょう。
以下はあすか製薬の会見内容を報じる記事です。
「納入施設の限定はしないものの、関係学会と話しあいながら、
むやみな処方がされないようにしたい考え。
処方医療機関の情報提供については今後学会と詰めるという」
と書かれています。
つまり、「適正使用」に協力する病院にだけしかノルレボは納入しない、
ノルレボ取扱病院については何らかの方法で情報提供すると書かれているのです。
これを受けて、「Dr.北村が推奨する緊急避妊薬を処方している施設検索」が
作動しているのです。
医薬品は必要な人に分け隔てなく供給されるべきものです。
国の方針に従わない病院には供給しない、
などが許されてよいわけがありません。
緊急避妊からの「遠ざけ」政策は、
緊急避妊を必要とする女性から緊急避妊薬を取り上げる
非人道的な政策といわねばなりません。
もう一つのノルレボ物語(8)に続きます。
2000年に起きた異変
緊急避妊フィーバー
「適正使用」路線の第一歩
ソフィア狩り
プラノバール潰し
ノルレボ高価格の舞台裏
奇妙な親切
乱用幻想のプロパガンダ
良心的医師の悲鳴
親鸞は弟子一人ももたず
隠された情報
「適正使用」の代償
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